「気象キャスター寺川奈津美 はれますように~未来はきっと変えられる」
内容紹介:
人気の気象キャスターが初めて語る
気象予報士の仕事、そしてプライベート
NHK 『ニュース7』の気象キャスター(平日担当)として活躍する寺川奈津美さん。 6回目の受験でようやく合格した気象予報士試験の苦労談から、気象キャスターの仕事の魅力、プライベートまでを赤裸々に語ります。
2015年11月刊行、173ページ。
著者について:
寺川奈津美(てらかわなつみ)
公式ブログ:http://www.nhk.or.jp/news7-blog/150/
Twitter: @natumikann541
気象予報士、気象キャスター。
1983年、山口県下関市生まれ。慶応義塾大学理工学部応用化学科卒業。第5回矢上祭で行われた理系美人コンテスト『ミス矢上』で初代グランプリを獲得。塾講師を経て、2008年よりNHK鳥取放送局のキャスターを務める。同年、気象予報士資格を取得。
2011年4月より『NHKニュース7』の気象情報を担当。
理数系書籍のレビュー記事は本書で287冊目。
朝日カルチャーセンター新宿教室で先日「寺川奈津美の気象講座」を受講したばかり。講師をされたNHK気象キャスターの寺川奈津美さんが初めてお書きになった本である。本が届くのを楽しみにしていた。
子供の頃の話から寺川さんが現在に至るまで、どのように生きてきたかを忌憚なくお書きになった自伝本。講座では聞けなかった話がたくさん盛り込まれているので、興味深く読ませていただいた。
読み終えてみると自伝的であることと一般向け書籍デビューということのほかに、先日紹介したばかりの「数学の大統一に挑む:エドワード・フレンケル」と共通点があることに気が付いた。
それはは「あきらめない」ということだ。現在のお仕事にたどり着くまでに紆余曲折がある。フレンケル教授は旧ソ連に人種差別によって志望する大学に行けなかったし、寺川さんは大学卒業後に銀行に就職したものの1年で退職している。ご実家に戻って気象予報士試験チャレンジする道を選ぶが6回目でようやく合格。お二人とも自分の仕事に夢と誇りを持っているから成し得たことだ。そして寄り道とも思える経験も無駄ではなく、後の仕事に活かされていることもお二人に共通していると思った。
キャリアを積む人生は一本道ではない。その意味で本書は進路に迷っている高校生、大学生そして就職活動中の学生にも読んでいただきたい。天気予報では明るくお話になる寺川さんも現在に至るまでに何度も不安にとらわれ、悔しい思いをし、涙を流した日々があったことがおわかりになるだろう。
朝日カルチャーセンターの講座のほうで質問しようと思っていたことも本書を読んで答が得られた。それは「気象庁が発表する情報を伝えるのが予報士の役目だと思うが、その意味では伝達者である。プロとしての専門性が活かされるのはどのような点においてでしょうか?」という質問だ。
本書によると気象予報士になりたての人と長年経験を積んだベテラン予報士とでは「ペーパードライバーとF1レーサーほどの違いがある」のだという。気象庁から公開されている専門的な観測データを自分で解析し「幅をもって予報を伝える」ことがプロとしての真価が問われるポイントなのだそうだ。気象災害の予知については特に注意を払う。気象データだけでなく地域の特殊性、過去におきた災害など多角的な分析能力が求められる。
朝日カルチャーセンターの講座では9月に鬼怒川流域でおきた洪水の被災地を訪れたことが紹介されたが、寺川さんは東日本大震災の被災地にもプライベートの時間を利用して訪れていたことが本書に書かれていた。地震予知やその後の火災などは気象予報士の役割ではないが、被災後の天候は救助活動や復興活動に大きな影響がある。「天気予報のお姉さん」というアイドル的なイメージとはまったくかけ離れた重要な役割を果たしていることにこの仕事の責任の重さを痛感し、真摯に取り組まれている寺川さんの姿が僕にはとても頼もしいと思えた。
気象について学んでみようとしている人や気象予報士を目指している人にとって役立つことも本書には書かれている。予報士試験のあらましや勉強する上で気をつけること、そして寺川さんがお勧めする本などが紹介されている。ぜひ本書をお買い求めになって確認してほしい。
本の最初にはカラーのグラビアが16ページ収められている。どれも魅力的で、ついスマホで撮っておきたくなるような写真ばかりである。
寺川さんは先週一週間(かなり遅い)夏休みをとられて今週から仕事に復帰された。健康に気をつけてこれからも頑張ってください!
関連記事:
寺川奈津美の気象講座(朝日カルチャーセンター)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/960f1e03a34fd2e3727b65252ea96159
知識ゼロからの異常気象入門:斉田季実治
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/0294a67d1755964cb572b65f029624e4
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「気象キャスター寺川奈津美 はれますように~未来はきっと変えられる」
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テレビでは見られない!
完全撮りおろしプライベートフォト掲載
★口 絵 撮り下ろしカラーグラビア(16P)
★第1章 「寺川はアナウンサーに向いている」
★第2章 6回目の気象予報士試験
★第3章 鳥取時代、そして再び上京
★第4章 気象キャスターとしての使命
★第5章 日々のこと
内容紹介:
人気の気象キャスターが初めて語る
気象予報士の仕事、そしてプライベート
NHK 『ニュース7』の気象キャスター(平日担当)として活躍する寺川奈津美さん。 6回目の受験でようやく合格した気象予報士試験の苦労談から、気象キャスターの仕事の魅力、プライベートまでを赤裸々に語ります。
2015年11月刊行、173ページ。
著者について:
寺川奈津美(てらかわなつみ)
公式ブログ:http://www.nhk.or.jp/news7-blog/150/
Twitter: @natumikann541
気象予報士、気象キャスター。
1983年、山口県下関市生まれ。慶応義塾大学理工学部応用化学科卒業。第5回矢上祭で行われた理系美人コンテスト『ミス矢上』で初代グランプリを獲得。塾講師を経て、2008年よりNHK鳥取放送局のキャスターを務める。同年、気象予報士資格を取得。
2011年4月より『NHKニュース7』の気象情報を担当。
理数系書籍のレビュー記事は本書で287冊目。
朝日カルチャーセンター新宿教室で先日「寺川奈津美の気象講座」を受講したばかり。講師をされたNHK気象キャスターの寺川奈津美さんが初めてお書きになった本である。本が届くのを楽しみにしていた。
子供の頃の話から寺川さんが現在に至るまで、どのように生きてきたかを忌憚なくお書きになった自伝本。講座では聞けなかった話がたくさん盛り込まれているので、興味深く読ませていただいた。
読み終えてみると自伝的であることと一般向け書籍デビューということのほかに、先日紹介したばかりの「数学の大統一に挑む:エドワード・フレンケル」と共通点があることに気が付いた。
それはは「あきらめない」ということだ。現在のお仕事にたどり着くまでに紆余曲折がある。フレンケル教授は旧ソ連に人種差別によって志望する大学に行けなかったし、寺川さんは大学卒業後に銀行に就職したものの1年で退職している。ご実家に戻って気象予報士試験チャレンジする道を選ぶが6回目でようやく合格。お二人とも自分の仕事に夢と誇りを持っているから成し得たことだ。そして寄り道とも思える経験も無駄ではなく、後の仕事に活かされていることもお二人に共通していると思った。
キャリアを積む人生は一本道ではない。その意味で本書は進路に迷っている高校生、大学生そして就職活動中の学生にも読んでいただきたい。天気予報では明るくお話になる寺川さんも現在に至るまでに何度も不安にとらわれ、悔しい思いをし、涙を流した日々があったことがおわかりになるだろう。
朝日カルチャーセンターの講座のほうで質問しようと思っていたことも本書を読んで答が得られた。それは「気象庁が発表する情報を伝えるのが予報士の役目だと思うが、その意味では伝達者である。プロとしての専門性が活かされるのはどのような点においてでしょうか?」という質問だ。
本書によると気象予報士になりたての人と長年経験を積んだベテラン予報士とでは「ペーパードライバーとF1レーサーほどの違いがある」のだという。気象庁から公開されている専門的な観測データを自分で解析し「幅をもって予報を伝える」ことがプロとしての真価が問われるポイントなのだそうだ。気象災害の予知については特に注意を払う。気象データだけでなく地域の特殊性、過去におきた災害など多角的な分析能力が求められる。
朝日カルチャーセンターの講座では9月に鬼怒川流域でおきた洪水の被災地を訪れたことが紹介されたが、寺川さんは東日本大震災の被災地にもプライベートの時間を利用して訪れていたことが本書に書かれていた。地震予知やその後の火災などは気象予報士の役割ではないが、被災後の天候は救助活動や復興活動に大きな影響がある。「天気予報のお姉さん」というアイドル的なイメージとはまったくかけ離れた重要な役割を果たしていることにこの仕事の責任の重さを痛感し、真摯に取り組まれている寺川さんの姿が僕にはとても頼もしいと思えた。
気象について学んでみようとしている人や気象予報士を目指している人にとって役立つことも本書には書かれている。予報士試験のあらましや勉強する上で気をつけること、そして寺川さんがお勧めする本などが紹介されている。ぜひ本書をお買い求めになって確認してほしい。
本の最初にはカラーのグラビアが16ページ収められている。どれも魅力的で、ついスマホで撮っておきたくなるような写真ばかりである。
寺川さんは先週一週間(かなり遅い)夏休みをとられて今週から仕事に復帰された。健康に気をつけてこれからも頑張ってください!
関連記事:
寺川奈津美の気象講座(朝日カルチャーセンター)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/960f1e03a34fd2e3727b65252ea96159
知識ゼロからの異常気象入門:斉田季実治
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/0294a67d1755964cb572b65f029624e4
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テレビでは見られない!
完全撮りおろしプライベートフォト掲載
★口 絵 撮り下ろしカラーグラビア(16P)
★第1章 「寺川はアナウンサーに向いている」
★第2章 6回目の気象予報士試験
★第3章 鳥取時代、そして再び上京
★第4章 気象キャスターとしての使命
★第5章 日々のこと