「完訳 天球回転論 : ニコラウス・コペルニクス」
内容紹介:
〈もしコペルニクスの科学上の「転回」を「革命」と言ってよいとすれば、その革命は静かに始まったのである。革命の喧騒とは無縁に、そして人々の気づかないままに、そしてさらに重要なことに、当人もその帰趨を自覚しないままに、それは始まったのである〉
(「まえがき」より)
1543年、ニコラウス・コペルニクスが地球中心説(天動説)から太陽中心説(地動説)へと理論を革新させた、科学史第一級の古典全6巻をここに完訳。さらにコペルニクスが太陽中心説の構想を初めて著した未刊の論考『コメンタリオルス』、ヨハン・ヴェルナーの著作を批判した書簡を収録し、コペルニクス天文学のすべてを凝集する。
コペルニクスの生きたルネサンス期、天文学は依然としてアリストテレス的な自然哲学に支配されていた。『天球回転論』の出版は、折しも古代の天文学者にして天動説の泰斗・プトレマイオスの理論が復興された時代においてであった。
コペルニクスはいかにして、そしてなぜ地動説へと辿りついたのか? 全篇に付した精緻な訳注、天文学史を古代から〈コペルニクス以後〉まで詳細に綴った訳者解説「コペルニクスと革命」によって明かされる、革命の全貌。
2017年10月19日刊行、728ページ。
著者について:
ニコラウス・コペルニクス: ウィキペディアの記事
ニコラウス・コペルニクス(1473年2月19日 - 1543年5月24日)は、ポーランド出身の天文学者、カトリック司祭である。当時主流だった地球中心説(天動説)を覆す太陽中心説(地動説)を唱えた。これは天文学史上最も重要な発見とされる。(ただし、太陽中心説をはじめて唱えたのは紀元前三世紀のサモスのアリスタルコスである)。また経済学においても、貨幣の額面価値と実質価値の間に乖離が生じた場合、実質価値の低い貨幣のほうが流通し、価値の高い方の貨幣は退蔵され流通しなくなる (「悪貨は良貨を駆逐する」) ことに最初に気づいた人物の一人としても知られる。コペルニクスはまた、教会では司教座聖堂参事会員(カノン)であり、知事、長官、法学者、占星術師であり、医者でもあった。暫定的に領主司祭を務めたこともある。
訳者について:
高橋憲一
1946年生まれ。1970年早稲田大学理工学部電気工学科卒業。1979年東京大学大学院理学研究科退学(科学史・科学基礎論専攻)。1990年理学博士(東京大学)。九州大学大学院比較社会文化研究院教授を務め、九州大学名誉教授。2010年に定年退官。2006年『ガリレオの迷宮』で毎日出版文化賞受賞。
高橋先生の著書、訳書: Amazonで検索
理数系書籍のレビュー記事は本書で388冊目。
太陽の周りを地球が公転しているという地動説を提唱したこの本の原書が刊行されたのは1543年のこと。著者のコペルニクスにはその死の当日に印刷されたばかりの本が届けられた。しかし彼はその数日前から危篤状態にあり、著作の完成を確認していない。
6年前に読んで紹介した「天体の回転について:コペルニクス著、矢島祐利訳」は、全6巻からなる厖大な著作のうち、もっとも重要な第1巻だけを日本語訳したものだ。
その後、高橋憲一先生が1993年に第1巻を「コペルニクス・天球回転論」として翻訳され、ついに全6巻の翻訳を2017年に完了させた。以下の章立てからおわかりのように第 II 部 コメンタリオルス、第 III 部 ヴェルナー論駁書簡、第 IV 部 解説・コペルニクスと革命を含めた第一級の科学史資料、コペルニクス研究の集大成である。
まえがき
旧版へのまえがき
第 I 部 天球回転論
『天球回転論』解題
読者へ この著述の諸仮説について
カプアの枢機卿ニコラウス・シェーンベルク〔の書簡〕
最も聖なる主・教皇パウルス3世宛て回転論諸巻へのニコラウス・コペルニクスの序文
ニコラウス・コペルニクスの『天球回転論』6巻各章の目次
第 I 巻
第 II 巻
第 III 巻
第 IV 巻
第 V 巻
第 VI 巻
訳注
付録 1 種々の暦・暦元等について
付録 2 ニコラウス・コペルニクスの読者宛ての戒告および訂正
第 II 部 コメンタリオルス
『コメンタリオルス』解題
ニコラウス・コペルニクスの小論(コメンタリオルス)
訳注
第 III 部 ヴェルナー論駁書簡
「ヴェルナー論駁書簡」解題
ヴェルナー論駁書簡
訳注
第 IV 部 解説・コペルニクスと革命
1 はじめに
2 コペルニクス以前の天文学 1
――ギリシャとローマの世界――
3 コペルニクス以前の天文学 2
――イスラームとヨーロッパの世界――v 4 コペルニクスの生涯と著作
5 コペルニクスの天文学
――地球中心説から太陽中心説へ――
6 コペルニクス説の受容と変容の過程
値段が高いこと、本文は素人が読めるレベルのものではないことから、なかなか購入に踏み切れなかった。しかし、昨年この原書の実物を見る機会が2度もあったこと、そして直近に読んだ「科学者はなぜ神を信じるのか コペルニクスからホーキングまで : 三田一郎」が後押しをしたのだろう。気が付くと手元に本書が届いていたというわけである。
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477ページに渡って訳出された第1巻から第6巻の本文はとても難しいから斜め読みである。精読したのは「まえがき」と「旧版へのまえがき」、そして以下の記述である。135ページに渡って書かれた第 IV 部の解説がいちばん読みたかった部分だ。
『天球回転論』解題
読者へ この著述の諸仮説について
カプアの枢機卿ニコラウス・シェーンベルク〔の書簡〕
最も聖なる主・教皇パウルス3世宛て回転論諸巻へのニコラウス・コペルニクスの序文
ニコラウス・コペルニクスの『天球回転論』6巻各章の目次
第 IV 部 解説・コペルニクスと革命
キリスト教の圧倒的な支配のもと、常識として千年もの間定着していた天動説に反証するために、どれだけ多くの時間が天体観測と著述に費やされたことだろう。天文学の目的は暦の編纂の元となる天文表を作成することであり、天動説の集大成、プトレマイオス著「アルマゲスト」で目的は果たされていた。
コペルニクスが目視で行なった観測精度は角度の4分といわれ、特に入念に観測したものは1分の精度と言われている。コペルニクス以前の観測精度は約10分であるから2倍以上の精度を獲得したことになる。(ちなみにケプラーの偉業の元データとして使われたティコ・ブラーエの観測精度は2分であったという。:参考ページ)
数十個の円を組み合わせたプトレマイオスの周転円理論は、非常に精緻なもので、コペルニクスが観測した精度をもってしてもなかなか反証できるものではない。天体の運動は幾何学的な相対運動であり、地球を中心に置こうが太陽を中心に置こうが説明がついてしまうからだ。(参考:「天動説と地動説 Java実験室」)
第 IV 部「解説・コペルニクスと革命」が本書の読みどころである。コペルニクス以前の天動説を解説した天文書、コペルニクスの説の変遷、コペルニクス以後の天文書、地動説がどのように浸透していったのかを知ることができる。
地動説を提唱したのはコペルニクスが最初ではない。古くはピュタゴラス学派が地動説を提唱していたし、特に傑出していたのは、紀元前3世紀のイオニア時代の最後のアリスタルコスである。彼は、地球は自転しており、太陽が中心にあり、5つの惑星がその周りを公転するという説を唱えた。彼の説が優れているのは、太陽を中心に据え、惑星の配置をはっきりと完全に示したことである。これは単なる「太陽中心説」という思いつきを越えたものである。そしてこれにより、惑星の逆行を完璧に説明できるのである。これはほとんど「科学」と呼ぶ水準に達している。紀元前280年にこの説が唱えられて以来、コペルニクスが登場するまで、1800年もの間、人類はアリスタルコスの水準に達することはなかった。(ウィキペディアからの引用)
圧倒的に優勢だった天動説は「アルマゲスト」以後コペルニクスの時代まで、そのバリエーション的な書物もいくつか刊行され、地動説を説いたコペルニクスの「天球回転論」は異説を唱えた1つであった。コペルニクス以後も地動説はすぐ広まったわけではなく、地動説の良いところを取り出して再構成する天動説の本も刊行されている。
発想の180度転換という意味で使われる「コペルニクス的転回」という表現があるが、彼はひらめきのようにして地動説を思いついたわけではない。当初は天動説を支持していた彼が地動説を信じるに至るには、天動説の矛盾を見つけていく過程、綿密な天体観測と計算による裏付けが必要だった。本書はその思考過程をすべて網羅している。
コペルニクスの時代には、天体間に働く万有引力が発見されていなかったから、天体が運動するための力学の概念がない。コペルニクス自身も惑星はそれぞれ別の「天球」の球面ℬに貼りついていて、天球が回転することで惑星が回転(公転)するのだと考えていた。そして彼にとっての天球は「エーテル」と呼ばれる物理的実体をもった何かであった。したがって本書のタイトルは「天球回転論」となる。
天動説の矛盾に気が付いたのは、彼が金星と太陽の動きに注目したことだ。天動説を地球の周りを回転する金星の天球と太陽の天球が交差してしまうことになる。実体のある天球が重なり合い、それぞれが違う速さで回転することはあり得ない。太陽を宇宙の中心に置くことで、この矛盾は解消することができる。このようにして誕生した地動説に基づく宇宙体系を、彼は観測結果をもとにしながら再構成し6巻の本にまとめ上げた。
しかし、コペルニクス死後に出版された地動説は浸透していくのに長い年月が必要だった。天動説を支持する立場で考えると、地球にいちばん近い距離にある月が、太陽の周りを公転する地球から取り残されずについて来れることの説明がつかないからだ。万有引力が理解されていない時代だから、そのように考えられてしまうのは無理もない。天動説は理論として完成していたし、直観にも合っていた。そもそも地球のように巨大な天体が動くはずがないのである。
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コペルニクスが生前にこの本を出版していたとしたら、ガリレイと同じく異端審問にかけられていたことは間違いない。キリスト教のカトリック司祭でありながら、教義に真っ向から対立する説を書き残した彼の心境がどのようなものだったろうか。世界でこのことを知っているのは自分ただ一人だけなのだから。仮説としながらも、コペルニクスが地動説に確信を抱いていたことは本書冒頭の「最も聖なる主・教皇パウルス3世宛て回転論諸巻へのニコラウス・コペルニクスの序文」に生き生きと語られている。
本書の原書は1543年に刊行された。地動説を信じたガリレイが「星界の報告」を書いたのは1610年、ケプラーが「宇宙の神秘」、「新天文学」、「宇宙の調和」を書いたのは順に1596年、1609年、1619年、そしてニュートンが「プリンキピア」の初版を書いたのは1687年のことである。
翻訳の元になったオリジナルの原書は昨年9月の「[世界を変えた書物]展(上野の森美術館)」と12月に開催された「印刷博物館、企画展「天文学と印刷」(凸版印刷株式会社)」で実物を見ることができた。
コペルニクスの『天球回転論』とプトレマイオスの『アルマゲスト』は、オンラインで閲覧できる。どのような著作なのかぜひご覧になっていただきたい。
拡大: コペルニクス『天球の回転について(1543年初版)』
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閲覧 ウィキペディア 解説 日本語版 日本語完訳版
拡大: 『アルマゲスト(1496年初版)』
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閲覧 ウィキペディア 解説 日本語版
手ごろな価格で『天球回転論』をお読みになりたい方にはこの英語版をお勧めする。この本には第1巻から第6巻の内容が含まれている。
「On the Revolutions of Heavenly Spheres: Nicolaus Copernicus」(Kindle版)
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関連記事:
天体の回転について:コペルニクス著、矢島祐利訳
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/3399c1e7e3fc346b2235b70eb3f8c08b
[世界を変えた書物]展(上野の森美術館)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/67cec3d33c33810b91d0f7591bfbc2ee
印刷博物館、企画展「天文学と印刷」(凸版印刷株式会社)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/53a91e385578b10f4a270d0cf798b41b
宇宙の神秘 新装版:ヨハネス・ケプラー
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f6a05c374c0716ad409f1ee2c0cef0f1
新天文学:ヨハネス・ケプラー
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e82e8d8fb7ee8f95a715bdf92301269e
日本語版「プリンキピア」が背負った不幸
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/bff5ce90fca6b8b13d263d0ce6fc134e
Kindle版で復刊: 日本語版プリンキピア(自然哲学の数学的原理):アイザック・ニュートン
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a5ce0252019a5d9b63c20200f019e199
全5巻完結!:ラプラスの天体力学論(日本語版)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a720b0cfb775d00625763f87a56b2414
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「完訳 天球回転論 : ニコラウス・コペルニクス」
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まえがき
旧版へのまえがき
第 I 部 天球回転論
『天球回転論』解題
読者へ この著述の諸仮説について
カプアの枢機卿ニコラウス・シェーンベルク〔の書簡〕
最も聖なる主・教皇パウルス3世宛て回転論諸巻へのニコラウス・コペルニクスの序文
ニコラウス・コペルニクスの『天球回転論』6巻各章の目次
第 I 巻
第1章 宇宙は球形であること
第2章 大地もまた球形であること
第3章 どのようにして大地は水とともに一つの球状をなすのか
第4章 諸天体の運動は均等で円状、永続的であり、ないし複数の円(運動)から合成されていること
第5章 大地に円運動がふさわしいかどうか、および大地の位置について
第6章 地球の大きさに対する天の広大性について
第7章 地球が、いわば中心として、宇宙の真中に静止しているとなぜ古代の人たちは考えたのか
第8章 前述の諸論拠への論駁およびそれらの不十分性
第9章 地球に複数の運動が付与されうるか、および宇宙の中心について
第10章 天球の順序について
第11章 地球の三重運動についての論証
第12章 円内の直線(=弦)の大きさについて
第13章 平面三角形の辺と角について
第14章 球面三角形について
第 II 巻
第1章 諸円とそれらの名称について
第2章 黄道の傾斜、回帰点間の距離、その把握の仕方について
第3章 互いに交わる諸円(つまり)赤道円、黄道円、子午線円の弧と角、およびそこから出てくる赤緯と直立上昇について、加えて、それらの計算について
第4章 獣帯の中央に沿って置かれた円(=黄道)の外にあって、緯度と経度(=黄緯と黄経)が確定している任意の星の傾き(赤緯)と直立上昇(=赤経)は、どのようにして明らかになるか、およびその星は黄経何度で南中するか
第5章 地平線との交点について
第6章 正中時の影の違いはどれほどあるか
第7章 最長の日、日の出の幅、球の傾斜は互いにどのように決定されるか、および日々のその他の差異について
第8章 時間および昼夜の区分について
第9章 黄道部分の傾斜上昇について、および昇ってくる任意の角度に対して、南中するものはどのように与えられるか
第10章 黄道と地平線の交角について
第11章 前出の表の使用法について
第12章 地平線の両極(=天頂と天底)を通り、12宮の同一円(=黄道)に対して生ずる円の角度と円弧について
第13章 星々の出と没について
第14章 星々の位置の探求および恒星表による記述
第 III 巻
第1章 二分二至点の西進(anticipatio, =歳差運動)について
第2章 二分二至点の不均等な歳差を論証する観測誌
第3章 二分点・黄道傾斜・赤道の変化を論証するための諸仮説
第4章 反転運動つまり振動が複数の円(運動)からどのようにして成り立つか
第5章 分点と(黄道)傾斜の西進の非均等性の証明
第6章 分点歳差と黄道傾斜の均等運動について
第7章 分点の均等歳差と見かけ上の歳差の間の最大の差はどれほどあるか
第8章 それら二つの運動の個々の差について、および表によるそれらの説明
第9章 分点歳差に関して説明された事柄の検討と修正について
第10章 赤道と黄道の交点の最大の差はどれほどあるか
第11章 分点の均等運動とアノマリの位置を確定することについて
第12章 春分点の歳差と(黄道)傾斜の計算について
第13章 太陽年の大きさとその差異について
第14章 地球中心の回転(=公転)の均等で平均的な運動について
第15章 視太陽の運動の不均等性を証明するための予備的な諸定理
第16章 視太陽(運動)の不均等性について
第17章 太陽(運動)の第一で年間の不均等性を、その個々の差異とともに証明すること
第18章 経度方向の均等運動の検討について
第19章 太陽の均等運動に対して前もって決定しておくべき年初と位置について(=元期における位置決定)
第20章 長軸線の変動のゆえに太陽に関して生ずる第二の二重の差異にいついて
第21章 太陽(運動)の不均一性の第二の差異はどれほどあるか
第22章 太陽の遠日点の均等運動は、単一の差異と合わせて、どのように説明されるか
第23章 太陽のアノマリ(=遠地点からの離角)の補正について、およびその場所を前もって決定しておくことについて
第24章 均等(運動)と視(運動)の差の表による説明
第25章 太陽の視位置の計算について
第26章 ニュクテーメロンつまり自然日の差異について
第 IV 巻
第1章 古人たちの見解による月の諸円の仮説
第2章 これらの仮定の欠陥について
第3章 月の運動に関するもう一つの見解
第4章 月の諸回転およびその個々の運動について
第5章 新月と満月のときに生ずる月の第一片側性の証明
第6章 月の均等経度運動とアノマリについて説明された事柄の確証
第7章 月の経度とアノマリの(元期における」)位置について
第8章 月の第二の差異(第二変則性)について、および第一周転円は第二(周転円)に対してどのような比率をもつべきか
第9章 月が周転円の長軸最上点から不均等に動くように見えることになる他の差異について
第10章 月の視運動は、与えられた均等(諸運動)からどのようにして証明されるだろうか
第11章 月のプロスタファイレシスつまり補正値の表による説明
第12章 月の運行の数値計算について
第13章 月の緯度運動はどのように検討され、また証明されるか
第14章 月の緯度のアノマリの位置について
第15章 視差用機器の製作
第16章 月の視差について
第17章 地球から月への距離、および地球の中心からその表面あでを1とする単位では、どのような比率をもつべきかの証明
第18章 月の直径および月が通過する場所における地球の影の直径について
第19章 地球から太陽と月までの距離、それらの直径、月が通過する場所での影の直径、影の軸をひとまとめにして、それらがどのように証明されるか
第20章 太陽、月、地球――これら三つの星の大きさ、および相互の比較について
第21章 太陽の視直径とその共変量(=視差)について
第22章 不規則に現れる月の視直径とその共変量(=視差)について
第23章 地球の影の変化率はどれほどであるか
第24章 地平線の両極(=天頂と天底)を通る円における太陽と月の個々の視差の表による説明
第25章 太陽と月の視さの計算について
第26章 経度の視差と緯度の視差はどのように識別されるか
第27章 月の視さに関して説明された事柄の確証
第28章 太陽と月の平均的な合と衝(=朔望)について
第29章 太陽と月の真の合と衝(=実朔と実望)を詳しく研究することについて
第30章 太陽と月の食となる合と衝は、他の(合と衝)とはどのようにして識別されるか
第31章 日食と月食はどれほどの大きさであったか
第32章 蝕がどれほど長く継続するかを予知するために
第 V 巻
第1章 それら(=諸惑星)の回転と平均運動について
第2章 古人たちの見解によるそれらの星々の(運動の)均等性と視(運動)論
第3章 地球の運動の結果としての現象的不均等性の一般的証明
第4章 諸惑星の固有運動はどのような仕方で不均等に現れてくるのか
第5章 土星の運動の証明
第6章 土星に関し最近観測された他の三つのアクロニュクスについて
第7章 土星の運動の検討について
第8章 土星の位置を確定することについて(=元期における土星の位置決定、以下同様)
第9章 地球の年周天球に由来する土星の共変量について、およびその距離はどれほどであるか
第10章 木星の運動の証明
第11章 最近観測された木星の他の三つのアクロニュクスについて
第12章 木星の均等運動の確証
第13章 木星の運動の位置を指定すること
第14章 木星の共変量の認識、および地球回転(=公転)の天体との比率におけるその高さについて
第15章 火星について
第16章 火星に関し新たに観測された他の三つの深夜の輝きについて
第17章 火星の運動の確証
第18章 火星の位置を前もって定めておくこと
第19章 地球の年周天球を1とした単位で、火星の天球はどれだけ大きな単位か
第20章 金星について
第21章 地球天球の直径と金星天球の直径の比率はどれほどあるか
第22章 金星の対運動(geminus motus)について
第23章 金星の運動についての検討
第24章 金星のアノマリの位置について
第25章 水星について
第26章 水星の長軸最上点と最下点の位置について
第27章 水星の離心値はどれほどあるか、および水星は諸天球のどのような均斉(symmetria)を保っているか
第28章 水星のズレは、近地点(=近日点)において生ずるものよりも、(正)六角形の辺のあたり(=近日点から60度ずれた位置)でなぜ最も大きく現れるのか
第29章 水星の平均運動の検討
第30章 最近観測された水星の運動について
第31章 水星の位置を前もって決定すること
第32章 接近と退却のもう一つの理論的仕組み
第33章 5惑星のプロスタファイレシスの表について
第34章 これら五つの星の経度位置はどのように計算されるか
第35章 5惑星の留と逆行について
第36章 逆行の時間、位置、逆行弧はどのように識別されるか
第 VI 巻
第1章 5惑星の緯度方向へのズレについての一般的説明
第2章 これらの星を緯度方向へ運んでいく諸円の仮説
第3章 土星・木星・火星の各天球の傾斜はどれほどの大きさか
第4章 これら3星の任意の他の緯度(運動)の一般的説明について
第5章 金星と水星の緯度について
第6章 遠地点と近地点における天球の斜向性(obliquitas)に由来する、金星と水星の
緯度方向への第二の逸脱(transitus)について
第7章 金星・水星それぞれの星の斜向角はどのようになっているか
第8章 偏位と称される金星・水星の緯度(運動)の第三の種類について
第9章 5惑星の緯度計算について
訳注
付録 1 種々の暦・暦元等について
付録 2 ニコラウス・コペルニクスの読者宛ての戒告および訂正
第 II 部 コメンタリオルス
『コメンタリオルス』解題
ニコラウス・コペルニクスの小論(コメンタリオルス)
訳注
第 III 部 ヴェルナー論駁書簡
「ヴェルナー論駁書簡」解題
ヴェルナー論駁書簡
訳注
第 IV 部 解説・コペルニクスと革命
1 はじめに
2 コペルニクス以前の天文学 1
――ギリシャとローマの世界――
3 コペルニクス以前の天文学 2
――イスラームとヨーロッパの世界――v 4 コペルニクスの生涯と著作
5 コペルニクスの天文学
――地球中心説から太陽中心説へ――
6 コペルニクス説の受容と変容の過程
文献
人名・書名索引
事項索引
内容紹介:
〈もしコペルニクスの科学上の「転回」を「革命」と言ってよいとすれば、その革命は静かに始まったのである。革命の喧騒とは無縁に、そして人々の気づかないままに、そしてさらに重要なことに、当人もその帰趨を自覚しないままに、それは始まったのである〉
(「まえがき」より)
1543年、ニコラウス・コペルニクスが地球中心説(天動説)から太陽中心説(地動説)へと理論を革新させた、科学史第一級の古典全6巻をここに完訳。さらにコペルニクスが太陽中心説の構想を初めて著した未刊の論考『コメンタリオルス』、ヨハン・ヴェルナーの著作を批判した書簡を収録し、コペルニクス天文学のすべてを凝集する。
コペルニクスの生きたルネサンス期、天文学は依然としてアリストテレス的な自然哲学に支配されていた。『天球回転論』の出版は、折しも古代の天文学者にして天動説の泰斗・プトレマイオスの理論が復興された時代においてであった。
コペルニクスはいかにして、そしてなぜ地動説へと辿りついたのか? 全篇に付した精緻な訳注、天文学史を古代から〈コペルニクス以後〉まで詳細に綴った訳者解説「コペルニクスと革命」によって明かされる、革命の全貌。
2017年10月19日刊行、728ページ。
著者について:
ニコラウス・コペルニクス: ウィキペディアの記事
ニコラウス・コペルニクス(1473年2月19日 - 1543年5月24日)は、ポーランド出身の天文学者、カトリック司祭である。当時主流だった地球中心説(天動説)を覆す太陽中心説(地動説)を唱えた。これは天文学史上最も重要な発見とされる。(ただし、太陽中心説をはじめて唱えたのは紀元前三世紀のサモスのアリスタルコスである)。また経済学においても、貨幣の額面価値と実質価値の間に乖離が生じた場合、実質価値の低い貨幣のほうが流通し、価値の高い方の貨幣は退蔵され流通しなくなる (「悪貨は良貨を駆逐する」) ことに最初に気づいた人物の一人としても知られる。コペルニクスはまた、教会では司教座聖堂参事会員(カノン)であり、知事、長官、法学者、占星術師であり、医者でもあった。暫定的に領主司祭を務めたこともある。
訳者について:
高橋憲一
1946年生まれ。1970年早稲田大学理工学部電気工学科卒業。1979年東京大学大学院理学研究科退学(科学史・科学基礎論専攻)。1990年理学博士(東京大学)。九州大学大学院比較社会文化研究院教授を務め、九州大学名誉教授。2010年に定年退官。2006年『ガリレオの迷宮』で毎日出版文化賞受賞。
高橋先生の著書、訳書: Amazonで検索
理数系書籍のレビュー記事は本書で388冊目。
太陽の周りを地球が公転しているという地動説を提唱したこの本の原書が刊行されたのは1543年のこと。著者のコペルニクスにはその死の当日に印刷されたばかりの本が届けられた。しかし彼はその数日前から危篤状態にあり、著作の完成を確認していない。
6年前に読んで紹介した「天体の回転について:コペルニクス著、矢島祐利訳」は、全6巻からなる厖大な著作のうち、もっとも重要な第1巻だけを日本語訳したものだ。
その後、高橋憲一先生が1993年に第1巻を「コペルニクス・天球回転論」として翻訳され、ついに全6巻の翻訳を2017年に完了させた。以下の章立てからおわかりのように第 II 部 コメンタリオルス、第 III 部 ヴェルナー論駁書簡、第 IV 部 解説・コペルニクスと革命を含めた第一級の科学史資料、コペルニクス研究の集大成である。
まえがき
旧版へのまえがき
第 I 部 天球回転論
『天球回転論』解題
読者へ この著述の諸仮説について
カプアの枢機卿ニコラウス・シェーンベルク〔の書簡〕
最も聖なる主・教皇パウルス3世宛て回転論諸巻へのニコラウス・コペルニクスの序文
ニコラウス・コペルニクスの『天球回転論』6巻各章の目次
第 I 巻
第 II 巻
第 III 巻
第 IV 巻
第 V 巻
第 VI 巻
訳注
付録 1 種々の暦・暦元等について
付録 2 ニコラウス・コペルニクスの読者宛ての戒告および訂正
第 II 部 コメンタリオルス
『コメンタリオルス』解題
ニコラウス・コペルニクスの小論(コメンタリオルス)
訳注
第 III 部 ヴェルナー論駁書簡
「ヴェルナー論駁書簡」解題
ヴェルナー論駁書簡
訳注
第 IV 部 解説・コペルニクスと革命
1 はじめに
2 コペルニクス以前の天文学 1
――ギリシャとローマの世界――
3 コペルニクス以前の天文学 2
――イスラームとヨーロッパの世界――v 4 コペルニクスの生涯と著作
5 コペルニクスの天文学
――地球中心説から太陽中心説へ――
6 コペルニクス説の受容と変容の過程
値段が高いこと、本文は素人が読めるレベルのものではないことから、なかなか購入に踏み切れなかった。しかし、昨年この原書の実物を見る機会が2度もあったこと、そして直近に読んだ「科学者はなぜ神を信じるのか コペルニクスからホーキングまで : 三田一郎」が後押しをしたのだろう。気が付くと手元に本書が届いていたというわけである。
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477ページに渡って訳出された第1巻から第6巻の本文はとても難しいから斜め読みである。精読したのは「まえがき」と「旧版へのまえがき」、そして以下の記述である。135ページに渡って書かれた第 IV 部の解説がいちばん読みたかった部分だ。
『天球回転論』解題
読者へ この著述の諸仮説について
カプアの枢機卿ニコラウス・シェーンベルク〔の書簡〕
最も聖なる主・教皇パウルス3世宛て回転論諸巻へのニコラウス・コペルニクスの序文
ニコラウス・コペルニクスの『天球回転論』6巻各章の目次
第 IV 部 解説・コペルニクスと革命
キリスト教の圧倒的な支配のもと、常識として千年もの間定着していた天動説に反証するために、どれだけ多くの時間が天体観測と著述に費やされたことだろう。天文学の目的は暦の編纂の元となる天文表を作成することであり、天動説の集大成、プトレマイオス著「アルマゲスト」で目的は果たされていた。
コペルニクスが目視で行なった観測精度は角度の4分といわれ、特に入念に観測したものは1分の精度と言われている。コペルニクス以前の観測精度は約10分であるから2倍以上の精度を獲得したことになる。(ちなみにケプラーの偉業の元データとして使われたティコ・ブラーエの観測精度は2分であったという。:参考ページ)
数十個の円を組み合わせたプトレマイオスの周転円理論は、非常に精緻なもので、コペルニクスが観測した精度をもってしてもなかなか反証できるものではない。天体の運動は幾何学的な相対運動であり、地球を中心に置こうが太陽を中心に置こうが説明がついてしまうからだ。(参考:「天動説と地動説 Java実験室」)
第 IV 部「解説・コペルニクスと革命」が本書の読みどころである。コペルニクス以前の天動説を解説した天文書、コペルニクスの説の変遷、コペルニクス以後の天文書、地動説がどのように浸透していったのかを知ることができる。
地動説を提唱したのはコペルニクスが最初ではない。古くはピュタゴラス学派が地動説を提唱していたし、特に傑出していたのは、紀元前3世紀のイオニア時代の最後のアリスタルコスである。彼は、地球は自転しており、太陽が中心にあり、5つの惑星がその周りを公転するという説を唱えた。彼の説が優れているのは、太陽を中心に据え、惑星の配置をはっきりと完全に示したことである。これは単なる「太陽中心説」という思いつきを越えたものである。そしてこれにより、惑星の逆行を完璧に説明できるのである。これはほとんど「科学」と呼ぶ水準に達している。紀元前280年にこの説が唱えられて以来、コペルニクスが登場するまで、1800年もの間、人類はアリスタルコスの水準に達することはなかった。(ウィキペディアからの引用)
圧倒的に優勢だった天動説は「アルマゲスト」以後コペルニクスの時代まで、そのバリエーション的な書物もいくつか刊行され、地動説を説いたコペルニクスの「天球回転論」は異説を唱えた1つであった。コペルニクス以後も地動説はすぐ広まったわけではなく、地動説の良いところを取り出して再構成する天動説の本も刊行されている。
発想の180度転換という意味で使われる「コペルニクス的転回」という表現があるが、彼はひらめきのようにして地動説を思いついたわけではない。当初は天動説を支持していた彼が地動説を信じるに至るには、天動説の矛盾を見つけていく過程、綿密な天体観測と計算による裏付けが必要だった。本書はその思考過程をすべて網羅している。
コペルニクスの時代には、天体間に働く万有引力が発見されていなかったから、天体が運動するための力学の概念がない。コペルニクス自身も惑星はそれぞれ別の「天球」の球面ℬに貼りついていて、天球が回転することで惑星が回転(公転)するのだと考えていた。そして彼にとっての天球は「エーテル」と呼ばれる物理的実体をもった何かであった。したがって本書のタイトルは「天球回転論」となる。
天動説の矛盾に気が付いたのは、彼が金星と太陽の動きに注目したことだ。天動説を地球の周りを回転する金星の天球と太陽の天球が交差してしまうことになる。実体のある天球が重なり合い、それぞれが違う速さで回転することはあり得ない。太陽を宇宙の中心に置くことで、この矛盾は解消することができる。このようにして誕生した地動説に基づく宇宙体系を、彼は観測結果をもとにしながら再構成し6巻の本にまとめ上げた。
しかし、コペルニクス死後に出版された地動説は浸透していくのに長い年月が必要だった。天動説を支持する立場で考えると、地球にいちばん近い距離にある月が、太陽の周りを公転する地球から取り残されずについて来れることの説明がつかないからだ。万有引力が理解されていない時代だから、そのように考えられてしまうのは無理もない。天動説は理論として完成していたし、直観にも合っていた。そもそも地球のように巨大な天体が動くはずがないのである。
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コペルニクスが生前にこの本を出版していたとしたら、ガリレイと同じく異端審問にかけられていたことは間違いない。キリスト教のカトリック司祭でありながら、教義に真っ向から対立する説を書き残した彼の心境がどのようなものだったろうか。世界でこのことを知っているのは自分ただ一人だけなのだから。仮説としながらも、コペルニクスが地動説に確信を抱いていたことは本書冒頭の「最も聖なる主・教皇パウルス3世宛て回転論諸巻へのニコラウス・コペルニクスの序文」に生き生きと語られている。
本書の原書は1543年に刊行された。地動説を信じたガリレイが「星界の報告」を書いたのは1610年、ケプラーが「宇宙の神秘」、「新天文学」、「宇宙の調和」を書いたのは順に1596年、1609年、1619年、そしてニュートンが「プリンキピア」の初版を書いたのは1687年のことである。
翻訳の元になったオリジナルの原書は昨年9月の「[世界を変えた書物]展(上野の森美術館)」と12月に開催された「印刷博物館、企画展「天文学と印刷」(凸版印刷株式会社)」で実物を見ることができた。
コペルニクスの『天球回転論』とプトレマイオスの『アルマゲスト』は、オンラインで閲覧できる。どのような著作なのかぜひご覧になっていただきたい。
拡大: コペルニクス『天球の回転について(1543年初版)』
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閲覧 ウィキペディア 解説 日本語版 日本語完訳版
拡大: 『アルマゲスト(1496年初版)』
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閲覧 ウィキペディア 解説 日本語版
手ごろな価格で『天球回転論』をお読みになりたい方にはこの英語版をお勧めする。この本には第1巻から第6巻の内容が含まれている。
「On the Revolutions of Heavenly Spheres: Nicolaus Copernicus」(Kindle版)
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関連記事:
天体の回転について:コペルニクス著、矢島祐利訳
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/3399c1e7e3fc346b2235b70eb3f8c08b
[世界を変えた書物]展(上野の森美術館)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/67cec3d33c33810b91d0f7591bfbc2ee
印刷博物館、企画展「天文学と印刷」(凸版印刷株式会社)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/53a91e385578b10f4a270d0cf798b41b
宇宙の神秘 新装版:ヨハネス・ケプラー
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f6a05c374c0716ad409f1ee2c0cef0f1
新天文学:ヨハネス・ケプラー
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e82e8d8fb7ee8f95a715bdf92301269e
日本語版「プリンキピア」が背負った不幸
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/bff5ce90fca6b8b13d263d0ce6fc134e
Kindle版で復刊: 日本語版プリンキピア(自然哲学の数学的原理):アイザック・ニュートン
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a5ce0252019a5d9b63c20200f019e199
全5巻完結!:ラプラスの天体力学論(日本語版)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a720b0cfb775d00625763f87a56b2414
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「完訳 天球回転論 : ニコラウス・コペルニクス」
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まえがき
旧版へのまえがき
第 I 部 天球回転論
『天球回転論』解題
読者へ この著述の諸仮説について
カプアの枢機卿ニコラウス・シェーンベルク〔の書簡〕
最も聖なる主・教皇パウルス3世宛て回転論諸巻へのニコラウス・コペルニクスの序文
ニコラウス・コペルニクスの『天球回転論』6巻各章の目次
第 I 巻
第1章 宇宙は球形であること
第2章 大地もまた球形であること
第3章 どのようにして大地は水とともに一つの球状をなすのか
第4章 諸天体の運動は均等で円状、永続的であり、ないし複数の円(運動)から合成されていること
第5章 大地に円運動がふさわしいかどうか、および大地の位置について
第6章 地球の大きさに対する天の広大性について
第7章 地球が、いわば中心として、宇宙の真中に静止しているとなぜ古代の人たちは考えたのか
第8章 前述の諸論拠への論駁およびそれらの不十分性
第9章 地球に複数の運動が付与されうるか、および宇宙の中心について
第10章 天球の順序について
第11章 地球の三重運動についての論証
第12章 円内の直線(=弦)の大きさについて
第13章 平面三角形の辺と角について
第14章 球面三角形について
第 II 巻
第1章 諸円とそれらの名称について
第2章 黄道の傾斜、回帰点間の距離、その把握の仕方について
第3章 互いに交わる諸円(つまり)赤道円、黄道円、子午線円の弧と角、およびそこから出てくる赤緯と直立上昇について、加えて、それらの計算について
第4章 獣帯の中央に沿って置かれた円(=黄道)の外にあって、緯度と経度(=黄緯と黄経)が確定している任意の星の傾き(赤緯)と直立上昇(=赤経)は、どのようにして明らかになるか、およびその星は黄経何度で南中するか
第5章 地平線との交点について
第6章 正中時の影の違いはどれほどあるか
第7章 最長の日、日の出の幅、球の傾斜は互いにどのように決定されるか、および日々のその他の差異について
第8章 時間および昼夜の区分について
第9章 黄道部分の傾斜上昇について、および昇ってくる任意の角度に対して、南中するものはどのように与えられるか
第10章 黄道と地平線の交角について
第11章 前出の表の使用法について
第12章 地平線の両極(=天頂と天底)を通り、12宮の同一円(=黄道)に対して生ずる円の角度と円弧について
第13章 星々の出と没について
第14章 星々の位置の探求および恒星表による記述
第 III 巻
第1章 二分二至点の西進(anticipatio, =歳差運動)について
第2章 二分二至点の不均等な歳差を論証する観測誌
第3章 二分点・黄道傾斜・赤道の変化を論証するための諸仮説
第4章 反転運動つまり振動が複数の円(運動)からどのようにして成り立つか
第5章 分点と(黄道)傾斜の西進の非均等性の証明
第6章 分点歳差と黄道傾斜の均等運動について
第7章 分点の均等歳差と見かけ上の歳差の間の最大の差はどれほどあるか
第8章 それら二つの運動の個々の差について、および表によるそれらの説明
第9章 分点歳差に関して説明された事柄の検討と修正について
第10章 赤道と黄道の交点の最大の差はどれほどあるか
第11章 分点の均等運動とアノマリの位置を確定することについて
第12章 春分点の歳差と(黄道)傾斜の計算について
第13章 太陽年の大きさとその差異について
第14章 地球中心の回転(=公転)の均等で平均的な運動について
第15章 視太陽の運動の不均等性を証明するための予備的な諸定理
第16章 視太陽(運動)の不均等性について
第17章 太陽(運動)の第一で年間の不均等性を、その個々の差異とともに証明すること
第18章 経度方向の均等運動の検討について
第19章 太陽の均等運動に対して前もって決定しておくべき年初と位置について(=元期における位置決定)
第20章 長軸線の変動のゆえに太陽に関して生ずる第二の二重の差異にいついて
第21章 太陽(運動)の不均一性の第二の差異はどれほどあるか
第22章 太陽の遠日点の均等運動は、単一の差異と合わせて、どのように説明されるか
第23章 太陽のアノマリ(=遠地点からの離角)の補正について、およびその場所を前もって決定しておくことについて
第24章 均等(運動)と視(運動)の差の表による説明
第25章 太陽の視位置の計算について
第26章 ニュクテーメロンつまり自然日の差異について
第 IV 巻
第1章 古人たちの見解による月の諸円の仮説
第2章 これらの仮定の欠陥について
第3章 月の運動に関するもう一つの見解
第4章 月の諸回転およびその個々の運動について
第5章 新月と満月のときに生ずる月の第一片側性の証明
第6章 月の均等経度運動とアノマリについて説明された事柄の確証
第7章 月の経度とアノマリの(元期における」)位置について
第8章 月の第二の差異(第二変則性)について、および第一周転円は第二(周転円)に対してどのような比率をもつべきか
第9章 月が周転円の長軸最上点から不均等に動くように見えることになる他の差異について
第10章 月の視運動は、与えられた均等(諸運動)からどのようにして証明されるだろうか
第11章 月のプロスタファイレシスつまり補正値の表による説明
第12章 月の運行の数値計算について
第13章 月の緯度運動はどのように検討され、また証明されるか
第14章 月の緯度のアノマリの位置について
第15章 視差用機器の製作
第16章 月の視差について
第17章 地球から月への距離、および地球の中心からその表面あでを1とする単位では、どのような比率をもつべきかの証明
第18章 月の直径および月が通過する場所における地球の影の直径について
第19章 地球から太陽と月までの距離、それらの直径、月が通過する場所での影の直径、影の軸をひとまとめにして、それらがどのように証明されるか
第20章 太陽、月、地球――これら三つの星の大きさ、および相互の比較について
第21章 太陽の視直径とその共変量(=視差)について
第22章 不規則に現れる月の視直径とその共変量(=視差)について
第23章 地球の影の変化率はどれほどであるか
第24章 地平線の両極(=天頂と天底)を通る円における太陽と月の個々の視差の表による説明
第25章 太陽と月の視さの計算について
第26章 経度の視差と緯度の視差はどのように識別されるか
第27章 月の視さに関して説明された事柄の確証
第28章 太陽と月の平均的な合と衝(=朔望)について
第29章 太陽と月の真の合と衝(=実朔と実望)を詳しく研究することについて
第30章 太陽と月の食となる合と衝は、他の(合と衝)とはどのようにして識別されるか
第31章 日食と月食はどれほどの大きさであったか
第32章 蝕がどれほど長く継続するかを予知するために
第 V 巻
第1章 それら(=諸惑星)の回転と平均運動について
第2章 古人たちの見解によるそれらの星々の(運動の)均等性と視(運動)論
第3章 地球の運動の結果としての現象的不均等性の一般的証明
第4章 諸惑星の固有運動はどのような仕方で不均等に現れてくるのか
第5章 土星の運動の証明
第6章 土星に関し最近観測された他の三つのアクロニュクスについて
第7章 土星の運動の検討について
第8章 土星の位置を確定することについて(=元期における土星の位置決定、以下同様)
第9章 地球の年周天球に由来する土星の共変量について、およびその距離はどれほどであるか
第10章 木星の運動の証明
第11章 最近観測された木星の他の三つのアクロニュクスについて
第12章 木星の均等運動の確証
第13章 木星の運動の位置を指定すること
第14章 木星の共変量の認識、および地球回転(=公転)の天体との比率におけるその高さについて
第15章 火星について
第16章 火星に関し新たに観測された他の三つの深夜の輝きについて
第17章 火星の運動の確証
第18章 火星の位置を前もって定めておくこと
第19章 地球の年周天球を1とした単位で、火星の天球はどれだけ大きな単位か
第20章 金星について
第21章 地球天球の直径と金星天球の直径の比率はどれほどあるか
第22章 金星の対運動(geminus motus)について
第23章 金星の運動についての検討
第24章 金星のアノマリの位置について
第25章 水星について
第26章 水星の長軸最上点と最下点の位置について
第27章 水星の離心値はどれほどあるか、および水星は諸天球のどのような均斉(symmetria)を保っているか
第28章 水星のズレは、近地点(=近日点)において生ずるものよりも、(正)六角形の辺のあたり(=近日点から60度ずれた位置)でなぜ最も大きく現れるのか
第29章 水星の平均運動の検討
第30章 最近観測された水星の運動について
第31章 水星の位置を前もって決定すること
第32章 接近と退却のもう一つの理論的仕組み
第33章 5惑星のプロスタファイレシスの表について
第34章 これら五つの星の経度位置はどのように計算されるか
第35章 5惑星の留と逆行について
第36章 逆行の時間、位置、逆行弧はどのように識別されるか
第 VI 巻
第1章 5惑星の緯度方向へのズレについての一般的説明
第2章 これらの星を緯度方向へ運んでいく諸円の仮説
第3章 土星・木星・火星の各天球の傾斜はどれほどの大きさか
第4章 これら3星の任意の他の緯度(運動)の一般的説明について
第5章 金星と水星の緯度について
第6章 遠地点と近地点における天球の斜向性(obliquitas)に由来する、金星と水星の
緯度方向への第二の逸脱(transitus)について
第7章 金星・水星それぞれの星の斜向角はどのようになっているか
第8章 偏位と称される金星・水星の緯度(運動)の第三の種類について
第9章 5惑星の緯度計算について
訳注
付録 1 種々の暦・暦元等について
付録 2 ニコラウス・コペルニクスの読者宛ての戒告および訂正
第 II 部 コメンタリオルス
『コメンタリオルス』解題
ニコラウス・コペルニクスの小論(コメンタリオルス)
訳注
第 III 部 ヴェルナー論駁書簡
「ヴェルナー論駁書簡」解題
ヴェルナー論駁書簡
訳注
第 IV 部 解説・コペルニクスと革命
1 はじめに
2 コペルニクス以前の天文学 1
――ギリシャとローマの世界――
3 コペルニクス以前の天文学 2
――イスラームとヨーロッパの世界――v 4 コペルニクスの生涯と著作
5 コペルニクスの天文学
――地球中心説から太陽中心説へ――
6 コペルニクス説の受容と変容の過程
文献
人名・書名索引
事項索引