「宇宙になぜ我々が存在するのか:村山斉」
理数系書籍のレビュー記事は本書で224冊目。
難しい本を読んで頭がもやもやしてしまった後は易しく書かれた一般読者向けの本を読んで気持ちをリフレッシュするのがよい。
来月末に「時空とは何か(朝日カルチャーセンター新宿教室)」を受講するから村山斉先生の本も読んでおこうと思ったので本書を選んでみた。今年1月に出版されたばかりだ。
村山先生は2010年に「宇宙は何でできているのか:村山斉」という本をお出しになっているので、まずこちらを読んだ。暗黒物質、暗黒エネルギーの話から素粒子物理学の話が広く、そしてまんべんなく網羅的に解説した素粒子論入門書である。
「宇宙は何でできているのか:村山斉」
こちらの本の内容は、これまで他書で学んできたことがほとんどだったので「ああ、これはこういうふうに説明すればいいのだな。」とか「この説明だと、この分野に初めて接する入門者に理解してもらえるだろうか。」とか思いながら読み進んだ。入門者向けの本とはいえ素粒子は種類や性質もさまざまなので小型本ですべて網羅すると専門用語が目立ってしまうのが書き手にとってのジレンマになると思う。
今回の本も同じく「素粒子論入門書」である。前著の刊行から3年しか経っていないので内容はほとんど同じになっているんじゃないかと心配したが、重複していたのは最初と最後の数章だけだった。
ブルーバックスの「宇宙になぜ我々が存在するのか:村山斉」のほうは、ニュートリノとヒッグス粒子に力点が置かれているのが特長だ。実験結果のグラフを示し、どのように解釈すればよいかということまで説明されている。この類の一般向け書籍をこれまでいろいろ読んできた僕にとっても知らないことがたくさん書かれてあり、有意義な読書になった。
昨年7月に世界中を驚かせた「ヒッグス粒子発見」の話題が盛り沢山で、実験の経緯やヒッグス粒子の役割についてとても詳しく書かれているのが特にうれしかった。CERNからインターネット中継された報告会では別々に行われた2チームによる実験結果が発表されたが、重大な実験だけに慎重に言葉が選ばれていたこと、舞台裏で繰り広げられていたドラマを知ることは、科学史の偉業として残るであろうあの貴重な瞬間を共有できる喜びを増幅してくれるからだ。
第4章以降の各章に挿入された「質疑応答」もよかった。次のような質問に対して村山先生の回答が書かれている。
第4章:2011年の秋頃に超光速ニュートリノが話題になりました。あれは結局、まちがっていたことがはっきりしたのですが、どんなものでも光速は超えられないのでしょうか。
第5章:現在残っている物質は原子核とか、そういう重いものが多く、ニュートリノはあまり関係ないといわれています。反ニュートリノがニュートリノに変化しても、原子核などにはあまり関係がないと思うのですが、その関係はどうなっているのでしょうか?
第6章の質問1:ヒッグス粒子が集まるとものが動きにくくなるというのは、慣性質量というイメージだと思うのですが、重力質量との関係はどうなっているのですか?
第6章の質問2:ヒッグス粒子のエネルギーが126GeVと聞いたのですが、このGeVとはどういう意味ですか?
第6章の質問3:アトラス実験などでは世界中のコンピュータをつなげて計算したというお話でしたが、故障したときのバックアップなどはどのように取っているのですか?組織的にやっているのか、個人の責任でやっているのかを知りたいです。
第6章の質問4:ヒッグス粒子と重力子の間には、何か関係があるのですか。
第7章:超対称性粒子やものすごく重いニュートリノなどがあることを検証するための実験がおこなわれているのですか?
これらの質問の答を知りたいかたは、ぜひ本書をお読みいただきたい。
ブルーバックスについて
ところで一般読者向けの自然科学書、技術解説書の魁(さきがけ)として知られているブルーバックスは今年創刊50周年をむかえる。年齢がちょうど50歳だからという理由ではないだろうが、大栗先生は9月8日に創刊50周年記念講演を行うそうだ。それに合わせて先生の新刊書もブルーバックスから発売されることになった。
ブルーバックスシリーズは長年に渡りたくさんの中学生、高校生の心に「科学の芽」を植え付け、その影響で科学者や技術者の道に進む道を選択た人も多かったと思う。我が国の科学と技術の発展に大いに貢献したシリーズなのだと僕は思っている。
ブルーバックス創刊50周年記念・大栗博司先生、池谷裕二先生講演会
http://bookclub.kodansha.co.jp/books/bluebacks/50th/index.html
予約受付中:超弦理論の最前線 (ブルーバックス):大栗博司
http://astore.amazon.co.jp/tonejiten-22/detail/4062578271
大栗先生も中学、高校時代にブルーバックスをお読みになっていたのだろうか?その当時、自然科学の中でもどのような分野に興味を持たれていたのだろうか?ブルーバックスは大栗先生の人生に影響を与えたのだろうか?そのようなことが気になってきた。この講演会ではおそらくブルーバックスについての思い出話が語られるのではないかと僕は想像している。
今日紹介した「宇宙になぜ我々が存在するのか:村山斉」の村山先生と大栗先生は「強い力」で結びついている。村山先生は大栗先生より2歳お若く、大学院生のときの輪講の指導を担当されたのが大栗先生だったのだそうだ。今日取り上げた村山先生の著書の紹介やお二人のご関係は次のブログ記事で読むことができる。
ニュートリノ(大栗博司のブログ)
http://planck.exblog.jp/19173837/
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「宇宙になぜ我々が存在するのか:村山斉」
内容紹介
宇宙の根源に迫る壮大なストーリー
この宇宙に存在する「私」の起源に迫る
私たちは宇宙の塵からできているといわれています。じつは、宇宙が原子よりもっと小さくて熱かったころ、塵のもとになった物質と、その反物質が衝突しては消え、新しい物質と反物質が生まれては消えて……、そんなことを繰り返していました。
それがあるとき、宇宙の温度が少しだけ下がると同じ数だけあった物質と反物質のバランスが崩れ、ほんのわずかな反物質が物質に変わり、私たちが存在する物質だけの世界ができたお蔭で、私たちが生まれてきたというのです。その鍵を握っているのが、いままで質量がゼロだと思われていたニュートリノにあったのです。
・いったいニュートリノにどうして質量が生まれたのか?
・ニュートリノはどうしてこんなにたくさん宇宙に存在しているのか?
・なぜニュートリノには左巻きしか存在しないのか?
・右巻きニュートリノはどこへ消えたのか?
・ヒッグス粒子によってニュートリノはどうやって質量を得たのか?
・右巻きニュートリノがインフレーションを起こしたって本当?
・ヒッグス粒子は「顔なし」ってどういうこと?
これらの謎を解き明かしていくと、そこには思いもよらない結末が……。
最新の素粒子理論を駆使して、最新の宇宙像に迫る、村山先生の最新作!
スラスラといっきに読めて、しかも読み終わったあと、
宇宙の見方がぜったいに変わります。
著者略歴
村山斉
1964年東京生まれ。東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)の初代機構長、特任教授。米国カリフォルニア大学バークレー校物理教室教授。理学博士。東北大学大学院理学研究科物理学科助手、ローレンス・バークレー国立研究所研究員、カリフォルニア大学バークレー校物理学科助教授、准教授を経て、同大学物MacAdams冠教授。専門は素粒子物理学。2002年、西宮湯川記念賞受賞。
第1章:恥ずかしがり屋のニュートリノ
- 宇宙はウオボロスのヘビ
- 宇宙は正体不明の物質で満ちている
- 原子の世界を探る
- 消えたエネルギー
- パウリの予言
- 原子力発電所から見つかった幽霊の正体
第2章:素粒子の世界
- 宇宙はたくさんの素粒子からできている
- 陽子と中性子はクォークからできている
- 素粒子はみな三兄弟
- 素粒子んいフレーバー?
- 力は粒子のやりとり
- 強い力の正体
- 弱い力の正体
- 四つの力の統一に向けて
- CP対称性の破れ
- 小林-益川理論の登場
- 小林-益川理論の検証
第3章:とても不思議なニュートリノの世界
- 鍵を握るニュートリノ
- ニュートリノの重さ
- ニュートリノは時間を感じる
- ニュートリノで太陽を見る
- 太陽ニュートリノ問題
- カムランドの実験
コラム:カミオカンデとニュートリノ
第4章:ものすごく軽いニュートリノの謎
- ニュートリノはいつも左巻き
- 左巻きニュートリノは超重量級
- 力の統一の世界を伝える素粒子
- 左巻きニュートリノが軽いわけ
質疑応答
第5章:ニュートリノはいたずらっ子?
- 力の統一とニュートリノ
- 宇宙に私たちがいるのはニュートリノのおかげ
- 物質と反物質のふるまいを調べる
- ミューニュートリノは電子ニュートリノに変化した
質疑応答
第6章:ヒッグス粒子の正体
- ヒッグス粒子は神の粒子?!
- 軽自動車をぶつけて戦車を探す
- 一〇〇〇兆回の衝突で一〇個のヒッグス粒子
- 九九・九九九九四パーセントの確実性
- 光子とミューオンを探せ
- 新しい粒子の存在を予言したヒッグス博士
- 自発的対称性の破れ
- ヒッグス粒子が冷えて宇宙に秩序が
- 顔が見えないヒッグス粒子
- 新しい時代の幕開け--ヒッグス粒子の顔探し
- 統一の時代
質疑応答
第7章:宇宙になぜ我々が存在するのか
- 宇宙は膨らんでいる
- ビッグバンの証拠
- インフレーション理論
- 素粒子の揺らぎのしわ
- 宇宙のはじまりに迫る
- 超ひも理論に期待
- 原子より小さかった宇宙の誕生に迫る
- 宇宙の過去と未来を映し出す「すみれ計画」
質疑応答
おわりに
さくいん
理数系書籍のレビュー記事は本書で224冊目。
難しい本を読んで頭がもやもやしてしまった後は易しく書かれた一般読者向けの本を読んで気持ちをリフレッシュするのがよい。
来月末に「時空とは何か(朝日カルチャーセンター新宿教室)」を受講するから村山斉先生の本も読んでおこうと思ったので本書を選んでみた。今年1月に出版されたばかりだ。
村山先生は2010年に「宇宙は何でできているのか:村山斉」という本をお出しになっているので、まずこちらを読んだ。暗黒物質、暗黒エネルギーの話から素粒子物理学の話が広く、そしてまんべんなく網羅的に解説した素粒子論入門書である。
「宇宙は何でできているのか:村山斉」
こちらの本の内容は、これまで他書で学んできたことがほとんどだったので「ああ、これはこういうふうに説明すればいいのだな。」とか「この説明だと、この分野に初めて接する入門者に理解してもらえるだろうか。」とか思いながら読み進んだ。入門者向けの本とはいえ素粒子は種類や性質もさまざまなので小型本ですべて網羅すると専門用語が目立ってしまうのが書き手にとってのジレンマになると思う。
今回の本も同じく「素粒子論入門書」である。前著の刊行から3年しか経っていないので内容はほとんど同じになっているんじゃないかと心配したが、重複していたのは最初と最後の数章だけだった。
ブルーバックスの「宇宙になぜ我々が存在するのか:村山斉」のほうは、ニュートリノとヒッグス粒子に力点が置かれているのが特長だ。実験結果のグラフを示し、どのように解釈すればよいかということまで説明されている。この類の一般向け書籍をこれまでいろいろ読んできた僕にとっても知らないことがたくさん書かれてあり、有意義な読書になった。
昨年7月に世界中を驚かせた「ヒッグス粒子発見」の話題が盛り沢山で、実験の経緯やヒッグス粒子の役割についてとても詳しく書かれているのが特にうれしかった。CERNからインターネット中継された報告会では別々に行われた2チームによる実験結果が発表されたが、重大な実験だけに慎重に言葉が選ばれていたこと、舞台裏で繰り広げられていたドラマを知ることは、科学史の偉業として残るであろうあの貴重な瞬間を共有できる喜びを増幅してくれるからだ。
第4章以降の各章に挿入された「質疑応答」もよかった。次のような質問に対して村山先生の回答が書かれている。
第4章:2011年の秋頃に超光速ニュートリノが話題になりました。あれは結局、まちがっていたことがはっきりしたのですが、どんなものでも光速は超えられないのでしょうか。
第5章:現在残っている物質は原子核とか、そういう重いものが多く、ニュートリノはあまり関係ないといわれています。反ニュートリノがニュートリノに変化しても、原子核などにはあまり関係がないと思うのですが、その関係はどうなっているのでしょうか?
第6章の質問1:ヒッグス粒子が集まるとものが動きにくくなるというのは、慣性質量というイメージだと思うのですが、重力質量との関係はどうなっているのですか?
第6章の質問2:ヒッグス粒子のエネルギーが126GeVと聞いたのですが、このGeVとはどういう意味ですか?
第6章の質問3:アトラス実験などでは世界中のコンピュータをつなげて計算したというお話でしたが、故障したときのバックアップなどはどのように取っているのですか?組織的にやっているのか、個人の責任でやっているのかを知りたいです。
第6章の質問4:ヒッグス粒子と重力子の間には、何か関係があるのですか。
第7章:超対称性粒子やものすごく重いニュートリノなどがあることを検証するための実験がおこなわれているのですか?
これらの質問の答を知りたいかたは、ぜひ本書をお読みいただきたい。
ブルーバックスについて
ところで一般読者向けの自然科学書、技術解説書の魁(さきがけ)として知られているブルーバックスは今年創刊50周年をむかえる。年齢がちょうど50歳だからという理由ではないだろうが、大栗先生は9月8日に創刊50周年記念講演を行うそうだ。それに合わせて先生の新刊書もブルーバックスから発売されることになった。
ブルーバックスシリーズは長年に渡りたくさんの中学生、高校生の心に「科学の芽」を植え付け、その影響で科学者や技術者の道に進む道を選択た人も多かったと思う。我が国の科学と技術の発展に大いに貢献したシリーズなのだと僕は思っている。
ブルーバックス創刊50周年記念・大栗博司先生、池谷裕二先生講演会
http://bookclub.kodansha.co.jp/books/bluebacks/50th/index.html
予約受付中:超弦理論の最前線 (ブルーバックス):大栗博司
http://astore.amazon.co.jp/tonejiten-22/detail/4062578271
大栗先生も中学、高校時代にブルーバックスをお読みになっていたのだろうか?その当時、自然科学の中でもどのような分野に興味を持たれていたのだろうか?ブルーバックスは大栗先生の人生に影響を与えたのだろうか?そのようなことが気になってきた。この講演会ではおそらくブルーバックスについての思い出話が語られるのではないかと僕は想像している。
今日紹介した「宇宙になぜ我々が存在するのか:村山斉」の村山先生と大栗先生は「強い力」で結びついている。村山先生は大栗先生より2歳お若く、大学院生のときの輪講の指導を担当されたのが大栗先生だったのだそうだ。今日取り上げた村山先生の著書の紹介やお二人のご関係は次のブログ記事で読むことができる。
ニュートリノ(大栗博司のブログ)
http://planck.exblog.jp/19173837/
応援クリックをお願いします!このブログのランキングはこれらのサイトで確認できます。
「宇宙になぜ我々が存在するのか:村山斉」
内容紹介
宇宙の根源に迫る壮大なストーリー
この宇宙に存在する「私」の起源に迫る
私たちは宇宙の塵からできているといわれています。じつは、宇宙が原子よりもっと小さくて熱かったころ、塵のもとになった物質と、その反物質が衝突しては消え、新しい物質と反物質が生まれては消えて……、そんなことを繰り返していました。
それがあるとき、宇宙の温度が少しだけ下がると同じ数だけあった物質と反物質のバランスが崩れ、ほんのわずかな反物質が物質に変わり、私たちが存在する物質だけの世界ができたお蔭で、私たちが生まれてきたというのです。その鍵を握っているのが、いままで質量がゼロだと思われていたニュートリノにあったのです。
・いったいニュートリノにどうして質量が生まれたのか?
・ニュートリノはどうしてこんなにたくさん宇宙に存在しているのか?
・なぜニュートリノには左巻きしか存在しないのか?
・右巻きニュートリノはどこへ消えたのか?
・ヒッグス粒子によってニュートリノはどうやって質量を得たのか?
・右巻きニュートリノがインフレーションを起こしたって本当?
・ヒッグス粒子は「顔なし」ってどういうこと?
これらの謎を解き明かしていくと、そこには思いもよらない結末が……。
最新の素粒子理論を駆使して、最新の宇宙像に迫る、村山先生の最新作!
スラスラといっきに読めて、しかも読み終わったあと、
宇宙の見方がぜったいに変わります。
著者略歴
村山斉
1964年東京生まれ。東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)の初代機構長、特任教授。米国カリフォルニア大学バークレー校物理教室教授。理学博士。東北大学大学院理学研究科物理学科助手、ローレンス・バークレー国立研究所研究員、カリフォルニア大学バークレー校物理学科助教授、准教授を経て、同大学物MacAdams冠教授。専門は素粒子物理学。2002年、西宮湯川記念賞受賞。
第1章:恥ずかしがり屋のニュートリノ
- 宇宙はウオボロスのヘビ
- 宇宙は正体不明の物質で満ちている
- 原子の世界を探る
- 消えたエネルギー
- パウリの予言
- 原子力発電所から見つかった幽霊の正体
第2章:素粒子の世界
- 宇宙はたくさんの素粒子からできている
- 陽子と中性子はクォークからできている
- 素粒子はみな三兄弟
- 素粒子んいフレーバー?
- 力は粒子のやりとり
- 強い力の正体
- 弱い力の正体
- 四つの力の統一に向けて
- CP対称性の破れ
- 小林-益川理論の登場
- 小林-益川理論の検証
第3章:とても不思議なニュートリノの世界
- 鍵を握るニュートリノ
- ニュートリノの重さ
- ニュートリノは時間を感じる
- ニュートリノで太陽を見る
- 太陽ニュートリノ問題
- カムランドの実験
コラム:カミオカンデとニュートリノ
第4章:ものすごく軽いニュートリノの謎
- ニュートリノはいつも左巻き
- 左巻きニュートリノは超重量級
- 力の統一の世界を伝える素粒子
- 左巻きニュートリノが軽いわけ
質疑応答
第5章:ニュートリノはいたずらっ子?
- 力の統一とニュートリノ
- 宇宙に私たちがいるのはニュートリノのおかげ
- 物質と反物質のふるまいを調べる
- ミューニュートリノは電子ニュートリノに変化した
質疑応答
第6章:ヒッグス粒子の正体
- ヒッグス粒子は神の粒子?!
- 軽自動車をぶつけて戦車を探す
- 一〇〇〇兆回の衝突で一〇個のヒッグス粒子
- 九九・九九九九四パーセントの確実性
- 光子とミューオンを探せ
- 新しい粒子の存在を予言したヒッグス博士
- 自発的対称性の破れ
- ヒッグス粒子が冷えて宇宙に秩序が
- 顔が見えないヒッグス粒子
- 新しい時代の幕開け--ヒッグス粒子の顔探し
- 統一の時代
質疑応答
第7章:宇宙になぜ我々が存在するのか
- 宇宙は膨らんでいる
- ビッグバンの証拠
- インフレーション理論
- 素粒子の揺らぎのしわ
- 宇宙のはじまりに迫る
- 超ひも理論に期待
- 原子より小さかった宇宙の誕生に迫る
- 宇宙の過去と未来を映し出す「すみれ計画」
質疑応答
おわりに
さくいん