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大衆酒場 KoKoRo @ 笹塚

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週末のフランス語の授業は生徒の仕事の都合で日曜の夜になった。夜7時前から9時前くらいまでの2時間。

その後、生徒2人と夕食&飲みに笹塚十号通り商店街に新しくできた「大衆酒場 KoKoRo」に行った。KOKOROではなくKoKoRoである。笹塚駅南口には串揚げ店のKoKoRoがあるから、こちらは2号店とでもいうべきか。
この場所には今年5月20日まで、地元で長年(僕が子供のころから)親しまれてきた薩摩揚げ屋の「愛川屋さん」があった。

【開店】大衆酒場 KoKoRo(場所はココ
http://kaiten-heiten.com/taisyusakaba-kokoro/

おでん種専門店!★ 笹塚 『愛川屋』(「笹塚 愛川屋」で画像検索)
https://blogs.yahoo.co.jp/biyouhimena/35528965.html


いつものように飲み食いしたものを載せておこう。
















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大栗博司先生がKavli IPMU機構長に就任

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Kavli IPMUのHP
大きなニュースが飛び込んできた。大栗博司先生がKavli IPMU機構長に就任されたという。Twitterを使っていない方も多いだろうから、ブログのほうでもお知らせしておこう。

Kavli IPMU 設立11年目を経て、 機構長のバトンは村山斉 初代機構長から大栗博司 新機構長へ
https://www.ipmu.jp/ja/20181015-Director

大栗先生のホームページ:
http://ooguri.caltech.edu/japanese

大栗先生のTwitter: @PlanckScale


先生はすでにカリフォルニア工科大学の「ウォルター・バーク理論物理学研究所 所長」や「アスペン物理学センター 所長」という大きな役職をこなされている。これらに加えてさらに1つ兼任されるのだ。先生にとっても時間は1日24時間であることに変わりはない。いったいどのようにしてやりくりができるのだろう。僕はただ驚くばかりだ。

ともあれ、このうれしいニュースに心が躍っている。大栗先生、おめでとうございます!そして11年の長きにわたり機構長を務めてくださった村山先生、ありがとうございました!


Kavli IPMUは世界中から物理学者と数学者が集まって協力しながら研究を進める、世界に誇れる研究機関だ。大栗先生はアメリカをはじめ世界の物理学界に影響力がある方なので、村山先生の功績を受け継ぎつつ、日本の科学行政にもよい影響をもたらしていただけることを、僕はひそかに期待している。

また、義務教育までの物理や数学しか知らない若い世代、日ごろ科学とは無縁な方々にも、大栗先生やKavli IPMUから発信される出版物や番組、イベントを通じて、現代科学が取り組む物凄い世界があるのだということを知ってもらいたい。


このブログでも2012年6月、朝日カルチャーセンター新宿教室で開催された「重力をめぐる冒険」という市民向け講座で先生にお会いして以来、ずっと応援させていただいている。

大栗先生の今後のご活躍とご健康を願い、これまでに投稿した先生の著書の紹介記事を載せておこう。


入門者向き:

重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f63cdcd45ec542fa62d535b4cc715d69

強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/06c3fdc3ed4e0908c75e3d7f20dd7177

大栗先生の超弦理論入門
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/75dfba6307d01a5d522d174ea3e13863

「大栗先生の超弦理論入門」刊行記念メッセージ


大栗博司氏レクチャー「9次元からきた男とは何者か」



中級者向き:

数学の言葉で世界を見たら 父から娘に贈る数学
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/8ffea17402dcf34e5991b154acef39d9

素粒子論のランドスケープ
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/5201583450c82ac59cb4d71efe52b3d9

素粒子論のランドスケープ2
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/dda75ff673f068509d46027305389ee2


関連記事:

講演会: 超弦理論って何だろう(大栗博司先生&橋本幸士先生)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/8db9fac3b23f9a76e17a4aa7f9b1977a

「9次元からきた男」ブロガー特別試写会の感想
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/7d229570736d1e0a174a5aca8e209f88

速報: 大栗博司先生がハンブルク賞を受賞!
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1b186d402500a77f0e61f1b2f2c66a5b


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4回目のメゾンブルトンヌ ガレット屋 (渋谷区笹塚)

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フランス語を教えている生徒2人と笹塚十号坂商店街のガレット屋さんで食事をするのは4回目。前回は4月21日だ。

今日の授業はいつものカフェで午前11時から2時間。「avoir besoin de~(~が必要だ)」という表現が中心。ラジオのフランス語講座は10月から新学期(といっても2016年の再放送)が始まっていて、旅行で使える表現がたくさん学べる。復習がてらにこちらも学んでもらうことにした。


ガレット屋さんは10年前にオープンし、David(ダヴィッド)さんと英子さんご夫妻が経営している。8月半ばから工事が始まり、全面改装して再オープンしがのが9月6日のこと。改装前はほとんどがテーブル席で、カウンター席はわずかだったが、改装後はカウンター席がメインで奥にテーブル席がふたつある。外のテラス席はそのままだ。

営業スタイルも変わった。ガレットが食べられるのは午後3時まで。その後はバースタイルでガレット以外の食べ物をいただきながらお酒を飲むスタイル。

メゾン ブルトンヌ ガレット屋(フランス語ホームページ
http://maisonbretonne-galette.com/

Facebook: https://www.facebook.com/galette/



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パンプキンスープとブロッコリスープ(かぼちゃはハロウィンだからかもしれない。)






この店は有名で、たびたびテレビで紹介される。

ヒルナンテ゛ス! メゾンブルトンヌ.ガレット屋 笹塚


ブルターニュ出身のシェフが焼き上げる絶品ガレット、笹塚「メゾンブルトンヌ ガレット屋」


メゾン ブルトンヌ ガレット屋 笹塚


奥さんの英子さんは3月に笹塚テレビに出演していたようだ。

第85回 笹塚テレビ(笹塚"桜"散歩&お花見ワイン話)



スイーツハウス

食事を終えて外に出ると、商店街はハロウィンの仮装をした子供とお母さんたちであふれていた。仮装行列がずっと続いていた。商店街の出口近くには絶品のメロンパンで有名な「スイーツハウス」がある。ここに店を構える前は、現在たこ焼き屋さんがある場所で営業していた。

スイーツハウス(笹塚十号通り商店街)
https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131808/13046131/







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次の動画だと4分58秒のところに、この店が映っている。ガレット屋さんは8分ちょうどあたり。(2016年11月に投稿された動画)

【歩いて解説】新宿から1駅! 笹塚駅(京王線) Walking around Sasaduka Station



笹塚にお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。


関連記事:

スタンダード佛和辞典・和佛辞典
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/fa9b284d2cda36dccf53c6071e057577

フランス語の辞書はどれがいい?
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/04d001a3857a63e9ec104903ccae1a83

発売情報:カシオ電子辞書 XD-Z7200(2018年フランス語モデル)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1b49df68133da2c1093cd31091f73263

フランス語を教え始めた
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/da69b2a85fb8e10b225867d3fe2731da


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現代天文學事典 四訂新版(1971年): 荒木俊馬

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現代天文學事典 四訂新版(1971年): 荒木俊馬

内容紹介:
 「本書は高等学校や中学校の地学教官諸君、ならびに大学理学部の天文学科の学生、および学芸大学において特に地学科を専攻せんと欲する学生諸君をして、現代天文学の全般にわたり一通りの基礎知識を習得せしめんがために編纂した天文学事典である。」とし、また、「・・天文学の学習に必要な数学および物理学の基礎知識をも、能うかぎり網羅するように務めた。したがって本書一冊あれば、天文学の基礎学習には十分であり、・・」と初版(昭和30年)の『序』が記載されています。本書は増訂を重ねて六版となったものでアポロ宇宙飛行士の写真、ソ連の月面探査車ルノホートなどの写真も収録されています。(1971年4月の探査まで増補)

著者について:
荒木 俊馬(あらき としま): ウィキペディア
1897年3月20日 - 1978年7月10日。日本の天文学者、物理学者。専門は天体物理学、理論物理学、宇宙論。学位は理学博士(京都大学・1929年)。京都大学名誉教授、京都産業大学初代総長。熊本県出身。

荒木俊馬先生の著書: Amazonで検索


僕が高校生活を送っていたのは1979年から1981年にかけてのこと。本書は高校時代に夢中になって読んでいた天文学書のうちの1冊と言いたいところだが、このように分厚い本を通読できたはずがない。調べもの用としてところどころ読んでいただけである。四訂新版の第1刷は1971年印刷で僕が9歳のときだが、僕が買ったのは第3刷、1979年に印刷された本だ。たしか高校3年のときに買ったのだと思う。当時の定価で9500円。

著者の荒木俊馬先生は戦前から宇宙物理学者・天文学者として活躍し、25歳のときの1922年に来日したアインシュタイン博士を京都帝国大学で出迎えたことがある。その後、助教授時代にドイツへ2年半留学。アインシュタイン博士から直接教えを受けている。また、教え子からは湯川秀樹博士、朝永振一郎博士などノーベル賞受賞学者を輩出した。天文学の専門書、一般向けの本を多数執筆したことでも知られる。本書はその中で最も時間をかけ、生涯にわたる研究成果を1冊にまとめ上げた大著である。

日本の天文学者の師弟関係で言えば、すばる望遠鏡の生みの親として先日「現代天文学 第2版(1978年): A.ウンゼルト著、小平桂一訳」として訳書を紹介した小平桂一先生よりも2世代遡ることになる。



天文学を志す人なら当然知っている学者だと思うが、一般の人で荒木先生を知っている人はほとんどいない。日本の科学史に多大な貢献をした科学者をブログで紹介するのも僕の役目なのだと思った。

五島光学研究所に長年お勤めになった児玉光義さんは、本書が誕生した背景や荒木先生のことを13回に渡る連載記事で紹介されている。

『現代天文学事典』誕生秘話 1/13
https://www.domenavi.com/ippin/2014/08_1.html

また、荒木先生は京都産業大学の初代学長でもある。大学のHPでは先生のことが詳しく紹介されている。

学祖 荒木俊馬先生と建学の心を訪ねて(京都産業大学)
http://www.kyoto-su.ac.jp/about/enkaku/kenkokoro.html


先生が59歳だった1956年に643ページある初版が刊行されて以来、天文学の発展を反映して加筆・修正され、最終形の四訂新版(796ページ)が刊行されたのは1971年、先生が74歳のときである。そして1978年、81歳でお亡くなりになった。つまりアポロ11号の人類の月面到達やアポロ13号の奇跡の生還、最晩年にはバイキング1号2号から送られてきた赤茶けた火星の景色の写真も先生はご覧になっていたことになる。

分厚いぺスキンの場の量子論の教科書と並べるとこのような感じである。



クリックで拡大


数学が得意だったとはいえ、大学レベルの物理や数学を学んでいない高校生が理解できるはずがない。この本の凄さを実感したのは大学生になってからだ。そして先生はお一人でこのような大著を手書きで執筆されたこと、さらにこの本は活版印刷で図版や写真がふんだんに載っている。どれほどの手間と精力をつぎ込んだことだろう。パソコンで本が簡単に修正できる現代では想像を絶している。

このような大著は近年ほとんど刊行されなくなった。「岩波 理化学辞典」が最後に刊行されたのは1998年だし、「岩波 数学辞典」も最後のものは2007年刊行だ。

今では専門知識をインターネットで簡単に、そしてリアルタイムで共有できる。このような大著が必要とされる時代は終わったのかもしれない。とはいえ「プリンストン 数学大全(朝倉書店)」のような本は依然刊行されているのも事実。

もう少し見てみよう。これは巻頭の写真集の一部。(写真クリックで拡大)

 

そして、一般相対性理論、アインシュタインの重力理論、ド・ジッターの宇宙。
(写真クリックで拡大)

  


目次だけで15ページもある。番号をクリックするとページが開く。(目次全体:PDFファイル

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15


そして、先生がどれだけご苦労されたかは6ページに渡って書かれた序文を読むとおわかりになる。(序文全体: PDFファイル

  

  


漫画家の松本零士さんも、荒木先生の著書に影響を受けたおひとりである。1938年生まれの松本さんは12歳のとき、荒木先生がお書きになった「大宇宙の旅 (1950年) 」を読んでいた。この読書経験と宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のイメージが、後に「銀河鉄道999」の誕生へとつながったのである。



松本零士さんと「銀河鉄道の夜」、「大宇宙の旅」とのつながりは、読売新聞の記事で読むことができる。

(2)漫画家 松本零士さん 78(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/local/iwate/feature/CO025251/20160814-OYTAT50041.html

2011年には、このような講演会も行われていた。

松本零士が天文学者・荒木俊馬を語る講演会
https://natalie.mu/comic/news/54865


松本零士さんに影響を与えた荒木先生の本は2006年に復刻され、今でも買うことができる。帯には「この本に巡り合えなかったら、確実に自分の歩む道は違ったものになっていただろう。松本零士」と書かれている。

復刻版 大宇宙の旅: 荒木俊馬



関連記事:

現代天文学 第2版(1978年): A.ウンゼルト著、小平桂一訳
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/58bbaf2651e6a230b411f7686bf22dc7

ホーキング、宇宙を語る:スティーヴン・W. ホーキング
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1e3dbc9b3d10d4a9b6518b6b32429e22

ブラックホール戦争:レオナルド・サスキンド
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/c8ad22de70df7be8e51a066ca8354106

宇宙が始まる前には何があったのか?: ローレンス・クラウス
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b6f36e8eedba5ee63a4f919d30a2cb20


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現代天文學事典 四訂新版(1971年): 荒木俊馬


目次全体:PDFファイル

贅沢ランチ: 市ヶ谷 六番館(鉄板焼ステーキ)

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今日は午前中に新宿での用事が早めに終わったので、ふと思いついて友達が働いている店でランチをとることにした。僕にとっては贅沢な食事だ。

この店は「ドクターX ~外科医・大門未知子~」のロケで使われていたし、今放送中の「ブラックスキャンダル」のロケ地でもある。先日、ロケが行われ、これから放送される第5話でこの店で撮影したシーンが映されるそうだ。ドラマ好きとしては実際に見ておかないと気が済まない。


鉄板焼ステーキ 六番館(東京、市ヶ谷、麹町)
https://www.rokuban-kan.com/

食べログ(鉄板焼ステーキ 六番館)
https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130803/13011392/

店は地下1階だが、スマホはまったく問題なく使える。

突然の来店に友達は驚いたようだが、これも想定済み。昼時だからもし混雑していたら、よそで時間をつぶしてから入ろうと思っていた。

幸い(店にとってはよくないことだが)店内は空いていたので、そのまま入店。これほど空いているのはとても珍しいのだと友達は言っていた。(そりゃそうだよな。)

食べている途中でたまたま僕の視界から他のお客さんが見えないタイミングができたから、急いで写真を撮らせていただいた。このような雰囲気だ。

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ランチは2500円から。それだとお肉が物足りないので3500円のを注文した。オーストラリア産の牛肉ステーキ。目の前で焼いてくれるだけでなく、食べやすいサイズに切ってくれる。

いつものように飲み食いしたものを載せておこう。焼いている最中も、食事しているときも調理人やスタッフ、友達が話しかけてくれるので「おひとり様状態」を感じなくてすむのがよい。ひとりで黙々と肉を頬張る中年男は絵にならない。









牛スジのスープを注文。このほか赤だしの味噌汁が選べる。ご飯とスープはお代わり自由。(ダイエット中なのでご飯のお代わりは1回だけにした。)


まぁ、美味しいことこの上ない。いつも食べている肉は、いったい何だったのだろう?

デザートはコーヒーとアイスクリーム。紫芋のモンブラン仕立てと白いのは薩摩芋のアイスクリームだ。




久しぶりに友達とも話できたし、ドラマのロケ地確認もできたのがよかった。調理人やスタッフも感じがよい。

会計を済ませて出ようとしたところ、このような注意書きが目にとまった。建物の老朽化のため、今年12月26日(木)からお休みになるそうだ。忘年会をこの店でと考えている方は注意していただきたい。

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店は来年40周年を迎えるそうだ。友達が説明してくれたのだが、この秋には「革新的な創造する秋」をコンセプトにした新メニューを用意しているという。(9月25日~10月27日まで。茜コース:14,000円、宴コース:17,000円)

「ん?40周年?」僕は気が付いた。市ヶ谷は1987年に社会人になり、1年目に働いた会社があった馴染みの場所である。勤務していたビルは市ヶ谷駅の反対側にあった。クレーンが立っているビルである。オフィスは8階の防衛庁省側にあった。(壁面が工事中で見えなかったが。)

橋の上から撮影


どうりで「六番館」という店名には聞き覚えがあったわけだ。でも、なぜ「六番館」なのだろう?駅に向かって歩くうちにこのエリアが「六番町」であることにも思い当った。

六番館はここである。(Googleマップで開く

gooの地図だと赤い四角で囲った場所だ。店の周辺は六番町である。




ここをクリックすると現代の地図のほかに3つの年代の古地図や航空写真が見れる。(明治、昭和22年、昭和38年。昭和の2つは航空写真)
たとえば下の地図は明治の中頃。市谷門(現在の市ヶ谷駅)から麹町につながる形で斜めに伸びる道(日本テレビ通り)はまだない。




次は1898年(明治31年)の番町全体の鳥観図。現在の市ヶ谷から九段下まではこのような景色が広がっていた。赤丸が現在「六番館」がある位置。赤丸にかぶってしまったが、当時から近所には「女子学院」や「番町小学校」があったようだ。この景色の右下が靖国神社や九段下のあたり、右上が飯田橋駅あたりである。(九段下の坂道も見ることができる。(明治時代の写真を検索))

拡大


女子学院(1910年頃):ホームページ



六番町は「番町」の一部で武家屋敷が広がっていた。江戸時代の旗本のうち、将軍を直接警護するものを大番組と呼び、大番組の住所があったことから番町と呼ばれた。大番組は設立当初、一番組から六番組まであり、これが現在も名目だけ一番町から六番町に引き継がれている。

塀をめぐらし、樹木が鬱蒼とした中に、人気のない古い旗本屋敷が連なる地域であったことから、「番町皿屋敷」や「吉田御殿」「番町七不思議」などの怪談が生まれた。表札もなく、同じような造りの旗本屋敷ばかりが密集しており、住民でさえ地理を認識することが困難であったため「番町の番町知らず」という諺が流布した。

番町皿屋敷は架空の怪談話だが、恨めしそうに「一枚、二枚……」と数えるお菊さんが住んでいた江戸の牛込御門あたり(現在の飯田橋駅近く)の江戸時代の地図も載せておこう。赤丸は現在の「六番館」の位置。

上の地図と上下が逆なのでご注意。

拡大 上下逆にして拡大



お肉を頬張りながら、昔の風景を空想するのもひとつの楽しみ方である。


おまけの写真:

1870年頃(明治初め)の市谷門。(現代だと橋の反対側、外堀通りからの撮影。門の右端が市ヶ谷駅の改札、門の左側の石垣の裏が交番あたり。)


上の写真は鉄道開通前である。この区間に鉄道が開通(新宿-牛込間)したのは1894年(明治27年)10月9日 だ。上の写真の撮影状況を明治時代の地図に書いた矢印で示すとこのようになる。(参考:甲武鉄道



1872年(明治初め)の市谷門の前の橋。(現代だと橋の向こうが防衛省、僕が初めて勤務したビルのあたり。)


1964年(昭和39年、東京オリンピックの年)の市ヶ谷駅前。(電話ボックスの右の木の当たりが、現在交番があるあたり。)



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A Brief History of Time (2017, 2018): Stephen Hawking

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A Brief History of Time (2017, 2018): Stephen Hawking」(Kindle版

内容紹介:
IN A LANDMARK VOLUME OF SCIENCE WRITING by one of the great minds of our time, Stephen Hawking explores such profound questions as: How did the universe begin - and what made its start possible? Does time always flow forward? Is the universe unending - or are there boundaries? Are there other dimensions in space? What will happen when it all ends?
In language we can all understand, A Brief History of Time plunges into the exotic realms of black holes and quarks, of antimatter and "arrows of time," of the big bang oand a bigger God - where the possibilities are wondrous and unexpected. With exciting images and profound imagination, Stephen Hawking brings us closer to the ultimate secretes at the very heart of creation.
ペーパーバック版: 2018年10月16日刊行、226ページ。
Kindle版: 2017年刊行、226ページ。

著者について:
Stephen Hawking was the Lucasian Professor of Mathematics at the University of Cambridge for thirty years and the recipient of numerous awards and honors including the Presidential Medal of Freedom. His books for the general reader include My Brief History, the classic A Brief History of Time, the essay collection Black Holes and Baby Universes, The Universe in a Nutshell, and, with Leonard Mlodinow, A Briefer History of Time and The Grand Design. He also co-authored a series of children’s books with his daughter, beginning with George’s Secret Key to the Universe. Stephen Hawking died in 2018.

ホーキング博士の著書: 日本語版 英語版


理数系書籍のレビュー記事は本書で378冊目。

今年3月に亡くなったホーキング博士の代表作「ホーキング、宇宙を語る」の原書である。とね日記で洋書のレビュー記事を書くのは初めてのことだ。日本語版は先日「ホーキング、宇宙を語る:スティーヴン・W. ホーキング」として記事を書いたが、原書初版から改訂されていないため、この名著がどのような形で最終版となったかが気になったから英語版(2017年刊行)を電子書籍で通読してみた。

また10月16日にはペーパーバック版も発売された。アマゾンの「なか見!検索」や「内容紹介」、「表紙のイメージ画像」は日本語サイト、アメリカのサイトともにいいかげんである。届いた本を確認した上で実際のところをお伝えさせていただくことにした。


英語原書は1988年に刊行され、その後1998年と2011年に改訂されている。日本語訳は残念ながら1988年版の原書のままだ。翻訳を担当された林一先生は現在85歳になられている。

ホーキング、宇宙を語る(文庫版):スティーヴン・W. ホーキング」(1995年刊行)
ホーキング、宇宙を語る(単行本):スティーヴン・W. ホーキング」(1989年刊行)
 

章立てはこのとおり。

第1章:私たちの宇宙像
第2章:空間と時間
第3章:膨張する宇宙
第4章:不確定性原理
第5章:素粒子と自然界の力
第6章:ブラックホール
第7章:ブラックホールはそれほど黒くない
第8章:宇宙の起源と運命
第9章:時間の矢
第10章:物理学の統合
第11章:結論―人間の理性の勝利


2017年、2018年の原書のペーパーバック版とKindle版を比較したところ表紙のデザインを除き、中身はまったく同じだった。ISBNコードとASINコードは次のとおりだ。書店で購入される方はご注意いただきたい。

ISBN-13: 978-0553173253(ペーパーバック版、2018)
ASIN: B004WY3D0O(Kindle版、2017)

原書の目次は次のとおり。初版から追加された部分を太字にしておく。

Foreword(まえがき)
Foreword to the 2017 Edition(2017年版のまえがき)
Chapter 1 - Our Picture of the Universe(私たちの宇宙像)
Chapter 2 - Space and Time(空間と時間)
Chapter 3 - The Expanding Universe(膨張する宇宙)
Chapter 4 - The Uncertainty Principle(不確定性原理)
Chapter 5 - Elementary Particles and the Forces of Nature(素粒子と自然界の力)
Chapter 6 - Black Holes(ブラックホール)
Chapter 7 - Black Holes Ain't So Black(ブラックホールはそれほど黒くない)
Chapter 8 - The Origin and Fate of the Universe(宇宙の起源と運命)
Chapter 9 - The Arrow of Time(時間の矢)
Chapter 10 - Wormholes and Time Travel(ワームホールとタイムトラベル)
Chapter 11 - The Unification of Physics(物理学の統合)
Chapter 12 - Conclusion(結論)
Albert Einstein
Galileo Galilei
Isaac Newton
Appendix
Glossary

各Chapterの記述もわずかではあるが初版から1996年版までに発見された新しい事実が追加され改訂されている。「虚時間説」や「無境界仮説」などホーキング博士オリジナルの理論も詳しく解説されている。

そして1996年版から2017年版での大きな改訂はAppendix(付録)だ。ここには次のことが10ページに渡って書かれている。

Appendixの内容

Dark Energy and the Accelerating Expansion of the Universe
(ダークエネルギーと宇宙の加速的膨張)

Microwave Background Radiation and the No Boundary Proposal
(マイクロ波背景放射および無境界仮説の提案)

ここではCOBE (1992)、WMAP (2001)、Planck (2013)による宇宙マイクロ波背景放射観測の結果を受けて記述が追加されている。

Eternal Inflation and the Multiverse
(永久インフレーションおよびマルチバース)

Gravitational Waves
(重力波)

2015年9月にLIGOで重力波が初観測され2016年2月に発表されたこと、そしてそれに対する感想が書かれている。(参考記事:「重力波の直接観測に成功!

The Information Paradox
(情報パラドックス)

LIGOでの重力波観測に興奮した理由として、これがブラックホールの情報パラドックスとして知られる大きな矛盾に直結していることがあげられる。この問題に対する博士の見解の移り変わりが年代順に書かれている。

Outlook
(将来の展望)

次のように締めくくっている。重力波の観測による初期宇宙の理解の進展、ダークエネルギーや宇宙の加速的膨張など目覚ましい発展に心が躍るが、いまだ私たちは世界のごく一部を理解しているに過ぎない。マルチバースの証拠が得られるのはそう遠くないかもしれない。これまでの20年と同じくらいエキサイティングなことが待ち受けていることだろう。


初版からの改訂の歴史をまとめておこう。初版の表紙も捨てがたいから、購入のためのリンクを貼っておく。

英語版ウィキペディア(ページを開く)には各版の説明があるが、大きな違いがあるようには見えない。

1988年:初版(ISBN-13: 978-0553346145)

A Brief History Of Time (1988): Stephen Hawking」(ペーパーバック)


1998年:第2版:Chapter Ten Wormholes and Time Travel (第10章「ワームホールとタイムトラベル」が追加された)

2011年:第3版:This new edition includes recent updates from Stephen Hawking with his latest thoughts about the No Boundary Proposal and offers new information about dark energy, the information paradox, eternal inflation, the microwave background radiation observations, and the discovery of gravitational waves. (無境界仮説、ダークエネルギーの新情報、情報パラドックス、永久インフレーション(Eternal Inflation)、宇宙背景放射の観測、重力波の発見 - ただし重力波が直接検出されたのは2015年9月だ。(参考記事))

2018年:第4版

A Brief History Of Time (2018): Stephen Hawking」(ペーパーバック)


内容は2017年Kindle版とまったく同じである。(表紙は届いたペーパーバック版を撮影したものだ。)


英語原書(Kindle版)

どの版のリンクから「Kindle版」をクリックしても、購入できるのは2017年版だけである。

A Brief History Of Time (2017): Stephen Hawking」(Kindle版)



ホーキング博士がお書きになる英語はシンプルでとても読みやすい。本書は分量が手ごろで理系の人が洋書に慣れるのにうってつけだ。ぜひ、お読みになっていただきたい。


そして、これは今月発売されたばかりの本。ホーキング博士の遺作である。本は未完のままに博士は亡くなったが、博士の娘や研究者仲間が資料を集め、このほど刊行にこぎつけたという。この中で博士は「神は存在するのか?」という問いに対して、最終的な見解をお書きになっている。

ペーパーバック版は11月13日に発売。以下のリンクはハードカバー版とKindle版である。

Brief Answers to the Big Questions: the final book from Stephen Hawking」(Kindle版


神は存在するのか? ホーキング博士が遺作でも強調した「答え」
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58046


ホーキング博士の著書は、日本語タイトルは原書とだいぶ違うので、対応関係を書いておく。

ホーキング、宇宙を語る(A Brief History of Time, 1988)
ホーキングとペンローズが語る 時空の本質(The Nature of Space and Time, 1996)
ホーキング、未来を語る(The Universe in a Nutshell, 2001)
ホーキング、宇宙の始まりと終わり(The Theory of Everything, 2002)
ホーキング、宇宙のすべてを語る(A Briefer History of Time, 2005)
宇宙への秘密の鍵(George's Secret Key to the Universe, 2007)
ホーキング、宇宙と人間を語る(The Grand Design, 2010)
ホーキング、自らを語る(My brief History, 2013)
ホーキング、ブラックホールを語る(Black Holes, 2016)
ホーキング、最後に語る:多宇宙をめぐる博士のメッセージ(A Smooth Exit from Eternal Inflation?, 2017というホーキング博士の最後の論文の解説本)


関連記事:

ホーキング、宇宙を語る:スティーヴン・W. ホーキング
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1e3dbc9b3d10d4a9b6518b6b32429e22

ホーキング博士の訃報に接し (Stephen Hawking passed away)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/63860b8ac08b47f1fc9c5cbac3f9ca8f

ブラックホール戦争:レオナルド・サスキンド
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/c8ad22de70df7be8e51a066ca8354106


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A Brief History of Time (2017, 2018): Stephen Hawking」(Kindle版


Foreword(まえがき)
Foreword to the 2017 Edition(2017年版のまえがき)
Chapter 1 - Our Picture of the Universe(私たちの宇宙像)
Chapter 2 - Space and Time(空間と時間)
Chapter 3 - The Expanding Universe(膨張する宇宙)
Chapter 4 - The Uncertainty Principle(不確定性原理)
Chapter 5 - Elementary Particles and the Forces of Nature(素粒子と自然界の力)
Chapter 6 - Black Holes(ブラックホール)
Chapter 7 - Black Holes Ain't So Black(ブラックホールはそれほど黒くない)
Chapter 8 - The Origin and Fate of the Universe(宇宙の起源と運命)
Chapter 9 - The Arrow of Time(時間の矢)
Chapter 10 - Wormholes and Time Travel(ワームホールとタイムトラベル)
Chapter 11 - The Unification of Physics(物理学の統合)
Chapter 12 - Conclusion(結論)
Albert Einstein
Galileo Galilei
Isaac Newton
Appendix
Glossary

第59回 神田古本まつり、第28回 神保町ブックフェスティバル

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今日から神保町で神田古本まつりが開催されている。さっそく行ってきたので何を買ってきたか記録として残しておこう。

第59回 東京名物神田古本まつり 2018年10月26日(金)~11月4日(日)
http://jimbou.info/news/furuhon_fes_index.html

同じ地域で「神保町ブックフェスティバル」も開催される。出版社ごと出店の路上のワゴンセールと露店で賑うイベントだ。古本まつりと両方楽しむのだったらこの土日に行くべきだろう。

第28回 神保町ブックフェスティバル 2018年10月27日(土)、28(日)
http://jimbou.info/news/book_fes.html


路上販売されているのが特価本である。最新情報は明倫館書店さんのブログに掲載されている写真でご確認いただきたい。

理工系古書専門店 明倫館書店ブログ
http://blog.livedoor.jp/meirinkanshoten/

今日のところはこのような感じで売られている。

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積読本がたまる一方だが、つい買ってしまう。読む時間がないのに本を買うことを昨今は「徳を積む」と言うそうだ。今年は差し当たり物理学書と数学書を2冊ずつ買って徳を積ませていただいた。4冊合わせて6000円。


物理学書:



量子力学: 砂川重信

内容:
量子力学の入門から、散乱理論、量子電磁気学などのやや進んだテーマまでを一貫した構想のもとに解説する。基本的な概念を懇切に説きあかし、計算の過程をていねいに示し、要所要所に必要十分な70の演習問題(詳細な解答付き)を配して、初学者が完璧に量子力学をマスターできるようにした。学部学生向けの教科書・参考書として最適。

量子電磁力学―ゲージ構造を中心として: 横山寛一

内容:
量子電磁力学について、広い枠組を持つ理論形式を導出することを目指す好著。ゲージのずれを正しく考慮し、くりこみ理論を正しく適用するために、量子電磁気学の理論構成をそのゲージ構造を主眼として考察する。


数学書:



線型代数入門: 齋藤正彦

内容:
線型代数の最も標準的なテキスト。平面および空間のベクトル、行列、行列式、線型空間、固有値と固有ベクトル等7章の他、附録をつけ線型代数の技術が習熟できる。各章末に演習問題があり、巻末に略解を付す。新版として刊行された「齋藤正彦線型代数学」もお勧め。参考記事:「線形代数学入門のための教科書談義

楕円曲線論入門:J.H.シルヴァーマン、J.テイト

内容:
Nagell‐Lutzの定理、Mordellの定理、Hasseの定理などの基本的な定理の証明に力を入れる。数論を学ぼうとする学生・教育者はもちろん、暗号理論や物理学を学ぶ人にとっても必読の書。
アマゾンのレビュー:本書の原書のタイトルは、『Rational Points on Elliptic Curves』となっています。そのタイトルが示すように、本書は数論的な楕円曲線論の入門書です。まえがきにもあるように、講義録をもとにしているので、未解決な話題にも触れながら、随所に説明的な記述があり、たいへんおもしろく、そして全体像が掴みやすい本になっています。
また、議論の展開もいたずらには予備知識を仮定せず、前半では、解析幾何的な扱いが多く、理解しやすくなっています。その分展開の仕方が古典的という感想を持つ人もいると思いますが、私のような独習者には有り難かったです。
Diophantusに端を発し、Fermatが関心を持っていた数論的な話題が楕円曲線と深い関係にあることを認識させてくれる最適の入門書です。

後日また行くことにしよう。徳を積ませていただく本は、その都度ここに追記して掲載させていただくことにする。


関連記事:

第58回 神田古本まつり、第27回 神保町ブックフェスティバル
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/4be923929c44b1928997b42eebd41c47

第57回 神田古本まつり、第26回 神保町ブックフェスティバル
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/c168df7016fa0a22b023894f4f6a725a

第56回 神田古本まつり
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e6f8747520c13a604be12dc5c9fdfd2c

第25回 神保町ブックフェスティバル
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/2d423e662d49ff313acec5c991b6399e

第51回 神田古本まつり
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/c8b3a07e28fd98a1f3f7feb852e1d2b1


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波動力學研究序説:ルイ・ドゥ・ブロイ著、渡邊慧譯

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「波動力學研究序説:ルイ・ドゥ・ブロイ著、渡邊慧譯」

内容紹介:
原著者Louis de Broglie氏ハ人ノ知ル如ク物質ノ波動的半面ヲ理論的見地ヨリ予見シタ仏国ノ独創的天才デアル。彼ガ己ノ拓イタ物理学ノ新分野ノ基本的部分ニ就テ懇切ニ説述セル此ノ高名ナル一著ヲ本邦ニ紹介スル事ノ許サレタルハ訳者ニ取ツテ大イナル喜デアル。本著ハ正シク新力学ニ於ケル輝ケル古典トモ謂ウベク之ヲ読了セズシテハ今日ノ量子論ヘノ入門ハ拒マレテ居ルトサヘ称サレテ居ル。(譯者附記より抜粋)
1934年(昭和9年)11月刊行、344ページ。(原著は1930年刊行)

著者について:
ルイ・ドゥ・ブロイ:ウィキペディアの記事
1892年8月15日 - 1987年3月19日
フランスの理論物理学者。博士論文で仮説として提唱したド・ブロイ波(物質波)は、当時こそ孤立していたが、後にシュレディンガーによる波動方程式として結実し、量子力学の礎となった。

ルイ・ドゥ・ブロイ博士の著書: Amazonで検索

譯者について:
渡邊慧(わたなべさとし):1910-1993年。東京帝国大学理学部卒。渡欧してド・ブロイ、ハイゼンベルク、ニールス・ボーアらに師事・親交した世界的理論物理学者。著書に『時間の歴史』『知るということ』他がある。


第59回 神田古本まつり」でたまたま見つけ、たった400円で買った本。ずいぶん古いなと思いながら著者を確認してびっくり。背表紙には量子力学創成期の理論物理学者の名前が金色の文字で光っていた。物質波(ド・ブロイ波)提唱の功績により1929年にノーベル物理学賞を受賞したルイ・ド・ブロイ博士による著作。翻訳のもとになった原著は翌年の1930年に刊行されている。

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そして訳者を見てさらにびっくり。ド・ブロイ、ハイゼンベルク、ボーアに、師事・親交した量子力学の輝ける巨星、渡邊慧博士である。1910年生まれだから24歳のときにこの日本語版を刊行したことになる。博士の著書はこのブログでも6年前に「時:渡辺慧」を紹介させていただいた。

値段が値段だけにお宝本なのかは自信がないが、レア本であることには違いない。国会図書館にはもちろんあるが、この本を所蔵している大学は少なそうだ。アマゾンには中古本としても登録されていないから、いつものように書名にリンクをつけることもできない。


科学史的にとても重要な本だ。肖像写真、目次、訳者あとがきのあたりを載せておこう。

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そしてノーベル物理学賞受賞の理由となった物質波(ド・ブロイ波)についての記述は、64~65ページあたりにかけて書かれている。βの文字があることからわかるように、相対論的な取り扱いもされているようだ。

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ド・ブロイ波をあらわす式(λ:ド・ブロイ波の波長)



翻訳のもとになった原書は「Introduction à l'étude de la mécanique ondulatoire」で1930年刊行である。フランスと米国のアマゾン、フランスのeBayから購入可能だ。

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Amazon.fr: 開く
Amazon.com: 開く
eBay.fr: 検索する


1967年に収録されたド・ブロイ博士のインタビュー動画

Interview with Louis de Broglie, 1967 (French with English Subtitles)



関連記事:

時:渡辺慧
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/d149cf16bb9dd319f572e4228fdfe241

量子力学史(自然選書): 天野清
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a742e5490485206851f5c76290d9a058


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美内すずえ対談集 見えない力

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美内すずえ対談集 見えない力
梅若 実(能) 甲野善紀(古武術) 大栗博司(物理学)と語る

内容紹介:
国民的ベストセラー漫画『ガラスの仮面』の美内すずえと、「紅天女」「神秘体験」「宇宙」・・・・。「見えない力」をテーマに、能、古武術、物理学の天才たちと縦横無尽に語り尽くした1冊。梅若実、甲野善紀、大栗博司を迎え、能の見方、武術、超弦理論の入門書としても面白く、優れた内容です。連載40周年を迎えた『ガラスの仮面』については、「見えない力」に導かれたとしか思えない神秘的な創作秘話が披露され、心肺停止23分より意識を回復したご主人のことなど、生命についての深い思いを初語りされています。
2018年10月刊行、296ページ。

著者について:
美内すずえ
漫画家。代表作『ガラスの仮面』は、累計部数5,000万部を超え、少女漫画史に名を残すロングセラー。1976年の連載開始より40周年を迎え、各地で原画展が開催される。漫画家としてもデビュー50周年を迎えた。他の作品に『アマテラス』『はるかなる風と光』『妖鬼妃伝』など。
美内すずえさんの著書: Amazonで検索


理数系書籍のレビュー記事は本書で379冊目。(大栗先生との対談の章が理系なので理数系書籍としてカウントしておく。)

大栗先生が先月ブログで紹介されていた本を読んでみた。漫画家の美内すずえさんとの対談をされたという。まったくの理系素人の方との対談である。いったいどんな話になるのだろう?

美内すずえさんとの対談(大栗博司のブログ)
https://planck.exblog.jp/29793239/


本の著者は大栗先生ではなく美内すずえさん。少女漫画はこれまで1冊も読んでいないから美内すずえさんのことも、『ガラスの仮面』という漫画も知らなかった。それどころか、本書で対談されている能楽師の梅若実さん、古武術の達人の甲野善紀さんのことも存じ上げなかった。

本の紹介には次の文章が。

『ガラスの仮面』の美内すずえと
「紅天女」「神秘体験」「宇宙」・・・・。

見えない世界に何がある!?

能の祈りから9次元世界まで
天才たちと語り尽くす!


対談されている4人の先生方は、それぞれその道を究められた方だから「天才」ということなのだろう。尊敬すべき先生方だ。ウィキペディアでご経歴を拝見し「素晴らしい方だ」と感じた。

けれども、大栗先生以外の3人の先生方は、本来見えるはずがないものが見えてしまう方らしい。

そもそも「力」は目に見えるものではないのだから「見えない力」という表現は当たり前のことだけれど、基礎物理学の4つの力を信じている大栗先生以外の3人の先生が信じているのは「神通力」、「霊力」、「神業」、「秘蹟」、「予知能力」、「超能力」の類である。Amazonから「見えない力というキーワードで検索」すると、でてくるのは僕が絶対読まないと思っている本がほとんどだ。

第1章は能楽師の梅若実さんとの対談、第2章は武術研究家の甲野善紀さんとの対談、第3章は大栗博司先生との対談で、各対談の後に美内さんの書かれた感想や、ご主人が心肺停止になられた経験と昔の思い出を書かれたあとがきがある。

第1章と第2章については、まったく経験したことがない世界の話なので「そういうものなのか。」と読み進めるしかなかったし、「見えてしまう人」どうしが対話の中で引き合いにだす「もっと見えてしまう人」や「神業をなしてしまう人」の話を読むと、眉唾だと思わずにいられなかった。伝聞で伝わるこのような話は大袈裟になりやすい。

僕のブログをお読みになるのは理系の方がほとんどだから、本書の感想記事をこのように書いてしまうと、大栗先生との対談以外は読む価値がないと思ってしまうことだろう。しかし、通読してみたところ、あながちそうとも言い切れないものが残ったのだ。

第3章の大栗先生との対談は「9次元からきた男」の講演会でお話になったことや、これまでにお書きになった「重力とは何か」、「強い力と弱い力」、「大栗先生の超弦理論入門」をお読みになった方なら知っていることばかりである。しかし、美内さんに対して大栗先生はわかりやすく、かつ誤解を生まないよう慎重に言葉を選んでお話になっていることが読み取れた。(一例をあげれば、2つの理論の統一と言わずに、まず「統合」というより日常的に使う言葉でおっしゃっていたことなどだ。)

さらに大栗先生のすごさは、とことん相手の立場を尊重するということだ。美内さんは超弦理論で意味をもつ496という完全数について大栗先生に説明を求めたあと、奈良県の山深い民家で目覚めるときに欄間に発光している三角形と3つの3桁の数字が見えたという話をされた。そのうちのひとつが614という数字である。

僕などはそのような話をされたとしても、軽く受け流してしまうところだが、大栗先生は「三つの平方数の和として9通りの表現を持つ最小の数」だと回答された。たまたま知っていたのか、それともその場で見つけた事実なのか僕にはわからないが、超弦理論のように高度な数学を駆使して研究されるときは、たまたまでてきたように見える数字に意味を見出す能力が極めて重要なのだろう。数学者ラマヌジャンのことも引き合いにされていたが、凡人がとうてい及ばない天才に必要とされる能力、インスピレーションなのだと思った。

「数学は嫌い」と前章の対談でおっしゃっていた美内さんも、大栗先生の説明に「えっ、そうなんですか!?」と驚かれ、神秘的な数学の世界にも大いに興味を持たれたようだ。物理や数学と無縁な人と話すとき、どのようにすれば興味を持ってもらえるか、僕は大栗先生からヒントをいただいたのだと思う。

第3章のタイトルは『宇宙は「見えない力」で満ちている』だ。基礎物理学の4つの力は、人類にとってすでに発見済みの力だが、解明されていない謎がまだたくさんあるはずだ。謎の解明に「終わり」や「最終的な限界」があるのかもわかっていない。

また、大栗先生を突き動かしているのはそのような謎に対する「好奇心」であることは間違いない。物理学者だから論理的に研究を進めていらっしゃるのはもちろんであるが、理性だけでは済まされないインスピレーションや感性、直感などが働いているのだと僕には思える。これもまた「見えない力」なのだと思った。先日紹介した岡潔先生の「人間の建設:小林秀雄、岡潔」や「岡潔/多変数関数論の建設:大沢健夫」にも岡先生にとって数学が論理だけではなく「感情」の働きが大きな役割を果たしていることが書かれている。

美内さんご自身も含め、本書で対談をされた4人の先生方が、それぞれの道を究められたのは、方向性や内容は全く異なるが、それぞれが「見えない力」を感じ、信じ続けていたからなのだと思った。

人生は偶然に左右されるし、人はとかく「見えるもの」に惑わされやすく、道を誤るものだ。見えないものを信じ続けることで、人生をより豊かに真っすぐ生きられるのかもしれない。「見えないもの」は生きるための原動力なのだ。そのような感想を僕は本書にもったのである。


これまで存じ上げなかった美内さんに対しては、漫画の世界での今後のご活躍とご主人の回復を心から願っている。


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美内すずえ対談集 見えない力
梅若 実(能) 甲野善紀(古武術) 大栗博司(物理学)と語る


第一章「思い」という見えない力
梅若 実(能)×美内すずえ
あとがき『紅天女』不思議考

第二章 極めた先にあるもの
甲野善紀(古武術)×美内すずえ
あとがき「超人間」不思議考

第三章 宇宙は「見えない力」で満ちている
大栗博司(物理学)×美内すずえ
あとがき「数式宇宙」不思議考

全体あとがき「生命」不思議考

シネヴィヴァン六本木、ノスタルジア(1983):タルコフスキー

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学生時代の思い出の映画のうちの1つ。日本で公開されていたのは1984年の3月から5月のようだから、僕が観たのは34年前のことだ。

上智大学でフランス語を専攻していた女の子に誘われて、たびたびこのようなミニシアター系の映画を観に行っていた。

携帯やインターネットがなかった当時の若者の情報源は『ぴあ』をはじめとする情報誌だった。映画やコンサート、演劇の情報満載で、デートのときの必須アイテムである。

1984年10月号


雑誌の『ぴあ』の発行は2011年7月までに終了してしまったが、1999年にチケット販売専用のWebサイト「チケットぴあ」を開始していたし、今年の8月にはスマホアプリ版の「ぴあ」がリリースされている。


 


今ならどこに住んでいてもAmazon Prime Videoなどで、『ノスタルジア』のようなミニシアター系映画をいつでも、どこでも観れるわけだが、当時は東京をはじめ、限られた大都市に住んでいないと無理だった。カルチャー・デバイドがあったのだと、あらためて気づかされた。

僕が大学を卒業したのは1987年。社会人になると、映画や演劇に関心がある友達が周りにいなくなり、このような映画を観に行くこともなくなった。社会人になると、映画や演劇に関心がある友達が周りにいなくなり、この映画館に行くこともなくなった。理系の大学に通いながら、文系の友達とお付き合いしていた学生時代は、今になって思うと貴重な時間だった。一緒に映画を観に行ける友達は大切だ。


シネヴィヴァン六本木

この映画は六本木WAVEにあったシネヴィヴァン六本木という映画館で上映されていた。当時としては斬新なビルで、オープンしたのは1983年11月18日。1980年代~90年代、最先端の文化を好む若い客層をひきつけていた。最後の映画が上映されたのは1999年12月だった。

取り壊されたビルの跡地は、その後整備されて今では六本木ヒルズが建っている。思い出の場所は痕跡すらも残っていない。





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ビルの外側や館内の写真、上映されていた映画(一覧)などは、次のサイトにまとめられている。

シネヴィヴァン六本木に捧げる
鎮魂歌<レクイエム>
http://www28.tok2.com/home/sammy/cinevivant.html

大森さわこ:ミニシアター再訪 第4回 六本木からのNew Wave - 1
http://www.gei-shin.co.jp/comunity/18/act5.html

大森さわこ:ミニシアター再訪 第4回 六本木からのNew Wave - 2
http://www.gei-shin.co.jp/comunity/18/act6.html


ノスタルジア(1983)

少なくとも若者のデート向きではないこの映画が日本で公開されたのは1984年の3月のこと。初めてシネヴィヴァン六本木を訪れた。

【ストーリー】
自殺したロシアの作曲家の取材のためにモスクワからイタリアに旅行に来ている作家アンドレイ・ゴルチャコフは、温泉の街バーニョ・ヴィニョーニで老人ドメニコに出会う。
ドメニコは世界の終末を信じ、7年間にもわたって家族を幽閉したため周囲からは奇異な目で見られていた。
彼はアンドレイに「ロウソクに火を灯し、それを消すことなく温泉の広場の端から端まで渡れたら、世界が救済される」と言い残し、ローマに発つ。
マルクス・アウレリウス像の下で人々に目を覚ませとアジテーションを行ったドメニコは人々の見守る中で焼身自殺。
その頃、アンドレイはドメニコの言葉通り、ロウソクに火を灯し温泉を歩き出していた……。

ということだが、これでは何のことかわからない。34年前に観たときも、ストーリーがあって無いような芸術作品に戸惑った。イタリアを訪れている中年のロシア人作家が主人公だ。故郷ロシアの生まれ育った家や家族が、ときどき白黒の心象映像として映される。静寂と沈黙の中でゆっくりと流れる時間の中、思い出と現在が交錯し、望郷の念を強めていく。

Blu-ray&DVD『ノスタルジア』CM「故郷」篇


Blu-ray&DVD『ノスタルジア』CM「ロウソク」篇



水が奏でる音と美しい映像が印象に残る映画だ。意味や解釈は観る人それぞれに委ねられている。ネタバレのあらすじを読んでも、わけがわからないはずだ。いったいどのような結末を迎えるのか。

始まりから終わりまで故郷や家族へのノスタルジーに満ちたこの映画は、次のような映像で締めくくられる。







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僕にとってはデートの思い出と重なるノスタルジアな映画だ。一緒に観た上智大の女の子は今ごろ、どうしているだろうか。

ご覧になりたい方は、DVD、Blu-ray、のほかAmazon Prime Video、YouTube映画でどうぞ。



DVD、Blu-ray: Amazonで開く
Prime Video: Amazonで開く
YouTube映画: 開く

「ノスタルジア」あらすじネタバレ結末と感想
https://mihocinema.com/nostalghia-19122


ミツバチのささやき(1973)、エル・スール(1983)

シネヴィヴァン六本木で観た映画では、次の2本も忘れられない。どちらも1985年の前半に上映された。近いうちに観てから紹介することにしよう。

『ミツバチのささやき』 予告編




DVD、Blu-ray: Amazonで開く
Prime Video: Amazonで開く
YouTube映画: 開く

「ミツバチのささやき」あらすじネタバレ結末と感想
https://mihocinema.com/mitubati-sasayaki-15485


エル・スール(字幕版)




DVD、Blu-ray: Amazonで開く
Prime Video: Amazonで開く
YouTube映画: 開く

「エル・スール」のネタバレあらすじ結末と感想
https://mihocinema.com/el-sur-16602


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発売情報: 弦理論: ディビッド・マクマーホン

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弦理論:ディビッド・マクマーホン

内容:
わかりやすさで好評を博しているマグロウヒルの初学者向けシリーズ第3弾。本格学習への第一歩として弦理論一般の全体像を提供し、高度な専門書への橋渡しをする格好の書。ボソン的弦理論のみならず、フェルミオンも記述できる超弦理論にも多くのページを割いている。
2018年11月14日刊行、390ページ。

著者について:
ディビッド・マクマーホン
米国・サンディア国立研究所で物理学者および研究者として勤務。


ツイッターで話題になっているので、ブログ記事にしておこう。

弦理論(そして超弦理論)の日本語の教科書は数少ない。特に入門者向けだと樺沢宇紀先生が訳された「初級講座弦理論 基礎編、発展編:B.ツヴィーバッハ」が唯一の選択肢だと思う。(そもそも「弦理論、超弦理論って何?」という方は「大栗先生の超弦理論入門」や「神の数式 完全版」という記事をお読みいただきたい。)

しかし、今回「弦理論:ディビッド・マクマーホン」が発売されることで、もうひとつ選択肢が増えることになる。翻訳の品質が気になるが、僕もとりあえず1冊注文しておいた。

英語が流暢な方は、もちろん原書でお読みになるほうがよい。既刊の2冊とあわせて日本語版、英語版のAmazonへのリンクを掲載しておく。

相対性理論:ディビッド・マクマーホン
場の量子論:ディビッド・マクマーホン
弦理論:ディビッド・マクマーホン
  

Relativity Demystified: David McMahon
Quantum Field Theory Demystified: David McMahon」(Kindle Edition)
String Theory Demystified: David McMahon」(Kindle Edition)
  

David McMahonの著書: Amazonで検索

そして、McMahonのString Theory Demystifiedは、このリンクからPDFファイルがダウンロードできるようになっている。(この先生のサイト)


関連記事:

販売状況:日本語の超弦理論・M理論の教科書
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/61e4dd2232d54cf4a5f3da1aeb83975a

発売情報:初級講座弦理論 基礎編、発展編:B.ツヴィーバッハ
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/8acd8a8c69f88d687ccd0290421c6d86


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弦理論:ディビッド・マクマーホン


第1章 序論
第2章 古典的弦I:運動方程式
第3章 古典的弦II:対称性と世界面カレント
第4章 弦の量子化
第5章 共形場理論
第6章 BRST量子化
第7章 RNS超弦
第8章 コンパクト化とT-双対性
第9章 超弦理論の続き
第10章 超弦理論のまとめ
第11章 II型弦理論
第12章 ヘテロティック弦理論
第13章 D-ブレーン
第14章 ブラックホール
第15章 ホログラフィー原理とAdS/CFT対応
第16章 弦理論と宇宙論

発売情報:力学の誕生―オイラーと「力」概念の革新:有賀暢迪

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力学の誕生―オイラーと「力」概念の革新:有賀暢迪

内容:
自然哲学から自然科学へ、ニュートン以後の静かな革命。十八世紀のヨーロッパ大陸で、力学は生まれ直した。惑星の運動から球の衝突まで、汎用性をもつ新たな知が立ち上がる過程を丹念に追跡し、オイラーの果たした画期的役割を、ライプニッツやベルヌーイ、ダランベールやラグランジュらとの関係の中で浮彫りにする。
2018年10月10日刊行、356ページ。縦書きの本。

著者について:
有賀暢迪(ありが・のぶみち): 紹介ページ: http://www.ariga-kagakushi.info/profile.html
1982年岐阜県に生まれる。2005年京都大学総合人間学部卒業。2010年京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。2013年国立科学博物館理工学研究部研究員。2017年京都大学博士(文学)。


前回紹介した「弦理論: ディビッド・マクマーホン」と同様、こちらの本も最近ツイッターで話題になっているのでブログ記事にしておこう。発売情報記事ばかり続いているのは、分厚い素粒子物理の本を読んでいるためである。読み終えたら紹介記事を書く予定だ。

力学の誕生をめぐる科学史は2年前に「古典力学の形成―ニュートンからラグランジュへ:山本義隆」を読んで紹介しているから、本書は後回しでよいかなと思っていた。しかし、読者の反応を読んでいると、山本先生の本とはどうも少し違うようなので気になってしかたがない。

たまたま紀伊國屋書店の新宿本店に行く必要があり、4Fの理工系書籍のフロアに立ち寄った。「弦理論: ディビッド・マクマーホン」も置いてあったから一緒に購入。緑表紙の2を並べて記念撮影。近代物理学誕生話と理論物理学の最前線で好対照をなしている。この2冊に被るところはまったくないはずだが、数学者オイラーの業績の中に接点があるかもしれない。

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本書をすでに読み終えている中嶋慧さん(@subarusatosi)によると、山本先生の本との違いは次のようだという。(中嶋さん、教えていただきありがとうございました。)

「山本先生の本は、比較的伝統的な力学史の定説を基にしているのに対して、有賀先生の本は、定説を批判しつつ、独自の「力概念形成史」を作ったという感じだと思います。大変な業績だと思います。先行研究で見落とされていた視点の指摘が多いです。山本先生より、有賀先生の方が深いと感じました。」

本書に関連する中嶋さんの連投ツイートはここから読める。

神田古本まつり」でたくさん買ったばかりで、優先度1の積読本はたまる一方だ。じゅうぶん徳を積んだから、じっくり取り組みたいと思う。


関連記事:

古典力学の形成―ニュートンからラグランジュへ:山本義隆
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e808487b7e9d668967f703396e32d80a

古典力学の形成: 山本義隆―続きの話
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b5904a574fd4c4e276da496bd2c1821b

マッハ力学―力学の批判的発展史:伏見譲訳
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b283e623ad8c112556fc107f4c422b4b

マッハと現代物理学: 伏見康治
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/199aca0e09948ec308f1cd870fd06b43

[世界を変えた書物]展(上野の森美術館)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/67cec3d33c33810b91d0f7591bfbc2ee

日本語版「プリンキピア」が背負った不幸
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/bff5ce90fca6b8b13d263d0ce6fc134e


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力学の誕生―オイラーと「力」概念の革新:有賀暢迪


序 論 力の起源をたずねて

第1章 18世紀力学史の歴史叙述
1 解析化と体系化
2 活力論争と力の概念
3 「力学」の誕生

第I部 活力論争と「運動物体の力」の盛衰

第2章 17世紀の自然哲学における「運動物体の力」
1 物体の中の「力」と衝突の問題 —— デカルト
2 「固有力」と「刻印力」—— ニュートン
3 「活力」と「死力」——ライプニッツ

第3章 活力論争の始まり
1 ドイツ語圏での支持拡大
2 オランダからの反応
3 フランスでの論戦の始まり

第4章 活力論争の解消
1 ダランベールの「動力学」構想
2 モーペルテュイの最小作用の原理
3 オイラーによる「慣性」と「力」の分離

小括 「運動物体の力」の否定とそれに替わるもの

第II部 オイラーの「力学」構想

第5章 「動力学」の解析化
1 活力と死力、その異質性
2 活力と死力、その連続性
3 死力による活力の生成

第6章 活力論争における衝突理論の諸相と革新
1 衝突の法則と物質観
2 ス・グラーフェサンデによる「力」の計算
3 パリ科学アカデミー懸賞受賞論文
4 ベルヌーイによる衝突過程のモデル化
5 オイラーによる「運動方程式」の利用

第7章 オイラーにおける「力学」の確立
1 活力と死力の受容
2 「動力」、「静力学」、そして「力学」
3 ライプニッツ-ヴォルフ流の「力」理解に対する批判

小括 「力学」の誕生

第III部 『解析力学』の起源

第8章 再定義される「動力学」と、その体系化
1 パリ科学アカデミーにおける「動力学」の出現
2 「力」の科学から運動の科学へ
3 ダランベールの「一般原理」と、そのほかの「一般原理」

第9章 作用・効果・労力 —— 最小原理による力学
1 弾性薄板と軌道曲線における「力」
2 「労力」の発見
3 最小労力の原理
4 2つの最小原理、2つの到達点

第10章 ラグランジュの力学構想の展開
1 「動力学」のさらなる体系化
2 「普遍の鍵」としての最小原理
3 「一般公式」の由来と『解析力学』の力概念

小括 静力学と動力学の統一、あるいは衝突の問題の後退

結 論 自然哲学から「力学」へ

あとがき
補 遺
年 表

参考文献
索 引

悲しみよこんにちは: フランソワーズ・サガン

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悲しみよこんにちは: フランソワーズ・サガン」(河野万里子訳)
Bonjour Tristesse: Françoise Sagan
Audible版: カトリーヌ・ドヌーヴ朗読版 サラ・ジロドー朗読版

内容:
セシルはもうすぐ18歳。プレイボーイ肌の父レイモン、その恋人エルザと、南仏の海辺の別荘でヴァカンスを過ごすことになる。そこで大学生のシリルとの恋も芽生えるが、父のもうひとりのガールフレンドであるアンヌが合流。父が彼女との再婚に走りはじめたことを察知したセシルは、葛藤の末にある計画を思い立つ……。20世紀仏文学界が生んだ少女小説の聖典、半世紀を経て新訳成る。

原著:1954年刊行、安東次男訳1954年、河野万里子訳2008年。

著者について:
フランソワーズ・サガン: ウィキペディアの記事
1935‐2004。カジャルク生れ。19歳の夏に、処女小説『悲しみよこんにちは』が批評家賞を受け、一躍フランス文壇の寵児になる。’57年自動車事故で九死に一生をえる。’78年に来日。小説、戯曲と著書多数。


30年ぶりにこの小説を読むきっかけは、アマゾンのAudibleで原書の朗読版を見つけたことだ。フランスを代表する女優のひとりカトリーヌ・ドヌーヴの朗読である。1987年にパリに短期留学していたとき、原書とカセットテープを買い、帰国後に何度も聞いていた。

他のテープにダビングして聞けばよかったのだが、当時はまだダブルカセットのラジカセを持っていなかったから、オリジナルのテープで何度も聞いているうちに、テープが誤ってゴムローラーに巻き付き、ダメになってしまった。

だから同じ音源を見つけたときはかなりうれしかった。Audibleは30日間の無料キャンペーン期間中だったから即購入。あとサラ・ジロドーという女優による朗読も購入しておいた。



パソコンだけでなくスマホでも聞くことができる。ウォーキングしながら聞くことにした。カトリーヌ・ドヌーヴ朗読のは全部で2時間、サラ・ジロドーのほうはゆっくり読まれるので3時間ほどかかる。

本格的にフランス文学に取り組むのであれば、スタンダールやバルザック、ビクトル・ユゴーということになるのだろうが、書かれている社会や生活習慣が古すぎる。日常で使うフランス語表現を増やしたいのなら、20世紀の作品を読むほうがよい。

フランス文学おすすめ10選!読みやすい初心者向けから、必読の名作まで。
https://honcierge.jp/articles/shelf_story/5632


フランス語版のペーパーバックは11月2日に注文したのだが、昨日ようやく配達された。その間に日本語版を読み終え、サガンが18歳の頃に書いたみずみずしい文章を味わった。フランス語版は朗読を聞きながら読むことにしよう。

辞書を丹念に引きながら読むのも大切だが、厖大な時間を割くことになる。日本語版でおおまかな意味をつかんでから、原書を読んだり朗読を聞くほうがはるかに効率がよい。美しい表現の数々が自然に覚えられ、会話の中で使えるようになる。

外国語の学習にAudibleは最適だ。ぜひみなさんも試してみてほしい。

ところでこの作品のKindle版についてだが、残念ながら日本のアマゾンサイトでは販売されていない。フランスのアマゾンサイトでは購入可能だが、日本で買えるKindle端末にダウンロードできないのが少し残念である。


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映画『ボヘミアン・ラプソディ(2018)』

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日曜は久しぶりの映画デート。

映画好きでQueen好きの友達と11月9日から上映中の映画『ボヘミアン・ラプソディ(2018)』を観てきた。映画というよりライブを聴いてきたという感じである。前回彼女と映画を観たのはほぼ1年前で『ドリーム(2016)』だ。2人ともこの1年にいろいろあったなぁと、ときたま会うとそれぞれの人生を確認する機会になる。

チケットは予約しておいてもらったのだが「応援上映」というほうの回だ。これだと上映中に拍手したり歌ったりできる。もうひとつの通常上映だと、ずっと静かにしていなければならない。

TOHOシネマズ新宿のフロントで11時45分に待ち合わせ。友達は先週の日曜に観ているから、今回で2回目。







パンフレットはすぐ売り切れるから、上映前に買っておくとよい。





もちろん満席である。映画開始後、すぐに目がしらが熱くなってきた。何度も聴いている曲なのに、こみ上げてくるこの感動は何なのだろう。。。彼らの経歴も知っているし、ネタバレという言葉が当てはまらない不思議な感覚。

来日間近!Queenの来日を振り返る
https://matome.naver.jp/odai/2147427934448171701

知っておきたいクイーンの歴史
http://www.neowing.co.jp/feature/1609queen_shmsacd

生でQueenのライブを見れなかったことを、友達はとても残念がっているのが可笑しかった。初来日は1974年で生まれていなかったし、最後の来日の1985年でも4歳になったばかりなのだから無理というもの。

「だから、この映画でライブのように体感できるだけでも、すごく幸せ。できるなら、Queenのライブを生で経験していた人と知り合って当時の話を聞きたい。」

あいかわらず、コアなファン魂を見せている。

僕にしても1974年は小学5年生。キャンディーズや天地真理に熱を上げていて、クラスの一部の女の子がKISSだのQueenだのと話題にしていた程度。あとベイ・シティ・ローラーズのほうが人気があったような気がする。ロックバンドは小学生にはまだ縁遠く「口から火を吹いて過激なのがKISS、メロディーがきれなほうがQueen」という違いがわかる程度だった。

中学時代はABBAとオリビア・ニュートン・ジョンが中心。英語がわかりやすかったからだ。高校から大学にかけては、音楽をあまり聴かない生活をしていた。それでも1985年、大学3年のときにライヴ・エイドはテレビでときどき見ていた。(Queenのライブを見た記憶はない。)今になってみると、チケットを買ってライブを聴きに行けばよかったと思う。

『ボヘミアン・ラプソディ』ScreenX版はライヴ・エイドが見せ場に 音楽映画ならではの臨場感
https://realsound.jp/movie/2018/11/post-278418.html

『ボヘミアン・ラプソディ』ライヴ・エイドのシーンは全曲フル版が存在、「近いうち観られると思う」 ─ 「愛という名の欲望」バスタブ作曲シーンも撮影
https://theriver.jp/br-shot-live-aid-full/






映画の字幕には英語の歌詞のほかに日本語訳も映される。友達は英語の勉強意欲をくすぐられたようで、英語をしっかり学び始めるのだと誓いを立てていた。勉強の役に立つかどうかわからないが、歌詞の日本語訳が読めるページを載せておこう。

Queen: 歌詞の日本語訳
http://blog.livedoor.jp/queen0203/archives/cat_33811.html

Queen: 歌詞の日本語訳、英語のカタカナ表記
https://lyrics.linkpalette.com/category/ka-gyo/queen

【洋楽歌詞和訳】Bohemian Rhapsody / Queen (クィーン)
http://www.yogakuhack.com/entry/bohemianrhapsody_queen


CDも買っておこうかと思ったが、友達はすでに持っているようだし、この映画のサントラCDと同じのがApple Musicに見つかったので、こちらで聴くことにした。Amazon Musicでも販売されている。

Bohemian Rhapsody (The Original Soundtrack): CD Amazon Music Apple Music



映画館を出て、西口地下の喫茶店で軽くお茶をした。おそらく次に一緒に観に行くのはアポロ11号の偉業を描いた『ファーストマン(2019)』(公式サイト)になるのだろう。来年2月8日公開予定。

『ボヘミアン・ラプソディ(2018)』は公開されたばかりである。見どころはラスト21分のライヴ・エイドのシーンだ。ぜひ映画館で楽しんでいただきたい。11月24日はフレディ・マーキュリーの命日である。僕もあともう一度か二度は観に行くつもりだ。

映画『ボヘミアン・ラプソディ』公式サイト
http://www.foxmovies-jp.com/bohemianrhapsody/

映画『ボヘミアン・ラプソディ』最新予告編が世界同時解禁!


ラミ・マレック主演!映画『ボヘミアン・ラプソディ』予告編


映画『ボヘミアン・ラプソディ』メイキング映像「フレディになるまで」


Queen - Live at LIVE AID 1985/07/13 [Best Version]


Queen - Somebody to Love [High Definition]: ミックスリスト


Bohemian Rhapsody (Live at Wembley 11-07-1986): ミックスリスト


MICHAEL JACKSON & FREDDIE MERCURY There Must Be More to Life Than This


David Bowie & Freddie Mercury



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祝: 累計500万アクセス達成!

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2005年2月に始めたこのブログの累計訪問者数が昨日500万人(IP)に達した。



400万人をクリアしたのが2017年10月16日。「重力波、中性子星で観測…重い元素の誕生解明」の記事を書いた頃だ。今日までちょうど400日が経過しているので、この期間は1日あたり平均2504人の方にアクセスしていただいたことになる。400万人達成のときに予想していた「500万人達成は563日後の2019年5月1日前後になると思われる。」よりだいぶ前倒しできた。期間としては29パーセント短縮し、日数としては163日前倒しできたことになる。

ページ閲覧数累計のほうも2016年10月17日(たまたま僕の誕生日)に1000万PVをクリアしている。(PVはPage Viewの略)このペースが維持できれば年末までには1500万PVを達成できそうだ。


「アクセス」の欄の閲覧 8,374PV、訪問者 2,579IPは昨日1日のぶんである。また日別、週別のランキング60位と63位はgooブログ全体(昨日の段階で2,847,303ブログ)の中での順位である。284万ブログあるといっても、更新されていないブログがたくさんあることに注意したい。

これまでのアクセス数とページ閲覧数の日平均は次のように推移していた。

累計0~40万アクセスの期間(2005年~2010年):日平均191アクセス、ページ閲覧数504page
累計40万~50万アクセスの期間(2010年~2011年):日平均800アクセス、ページ閲覧数2013page
累計50万~100万アクセスの期間(2011年~2012年):日平均973アクセス、ページ閲覧数3107page
累計100万~200万アクセスの期間(2012年~2014年):日平均1525アクセス、ページ閲覧数4266page
累計200万~300万アクセスの期間(2014年~2016年):日平均1502アクセス、ページ閲覧数5012page
累計300万~335万アクセスの期間(2016年~2016年):日平均1774アクセス、ページ閲覧数4825page
累計335万~400万アクセスの期間(2016年~2017年):日平均1781アクセス、ページ閲覧数5341page
累計400万~500万アクセスの期間(2017年~昨日):日平均2504アクセス、ページ閲覧数7032page




ブログの知名度を押し上げた「事件」は過去2回あったことが「TopHatenarの分析のページ」でわかる。「200冊の理数系書籍を読んで得られたこと」、「NHKスペシャル「神の数式」の感想」を多くの方に読んでいただいたことで知名度が上がった。(この数年、TopHatenarは更新されていないようだ。この画像は数年前のものである。)

画像クリックで拡大



浅草の「花やしき」の来園者数は年間50万人だというから日平均は1369人、「上野動物園」の来園者数は年間400万人だそうで日平均は1万人くらい。だからこのブログの1日のアクセス数2504人とは、「花やしきの1.8倍くらいで、上野動物園には遠く及ばない。」というところなのだ。

次の資料によると日本科学未来館の来館者数は年間100万人くらいなので、1日2740人。とね日記の1日2504人は少し足りないようだ。(日本科学未来館来館者数の推移


今のペースを維持できれば次の目標の600万人に達するのは400日後、つまり2019年12月24日前後になると思われる。

日本人がノーベル物理学賞をとったり、重力波検出のような大成果があっても世の中の人の関心はせいぜい1~2週間ほどしか続かないことがこの10年の動きを見て感じたことだ。(それは一般の事件のニュースでも同じこと。)先日の「リーマン予想が証明されたかも??」というニュースでも、1日の閲覧数が8万ページを記録したが、ブームが一時的であることを経験したばかりだ。(参考記事:「リーマン予想騒動によるアクセス数、ランキングの推移」)

アクセス数を伸ばすのを第一に考えのではなく、自分が楽しめて読者の方にも参考になる記事を書くというのがブログの目的だ。だから今のペースを維持するというのが自然である。その結果、運よくアクセス数がアップするというのならば嬉しいことだ。


平均アクセス数やページ閲覧数は主に過去記事によって支えられている。たとえば昨日の記事別アクセス数ランキングは次のとおりだ。昔書いた記事も読まれていることがわかる。僕としてはトップページへのアクセスがいちばん多いのが嬉しい。なぜなら「とね日記」というキーワードで検索し、ブログを開いていただいているわけだから。



100万アクセスを達成した2012年頃とくらべて、全体的にページ閲覧数が増えていることや、読んでいただいている記事が変化していることがわかる。

ペットの話題や料理の話題、芸能人ネタなど、より一般的な事柄を記事にすれば、アクセス数は格段にアップする。たとえば今日だと「日産のゴーン会長逮捕!」だろう。反対に物理学や数学の記事で、数式を使った専門的な記事であればあるほど、理解できる読者は少なくなりアクセス数は減る。

物理ブログ、科学ブログとしての価値はアクセス数やランキングでは測れないものだと僕は思っている。これからも記事に対する一般の方の関心事と内容の専門性のバランス感覚を大切にしていきたい。


これからも当ブログをよろしくお願いいたします。


参考リンク:

こよみの計算 > 日にち・曜日(CASIO高精度計算サイト)
http://keisan.casio.jp/has10/Menu.cgi?path=01200000%2e%82%b1%82%e6%82%dd%82%cc%8cv%8eZ%2f02000000%2e%93%fa%82%c9%82%bf%81E%97j%93%fa


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クォークとレプトン―現代素粒子物理学入門:F.ハルツェン、A.D.マーチン

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クォークとレプトン―現代素粒子物理学入門:F.ハルツェン、A.D.マーチン

内容紹介:
本書は、場の理論の知識はほとんど必要とせず、非相対論的量子力学と特殊相対論の基礎的知識だけを前提として、素粒子物理学の全分野を、最新の話題も含めて完全に網羅した初めての書である。 量子色力学(QCD)、Weinberg-Salam理論、大統一理論(GUT)などが、読者自ら具体的に計算してみながら定量的レベルで理解できるよう十分やさしく解説されており、細かな議論抜きでてっとり早く素粒子物理学の実際的な手法を身につけることができる。 また本文中には約200題の練習問題を配し、巻末には詳しい解答を付して読者の便宜をはかっている。
1986年4月刊行、459ページ。

著者について:
Francis L Halzen
https://www.physics.wisc.edu/people/francis-lhalzen
https://de.wikipedia.org/wiki/Francis_Halzen

高エネルギーニュートリノ、発生源をついに特定
40億光年も離れた銀河の超巨大ブラックホールから飛来、サイエンス誌他
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/b/071500206/

Alan D. Martin
https://www.ippp.dur.ac.uk/profile/martin
https://en.wikipedia.org/wiki/Alan_Martin_(physicist)


理数系書籍のレビュー記事は本書で380冊目。

本書を購入したのは2007年頃。将来こういう本が読めるようになるといいなと単なる憧れで積読覚悟で買ったもの。今では1万4千円の高値がついているが、当時から絶版書でたまたま5000円くらいの安いのを見つけたのでその場で購入。

その後、KEKの研究者と知り合い筑波で直接お話を聞く機会があった。その方は当時QCDの計算を担当されていて、本書を持っていることを伝えると「最初は難しくて読みにくいところがあると思うけど、とても良い本ですよ。何度も繰り返しお読みになるといいです。」とおっしゃっていた。

その頃は量子力学を学んでいた頃だから、場の量子論や素粒子物理はまだ見えていない。クォークやグルーオンの物理学が手で計算できるとしても、イメージがまったくつかめていない段階である。そして2007年6月に「湯川中間子論、スパコンが証明 筑波大」というニュースで格子ゲージ理論のシミュレーションでQCDを計算したことや、2017年8月に読んだ「物質のすべては光: フランク・ウィルチェック」で紹介されているCGでもやもやと動くグルーオン場の様子を見て、手で計算するのは神業に近いという思いを強めていた。

クォークとクォークの間で働いている強い力のエネルギーは、次のアニメーションのようにもやもやしたものだ。これは「グリッド」、「格子ゲージ理論」を使って描き出したグルーオン場のCGである。(この画像はアニメーションGIFなのでパソコンだと動いている様子がわかる。解説はこのページ。)



科学雑誌Newtonや素粒子物理の入門書でよく紹介されるのは、こようなイメージである。



しかし、本書の原書が刊行されたのは僕が大学2年の頃の1984年で、当時のスパコンではそのような計算ができるはずがない。「粒子発見の年表」でわかるように、この年までに6つのクォークのうち5つまでが確認され、Wボソン、Zボソンも見つかっていた。科学雑誌Newtonでもクォーク模型が紹介されていた。

だから34年前の古い本ではあるが、本書は実験系の素粒子物理学の理論を学ぶには十分有用な教科書である。本書ではヒッグス機構、ヒッグス粒子を含めて標準模型(Weinberg-Salam模型)が解説され、大統一理論まで視野に入れられている。

昨年「素粒子標準模型入門: W.N.コッティンガム、D.A.グリーンウッド」を読み、素粒子物理への苦手意識を払拭することができたから、今なら読めるのではないか?そのような気持ちで読み始めた。

章立ては次のとおり。

1 素粒子物理学概観
2 対称性とクォーク:対称性と群
3 反粒子
4 スピンを持たない粒子の電気力学
5 Dirac方程式
6 スピン1/2粒子の電気力学
7 閉線、くり込み、実効結合定数
8 ハドロンの構造
9 パートン
10 量子色力学
11 e+e-消減とQCD
12 弱い相互作用
13 電弱相互作用
14 ゲージ対称性
15 Weinberg-Salam模型、およびそれを超えて

通読したところ理解度は65%ほどにとどまった。200もある練習問題はとても自分で解けるものではないから、巻末の回答を盗み見ながら理解に努めた。何より途中で投げ出さずに最後まで読めたのがうれしかった。

場の理論で必須のラグランジアンは第14章の「ゲージ対称性」で初めて解説される。「本書は、場の理論の知識はほとんど必要とせず、非相対論的量子力学と特殊相対論の基礎的知識だけを前提として、素粒子物理学の全分野を、最新の話題も含めて完全に網羅した初めての書である。」という触れ込みは、たしかにそうなのだが、場の量子論を前もって学んでおいたほうがよいと思う。そのほうが第14章、第15章がずっとわかりやすくなる。

「非相対論的量子力学と特殊相対論の基礎的知識だけを前提」という触れ込みも、もっともであるが、さらに言えば他の本で「ファインマン・ダイヤグラム」の計算方法を習得しておいたほうがよい。非相対論的量子力学については散乱断面積の計算、摂動論あたりの復習を集中的にしておくべきだ。

第1章から第9章まではなんとか理解できた。第9章はパートン模型による計算だが、構造関数を導入して陽子内部のクォークやグルーオンを詳しく計算しながら探っていく過程がとても興味深かった。

第10章と第11章がQCD(量子色力学)である。この章がいちばん難しく理解が及ばなかった箇所だ。それでも「このように計算すればクォーク模型の計算と実験結果が合うのか。」という程度のことは理解できる。スパコンのシミュレーション以前の計算と実験を追体験することができただけで満足しておいた。2ジェット・イベントや3ジェット・イベントの計算とファインマン・ファイやグラム、実際の計算の対応関係を理解した。

第12章「弱い相互作用」と第13章「電弱相互作用」は、いくぶん易しく感じた。これは「素粒子標準模型入門: W.N.コッティンガム、D.A.グリーンウッド」や「場の量子論:F. マンドル, G. ショー」を読んでいたからだ。K中間子の崩壊の観測で確認されていたCP対称性の破れを理論的に説明する「小林・益川行列」の「CKM行列」も詳しく理解でき、1984年の段階ではこの行列の要素の数値のうち一部が現在の値と違っていることを確認した。

第14章の「ゲージ対称性」も読みやすく、本書で僕がいちばん萌えた箇所だ。U(1), SU(2), SU(3)のリー群がQED、弱い相互作用、電弱相互作用、強い相互作用で、どのようにあわられるのか、局所ゲージ不変性、非Abel的ゲージ不変性、対称性の自発的破れ、大域的ゲージ対称性の自発的破れなどは、数理物理好きの者にとっては大好物である。

第15章「Weinberg-Salam模型、およびそれを超えて」の中のヒッグス機構などの質量獲得のメカニズムも、これまでに読んだ教科書よりずっと詳しく解説されていたので、とても有益だった。大統一理論に関しては話が発散しがちである。ざっと読み流すにとどめておいた。


理解度が十分でなかったわりに、充実した気持になれた教科書である。どこに何が書かれているかはすぐわかるようになったので、折に触れて復習するのに使いたいと思う。

本書は相変わらずの高値であるが、もし手ごろな価格のものを見つけたら、ぜひ買ってお読みになることをお勧めする。


翻訳の元の原書は1984年に刊行されたこの本である。

Quarks and Leptones: An Introductory Course in Modern Particle Physics: Francis Halzen, Alan D. Martin



関連ページ:

素粒子標準模型入門: W.N.コッティンガム、D.A.グリーンウッド
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/522960c6eb852df961348fee76463852

場の量子論〈第1巻〉量子電磁力学:F.マンドル、G.ショー
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/08726ab931904f76d9c26ff56d219e53

場の量子論〈第2巻〉素粒子の相互作用:F.マンドル、G.ショー
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/95d908cd752af642964cbff7ea7f0301

「標準模型」の宇宙:ブルース・シューム
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/25297abb5d996b0c1e90b623a475d1aa

物質のすべては光: フランク・ウィルチェック
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/d592b55383ccecae76959446c0292d7b

クォーク 第2版: 南部陽一郎
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/966d315e9ed9b5391c93c1dd80f6028b

強い力と弱い力:大栗博司
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/06c3fdc3ed4e0908c75e3d7f20dd7177

「宇宙のすべてを支配する数式」をパパに習ってみた: 橋本幸士
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f63919605c4e5556fb0d12171ce458e8

ヒッグス粒子の発見:イアン・サンプル
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/46c46f676c631634b83fb9616161ec4d

超対称性理論とは何か:小林富雄
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/365372dbf8716d6f57b67f58fbaf8722


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クォークとレプトン―現代素粒子物理学入門:F.ハルツェン、A.D.マーチン


序文
日本語版への序文

1 素粒子物理学概観
- 世界は何からできているか?
- クォークとカラー
- カラー:核相互作用の荷量
- 自然単位
- αは素粒子の相互作用に関係した唯一の荷量ではない
- 弱い相互作用も存在する
- Mendeleevの跡をたどる:もっとクォークとレプトンを
- 重力
- 素粒子:実験家の視点
- 粒子検出器

2 対称性とクォーク
対称性と群
- 物理学における対称性:初等的議論
- SU(2)群
- 表現の合成
- 有限対称群:PとC
- アイソスピンのSU(2)
- 反粒子のアイソスピン
- SU(3)群
- SU(3)群のもう1つの例:アイソスピンとストレンジネス
クォーク”原子”
- クォーク・反クォーク状態:メソン
- 3体クォーク状態:バリオン
- 磁気モーメント
- 重いクォーク:チャームなど
- ハドロンの質量
- カラー因子

3 反粒子
- 非相対論的量子力学
- Lorentz共変性と4元ベクトルの表記法
- Klein-Gordon方程式
- 歴史的間奏曲
- E<0の解に関するFeynman-Stuckelbergの解釈
- 非相対論的摂動論
- Feynman-Stuckelberg流の散乱振幅則

4 スピンを持たない粒子の電気力学
- 電磁場A~μの電子
- ”スピンを持たない”電子・ミューオン散乱
- 不変振幅Mによる断面積の表識
- Mを用いた崩壊率
- ”スピンを持たない”電子・電子散乱
- 電子・陽電子散乱:交叉の応用
- Lorentz不変な変数
- 伝播関数の起源
- まとめ

5 Dirac方程式
- Dirac方程式の共変形:Diracのγ行列
- 保存カレントと随伴方程式
- 自由電子のスピノール
- 反粒子
- スピノールの規格化と完全性関係
- 双1次変形
- 質量0のフェルミオン:2成分ニュートリノ

6 スピン1/2粒子の電気力学
- 電子と電磁場A~μの相互作用
- Mφller散乱:e-e-→e-e-
- e-μ-→e-μ-
- トレース定理とγ行列の性質
- e-μ-散乱とe+e-→μ+μ-過程
- 高エネルギーでのヘリシティ―保存
- e-e+→e-e+、μ-μ+の概観
- 実験室系におけるe-μ-:パートン模型に適した運動学
- 光子、偏極ベクトル
- 伝播関数についての補足:電子伝播関数
- 光子伝播関数
- 質量を持つベクトル粒子
- 実光子と仮想光子
- Compton散乱:γe-→γe-
- 対消滅:e+e-→γγ
- 伝播関数に対するiε処方
- QEDに対するFeynman則のまとめ

7 閉線、くり込み、実効結合定数
- 静的電荷による電子の散乱
- 高次補正
- Lambシフト
- 閉線はまだある:異常磁気モーメント
- 閉線を組み合わせる:Ward-高橋の恒等式
- 電荷の遮蔽とe-μ-散乱
- くり込み
- QEDにおける電荷の遮蔽:実効結合定数
- QCDに対する実効結合定数
- まとめとコメント

8 ハドロンの構造
- 電子で電荷分布を探る:形状因子
- 電子・陽電子散乱:陽子形状因子
- 非弾性電子・陽子散乱:ep→eX
- ep散乱解析に対する定式化のまとめ
- (仮想)光子・陽子全断面積としての非弾性電子散乱

9 パートン
- Bjorkenスケーリング
- パートンとBjorkenスケーリング
- 陽子内部のクォーク
- グルーオンはどこに?

10 量子色力学
- グルーオンの二重の役割
- 非弾性散乱へのγ*・パートン過程の埋め込み
- ふたたびパートン模型
- グルーオン放出の断面積
- スケーリングの破れ:Altarelli-Parisi方程式
- グルーオンによるクォーク生成過程の寄与
- パートン密度に対する完全な発展方程式
- P関数の物理的解釈
- Altarelli-Parisiの方法のレプトンと光子への応用
- Weizsacker-Williamsの公式

11 e+e-消減とQCD
- e+e-のハドロン消滅:e+e-→q(anti)q
- 破砕関数とそのスケーリング
- 重いクォーク生成についてのコメント
- 3ジェットイベント:e+e-→q(anti)qg
- e+e-→q(anti)qgの断面積の別の導き方
- 3ジェット
- e+e-→ハドロンに対するQCDの補正
- 摂動論的QCD
- 最後の例:Drell-Yan過程

12 弱い相互作用
- パリティの破れとV-A型弱カレント
- 結合定数Gの解釈
- 原子核βの崩壊
- トレース定理
- ミューオン崩壊
- パイオン崩壊
- 荷電カレントによるニュートリノ・電子散乱
- ニュートリノ・クォーク散乱
- 弱中性カレントの発見
- 中性カレントによるニュートリノ・クォーク散乱
- Cabibbo角
- 弱混合角
- CP不変性は成り立つか
- CP不変性の破れ:中性Kメソン系

13 電弱相互作用
- 弱アイソスピンとハイパー荷
- 基本的電弱相互作用
- 有効カレント・カレント相互作用
- 電弱相互作用のFeynman則
- ニュートリノ・電子散乱
- 陽電子・電子消滅における電弱相互作用の干渉
- 電弱相互作用の干渉効果をみる他の実験

14 ゲージ対称性
- ラグランジアンと1粒子波動方程式
- Noetherの定理:対称性と保存則
- U(1)局所ゲージ不変性とQED
- 非Abel的ゲージ不変性とQCD
- 重いゲージボソン
- 対称性の自発的破れ:隠された対称性
- 大域的ゲージ対称性の自発的破れ
- Higgs機構
- 局所SU(2)ゲージ対称性の自発的破れ

15 Weinberg-Salam模型、およびそれを超えて
- ふたたび電弱相互作用
- Higgs場の選択
- ゲージボソンの質量
- フェルミオンの質量
- 標準模型:ラグランジアンの最終的な形
- 電弱相互作用はくり込み可能だ
- 大統一理論
- 陽子は崩壊するか?
- 高エネルギー実験としての初期宇宙
- もっと大きな統一理論を

問題解答
各章の参考書
参考文献
素粒子表
訳者あとがき
索引

GPD Pocket 2を購入

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普段持ち歩くサブ機としてコンパクトなWindows 10のPCを購入した。平日はブログの記事修正やコメントへの返信をするくらいしか時間が取れないので、持ち運びやすさをいちばんに考えた結果だ。ブラインド・タイピングはできないけれど、慣れてくれば早くタイピングできるようになるかもしれない。PCの右に置いたのはELECOMの小型のBluetoothマウス。(Amazonのリンク

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夜のウォーキング、その後12(累積11000Km)

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2013年4月7日から今日までに歩いた累積距離

2013年3月8日に始めた夜のウォーキング。ナイキのランニングアプリで歩いた距離を記録始めたのは300Km歩いた1か月後からだった。昨日、累積距離が11000Kmに達したので記事として記録しておこう。地球1周は4万Kmだから、その4分の1を歩いたことになる。

累積8500Kmを超えたところでNikeのアプリでの距離計測はやめている。アプリを毎晩使っていたためiPhone6のバッテリー劣化がいちじるしかったからだ。そのため昨年11月初めに機種変更を余儀なくされた。(参考記事:「iPhone 6からiPhone Xに機種変更」)

歩くルートはいつも同じだから、いちいち計測する必要はない。歩くたびに距離を足し算していけばよいだけである。

というわけなので、この記事トップのスクリーンショット画像は加工(偽造)して作ったものだ。


累積メータが10000Kmに到達したのは今年の6月29日なので1000Km歩くのに155日(5.2ヶ月)かかっている。月あたり192Kmのペース。

これまでの記録はこうなる。

累積5000Km達成: 2016年2月1日
累積6000Km達成: 2016年7月15日
累積7000Km達成: 2017年2月3日
累積8000Km達成: 2017年7月16日
累積9000Km達成: 2018年1月4日
累積10000Km達成: 2018年6月29日
累積11000Km達成: 2018年12月2日

累積8000Kmまでは2000Km/年のペース(月に154Km)で歩いていた。9000Kmを越えてからペースがあがっている。

ウォーキングしながら聴いているのは「まいにちフランス語(応用編)」。そしてradikoのタイムフリーでは「土曜の朝のサラ・オレイン」や「壇蜜の耳蜜」も歩きながら聴いている。壇蜜さんのファンのことは「ミツラー」ではなく「ミツシタン」と呼ぶのだそうだ。ファンであることを隠しておくのが無難という意味か。w


この数年は脂肪燃焼というより、むしろ健康維持のためという目的に切り替えている。サボる日もあるが、継続が何より大事だ。


関連記事:

1日人間ドック(2010年)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/78d08050074f97baefb45084b0e936e2

ウォーキングと夜桜(2013年3月):
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/055b88c503e142d7b9559e5965de5550

夜のウォーキング、三軒茶屋へ(2013年3月27日)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/cfd8a6fb66f8d236da95531fd108d8cf

夜のウォーキングのその後(2013年6月6日)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/65eb0d670f88ee2225670772ad03793e

夜のウォーキング、その後2(2013年7月1日)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a64b260d065375c77a79c2839dc414be

夜のウォーキング、その後3(2013年8月27日)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/7da6bbf0006e187662cf2cf1822b82fe

1日人間ドックとウォーキング(2014年4月2日)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/630184969180751eecfdfcfeb6ff54c0

夜のウォーキング、その後4(累積3000Km): 2014年11月15日
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/6e55742ebae984371eed25cc70de75bb

夜のウォーキング、その後5(累積4000Km): 2015年5月27日
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/31b8bd0070d5d2853a7515efc7ac0e2e

夜のウォーキング、その後6(累積5000Km): 2016年2月1日
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/20cde6adec555ae73da5ab19156ae257

夜のウォーキング、その後7(累積6000Km): 2016年7月15日
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1c78ee3fbdf5077b17b69596746ebe63

夜のウォーキング、その後8(累積7000Km): 2017年2月3日
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1b73972a971a66c79eac24535750f931

夜のウォーキング、その後9(累積8000Km): 2017年7月16日
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b7de5cb526634b0f4ab88eed68c78d06

夜のウォーキング、その後10(累積9000Km): 2018年1月4日
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/8fbe0804e4cc5bec0fdab8e1bdc6a27d

夜のウォーキング、その後11(累積10000Km): 2018年6月30日
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1e39b9158dc3bd094ff6e54aa3ebeb35


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とね日記賞の発表!(2018年): 物理学賞、数学賞、他

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毎年12月10日、スウェーデンのストックホルムでアルフレッド・ノーベルの命日に行われるノーベル賞の授賞式の日程にあわせて、「とね日記賞」を発表している。今年で9回目。

ノーベル賞を僕がもらう見込みはどうもなさそうだ。ならば自分で賞を作って「あげる側」になってしまえ!という思いつきだ。

「とね日記賞」はその年に読んだ物理学書、数学書の中から自分のためになった本、この分野を勉強している学生や社会人にお勧めする本を物理学、数学など各分野に分けてそれぞれ1~2冊発表する。あとテレビドラマ賞や贈り物にふさわしい本としてクリスマス賞も設けている。


名著であっても僕がその価値を理解できなければ受賞できない。昨年以前に読んだ本は自動的に選考対象から外されるし、どんなに良書であっても読んでいなければ対象外。何より僕の学習進度や理解度や好みに影響される。

メダルも賞金も授賞式もスピーチも晩餐会も舞踏会もないから、ありがたくも何ともなく、主観だらけのアンフェアな賞だ。

今年は次の賞を発表する。

- 物理学賞
 物理学の教科書、専門書から選考。

- 数学賞
 数学の教科書、専門書から選考。

- 工学賞
 工学系の教科書、専門書から選考。

- AI賞
 AIに関する本から選考。

- 教養書賞
 一般向け書籍から分野別に選考。

- ベストカップル賞
 読み合わせると理解がより深まる2冊の本。

- 文学賞
 ジャンルを問わない小説、文学書から選考。

- アカデミー賞
 今年観た映画の中からいちばんよかったものを選考。

- テレビドラマ賞
 テレビドラマの中からいちばんよかったものを選考。

- クリスマス賞
 クリスマスプレゼントにふさわしい本を選考。


この1年で読んだ本は32冊で、次のような本である。通算349冊~380冊目。(参考:「300冊の理数系書籍を読んで得られたこと」)

349/改訂版 行列とベクトルのはなし: 大村平
350/高校数学でわかる線形代数:竹内淳
351/くすりの科学知識 (ニュートン別冊)
352/ボクが逆さに生きる理由: 中島宏章
353/AI 人工知能の軌跡と未来 (別冊日経サイエンス)
354/素数に憑かれた人たち ~リーマン予想への挑戦~:ジョン・ダービーシャー
355/代数に惹かれた数学者たち:ジョン・ダービーシャー
356/マーミン量子のミステリー:デヴィッド マーミン
357/量子的世界像 101の新知識: ケネス・フォード
358/量子力学の哲学―非実在性・非局所性・粒子と波の二重性: 森田 邦久
359/基礎物理から理解するゲージ理論: 川村嘉春
360/天に向かって続く数: 加藤文元、中井保行
361/半導体デバイスの基礎 (上) 半導体物性
362/「宇宙のすべてを支配する数式」をパパに習ってみた: 橋本幸士
363/素粒子論のランドスケープ2:大栗博司
364/「集合と位相」をなぜ学ぶのか:藤田博司
365/Newton別冊『ゼロからわかる人工知能』 (ニュートン別冊)
366/ファインマンさん 最後の授業:レナード・ムロディナウ
367/半導体デバイスの基礎 (中) ダイオードと電界効果トランジスタ
368/数学ガール/ポアンカレ予想 : 結城浩
369/低次元の幾何からポアンカレ予想へ : 市原一裕
370/NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか 天才数学者の光と影 : 春日真人
371/人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?: 山本一成
372/人工知能はいかにして強くなるのか?: 小野田博一
373/半導体デバイスの基礎 (下) バイポーラ・トランジスタと光デバイス
374/岡潔/多変数関数論の建設:大沢健夫
375/多変数関数論 (数学のかんどころ 21):若林功
376/ブラックホール戦争:レオナルド・サスキンド
377/ホーキング、宇宙を語る:スティーヴン・W. ホーキング
378/A Brief History of Time (2017, 2018): Stephen Hawking
379/美内すずえ対談集 見えない力
380/クォークとレプトン―現代素粒子物理学入門:F.ハルツェン、A.D.マーチン

それでは2018年の「とね日記賞」を発表しよう。(書籍名と画像は本の購入ページにリンクさせておいた。)


* 物理学賞

この教科書に授賞することにした。

クォークとレプトン―現代素粒子物理学入門:F.ハルツェン、A.D.マーチン



授賞理由: 場の理論の知識はほとんど必要とせず、非相対論的量子力学と特殊相対論の基礎的知識だけを前提として、素粒子物理学の全分野を、最新の話題も含めて完全に網羅した初めての書。10年以上前に買ったのだが、ようやく読み通すことができた。原子核の中の物理が手計算でどのように解明されてきたのか、素粒子衝突実験の結果を対比させながら学べる良書である。翻訳の元になった英語版は1984年に刊行されたが、この教科書の価値は現代でも損なわれていない。「素粒子標準模型入門: W.N.コッティンガム、D.A.グリーンウッド」の次にお読みになるとよい。

紹介記事は次のリンクからお読みいただきたい。

クォークとレプトン―現代素粒子物理学入門:F.ハルツェン、A.D.マーチン
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/c07894c098d380378be7932a02e87fad


* 数学賞

次の2冊に授賞することにした。

「集合と位相」をなぜ学ぶのか:藤田博司」(Kindle版



授賞理由: 多くの方が #新入生に勧める数学書2018 というタグ付きでツイートしていた。集合論・位相を学ぶ意味を見出せず、学習意欲が落ちている学生はきっといるはず。また2年次の学生だと解析学で実数の連続性、ε-δ論法あたりで「もしかすると学部、学科選択を間違ってしまったも。。。」と後悔している学生がいるかもしれない。実数や関数の連続性など、わかりきったことをなぜこれほど厳密に証明していかなければならないのか?勉強のモチベーション下がりまくりだ。これはそのような新入生に再びやる気をおこしてもらう本なのだ。高校数学と大学数学の橋渡しをしてくれる副読本である。今年、多くの理系人に影響を与えたと思うので授賞させていただいた。

紹介記事は次のリンクからお読みいただきたい。

「集合と位相」をなぜ学ぶのか:藤田博司
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/73746710906dfc80258de0280b416151


低次元の幾何からポアンカレ予想へ : 市原一裕」(Kindle版



授賞理由: 2003年にペレルマンによってなされたポアンカレ予想の証明をすべて理解することは、一般の人はもちろん大学で数学を専攻していた人にもほぼ不可能である。しかし「それでも知りたい」と願う理系人の夢を叶えるべく書かれた本はいくつか見つかる。その中でも本書は可能な限り実際の証明に近い形で解説した意欲的な本である。そのぶん難しく、著者も厳密な証明をあきらめたり省略したりしている箇所が散見するわけだが、図示による直観的な説明の助けを借りながら知的興奮を味わうことができる。難解だとあきらめず、できるだけ正確に伝えたいという著者の熱意に感動したのが授賞させていただいた理由である。

紹介記事は次のリンクからお読みいただきたい。

低次元の幾何からポアンカレ予想へ : 市原一裕
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/4213d848aac806d19dfce9ae8202ab21


* 工学賞

半導体デバイスの基礎 (上) 半導体物性
半導体デバイスの基礎 (中) ダイオードと電界効果トランジスタ
半導体デバイスの基礎 (下) バイポーラ・トランジスタと光デバイス

  

シュプリンガー版も含めて: Amazonでまとめて検索

授賞理由: 古典力学、電磁気学、量子力学を学び終えた学生が実際に使われている半導体でどのような現象がおきているかを学ぶための格好の教科書だ。工学書であるが、どちらかというと物理学専攻の学生に向いている。この教科書を翻訳された樺沢先生(@adx50150)は、次のように紹介されている。「概して工学分野の教科書は(特に和書では)物理関係の教科書に比べて記述が雑で不親切なものが多いという傾向があるのだが、半導体デバイスの書籍に関しては特にその傾向が顕著であって、私は学生時代以来、ずっと釈然としない気分を持っていた。私は一応、固体電子デバイスのような方面にも多少の関心があって、大学では電気工学科を選んでみたのだが、学習意欲を刺激してくれるようなその方面の書籍にはお目にかからなかった。そもそも基本中の基本であるpn接合についてさえ、心底納得できる説明がなされている書籍は(私の目から見て)見当たらなかった。」原書にあった「手放しで推奨できない部分」も訳者の裁量で手当てをしてある。半導体デバイスの基礎を、誤魔化さずにきちんと学びたい人(学び直したい人)には、是非とも推奨したい書籍なのだ。

紹介記事は次のリンクからお読みいただきたい。

半導体デバイスの基礎 (上) 半導体物性
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ef603af1cd207a1b80be4110b91066b3

半導体デバイスの基礎 (中) ダイオードと電界効果トランジスタ
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/c5a743de58e41a9ae2bd7e9b7357649e

半導体デバイスの基礎 (下) バイポーラ・トランジスタと光デバイス
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/484c62f4f934506b988cec927f9fca69


* AI賞

今年は次の2冊に授賞することにした。

Newton別冊『ゼロからわかる人工知能』 (ニュートン別冊)



授賞理由: 一般向けから専門家、開発者向けのものまでAIを解説した本はますます増え、入門者はどれを選んでよいかわからない状況になっている。そのようなときはまず本書を手に取ってほしい。月刊誌のNewtonでも何度か特集が組まれていたが、ようやく1つの別冊にまとめられた。AIを正しく理解するための最初の1冊として、いちばんお勧めできると思う。

紹介記事は次のリンクからお読みいただきたい。

Newton別冊『ゼロからわかる人工知能』 (ニュートン別冊)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/41a084475f464b685b14cf7349c2f1a7


人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?: 山本一成」(Kindle版



授賞理由: 昨年は藤井聡太さん、加藤一二三さんらが起こした将棋ブームに加え、名人を打ち負かしたAI将棋、AI囲碁のニュースが世間を賑わした。これまでのソフトと新しいAIはどのように違うのか?興味を持った方は多いことだろう。本書は現役の将棋名人に公式戦で初めて勝利した人工知能「ポナンザ」を開発した本人が、その特徴と世界に意味を見つけ物語を紡いで考えていく人間の思考法の限界を、研究の最前線で遭遇した驚くべき事象や、囲碁・将棋のプロ棋士たちの人工知能への反応を書き留めた生々しい記録である。将棋や囲碁という限定した領域でAIを学ぶことになるわけだが、広く一般的な形でAIを扱った本では曖昧に済まされてしまう事がらを具体的に学んだり、感じることができるのが本書の魅力だ。

紹介記事は次のリンクからお読みいただきたい。

人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?: 山本一成
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e8b346d4158b6b54887b21554afafbee

「AlphaZero」がチェス、将棋、囲碁の各世界最強AIを打ち負かす(2018年12月9日)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1812/09/news018.html


* 教養書賞(物理学部門)

今年は次の2冊に授賞することにした。

量子的世界像 101の新知識: ケネス・フォード



授賞理由: 量子力学の入門書を読み終え、2冊目の入門書として読むとよいのが本書だ。電子や光子の波動性と粒子性がどのように現実の世界と関わっているのか、原子核の中ではどのように考えればよいのかなどは、一般の入門書ではイメージできない。また数式を用いた教科書で学んでもそのあたりを理解するのは難しい。古典物理学の世界観を覆す奇妙で驚きに満ちた量子世界。考え抜かれた101の項目でその全体像を見事に描き出し、量子物理学の最前線へと読者をいざなう。あなたは本書の目次に書かれた101の項目について説明できるだろうか?このように深いレベルまで解説したブルーバックス本は本書のほかにはない。日常のスケールや宇宙スケールであらわれる量子現象を取り上げ、最先端の話題と未来への展望を語っている。量子力学に関する本を読み込んでいる人にも新鮮に感じられることだろう。

紹介記事は次のリンクからお読みいただきたい。

量子的世界像 101の新知識: ケネス・フォード
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/016d773b5a61eac8058e0ad15b1f949a


ブラックホール戦争:レオナルド・サスキンド」(Kindle版



授賞理由: 今年3月に逝去されたホーキング博士と「情報のパラドックス」という問題をめぐり、20年以上にわたって論争を続けた著者による回想を交えた一般向けの解説本。この論争が重要であるのは、量子論と一般相対論をいかにして調和させるのかという問題に結びついていたからである。量子論と一般相対論は物理学のもっとも根本的な理論でありながら、互いに両立できないままだ。ブラックホール戦争は、ふたつの理論を調和させることを目指した新しい物理学の基本的な枠組みをめぐる、熾烈な格闘だった。20年以上に及ぶ論争から「ブラックホールの相補性」や「ホログラフィック原理」といった新しいアイデアが生まれ、それらは今では世界中で盛んに研究されるにいたっている。ブラックホール戦争によって、物理学にパラダイム・シフトが起こったのだ。実体をもたない「情報」がどのように物理学で重要なものとみなされるようになったのかを理解することができる稀有な1冊である。

紹介記事は次のリンクからお読みいただきたい。

ブラックホール戦争:レオナルド・サスキンド
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/c8ad22de70df7be8e51a066ca8354106

ホーキング博士が物理学に与えた功績は大きい。一般相対性理論と関わる分野で理論的研究を前進させた博士は、ブラックホールから出るホーキング放射と呼ばれる理論の発表をはじめとする多大なる功績を築き上げ、量子宇宙論という分野を形作り、現代宇宙論に多大な影響を与えた。博士はまた、一般人向けに現代の理論的宇宙論を平易に解説するサイエンス・ライターの才能も持ち合わせており数々の著書を世に送り出した。最初に書いた一般向け書籍「ホーキング、宇宙を語る(A Brief History of Time)」も合わせてお読みいただきたい。

ホーキング、宇宙を語る:スティーヴン・W. ホーキング
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1e3dbc9b3d10d4a9b6518b6b32429e22

A Brief History of Time (2017, 2018): Stephen Hawking
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/349de20c14c3a063fd6f7aa2615d3eed


* 教養書賞(数学部門)

今年は次の2冊に授賞することにした。

素数に憑かれた人たち ~リーマン予想への挑戦~:ジョン・ダービーシャー」(Kindle版



授賞理由: 今年はリーマン予想に関してドキッとさせられるニュースもあった。そもそも素数やリーマン予想がなぜそれほどまでに重要なのか?そしてそれらが重要な役割を果たす数論と量子物理学がなぜ関係しているのか?本書では素数をめぐる数学の歴史をたどりながら、珠玉の発見を成し遂げてきた大数学者たちの業績をつぶさに紹介していく。素数やリーマン予想を扱う教養書はたくさん出ているが、久々に興奮しながら読めた本だった。読み進むにつれてぐんぐん面白くなるので、もし最初のほうが易しすぎてつまらなく感じたとしても辛抱して読み続けてほしい。

紹介記事は次のリンクからお読みいただきたい。

素数に憑かれた人たち ~リーマン予想への挑戦~:ジョン・ダービーシャー
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b15d8fa5e7f3e3e5b86cf1bc8a3c3f00


天に向かって続く数: 加藤文元、中井保行



授賞理由: 《p進数》に入門するためにいちばんお勧めできる本だ。そして本書は初等整数論への入門書でもある。実数や複素数、四元数、八元数...だけが数ではない。「計算できる記号」を数と考えれば、まったく新しい数に出会えるのだ。そのひとつの例が《p進数》で、1897年にクルト・ヘンゼルによって導入された、数の体系の一つである。この不可思議な数は数学以外に何の役に立つのだろうか?現実の世界とかかわりをもっているのだろうか?物理学で使われるのだろうか? どうしてもそう思ってしまう。本書には書かれていなかったことだが、調べてみると意外なことに(まだ理論や仮説の段階ではあるが)現代物理学と強いつながりがあることがわかったのだ。数をめぐる新しい世界、未知の世界を知りたくなった方は、ぜひ本書をお読みいただきたい。

紹介記事は次のリンクからお読みいただきたい。

天に向かって続く数: 加藤文元、中井保行
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/3d059b0a114b4bd712291a7fb81269e5


* ベストカップル賞

今年は次の2冊に授賞することにした。これら多変数関数論の本を読んだのは2月に放送された「天才を育てた女房(読売テレビ)」を見たのがきっかけである。この理論は「学部生向け」とされている教科書でもかなり難解だ。いきなりチャレンジするのは無理だと思っている方でも、かろうじて読めそうなのが、ここに紹介する2冊である。

岡潔/多変数関数論の建設:大沢健夫



授賞理由: 岡潔は1936年から1953年にかけての9本の論文で多変数関数論の主要な問題を解決して、この分野の基礎を築いた。岡がその神秘のヴェールを一つ一つ剥ぎ取っていった道筋を、数学を専攻する学部生に理解できるレベルにまで下げて紹介する本だ。とは言っても相当難解である。類書がほとんどないことを考えれば、まず手始めに読むべき本だ。理解できないとしても、少なくとも岡潔がたどった道筋だけはおさえておこう。自然現象や物理学から離れて数学そのものを建設するのがどういうことかが実感できるはずだ。

紹介記事は次のリンクからお読みいただきたい。

岡潔/多変数関数論の建設:大沢健夫
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e059394599194c8763006c8195df95a0


多変数関数論 (数学のかんどころ 21):若林功



授賞理由: 「岡潔/多変数関数論の建設」で挫けてしまった人を救済するのが本書である。多変数関数論の基礎知識を学びたいと思う人々に向けた入門書だ。20世紀には種々の分野において多変数化が行われ、多変数関数論が重要な役割を果たすようになった。多変数関数論が専門でない人々にとっても、数学を学ぶ上でこの基礎知識は有用である。本書では、どの分野の人にも知っておいてほしい多変数関数の知識を厳選して解説している。ただし、過度な期待をしてはいけない。あくまでこれは「入門のための入門書」。岡潔の業績を最高峰のチョモランマに例えれば、本書でたどり着けるのはベースキャンプではなく、登山のために開催されるガイダンス、あるいは説明会のレベルである。だとしてもこの分野で最も易しく解説した本なので、読んでおくに越したことはない。

紹介記事は次のリンクからお読みいただきたい。

多変数関数論 (数学のかんどころ 21):若林功
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/8b2760c0eb98a5edb6450d3e8dda53cf


* 文学賞

つばき、時跳び: 梶尾真治」(Kindle版



授賞理由: タイムトラベル・ラブロマンスである。昨年NHK FMの青春アドベンチャーのラジオドラマとして放送されたときハマっていた。ラジオドラマでストーリーを知っていても、原作本は大いに楽しめた。つばきのように愛らしく、従順で、それでいて芯のある女性は多くの男性のあこがれだ。現代では絶滅種と言っていいほど理想的な伴侶だ。せめて小説の中では身勝手な妄想を膨らませていたい。大林宣彦監督による映画化を待ち望みながら本書を楽しむとよいだろう。

紹介記事は次のリンクからお読みいただきたい。

つばき、時跳び: 梶尾真治
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/9c374a6866bf7270c986b07bf2fac800


* アカデミー賞

映画『ボヘミアン・ラプソディ(2018)』に授賞することにした。



授賞理由: リアルタイムでQueenを知らない若い世代を含め、今ブームの真っただ中である。3回目はIMAXでの上映を観に行きたいのだが、チケットがなかなかとれない。まだご覧になっていない方は、ぜひ映画館へ足を運んでいただきたい。後日、DVDやテレビで見るのとはまったく違う生のライブを疑似体験してほしい。

紹介記事は次のリンクからお読みいただきたい。

映画『ボヘミアン・ラプソディ(2018)』
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/54a5151284ed94b5b6e9f878ed780fd5

なぜ映画ボヘミアンラプソディはQUEENを良く知らない人でも楽しめるのか
https://basement-times.com/queen-bohemianrhapsody/


* テレビドラマ賞

今年は忙しくてあまりドラマを見ることができなかった。それでも「西郷どん」、「アンナチュラル」、「リピート」、「FINAL CUT」、「anone」、「シグナル」、「正義のセ」、「Missデビル」、「コンフィデンスマンJP」、「高嶺の花」、「サバイバル・ウェディング」、「リーガルV」を楽しんだ。その中でも特に面白かったのが次の2つである。

anone



授賞理由: 通称“ハズレ”こと辻沢ハリカ(広瀬すず)は、清掃のアルバイトをしながら同年代の美空(北村優衣)と有紗(碓井玲菜)と共にネットカフェに寝泊まりしている少女。ある日、友人とのドライブ中に札束の入ったバッグが捨てられているのを見たという有紗の記憶を頼りに、ハリカたちは「柘」という町を目指すことに。「つげ」は、かつてハリカが祖母(倍賞美津子)と暮らした幸せな記憶のある町の名前で…。一方、医者から半年の余命宣告を受け店を畳もうとしていたカレー屋店主・持本舵(阿部サダヲ)は、の客・青羽るい子(小林聡美)と意気投合し、二人で死に場所を探す旅に出ていた。
奇妙な縁で一緒に暮らすことになった登場人物たちの、通常ありえない展開にどっぷり漬かっていた。最終話で主演の広瀬すずさんが僕の地元の笹塚の商店街でロケをしていたことも授賞を後押ししている。(関連ツイート


コンフィデンスマンJP



授賞理由: 「人に欺かれるのではない。 自分が己を欺くのである」 (ゲーテ) だまされるのは敵か味方か?ウソをついているのは誰なのか? そして、最後に笑うのは?
『コンフィデンスマンJP』は、“欲望”や“金”をテーマに、一見、平凡で善良そうな姿をした、ダー子、ボクちゃん、リチャードという3人の信用詐欺師たちが、金融業界、不動産業界、美術界、芸能界、美容業界など、毎回、さまざまな業界の華やかな世界を舞台に、壮大で奇想天外な計画で、欲望にまみれた人間たちから大金をだましとる、痛快エンターテインメントコメディー作品。ダー子こと主演の長澤まさみさんの変貌ぶり、これまでのイメージを破壊する演技に毎回爆笑していた。


* クリスマス賞

今年は次の本に授賞することにした。

エルマーのぼうけんセット


授賞理由: 今年は「エルマーのぼうけん」の英語の原作「My Father's Dragon」が1948年に出版されてから70年、福音館書店から1963年に渡辺茂男の訳による日本語版が出版されて55年の記念の年である。8月には原作者ルース・S・ガネットさん(95)が来日していた。ご自身の思い出の発掘、お子さんへの読み聞かせのため、大切な人への贈り物としてふさわしい。英語版を贈りたい方は、紹介記事に含めておいたリンクからお買い求めいただきたい。ただし英語版は配送に時間がかかるので注文はお早目に!

紹介記事は次のリンクからお読みいただきたい。

「エルマーのぼうけん」シリーズ: ルース・S・ガネット
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/d7e850de5b1469a8a99e88d00e177699


最後になりますが本日ストックホルムでの授賞式に臨まれる本庶先生(医学生理学賞)、物理学賞のアシュキン先生、ムル先生、ストリックランド先生、ノーベル賞受賞おめでとうございます!

2018年 ノーベル物理学賞はアシュキン博士、ムル博士、ストリックランド博士に決定!
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/d7332ad2a827c9f47e2f24175a0378d5


関連記事:

とね日記賞の発表!(2010年): 物理学賞、数学賞、他
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ddc344204dec2ebd35c47a8699eb1389

とね日記賞の発表!(2011年): 物理学賞、数学賞、他
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/27bc2b5eafa9334dae11d92e90c69b0d

とね日記賞の発表!(2012年): 物理学賞、数学賞、他
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b4ce3d8c7d90d5b95bf6ab826cc7d93f

とね日記賞の発表!(2013年): 物理学賞、数学賞、他
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/35a258d08776ca6964cc70764cc1f5a8

とね日記賞の発表!(2014年): 物理学賞、数学賞、他
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/03d734929be66990cd8d25d7131a523a

とね日記賞の発表!(2015年): 物理学賞、数学賞、他
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/d1c27e18d9b072311f715394439d0d9d

とね日記賞の発表!(2016年): 物理学賞、数学賞、他
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/dd3542a15d2232513c872bd678372644

とね日記賞の発表!(2017年): 物理学賞、数学賞、他
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/c60207cd66970fe1099ac91f27382712


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印刷博物館、企画展「天文学と印刷」(凸版印刷株式会社)

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僕がニュートン著『プリンキピア(自然哲学の数学的原理)』の初版(1687年)と初対面したのは今年の9月に開催された「[世界を変えた書物]展(上野の森美術館)」でのこと。よもや同じ年にもう一度対面することになるとは思っていなかった。

今日は午後から文京区にある凸版印刷株式会社の地下1階で開催されている企画展「天文学と印刷」を見てきた。[世界を変えた書物]展と同じように15世紀から19世紀にかけて印刷された貴重な科学書が展示されているほか、印刷技術の発展史も展示されている。さらに言えば、中国や日本の科学書や印刷技術の発展史も展示されている貴重な機会だ。

印刷博物館、企画展「天文学と印刷」
https://www.toppan.co.jp/news/2018/10/newsrelease181004.html

開催概要
会期:2018年10月20日(土)-2019年1月20日(日)
会場:印刷博物館
   〒112-8531 東京都文京区水道1-3-3 トッパン小石川ビルB1F
開館時間:10:00-18:00(入場は17:30まで)
休館日:毎週月曜日(ただし12月24日、1月14日は開館)
    12月25日(火)、12月29日(土)~1月3日(木)、1月15日(火)は休館
入場料:一般800円、学生500円、中高生300円
    ※小学生以下、65歳以上の方、身体障害者手帳等お持ちの方とその付き添いの方は無料
    ※20名以上の団体は各50円引き
    ※11月3日(土・祝)文化の日は入場無料
WEB:https://www.printing-museum.org/exhibition/temporary/181020/
主催:凸版印刷株式会社 印刷博物館
協力:バイエルン州立図書館、ゲルマン国立博物館、金沢工業大学ライブラリーセンター、国立天文台、千葉市立郷土博物館、広島経済大学図書館、明星大学図書館

ただし、今回の展示は撮影だけでなくメモを取ることも禁じられていたので、ここに紹介することができない。以下の記事に写真付きで紹介されているので、雰囲気はこちらで知ることができる。

印刷博物館「天文学と印刷 新たな世界像を求めて」
https://www.museum.or.jp/modules/im/index.php?content_id=1222

印刷博物館の公式な紹介動画はこちら。ただしこの動画は今回の企画展の紹介ではなく、印刷技術に関する展示の紹介である。

印刷博物館 Printing Museum, Tokyo



展示されている書物種類と多さは「[世界を変えた書物]展(上野の森美術館)」に引けをとっていない。コペルニクス、ケプラー、ガリレイ、ニュートンだけでなくチコ・ブラーエの書いた書物も展示されていた。天文学書が多く、数学書は若干少なかった。

あいにく僕は老眼が進んでいて、現地ではじっくり見れなかったのが悔しいわけだが、それだけに物販コーナーで販売されている3000円の写真集がすごくありがたい。

ということで写真で紹介できるのは、ビルの外側と物販コーナーだけとなる。ご容赦を!

凸版印刷株式会社のビル


ビルに入ってすぐ左の看板


企画展の写真集。アマゾンや書店では販売されていないとレジの女性が言っていた。









先日紹介した「図説 世界を変えた書物 科学知の系譜:竺 覚暁」も物販コーナーで販売されていた。

図説 世界を変えた書物 科学知の系譜:竺 覚暁」(紹介記事


展示資料

第1部 新たな世界の胎動
古代ギリシャの哲学者アリストテレスやアレキサンドリアの天文学者プトレマイオスによって唱えられた天動説は、千年以上もの間ヨーロッパの人々に受容され続けてきた世界観でした。活版印刷術が登場した時代は古典復興の最中にあり、両者の書は多数印刷されていました。一方で、書物の普及は学問を行う場所や志す人を旧来の大学から活動の場を広げていき、新たな世界像が模索されていきました。

第2部 出版都市ニュルンベルク・地動説発信の地
ヨーロッパに衝撃をもたらしたコペルニクス『天球の回転について』は、1543年にニュルンベルクのヨハン・ペトレイウスによって出版されました。コペルニクスが住んでいたのはフロンボルクですが、そこから遠く離れたこの地にてなぜ印刷が行われたのでしょうか。出版都市ニュルンベルクを築きあげた天文学者兼印刷者らの活躍を紹介します。

第3部 1540s・図版がひらいた新たな学問
コペルニクスの書『天球の回転について』が1543年に出版されるのとほぼ時を同じくして、植物学、解剖学、地理学といった様々な分野でエポックメイキングな書物が出版されていきます。グーテンベルクの活版印刷術からおよそ100年を経た1540年代、変革の原動力となったのは、木版や銅版によって印刷された図版でした。図版を複製することで登場した新たな学問を紹介します。

第4部 コペルニクスの後継者たち
コペルニクスの地動説をさらに推し進め、太陽を中心とした天体理論を完成させたのはヨハネス・ケプラーでした。師であるティコ・ブラーエ、望遠鏡の観測によってケプラーの理論を支えたガリレオなど16世紀後半から17世紀の学者は、自説をどのように出版するのかを念頭に入れ、研究に取り組んでいます。自然科学の研究において印刷が欠かせないものとなった時代の到来をご紹介します。

第5部 日本における天文学と印刷
日本に目を向けてみると日本における天文学は、暦の改定に集約されます。中国の唐からもたらされ800年以上続いた宣命暦を日本独自の暦に改定したのは、江戸時代の天文学者・渋川春海でした。以降、江戸幕府によって暦を司るために設立された天文方は、西洋天文学の知見を印刷物を通して取り入れていきます。江戸時代に行われた暦の改定を軸に、日本の天文学のあゆみをご紹介します。


企画展を見終えた後、友達と映画『ボヘミアン・ラプソディ(2018)』を観る約束をしていたので、飯田橋から新宿に向かった。今回観るのは3回目、IMAXシアターでの上映である。


アイザック・ニュートンの『プリンキピア(自然哲学の数学的原理)』の初版(1687年)をネタに、これまでに書いた記事は次のとおりである。

- 日本語版「プリンキピア」が背負った不幸
- Kindle版で復刊: 日本語版プリンキピア(自然哲学の数学的原理):アイザック・ニュートン
- Googleで「プリンキピア」や「Principia」を検索すると...
- 英国王立協会、ニュートンが4次元時空の着想を得ていたことを発表
- 例の画像で遊んでみた。
- ニュートン著『プリンキピア』: eBayで買った?そんなわけないだろ。


また、次のような書物についても、これまで記事を書いている。

- 天体の回転について:コペルニクス著、矢島祐利訳
- 宇宙の神秘 新装版:ヨハネス・ケプラー
- 新天文学:ヨハネス・ケプラー
- 全5巻完結!:ラプラスの天体力学論(日本語版)
- 無料で読めるラプラスの『天体力学』のフランス語版と英語版
- 熱の解析的理論:ジョゼフ・フーリエ著、ガストン・ダルブー編纂
- 運動物体の電気力学について(アインシュタイン選集1)
- 一般相対性理論の基礎(アインシュタイン選集2)


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