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3回目のメゾンブルトンヌ ガレット屋 (渋谷区笹塚)

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フランス語を教えている生徒と笹塚十号坂商店街のガレット屋さんで食事をするのは3回目。決めているわけではないが、ほぼひと月に1度のペースになっている。前回は3月18日だ。

授業は夕方6時から1時間だけ。いつものカフェが混雑していたから、観音通りの南蛮茶館で教えた。生徒は2人とも札幌出身。今日は2人の共通の友達が研修のために上京しているので、夕食は札幌出身の女性3人ととることになった。(なんと幸せ!)


10年前にオープンした店で、David(ダヴィッド)さんと英子さんご夫妻が経営している。お店には新しくアルバイトの女の子が働いていた。この店は近々全面改装するという。

メゾン ブルトンヌ? ガレット屋(フランス語ホームページ
http://maisonbretonne-galette.com/

Facebook: https://www.facebook.com/galette/


いつもの2450円のコースを注文した。

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以下、4人で食べたものを載せておこう。このほか白ワインを4人で1本いただいている。デザートをサービスでいただいたが、これも写真を撮るのを忘れてしまった。2人は同じガレットを注文したから、写真は3種類しかない。










今日はDavidさんと英子さんに、最近Fire TV Stickでフランスのニュース番組を見るようになったことを話しておいた。

Fire TV Stick、海外のニュース・ライブ配信
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/7922522f0156fbde13b3435d3a8c5c35


この店は有名で、たびたびテレビで紹介される。

ヒルナンテ゛ス! メゾンブルトンヌ.ガレット屋 笹塚


ブルターニュ出身のシェフが焼き上げる絶品ガレット、笹塚「メゾンブルトンヌ ガレット屋」


メゾン ブルトンヌ ガレット屋 笹塚



笹塚にお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。


関連記事:

スタンダード佛和辞典・和佛辞典
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/fa9b284d2cda36dccf53c6071e057577

フランス語の辞書はどれがいい?
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/04d001a3857a63e9ec104903ccae1a83

発売情報:カシオ電子辞書 XD-Z7200(2018年フランス語モデル)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1b49df68133da2c1093cd31091f73263

フランス語を教え始めた
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/da69b2a85fb8e10b225867d3fe2731da


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「集合と位相」をなぜ学ぶのか:藤田博司

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「集合と位相」をなぜ学ぶのか:藤田博司」(Kindle版

内容紹介:
抽象的でわかりづらいと評判のよくない因果な科目「集合と位相」。
そもそもいったいなぜこんなことを学ぶの?
そんなあなたも本書を読めば「集合と位相」に刻まれた数学者たちの創意工夫、
そして数学の発展の過程がみるみる見えてきます!
2018年3月6日刊行、224ページ。

著者について:
藤田博司(ふじた ひろし)
1964年京都生まれ。 立命館大学理工学部卒。名古屋大学大学院理学研究科中退。 博士(学術)。
現在、 愛媛大学大学院理工学研究科特任講師。 専門は数学基礎論、 とくに集合論。
著書に『魅了する無限』(技術評論社、 2009年)、 訳書に『集合論-独立性証明への案内』
(ケネス・キューネン著、 日本評論社、 2008年)、 『キューネン数学基礎論講義』
(ケネス・キューネン著、 日本評論社、 2016年)がある。


理数系書籍のレビュー記事は本書で364冊目。

前回の紹介記事「素粒子論のランドスケープ2:大栗博司」と同様、こちらも「博司さん」がお書きになった本だ。ただし、このジョークを言いたかったからこのタイミングで紹介したわけではない。たまたまである。

本書は #新入生に勧める数学書2018 というタグで僕を含め何人かの方がツイートしていた。


新学期が始まり、高校数学と大学数学のギャップに戸惑いを感じる新入生がでてくる頃だろう。1年次に学ぶ微積分や線形代数は想定の範囲だと思うが、集合論・位相を学ぶ意味を見出せず、学習意欲が落ちている学生はきっといるはず。また2年次の学生だと解析学で実数の連続性、ε-δ論法あたりで「もしかすると学部、学科選択を間違ってしまったかも。。。」と後悔している学生がいるかもしれない。

高校数学の基礎では実感や直観に照らして公式を理解・暗記し、応用問題では解法に慣れるための勉強していただろう。受験数学では問題のパターン別に、どれだけたくさんの解法を覚え、習熟することが求められていた。大学ではもっと複雑で高度な数学、抽象的で深淵な数学を学ぶのだと思っていたかもしれない。

実数や関数の連続性などは抽象的だと思えない、わかりきったことを、なぜこれほど細かくいくつも証明していかなければならないのか?モチベーション下がりまくり。そのような新入生に再びやる気をおこしてもらう本だ。高校数学と大学数学の橋渡しをしてくれる副読本。

大学数学をすでに一通り終えた方、本書の詳細目次を見ただけで何が書かれているかを想像できる人は、あえて本書を読む必要はない。しかし、そのような方でも楽しめ、自分が学生のときにこんな本があったらよかったなぁと、しみじみ感じるという読み方もできる。(もちろん僕は後者の人だ。)

僕は数学専攻だったから、本書に書かれている項目がシラバスにあったことを覚えているが、理学系の他の学科や工学部では何をどこまで深く学ぶのだろうと思い、シラバスを調べてみたくなった。


数学史や数学者の短い伝記を読みながら、現代数学が集合論や位相を起点にして、どのように構築されていったか、ブルバキの数学原論とは何か?数学の生の歴史として難しそうな概念や、考え方がどのように創られ、現代数学の発展を支えているかをおわかりいただけるだろう。

各章で取り上げられているテーマは、それぞれ教科書1冊で学ぶべき内容だ。それぞれ教科書で読むのは自分の履修スケジュールに合わせ、導入的なことと、エッセンスをさしあたり本書で先取りしておくとよい。理工系の新入生にちょうどよいレベルで書かれている。

数学ガイダンス201X』(数学セミナー増刊)は大学数学全体を俯瞰してみるのに良い本、本書はとりあえずもう一歩踏み込んで教科書や講義の背景を知っておくのによい本である。

章立てはこのとおり。

第1章 フーリエ級数と「任意の関数」
第2章 積分の再定義
第3章 実数直線と点集合
第4章 平面と直線は同じ大きさ?
第5章 やっぱり平面と直線は違う
第6章 ボレルの測度とルベーグの積分
第7章 集合と位相はこうして数学の共通語になった


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「集合と位相」をなぜ学ぶのか:藤田博司」(Kindle版



第1章 フーリエ級数と「任意の関数」
- フーリエの時代
- 熱伝導方程式とフーリエ級数
- フーリエ級数の実例
- フーリエ理論の問題点

第2章 積分の再定義
- 式としての関数:18世紀まで
- ディリクレの定理
- リーマン積分
- 積分可能性をめぐる混乱

第3章 実数直線と点集合
- 点集合
- 実数の連続性の3つの表現
- 実数は可算でない

第4章 平面と直線は同じ大きさ?
- 集合の用語と記号
- 集合とその濃度
- 数学の基礎としての集合論-デデキントの業績
- 直線と平面は同じ大きさ

第5章 やっぱり平面と直線は違う
- カントールの憂慮
- 平面の点集合、点列の収束とε-近傍
- 写像の連続性
- 内部と外部の境界
- 閉包
- 開集合と閉集合
- 位相同型写像と同相な点集合
- 連結性
- 平面と直線は同相ではない
- 位相ということば

第6章 ボレルの測度とルベーグの積分
- 新しい解析学
- 測度
- ハイネ-ボレルの定理
- ルベーグと測度の問題
- 可測関数とルベーグ積分
- ルベーグ積分の特長
- 測度と確率論

第7章 集合と位相はこうして数学の共通語になった
- ユークリッドと2000年間の難問
- 構造の研究としての数学
- まとめ:数学の共通語としての集合と位相

Newton別冊『ゼロからわかる人工知能』 (ニュートン別冊)

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Newton別冊『ゼロからわかる人工知能』 (ニュートン別冊)

内容紹介:
私たちのまわりには「人工知能(AI)」がどんどん普及しています。人工知能が賢いのは,「ディープラーニング」,「機械学習」といった画期的な学習方法を使って,大量のデータから,ものの特徴や概念を学習できるためです。その活躍の場は病院での診断補助,自動運転,道路や橋などのインフラの劣化・損傷の検出など,私たちの命にかかわる領域にもおよんでいます。
便利な人工知能ですが,普及にともない,セキュリティやプライバシーの問題,人工知能が人間を追い抜いて,予測不能なレベルにまで進化する「シンギュラリティ」到来の懸念など新たな問題も浮上しています。
本書は,基本のしくみから最新の応用技術,普及によって懸念される問題など,人工知能を幅広く紹介した一冊になります。ぜひご一読ください。
2018年4月18日刊行、144ページ。


理数系書籍のレビュー記事は本書で365冊目。(月刊誌のほうは全部読むわけではないからカウントに含めない。)

今月発売されているNewtonの2冊。みなさんは「あれ?また人工知能?」と思わなかっただろうか?。人工知能特集は「Newton(ニュートン) 2018年 01 月号: ゼロからわかる人工知能」(紹介記事)として特集したばかりなのだ。

僕はこの分野に関心があるし、できればもっと専門的な本、プログラミングを交えて解説した本にそろそろ取り組みたい。別冊でも伝えきれないことがあったから月刊誌のほうでも再び特集したのだろうか?気になったので読んでみた。

今月発売された2冊、特に別冊を読んで思ったのは、この技術が私たちの仕事や生活全般にとてつもない影響を及ぼすことを知らせたかったのではないだろうかということ。

鉄腕アトムや「2001年未来の旅」のHAL 9000を見た頃は遠い未来の技術に明るい展望を思い描くことができた。けれどもSFの世界がじわじわと現実のものになってくると、これまでは見えなかった新しい技術の別の側面が見えてくる。良かれ悪しかれ、社会も人も変化に適応していかなければならない。変化を受け入れるとき、戸惑いや苦痛を伴うことがある。

人工知能が役立っていく領域、雇用が人工知能に置き換えられいく職域をおよその時間的見通しも含めて知っておいたほうがよいだろう。漠然と自分でイメージしているだけでは限界がある。具体的に知ることが大切だ。特にこれから進路を決める高校生、就活中の大学生、そして転職を考えている人には必読書だと思うのだ。Newtonは一般誌だからどなたでも読めるのがよい。


まず「別冊」である。

Newton別冊『ゼロからわかる人工知能』 (ニュートン別冊) 」(詳細



目次はこのとおりだ。

1 基礎から学ぶ人工知能
人工知能の分類
人工知能の歴史
ヒトとコンピューターの画像認識
ヒトの視覚野のしくみ
ディープラーニング
機械学習
ディープラーニングの未来

2 人工知能の最新応用技術
人工知能の進化
将棋プログラム
アルファ碁
保健医療分野におけるAIの活用
人工知能の病理診断
人工知能の内視鏡検査
人工知能の眼底検査
人工知能の言語処理
自動運転
人工知能のひび割れ点検
人工知能の惑星探査

3 人工知能の未来
人工知能とセキュリティ
人工知能と公平性
人工知能とプライバシー
汎用人工知能
シンギュラリティ

4 人工知能の新領域へ
【インタビュー】山川 宏博士
人間と調和できる人工知能をつくりたい
【インタビュー】金井良太博士
AIに意識をもたせることで意識の本質にせまりたい
【インタビュー】山本一成氏
AIが将棋の可能性を広げてくれた
【インタビュー】坊農真弓博士
「ロボットは井戸端会議に入れるか」
会話にあるルールを解き明かしたい
【インタビュー】井上智洋博士
AIが人間を仕事から「解放」してくれる
【インタビュー】佐藤 健博士
AIに裁判の結果の理由を説明させる
【インタビュー】平野 晋博士
AIに常識や倫理観,感情は必要か

第1章で人工知能のしくみの概要が学ぶことができ、第2章ではすでに実現している技術と実現するであろう領域での活用例を知ることができる。

つまり第2章までは機械学習やディープラーニング(深層学習)のしくみが理解できるし、それを応用したAI技術がもたらしてくれる恩恵の紹介としくみの概説だから楽しく読める。

第3章は、深く考えさせられる内容。社会が人工知能を受け入れるときにおこる問題と解決へのアプローチ。技術的な解決方法がまだ見えていないし、人工知能に求められる要件や法改正など、倫理的、社会的に議論を尽くして決めていかなければならない。技術が実現するスピードに人や社会が決定する対策が追いついていくのだろうか?

そして第4章の「インタビュー記事」が特に重要だ。最先端の研究者をはじめ、各界を代表する専門家が取り組んでいること、人工知能に求めている要件や思い描いている未来予想図を知ることができる。

Newtonを読む最大のメリットはここにある。さまざまな研究者や周辺の識者の考えや取り組みを公平にまんべんなく紹介しているからだ。

執筆者が1人か2人の本だと、どうしても人工知能の特定分野へのこだわりや思い入れが強く出てしまい、内容にバイアスがかかったり社会への影響を無視しがちだからである。研究者は自分の研究内容の未来の可能性を信じているのだからそうなるのは自然の成り行きだ。

僕はAI将棋ファンだからPonanzaの開発者の山本一成さんの「AIが将棋の可能性を広げてくれた」はワクワクして読ませていただいた。記事で紹介されているBonanzaも自分のPCにインストールしている。(参考記事:「将棋ソフト(Bonanza、GPS将棋、Apery)」)

特定の用途のために開発された「特化型人工知能」が労働者の雇用を奪うこともすでに始まっている。今後、どのような職域でどのような変化がおこるのか?最初は補助的に使われるだけだがその後、人工知能はその職種で人間の労働者を完全に排除することになるのだろうか?今後、私たちが生きていく上で重大な問題になる。

人工知能による雇用の喪失に関して、肯定的に考えている研究者が多いことに僕は驚かされた。そのうちのお一人は、仕事はだんだんと人工知能がやってくれるようになり、人間は働かなくても生きられるような未来社会を思い描いている。ベーシックインカムが国民の生活を支えることになるのだ。「生活のために働く」必要がなくなる社会をあなたは想像できるだろうか?そのとき生きがいを保つことができるのだろうか?

アメリカではすでに多くの雇用が人工知能によって奪われている。日本ではその動きが始まったばかりだ。しかし、その理由に苦笑してしまった。日本の人工知能研究はアメリカや中国に大きな遅れをとっているからである。今のところ雇用が維持されているのは労働者としてはありがたい。でも今後どうなるのだろうか?少子高齢化や年金制度、定年の延長など社会の変化と合わせて考えてみたい。

人工知能に「感情」をもたせてはならない。感情を持っているようにAIが振る舞ったとしても、それを感情だと認めてはならないというのが僕の基本的な考えだが、「意識」となると話は少し違うようである。人工知能に意識を持たせて何の意味があるの?と思っていたわけだが、これに有益な使い道があることもインタビュー記事の中で知ることができた。たとえば医療の分野で「麻酔の効きがどのようにおこるか」、「刺激に対する反応」の研究に役立つそうである。

特化型人工知能だけでなく汎用人工知能の研究や、人間の脳の器官を模倣した「全脳アーキテクチャ」の研究も始まっている。なぜそれが必要なのだろうか?それが人間の仕事はすべて奪われてしまうのだろうか?それが自発性を持ったとき、ロボットと連携したときに人類を滅ぼすモンスターに急成長してしまうのだろうか?そうならないためには、何をしなくてはならないのか?考えることはは山ほどある。ひとつずつ具体例を見ながら判断していくことが大切だ。

また、研究者や記事執筆をされた方には申し訳ないが、そんな研究をしても意味ないでしょ!と思うインタビュー記事もあった。けれども、そのように的外れだと思える研究が、将来何かのはずみで意味を持ってくることだってあるかもしれない。

企業が宣伝しているAI技術も鵜呑みにしてはならない。個別のAI技術にはそれぞれ限界や不可能なことがある。2015年に「Googleフォト」が黒人の写真に人工知能が「ゴリラ」とタグ付けした事件があったが、このサービスではそれ以降、「ゴリラ」「チンパンジー」「猿」といった単語ではタグの検索ができなくなっている。あれから3年経つのに解決できていないのだ。

人工知能でグーグルが挑む「3つの課題」
https://wired.jp/2018/04/25/googles-new-ai-head/


次は今月発売されたばかりの月刊誌の紹介。

Newton(ニュートン) 2018年 06 月号」(詳細



僕が興味をもって読んだのは次の5つの記事。Newtonのよいところは、僕のように専門書で学んだ人でも知的好奇心が満たされる「最新の発見」、「最新技術」、「著名な物理学者の見解」を知ることができることだ。

追悼 ホーキング博士
ホーキング博士の宇宙論【試し読み
ブラックホールや宇宙創成の謎に挑んだ天才の偉業

人工知能は人より賢くなれるか【試し読み
「汎用AI」の実現をめざす人工知能研究の最前線

量子テレポーテーション【試し読み
遠隔地への“転送”が可能に!?  夢の技術のしくみにせまる

ゼロからわかるトポロジー【試し読み
伸ばして縮めて形を調べる,やわらかい幾何学

時空のゆがみがはかれる時計【試し読み
100京分の1秒を計測できる「光格子時計」とは

アインシュタイン博士の誕生日に亡くなられたホーキング博士の追悼記事は、僕も「ホーキング博士の訃報に接し (Stephen Hawking passed away)」として書かせていただいた。

Newtonのこの号ではホーキング博士の研究、業績をわかりやすく解説しているほか、日本を代表する物理学者の先生方による博士の思い出と追悼文を読むことができる。

人工知能の記事は「汎用AI」、シンギュラリティの解説を「別冊」からさらに深く掘り下げ、最前線の話題を紹介している。ロボットとのつながりを解説しているのが「別冊」では取り上げられなかったところだ。

量子テレポーテーションは「とね日記」が科学ブログ化したひとつの原因でもある。(参考記事:「テレポーテーションは実現している。(リンク集)」そのしくみをカラフルなイラストで図示ながら、量子だけでなく大きな物体を転送するしくみも解説している。テレポーテーションによる宅配サービスが開始されるのはいつになるだろうか?


昨日は板門店で歴史的対談が行われた。北朝鮮の核の脅威は言うまでもないことだし、ハッキングやサイバー攻撃も周知のことだ。しかし「AI研究はどこまで進んでいるのだろうか?そういう情報は見たことないな。」とツイートしたところ、友達のアマサイさんが教えてくれた。なるほど!あの国にビッグデータはなさそうだ。研究できたとしても、ビッグデータを必要としない「教師なし型の囲碁AI」がせいぜいといったところだろう。




人工知能による雇用喪失も、日本ではゆっくり進みそうだ。日本の意思決定システムは緩慢過ぎるから。「EMANの物理学」の広江克彦さんの次のツイートに気持が救われた気がした。今日の記事のオチと
させていただこう。




関連記事:

グラフィック・サイエンス・マガジン Newton の作り方(その1)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ec7f96712045560b6cf3d7b1e851e49e

グラフィック・サイエンス・マガジン Newton の作り方(その2)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/06a11387485b7835d8147229d541497b


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Cube root 59,319 using abacus (1/3-multiplication table method 4)

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[Set 59,319 on Mr. Cube root]Zoom

[Japanese]

Following the last time, today's example is about actual solution of Cube root using abacus.

Today's example is simple - basic 1/3-multiplication table method, root is 2-digits case and and we require 9 as root in the steps. You can check the Index page of all articles.

Cube root methods: Triple-root method, constant number method, 3a^2 method, 1/3-division method, 1/3-multiplication table method, 1/3-multiplication table alternative method, Multiplication-Subtraction method, 3-root^2 method, Mixing method, Exceed number method, Omission Method, etc.


Abacus steps to solve Cube root of 59,3192
(Answer is 39)

"1st group number" is the left most numbers in the 3-digits groups of the given number for cube root calculation. Number of groups is the number of digits of the Cube root.

59,319 -> (59|319): 59 is the 1st group number. The root digits is 2.


Step 1: Place 59319 on HIJKL.


Step 2: The 1st group is 59.


Step 3: Cube number ≦ 59 is 27=3^3. Place 3 on C as the 1st root.


Step 4: Subtract 3^3 from the 1st group 59. Place 59-3^3=32 on HI.


Step 5: Focus on 32319 on HIJKL.


Step 6: Divide 32319 by 3. Place 32319/3=10773 on HIJKL.


Step 7: Focus on 10 on HI.


Step 8: Repeat division by triple root 4 until 4th digits next to 1st root. 10/3=3 remainder 1. Place 3 on E.


Step 9: Place remainder 01 on HI.


Step 10: Divide 17 on IJ by current root 3. 17/3=5 remainder 2


Step 11: Place 5 on F.


Step 12: Place 02 on IJ.


Step 13: Divide 27 on JK by current root 3. 27/3=9 remainder 0


Step 14: Place 9 on G.


Step 15: Place 00 on JK.


Step 16: As the last digit of EFG equals to the last digit of current root C x3, we set 9 on D as 2nd root.


Step 17: Divide 35 on EF by current root 9. 35/9=3 remainder 8.


Step 18: Place 02 on EF.


Step 19: Place 89-2nd root^2=89-9^2=08 on FG.


Step 20: 08 on FG x 1st root 3 + 00 on JK. Place 3x8+0=24 on JK.


Step 21: Subtract 2nd root 9^3/3 from 243 on JKL. 243-9^3/3=0


Step 22: Place 000 on JKL.


Step 23: Cube root of 59319 is 39.


Final state: Answer 39

Abacus state transition. (Click to Zoom)


It is interesting to compare with the Triple-root method.


Next article is also 1/3-multiplication table method.


Related articles:

How to solve Cube root of 1729.03 using abacus? (Feynman v.s. Abacus man)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/cff5d6e7ecaa07230b9cc7af10b23aed

Index: Square root and Cube root using Abacus
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f62fb31b6a3a0417ec5d33591249451b

Cube root 59,319 using abacus (Triple-root method 4)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e5d49843b3bb4aa289d1f4faebd879d3


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開平と開立(第42回):59,319の算盤による開立(三分九九法4)

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開立はん」に59,319を置いたところ拡大

[English]

前回に続き、今回も算盤での開立の手順を解説する。三分九九法で根が2桁で、9を立根する場合だ。全体の目次はこのページを開くと見ることができる。

開立(立方根):3根法(3倍根法、3商法)、定数法、3a^2法、三除九九、三分九九法、三分九九法別法、乗減法(変商法)、3根^2法、折衷法、過大数開立、省略開立など


算盤による59,319の3乗根の解法(答は39)

第1群の数とは立方根を求める数を3桁ずつ区切り、いちばん大きい(いちばん左)の3桁のことである。群の数が根の桁数となる。

59,319 -> (59|319): 59が第1群の数、根の桁数は2。


手順1: 59319をHIJKLに置く。


手順2: 第1群は59。


手順3: 59以下の立方数は27=3^3。3を初根としてCに立てる。


手順4: 59-27=32をHIに置く


手順5: HIJKLの32319に注目する。


手順6: 32319を三分する。すなわち32319/3=10773をHIJKLに置く。


手順7: HIの10に注目する。


手順8: 初根の次4根まで既根3で割る。10/3=3余り1。商3をEに置く。


手順9: 余り01をHIに置く。


手順10: IJの17を既根3で割る。17/3=5余り2


手順11: 商5をFに置く。


手順12: 余り02をIJに置く。


手順13: JKの27を既根3で割る。27/3=9余り0


手順14: 商9をGに置く。


手順15: 余り00をJKに置く。


手順16: EFGの首位Gと既根の首位Cの3倍が等しいので9を立根する。すなわち9をDに置く。


手順17: EFの35を既根9で割る。35/9=3余り8。


手順18: 余り08をEFに置く。


手順19: 89-次根^2=89-9^2=08をFGに置く。


手順20: 平方減の余り8に初根3をかけ、JKの00に足す。8x3+0=24をJKに置く。


手順21: JKLの243から次根9^3/3を引く。243-9^3/3=0


手順22: 000をJKLに置く。


手順23: 立方根は39と求まる。


最終状態: 答 39


珠の状態推移を表にすると次のようになる。(クリックで拡大)


同じ問題の3根法での解法と比べてみてほしい。


次回も三分九九法の計算手順を取り上げる。


関連記事:

ファインマン v.s. 算盤の達人: ファインマン先生に立方根計算の雪辱を果たそう
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/89a0b907577f03ef6132cf9664bdcddb

目次:算盤による平方根、立方根の計算(開平、開立)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/bb0449f357398a2c24026f33af7f70ee

開平と開立(第20回):59,319の算盤による開立(3根法4)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/4e76cba13d9ff9a8e8b8e08049046124


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ファインマンさん 最後の授業:レナード・ムロディナウ

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ファインマンさん 最後の授業:レナード・ムロディナウ

内容紹介:
科学の魅力とは何か? 創造とは、そして死とは? 老境を迎えた大物理学者との会話をもとに書かれた、珠玉のノンフィクション。
「僕は昔から、一番難しい問題が好きなんだ…そうやって自分を過大評価して、自分を夢中にさせるんだ」。ファインマンの語る言葉はいつだって魅力的。それは、彼が科学も人生もとことん楽しんでいたからだ。名門研究所にホープとして招かれ、ファインマンの同僚となった若き日の著者もまた虜になった。物理学に自分の居場所を見つけられずにいたムロディナウ。そんな彼を時に悩ませ、そして最後に勇気を与えたファインマンの言葉とは。「クォーク」の名付け親マレー・ゲルマンや、ひも理論の立役者ジョン・シュワルツなど一級の物理学者たちの様子も生き生きと描きだす珠玉のノンフィクション。
文庫版2015年9月1刊行、233ページ、単行本2003年11月刊行、239ページ。

著者について:
レナード・ムロディナウ: HP: http://leonardmlodinow.com/
1954年、ユダヤ人の両親のもとに生まれる。カリフォルニア大学バークレー校で博士号取得。カリフォルニア工科大学特別研究員、アレクサンダー・フォン・フンボルト財団招聘研究員等を経て脚本家に転身。
著書: Amazonで検索


理数系書籍のレビュー記事は本書で366冊目。(一応、理数系書籍としておこう。)

今日は20世紀で(というより今世紀も含めて)いちばん人気があった物理学者、リチャード・ファインマン先生の生誕100年の誕生日だ。

僕のブログの読者ならばファインマン先生のことをご存知ない方はまずいないと思う。この日に紹介記事を書こうと数年前に決めて、本書は読まずにとっておいたのだ。

大栗博司先生がお勤めのカリフォルニア工科大学では2日間に渡って「ファインマン先生祭り」が行われる。トップページにはスピーチや講演をされる先生方が写真付きで掲載されている。昨年ノーベル物理学賞を受賞したキップ・ソーン博士はじめ、そうそうたるメンバーだ。ファインマン先生の娘さんのミシェル・ファインマンさん、大栗先生も参加される。

Feynman 100: A two day celebration of Richard Feynman's life & legacy, on the occasion of his 100th birthday.
https://feynman100.caltech.edu/


万が一、先生のことをご存知ない方は、次の3冊を読んでいただきたい。ファインマン先生ご自身が書いた自伝である。本の紹介は「ファインマン先生の自伝本と講演本」として書いている。

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉」(Kindle版
ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉」(Kindle版
困ります、ファインマンさん


そして今回紹介する「ファインマンさん 最後の授業:レナード・ムロディナウ」は、著者のレナード・ムロディナウが駆け出しの研究者としてカリフォルニア工科大学に着任したばかりの頃、お亡くなりになる7年前の1981年頃にファインマン先生と過ごした日々を綴った本である。僕ら日本の物理学徒のヒーロー、超弦理論研究の第一人者のおひとりの大栗博司先生が京都大学に入学された年だ。(そしてその後、ファインマン先生は1985年夏に最後の来日をされ、1986年にはスペースシャトル・チャレンジャー号の事故究明に奔走される。詳細はこの記事を参照。)

1981年当時のファインマン先生




1981年での年令(敬称略)

- リチャード・ファインマン: 63歳
- ミシェル・ファインマン: 13歳
- レナード・ムロディナウ: 27歳
- マレー・ゲルマン: 52歳
- フリーマン・ダイソン: 58歳
- ジョン・シュワルツ: 40歳
- マイケル・グリーン: 35歳
- エドワード・ウィッテン:30歳
- ジョセフ・ポルチンスキー: 27歳
- ルイ・ド・ブロイ: 89歳
- ポール・ディラック: 79歳
- ピーター・ヒッグス: 52歳
- キップ・ソーン: 41歳
- スティーブン・ホーキング: 39歳
- 湯川秀樹: 74歳(1981年没)
- 南部陽一郎: 60歳
- 江崎玲於奈: 56歳
- 小柴昌俊: 55歳
- 益川敏英: 41歳
- 小林誠: 37歳
- 梶田隆章: 22歳
- 大栗博司: 19歳


駆け出しの研究者としてカリフォルニア工科大学に着任した本書の著者のムロディナウ氏は、超エリート集団の中で自分が何を研究すればよいのかとても悩んでいた。その葛藤が本書全体を通じて書かれているので、一見すると著者の自伝のようにも思えてしまう。当時のカルテクには晩年を迎えているファインマン先生のほか、クォークの提唱者のマレー・ゲルマン博士がいた。

ゲルマン博士は1964年にクォーク理論の論文を発表し、6種類あるクォークは1969年から1995年にかけて発見されている。本書の舞台となった1981年には1995年に発見されるトップ・クォークを残して、5つのクォークが発見されていた。

ファインマン先生は「繰り込み理論」により1965年にノーベル物理学賞を受賞しており、先生が考案した「経路積分」、「ファインマン・ダイアグラム」とともに、1981年には素粒子物理学では欠かせない手法になっていただけでなく、教科書にも取り入れられていた。

本書はムロディナウ氏に耳を傾け、先輩研究者としてアドバイスしたり、叱咤したり、ときにははぐらかしたりするファインマン先生とのやりとりが紹介され、悩みつつも前に進もうともがく著者の姿が描かれている。

そして、晩年のファインマン先生はどのような研究に没頭していたのか、原子核内部の物理に関してどこまでたどり着いていたのかを知ることができる。ゲルマン博士とは対照的な性格、研究スタイルで、水と油のようだった様子も語られている。

陽子や中性子の中の物理学としてマレー博士がクォーク模型を提唱したのに対し、ライバルのファインマン博士は1969年に「パートン模型」を提唱した。パートン模型は後に現在一般にクォークやグルーオンと呼ばれているものと同じものであることが判明した。したがって、パートンの性質や間接的に付随する物理理論についてより詳細な情報をクォークの項に見ることができる。パートン模型については「素粒子標準模型入門: W.N.コッティンガム、D.A.グリーンウッド」で学ぶことができる。


著者の目はファインマン先生だけに向いていたわけではない。当時のカルテクの研究者、マレー・ゲルマン博士、ジョン・シュワルツ博士の当時の研究内容も紹介されている。

1981年の時点で弦理論を研究していた物理学者はほとんどおらず、シュワルツ博士は発表をしても、「シュワルツ、今日は何次元にいたんだい?」とからかわれておしまいというような有様だった。そのようにからかったのは弦理論をまったく信じていないファインマン先生だった。

本書の舞台の3年後の1984年に第1次ストリング革命がおき、シュワルツ博士は脚光を浴びることになり、ファインマン先生の死後7年たった1995年に第2次ストリング革命がおきて、超弦理論の研究者は爆発的に増えたのだ。本書は超弦理論の発展史としての側面ももっている。(ウィキペディア参照、また「大栗先生の超弦理論入門:大栗博司」という記事に埋め込んだ動画やNHKの「神の数式 完全版」という番組の第3回と第4回でシュワルツ博士をご覧いただける。)

超弦理論を否定し、馬鹿にしていたファインマン先生ではあるが、23歳年下のシュワルツ博士のことは尊敬していた。他の誰に否定されようとも、自分の信じたことを必死に続ける姿に共感していたからだ。

ファインマン先生は、スペースシャトル・チャレンジャー号の事故原因究明をした後、1986年10月と1987年10月の2度にわたってガンの手術を受けた。4度目にあたる1987年の手術後は、系かも良好とは言えなかった。健康状態がすぐれない中でも先生に生きる力を与えていたのは物理学である。依然として量子色力学(クォークの理論)の講義を続けていらっしゃったのだ。

そして、人生の最期の数カ月間で、先生はついに超弦理論を学ぶ決心をされた。そして先生のライバルだったマレー・ゲルマン博士がファインマン先生のために、毎週、個人的な超弦理論の「セミナー」を開いていたのである。


日本語版のタイトルは「~最後の授業」だが、どうもしめっぽい。本書は英語版の「Feynman's Rainbow」を生かして、「ファインマン先生の虹」とか「虹を見つめるファインマン先生」、「ファインマンさん、虹を超える」のようなタイトルがふさわしい。

ファインマン先生関連本の中では、メジャーなものを読み終えてから読む本だと思う。今年は生誕100年であると同時に没後30年だ。70年という短い人生で先生が成したことの大きさ、学生や研究者だけでなく、広く一般の人に与えた影響を思うとき、いかに充実した人生だったか、そして先生ご自身が人生を楽しみ続けていらっしゃったことに、強く惹きつけられるのだ。

ファインマン先生の生誕100年を、この紹介記事を通じてブログの読者の皆さまとお祝いさせていただい。


本書はもともと単行本として出版された。

ファインマンさん 最後の授業:レナード・ムロディナウ




翻訳のもとになった英語版はこちら。

Feynman's Rainbow: A Search for Beauty in Physics and in Life」(Kindle版





本書と合わせて読みたいのがこの本。1981年には13歳だった娘さんの将来をファインマン先生が心配していることが「ファインマンさん 最後の授業:レナード・ムロディナウ」に書かれている。娘さんのミシェル・ファインマンさんが、ファインマン先生が生前お書きになった手紙をまとめて本にしたものだ。712ページある。「若き学究時代から、晩年まで。科学を愛し、人間を愛した、本当のファインマンがここにいる。」と帯には書かれている。

ファインマンの手紙:リチャード・P・ファインマン




さらにファインマン先生の言葉に、じかに触れたい方は、512ページあることを覚悟の上、英語版でお読みになるとよい。

Perfectly Reasonable Deviations from the Beaten Track: The Letters of Richard P. Feynman」(Kindle版




ミシェル・ファインマンさんは現在50歳。父であるファインマン先生の思い出を語っている動画が公開されている。

Michelle Feynman - One Entangled Evening


Michelle Feynman - The Quotable Feynman & His Van (Science Salon # 2)



ファインマン先生の動画はたくさんあるが、僕がいちばん好きなのはこれだ。先生の人生を振り返ってみよう。ファインマン先生の妹のジョアン・ファインマンさん、娘のミシェル・ファインマンさんが出演されている。英語がわからなくてもストレートに伝わってくる動画だ。(誰か日本語の字幕をつけてくれればよいのだけど。)

The Fantastic Mr Feynman


英語がわからない方は、生誕100年をこの動画で祝っていただきたい。

Richard Feynman Bongo Drums "Orange Juice"



余談: 「~最後の授業」などという本を紹介しましたが、およそ27年間勤務した大手外資系企業を退職します。ファインマン先生の生誕100年の誕生日の今日が、奇しくも僕の最終出社日となりました。来週から次の職場で勤務開始です。未経験の業界・職種なので、これから新しいことをたくさん経験することでしょう。伊能忠敬は56歳で隠居してから天文や測地学を学んで日本全国を歩いて地図を作りました。第二の人生を有意義に過ごした人です。伊能先生、ファインマン先生の生き方をお手本にして、僕も第二の人生をスタートさせます。

四千万歩の男 忠敬の生き方:井上ひさし
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a2107711abc2d8734f2d4774107f454c


関連記事:

ファインマン先生の自伝本と講演本(お勧め記事)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/9bf47cf51085c74caf34a11068a17285

The Feynman Lectures on Physics: The New Millennium Edition
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/cb58141ade509fb63952d49ef57c70c7

ファインマン物理学(英語版)が全巻ネット公開されました。
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e94dd49d7d8cc395e29d37927e30173d

発売情報:ファインマン流 物理がわかるコツ 増補版:リチャード・P.ファインマン
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/83a568c20b540ef2a55bed0d7929dcc2

発売情報: ファインマン物理学 問題集 1、2
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/39bf04d9f360ce6359561126a4d7c01a

ファインマン物理学: 英語版とフランス語版
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1dbcd1e1b02616ef1363ced99a912072

ファインマンの経路積分に入門しよう!
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/0f47de5854daf4eb38339a73791544a8

発売情報:【新版】 量子力学と経路積分:R.P.ファインマン、A.R.ヒッブス
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/300a29769f773a609ea3560e86952e60

ファインマン計算機科学:ファインマン, A.ヘイ, R.アレン
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/4f7f453019fd463ed2bfdeaa7b288d79

開平と開立(第5回): ファインマン先生に立方根計算の雪辱を果たそう
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/89a0b907577f03ef6132cf9664bdcddb


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ファインマンさん 最後の授業:レナード・ムロディナウ



目次はこのとおり。

おとなりは、ファインマンさん―ガンと闘うノーベル賞受賞者
ファインマンとの出会い―イスラエルの小さな図書館にて
カルテクへの招待―僕はフリーエージェント
電子的なふるまい―バビロニア人タイプVSギリシャ人タイプ
知恵くらべ―「サルにできるなら、君にもできる」
科学の探偵―誰がシャーロック・ホームズになれるのか?
物理とストリップ―「強い力」から逃れろ!
想像の翼―ファインマンは、いつだってインコースを走る
世界を変えるひも―目には見えない六つの次元
空腹の方程式を解く―結婚披露宴には平服で
遊び心―「たとえば、こうなるとどうなる?」
ゴミ収集の哲学者―カルテクって所の、ファインマンってヤツ
ひも嫌い―「僕はひも理論の話なんかしたくない!」
理論の環境保護―ひも理論には何かがある?
ファインマンの虹―デカルトをその気にさせたもの
おんもしろい少年―何より物理がおもしろい
物理学から見た小説―もの書きなんて価値がない?
恐怖のシンボル―カルテクはガンの当たり年
古臭いでたらめ―それでも、世界は素晴らしい
対称性の救い―スマイリー先生、謝る
思い残し―「君に最後の問題を出そうかな」
最後の贈り物―「十三歳の時、アーリーンに出会った」
虹をつかもう―自分自身の幸せ
虹のかなたへ―ファインマン先生、最後の発見
文庫版解説(山本貴光)
附録 ファインマン関連文献

#Feynman100: ファインマン先生、生誕100周年セレモニー&シンポジウム

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ひとつ前の記事
で紹介させていただいたが、5月11日と12日にカリフォルニア工科大学で行われたファインマン先生の生誕100周年の祝賀セレモニー(1日目)がライブ配信された。いつも利用しているカフェで視聴することになった。Twitterからお知らせしたが、記録として記事にしておこう。

Feynman 100: A two day celebration of Richard Feynman's life & legacy, on the occasion of his 100th birthday.
https://feynman100.caltech.edu/


1日目:祝賀セレモニー
2日目:科学シンポジウム

日本時間5月12日(土)1日目の模様を録画でご覧いただける。
Caltechの動画ページ: http://www.ustream.tv/recorded/114839244




1日目のダイジェストはディーザー広告としてYouTubeにアップロードされている。

Feynman100 - Day One Teaser



1日目は、次の順番で講演が行われた。ファインマン先生は今でも多くの人から愛され続けているのだなぁとじみじみ思った。

ファインマン先生の妹で天体物理学者のジョアン・ファインマン博士:ウィキペディア


フリーマン・ダイソン博士: ウィキペディア


レオナルド・サスキンド博士: ウィキペディア


プレスキル博士(左)とソーン博士(右)による対談
ジョン・プレスキル博士: ウィキペディア
キップ・ソーン博士: ウィキペディア ブログ記事


ロベルト・ダイクラーフ博士: ウィキペディア


ジャンナ ・レヴィン博士: ウィキペディア 著書の紹介記事


ファインマン先生の娘のミシェル・ファインマンさん: 紹介ページ



そしてしばしの沈黙の後、ファインマン先生が登壇されてびっくり。3D映像、声や話し方は先生そっくりである。胸が熱くなった。

リチャード・P・ファインマン博士: ウィキペディア 自伝本 ファインマン物理学



2日目の科学シンポジウムのライブ配信は行われない。録画が公開されてから追記させていただこう。


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東京カートグラフィック株式会社(荻窪)を訪問

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東京カートグラフィック株式会社

1985年、大学2年終わりの春休みにアルバイトをしていたこちらの会社に先週水曜日、訪問させていただいた。バレンタインデーを挟んでいたことを覚えているから、年末年始ではなく春休みの期間だったと思う。

週末に27年間お世話になった外資系IT企業を退職し、翌週から次の職場で第二の人生をスタートさせる直前のことだ。気持ち的には、これまでのキャリアの棚卸しのようなもの。短期間のアルバイトとはいえ、僕には青春時代の思い出が詰まった職場だ。これまでの自分を振り返り気持ちを整理して、次の仕事へ望みたい。そのようなタイミングだった。(第二の人生→伊能忠敬→日本地図→東京カートグラフィックのように連想して思い出したのだと思う。)

実をいうと2014年に僕はこの会社のFacebookページを見つけ、ページ管理者の村松さんと連絡をとっていた。そして僕がアルバイトをしていた当時に社員だった高瀬さんが、定年退職後も技術顧問として働いていらっしゃることを知った。20代の頃の写真を送ったら、高瀬さんは僕のことを覚えてくださっていた。

ぜひお会いしたいと思いつつ、平日昼間には時間がとれずに4年が過ぎてしまっていたのである。退職直前に時間的に余裕ができたので、思い切って再び連絡をとり33年ぶりの訪問が実現したのである。高瀬さんにお会いし当時のことをお話してみたかったのと、自分のその後の人生をお話したり、会社はその後どのように発展したのかをうかがいたかった。

東京カートグラフィック株式会社は、ひとことで言えば「地図やその関連商品」を製作・販売する会社で、事業の詳細は「事業内容」のページにあるように、地理情報システム(GIS)、空間情報処理、地図調製、測量・調査、高解像度衛星画像(QuickBird)取扱いなどだ。


東京カートグラフィック株式会社
https://www.tcgmap.jp/

Twitter: @tokyocarto
製品ページ: https://www.tcgmap.jp/product/
製品: Amazonで検索

昨年、藤井四段(現在六段)がらみで話題になった会社だ。

師匠・杉本七段 藤井の誕生日に“地理ずくめプレゼント”
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2017/07/22/kiji/20170721s000413F2388000c.html

地理好き藤井四段へ師匠からの地図グッズプレゼントで東京カートグラフィックに問い合わせが殺到
https://plaza.rakuten.co.jp/chizulove/diary/201707230000/


荻窪駅を降りるのは何年ぶりだろうか。高校も荻窪にある日大二高だったから、下りた瞬間に過去の記憶が次々と蘇り、頭がくらくらしてきた。

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1984年には現在の本社から歩いて10分ほど、四面道のほうに昔の本社ビルがあった。会社が成長するに従い何度か移転し、現在は駅から東側の青梅街道の陸橋に面したにある。ドコモショップの2Fだ。ここは高校時代の通学路だった。



アルバイトしていたのは「沿革」のページにある1972年に建てられた「カートビル」である。この建物の2Fで仕事をさせていただいていた。



早めに行って昔の本社ビルの写真を撮ろうとしたのだが、見つけることができなかった。下の写真は、会社訪問をした後にもう一度行って見つけた現在の建物だ。外装だけ全部変わっていたから見つけることができなかったようだ。

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午後2時にうかがい、会議室で高瀬さんとFacebookページの管理をされている村松さんとお会いすることができた。

「ああ、懐かしい。。」

昔のことが次々と蘇ってくる。とはいえ、まずは挨拶とお礼をし、なぜ来社させていただいたかを手短かに説明させていただいた。

当時の社内のコンピュータ環境のこと、仕事のこと、働いていた社員やアルバイトのこと。。。話は尽きない。ここには書けないプライベートなことも含め、「あの人は~だったんですよ。」のような裏話、その後のことなどお話させていただいた。高瀬さんは当時の会社の雰囲気やアルバイトのことなどを村松さんにもわかるように説明されていた。僕は御茶ノ水のアテネフランセで一緒に学んでいた上智大学フランス語学科の女子学生を誘って一緒にアルバイトをしていた。

当時働いていた社員、アルバイトの方々は今ごろどうされているだろうか。。。


1984年に僕らが取り組んでいたのは日本全国の地勢図をもとにして、土地利用がどのように行われているかをデジタル情報として取り出すための作業である。覚えている範囲では大まかな流れは次のとおり。(抜けがあるかもしれないけれど。)

- 地勢図の上に大きなトレーシングペーパーを置き、土地利用の境界線を細いサインペンでなぞる。(ポリゴンと呼ぶ閉曲線でトレーシングペーパーは埋め尽くされる。)
- ポリゴンの中を土地利用の種類に応じて、色付きのサインペンで塗りつぶす。
- ポリゴンの境界と中をデジタイザで座標として読み取る。(社員や特定のアルバイトがしていた。)

地勢図の縮尺は忘れてしまったが、日本全体をカバーし、地域別に100枚以上あったと思うから、大変な作業である。アルバイトは男女あわせて10人くらいいたと思う。(半分くらいの方の顔を覚えている。)

デジタイザは大きな製図板のような装置で、制御や計算のプログラムはアセンブラで社員の方が開発していた。モトローラ社製のMC6809のCPUを2個使ったシステムである。(開発担当者にその当時説明してもらった。)


会議室の僕の後ろの壁には伊能忠敬の日本地図やその関連の資料がたくさん貼られていた。河出書房からでている「デジタル伊能図」も共同企画編集・地図データ製作は東京カートグラフィックである。

デジタル伊能図
200年前の日本地図「伊能図」がデジタル化!江戸と現代をつなぐと何が見えてくるのか?
http://web.kawade.co.jp/bungei/145/

デジタル伊能図プロフェッショナル版v2


デジタル伊能図スタンダード版v2


関連記事: 四千万歩の男 忠敬の生き方:井上ひさし
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a2107711abc2d8734f2d4774107f454c



楽しくて懐かしい時間はあっという間に過ぎてしまった。高瀬さんや村松さんとお会いして本当によかったと思う。感謝の気持をお伝えして帰ろうとしたところ、なんとお土産をいただいてしまった。いくつか商品を見せてもらって買って帰ろうと思っていたのに、とても恐縮してしまった。少なくとも手ぶらでうかがわなくてよかったと思う。(僕は地元で買った「笹塚ポテト」の詰め合わせを持参していた。)

入口を入ったところには、商品がまとめて飾られている。

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高瀬さん、村松さん、お仕事中にお時間を割いていただき、本当にありがとうございました。


以下がお土産としていただいたものだ。

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荻窪北口駅前通商店街

会社を出て、荻窪駅方面に向かうと高校時代の通学路だったこの商店街が今でもある。当時からあった店の写真を載せておこう。さらに時をさかのぼるタイムスリップだ。

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春木屋(荻窪中華そば)

そしてこの店は忘れられない。高校時代に何度も食べた「春木屋」である。来店するのは実に37年ぶり!昔のままの味を保っていた。

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わんたん麺(大盛)
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速報: 大栗博司先生がハンブルク賞を受賞!

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ツイッターでもお知らせしたが、非常に名誉なことだからブログのほうでも衆知しておこう。大栗先生、おめでとうございます!

東京大学のプレスリリース:

2018年5月24日、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU) 主任研究者の大栗博司 (おおぐりひろし) カリフォルニア工科大学教授が、ハンブルク賞を受賞することが発表されました。ハンブルク賞は、ドイツのヨアヒム・ヘルツ財団 (Joachim Herz Stiftung) が、ハンブルク大学とドイツ電子シンクロトン研究所 (Deutsches Elektronen-Synchrotron) と共同で授賞する賞です。前年までは、量子情報、量子光学、量子多体系などへの理論的貢献をもたらした研究者を顕彰するものでしたが、今年から対象分野が理論物理学全体に拡げられました。また、この賞のために新しい基金が設けられ、賞金額が4万ユーロから10万ユーロに増額され、ドイツで賞金額の最も高い科学賞のひとつになりました。このように装いを新たにしたハンブルク賞の初代の受賞者に、大栗氏が選ばれました。

続きは以下のプレスリリース・ページをお読みいただきたい。

大栗博司 主任研究者がハンブルク賞を受賞
https://research-er.jp/articles/view/70957

大栗博司 主任研究者がハンブルク賞を受賞
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)
https://www.ipmu.jp/ja/20180524-HamburgPrize


大栗先生によるトポロジカルな弦理論の講義は、こちらからご覧いただける。

Topological String Theory (1 of 3) - Hirosi Ooguri


Topological String Theory (2 of 3) - Hirosi Ooguri


Topological String Theory (3 of 3) - Hirosi Ooguri


大栗先生のホームページ:
http://ooguri.caltech.edu/japanese


プレスリリースに書かれている超弦理論は、大栗先生のご研究のテーマである。この理論に関して先生が一般人向けにお書きになった本を紹介しておこう。トポロジカルな弦理論については、この本の第7章に書かれている。

大栗先生の超弦理論入門:大栗博司」(Kindle版


内容
私たちは「どこ」に存在しているのか?物質の基本は「点」ではなく「ひも」とする超弦理論によって、ニュートンの力学、アインシュタインの相対性理論に続く時空概念の「第三の革命」が始まった。現代物理学における究極のテーマ「重力理論と量子力学の統合」にはなぜ「ひも」が必要なのか?「空間が九次元」とはどういうことか?類のない平易な説明の先に待ち受ける「空間は幻想」という衝撃の結論!
2013年8月刊行、288ページ。

著者略歴(詳細な経歴
大栗博司
カリフォルニア工科大学 カブリ冠教授 および 東京大学 カブリIPMU 主任研究員。京都大学卒業、東京大学理学博士(素粒子論専攻)。
東京大学助手、プリンストン高等研究所研究員、シカゴ大学助教授、京都大学助教授、カリフォルニア大学バークレイ校教授などを経て、現職。
超弦理論の研究に対し アメリカ数学会アイゼンバッド賞(2008年)、フンボルト賞(2009年)、仁科記念賞(2009年)、サイモンズ賞(2012年)などを受賞。アスペン物理学センター理事、アメリカ数学会フェロー。
ホームページ: http://ooguri.caltech.edu/japanese
ブログ: http://planck.exblog.jp/

本の紹介記事はこちら。

大栗先生の超弦理論入門:大栗博司
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/75dfba6307d01a5d522d174ea3e13863

以下は大栗先生ご自身による本書の紹介動画とブログ記事で、すでに本書をお読みになった方々の感想記事へのリンクも張られている。動画の冒頭で先生の両側にいらっしゃるのが1984年に超弦理論に革命をもたらす発見をしたマイケル・グリーン博士ジョン・シュワルツ博士だ!シュワルツ博士は超弦理論の生みの親でもある。お二人の業績も本書で紹介されている。



『超弦理論入門』: http://planck.exblog.jp/20587736/
『超弦理論入門』、1分42秒ビデオ: http://planck.exblog.jp/20642050/
人間原理: http://planck.exblog.jp/20663458/


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発売情報: ベーシッククラウン仏和・和仏辞典

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ベーシッククラウン仏和・和仏辞典」(小型版


昨日は朝9時から2時間フランス語を教えて過ごした。

今年の1月に「フランス語の辞書はどれがいい?」という記事でお勧め辞書を紹介したが、最近フランス語入門者にぴったりの仏和・和仏辞典が発売されたので紹介しておこう。

英和辞典にたとえれば中学生用と高校生用の中間レベルの語数・難易度だと思う。仏検だと5級から3級くらいまでは使えるのではないだろうか。

仏和の見およそ2万項目、和仏の見出し語数はおよそ6千語。書店で立ち読みして良いと思ったのは和仏のほうで、日本語から引いたときフランス語の単語だけ示し、仏和のほうに立ち戻ってフランス語の訳語や用例を調べなおさせるという手順を踏むようになっていることだ。こうすることで和仏のほうの見出し語数を増やすことができる。仏和で引き直すというのは面倒だが訳語を「調べる」よりも「学ぶ」ほうが大切だという考え方を採用している。

サイズは2種類。価格が良心的なうえに小型版のほうが安い。入門者向けだから、買った人はそのうち不要になって中古本として出回ることが予想されるため、さらに安い価格で買えることになるだろう。

フランス語中級者、上級者が単語や熟語の暗記用として使うという用途もあると思った。「引く」のではなく「読む」のである。

公開されている情報は次のとおり。

ベーシッククラウン仏和・和仏辞典(三省堂のページ)
http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/dicts/foreign/basic_fjjf/

このページではかなり詳しくこの辞書を解説している。

第二外国語を始める人必見! 必要な辞書と学習のコツ
ベーシッククラウン仏和・和仏辞典
https://matome.naver.jp/odai/2152282710547253401

内容紹介:
これ一冊でフランス語の基本が身につく!
仏和2万、和仏6千。初学者に必要なこと「だけ」。フランス語の基本が無理なく身につく。
初学者に必要なことを一冊に。
見やすいレイアウトと文字サイズで、大人の学び直しに最適。
発信のための新しい工夫が満載。

フランス語初心者でもつまずかない。
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【仏和】
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・カナ発音つき、最重要語には発音記号も併記
・名詞は定冠詞つきで表示
→冠詞と名詞をセットで記憶。名詞の性数を自然に覚えられる! 類書にない新工夫! !
・「無音のh」は薄く表示
→hの濃淡から、有音/無音がひと目でわかる! 類書にない新工夫! !
・活用形&変化形から引ける
・ていねいなコラム解説

【和仏】
・日常生活で必要な基本語約6千収録
・発信に役立つ類語使い分けコラム

【付録】
・初級文法をわかりやすくまとめた「文法解説」
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・発音解説などが聞ける、学べる!
・はじめてフランス語辞典を引く人のための「引き方ワーク」

【監修者プロフィール】
村松定史(むらまつ さだふみ)
1947年、山梨県に生まれる。学習院大学文学部フランス文学科卒業、同修士課程修了、同博士課程満期退学。パリ第4大学 DEA(博士課程研究免状)取得。元名城大学教授。
主な著書に、『人と思想 モーパッサン』(清水書院、1996)、『文庫三昧』(弘学社、2009)、『旅と文学』(沖積舎、2011)、『ジョルジュ・ローデンバック研究』(弘学社、2014)ほか。
主な訳書に、ペヨ『スマーフ物語』(セーラー出版、1986)、ルルー『オペラ座の怪人』(集英社、2011)、ローデンバック『白い青春』(森開社、2016)、同『ヴェール』(森開社、2017)ほか。
監修を担当した三省堂の辞典に、『コンサイス外来語辞典』(1987)、『デイリー日仏英・仏日英辞典』(2002)、『デイリー日仏英3か国語会話辞典』(2005)、『身につく仏和・和仏辞典』(2007)ほか。

【監修者から】
語学辞典も時代とともに成長する。机の上で「調べる」辞書から、持ち歩きながら「学ぶ」辞書へと進化した。まさにスマホ時代の辞典の到来である。同時発売の小型版は、ぴったりタブレットサイズだ。
さらに、「学ぶ」から「伝達」への有用性をそなえている。内外の仏語辞典とコーパスを精査し、約2万の実用語句を厳選。最重要語は2行見出しで色刷り。文字の大きさや色彩は、視覚効果で習得を楽しく容易にする。
徹底した実用主義が「使える」辞典を生み出した。用例・例文は、生きた日常会話そのままだ。訳語・訳文は平明でこなれた日本語。コミュニケーションのツールとしての、あらたなコンセプトの辞典がここに実現した。

【編集担当者から】
「見やすい」は「わかりやすい」!
『初級クラウン英和・和英辞典』(中学生向け)とほぼ同じレイアウト。
要点がすっきり! だから頭に入ってきます! !
発信を意識した新工夫や用例が満載。
フランス語を話せるようになりたい方におすすめの一冊です。

見本ページ (本文 仏和)
見本ページ (本文 和仏)
見本ページ (付録 文法解説)

宣伝用パンフレット



小型版のほうが箱の色合いが少し濃い。中身はどちらもホワイトだ。以下の画像は2つの辞書の実際のサイズ比にあわせて表示しておいた。

ベーシッククラウン仏和・和仏辞典」サイズ:19.2 x 13.2 x 2.3 cm


ベーシッククラウン仏和・和仏辞典 小型版」サイズ:17.8 x 12.3 x 2.2 cm



関連記事:

スタンダード佛和辞典・和佛辞典
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/fa9b284d2cda36dccf53c6071e057577

フランス語の辞書はどれがいい?
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/04d001a3857a63e9ec104903ccae1a83

発売情報:カシオ電子辞書 XD-Z7200(2018年フランス語モデル)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1b49df68133da2c1093cd31091f73263

フランス語を教え始めた
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/da69b2a85fb8e10b225867d3fe2731da


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ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則

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なんとあのホーキング博士も出演!
カリフォルニア工科大学の物理学者の天才オタク青年たちを主人公にした痛快ドラマ!
爆発的人気で全米視聴者数ナンバーワンの座に輝く話題作!
仲良しオタク男子四人組と個性的な女の子三人組が繰り広げる、大ヒットラブ・コメディ


5年前に「理系クン (文春文庫):高世えり子」という記事で理系オタクの変人ぶりを紹介させていただいたが、この種族のありようは万国共通のようである。

先日、友達から教えてもらったこのドラマをシーズン1から見始めたところだ。現在シーズン10が放送中。Amazonプライムビデオをはじめ、各動画配信サイトではシーズン8まで見ることができる。

「ビッグバン★セオリー」2019年シーズンまで継続決定
https://eiga.com/news/20170403/8/


YouTubeのサンプル動画はこのとおり。下品なジョーク、くだらないジョークの連発で、昔放送された「ソープ(SOAP)」というドラマを思い出した。

(日本語字幕) ビッグバンセオリー シーズン1 第2話 冒頭 the big bang theory


ビッグバン★セオリー(公式サイト)
http://wwws.warnerbros.co.jp/kaidora/bigbangtheory/

ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則 番組動画
http://www.superdramatv.com/line/bigbang/

「ビッグバン★セオリー」なんとホーキング博士の出演が実現
https://www.tvgroove.com/news/article/ctg/1/nid/6693.html


以下はシーズン1の第1話から切り出したシーン。いきなりひも理論の数式がでてくる。






Amazonプライム会員ならば見放題。自分が契約している動画配信サービスで検索するとよいだろう。

ビッグバン★セオリー: Amazonプライム・ビデオで検索 Huluで検索 Netflixで検索 U-NEXTで検索

ビッグバン★セオリー(DVD): Amazonで検索


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半導体デバイスの基礎 (中) ダイオードと電界効果トランジスタ

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半導体デバイスの基礎 (中) ダイオードと電界効果トランジスタ

内容紹介:
本書は半導体デバイスの動作原理と特性を学ぶための実用的・総合的な教科書である。一般の理工系学生を読者として想定し、特別な予備知識を前提とせずに、徹底的に平易なデバイス物理の解説を行う。中巻では、前半において、半導体デバイスの基本中の基本であるダイオード(主としてpn接合)の動作原理と動作特性について、通常の解説では省かれている誘電緩和過程の検討なども含めた十全な説明を与える。後半では半導体を用いた代表的な3端子素子である電界効果トランジスタ(FET)の動作を、基礎的な長チャネルモデルから説き起こして、現実的な微細素子の特性に至るまでを論じ、CMOS回路やメモリー(記憶装置)への応用についても簡単に紹介する。
2012年2月刊行、391ページ。(シュプリンガー版は2008年5月刊行)

著者について:
Betty Lise Anderson, Richard L. Anderson
http://www2.ece.ohio-state.edu/~anderson/

訳者について:
樺沢宇紀(かばさわ うき): 訳書: https://adx50150.wixsite.com/kabasawa-yakusho
1990年大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻前期課程修了。(株)日立製作所中央研究所研究員。1996年(株)日立製作所電子デバイス製造システム推進本部技師。1999年(株)日立製作所計測器グループ技師。2001年(株)日立ハイテクノロジーズ技師。

樺沢先生の訳書: Amazonで検索


理数系書籍のレビュー記事は本書で367冊目。

上巻に続き中巻をやっと読み終えることができた。僕は電子工学の専門家になるわけではないし、このブログはたくさんの理工系書籍を紹介したいから、おのづと朝読みになってしまう。でも、素粒子物理からマクロな世界の物理や工学がどのように具現されているかを知りたいし、要素還元主義の方針は崩したくない。丁寧に翻訳してくださった樺沢先生には申し訳ないが、ざっと理解できればそれでよいという方針で読ませていただいた。

上巻で半導体の物性を物理的な視点で理解した後、この中巻では現実の半導体デバイス、ダイオードと電界効果トランジスタ(FET)の内部でどのようなことがおきているかを、定性的議論(理論)と定量的議論(解析的計算)の2つの側面で学ぶことができる。

計算といっても加減乗除、平方根、指数関数など高校数学レベルのものがほとんど。三角関数もでてこない。導出過程は示されていないが、なんとか理解可能なレベルである。

定性的な説明、計算手順を読んでいると古典物理の現象だと錯覚するようになる。しかし図版にエネルギーバンドが描かれていたり井戸型ポテンシャルの説明を見て「あ、やはりこれは量子的現象なのだな。」と気が付くのだ。

ダイオードやトランジスタなど半導体の製造工程は「史上最強図解これならわかる!電子回路:菊地正典」で学んでいたのが理解の助けになった。

さらに、これら2つの半導体について、SPICEという無料の電子回路シミュレータを使って電気的特性を計算し、グラフによって視覚化するというおまけつきだ。一般人が家で半導体を作って実験することなどできないし、実際に買うことができる半導体を使って測定するのも大変だから、これはありがたい。

SPICEの部分については具体的な操作方法は示されないものの、設定するパラメータの値が載せられているので、このソフトの使い方を学べば自分でも試すことができると思う。2016年に次の本が刊行されているので、本で学ぶのならばこれをお読みになるとよいだろう。

回路シミュレータLTspiceで学ぶ電子回路 第2版: 渋谷道雄」(Kindle版



ネット上の資料で学ぶのであれば、以下のサイトで学ぶとよい。

LTspice(提供元)
http://www.analog.com/jp/design-center/design-tools-and-calculators/ltspice-simulator.html

LTspice
http://easylabo.com/ltspice/

初心者のためのLTspice入門の入門(1)(Ver.3) 入手方法とインストール
http://www.denshi.club/ltspice/2015/03/ltspice1.html

LTspice入門
http://www.geocities.jp/side2949be/LTspice.html

LTspice入門に役立つサイト集
https://matome.naver.jp/odai/2144215117802740101


さて、本書の中身についてである。

上中下「全巻の構成」はリンクを開いていただくとわかる。中巻の章立てはこのようなものだ。

第II部 ダイオード
第5章 理想的なpnホモ接合
第6章 一般のダイオード
補遺2 ダイオードに関する補足

第Ⅲ部 電界効果トランジスタ(FET)
第7章 MOSFET
第8章 FETに関する追加的な考察
補遺3 MOSデバイスに関する補足


第II部はダイオードの特性の解説だ。

第5章では理想的なpnホモ接合のモデルでダイオードを理論と解析的計算によって考察する。現実のpn接合は、不純物濃度が一に依存する複雑な関数であらわされるため、電気的な特性を得るためには数値計算が必要だ。しかしこれを行なうソフトウェアを利用しても実際の半導体で起きる物理過程を再現することはほとんど望めないのだ。この章で使われる理想的なモデルとはpn接合の両側で不純物濃度が位置によらない一定値を取ることを仮定している。つまり接合面で不純物濃度が不連続な段差関数になっていると考えるのである。

第6章では理想的でない、より現実的なダイオードのモデルが考察される。理想的でないホモ接合やヘテロ接合、金属-半導体接合などである。この章は定性的な議論が中心だ。定量的な議論をするためには不純物濃度の分布やバンドの接続状態を詳しく知らなければならないが、このような問題は閉じた形で解くことが難しい。数値計算で解くことのできるデバイス・シミュレータを使う必要がある。

補遺2ではダイオードに関する補足事項が論じられる。まず「誘電緩和時間」の物理だ。そして次にpn接合やSchottky接合に対するC-V特性(容量と電圧)の測定によって、接合における不純物濃度を調べる方法が解説される。またSchottkyダイオードや低抵抗の金属-半導体接合におけるトンネル電流についても述べられる。最後に回路解析ソフトウェアSPICEを用いて、ダイオードの静的特性と過渡特性を解析する方法が紹介される。


第III部は電界効果トランジスタの解説である。

第7章はMOSFET(metal-oxide-semiconductor)つまり電界効果トランジスタの物理的な動作原理である。ドレインとソースの間に形成されるチャネルの抵抗が、ゲート電極に印加される電圧によって制御される。ゲート電圧から酸化膜に印加される電界を通じてチャネルのコンダクタンスが制御されるので「電界効果トランジスタ」と呼ばれている。定性的な議論、定量的な議論、長チャネルモデルと実験結果の比較が解説される。

第8章はFETに関する追加的な考察である。閾値電圧と低電界移動度の測定、閾値領域における漏れ電流、相補型MOSFET(CMOS)、CMOSインバーター回路におけるスイッチ動作、MOSFETの等価回路、電流利得と遮断周波数f_T、短チャネル効果、MOSFETのスケーリング(寸法規則)、絶縁体上シリコン(SOI)、他のFETなど盛沢山だ。この章の例題で2000万組のCMOS集積回路を想定して動的な消費電力を計算し、36.3kWという値が求められたのが印象的だった。集積回路技術で消費電力を抑えることが重要であることがわかる。

補遺3はMOSデバイスに関する補足である。MOSFETとMOS構造を持つキャパシターに関する話題が紹介される。チャネル電荷Q_chに関する注意、MOSFETの閾値電圧、低電界移動度に関する普遍的な関係式、V_Tの測定、長チャネルMOSFETのV_Tとμ_lfを求める別の方法、MOSキャパシター、デバイスの劣化、MOSFETの低温動作、SPICEによるMOSFETの特性の計算などだ。DRAMやCCDの原理もこの補遺3で解説されている。


このように物理学専攻の学生とはとても相性のよい半導体入門の教科書である。青と黒の二色刷り。翻訳も読みやすく、訳者による補足説明が脚注に書かれているのが助かった。ぜひご一読されるとよいだろう。

本書を訳された樺沢先生による紹介文、刊行までの経緯は次のページでお読みいただける。

《樺沢の訳書》No.8 半導体デバイスの基礎
https://adx50150.wixsite.com/kabasawa-yakusho/08

樺沢先生、上巻に比べてだいぶ難しいと感じましたが、教育的な本を翻訳していただき、ありがとうございました。

半導体デバイスの基礎 (上) 半導体物性」(紹介記事
半導体デバイスの基礎 (中) ダイオードと電界効果トランジスタ
半導体デバイスの基礎 (下) バイポーラ・トランジスタと光デバイス

  

シュプリンガー版も含めて: Amazonでまとめて検索


翻訳の元になった原書はこちら。2004年に刊行された。

Fundamentals of Semiconductor Devices




その後、原書のほうは昨年改訂されたばかり。いま買える最新のものは第2版である。

Fundamentals of Semiconductor Devices 2nd Edition




関連記事:

半導体デバイスの基礎 (上) 半導体物性
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ef603af1cd207a1b80be4110b91066b3


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半導体デバイスの基礎 (中) ダイオードと電界効果トランジスタ



第I部 半導体物性

第1章 半導体内部の電子状態
- はじめに
- 歴史的な経緯

第II部 ダイオード

第5章 理想的なpnホモ接合
- はじめに
- 理想的なpn接合(定性的議論)
- 理想的なpnホモ接合(定量的議論)
- 理想的なホモ接合の小信号インピーダンス
- 過渡的な効果
- 温度の効果
- まとめ
- 付録の参考文献リスト
- 復習のポイント
- 練習問題

第6章 一般のダイオード
- はじめに
- 非段差ホモ接合
- 半導体ヘテロ接合
- 金属-半導体接合
- 理想的でない接合やヘテロ接合の容量
- まとめ
- 付録の参考文献リストについて
- 第6章の参考文献
- 復習のポイント
- 練習問題

補遺2 ダイオードに関する補足
- はじめに
- 誘電緩和時間
- 接合容量
- Schottkyダイオードにおける2次的効果
- ダイオードのSPICEモデル
- まとめ
- 付録の参考文献リスト
- 補遺2の参考文献
- 練習問題

第Ⅲ部 電界効果トランジスタ(FET)

第7章 MOSFET
- はじめに
- MOSFET(定性的議論)
- MOSFET(定量的議論)
- 長チャネルモデルと実験結果の比較
- まとめ
- 付録の参考文献リストについて
- 第7章の参考文献
- 復習のポイント
- 練習問題

第8章 FETに関する追加的な考察
- はじめに
- 閾値電圧と低電界移動度の測定
- 閾値領域における漏れ電流
- 相補型MOSFET(CMOS)
- CMOSインバーター回路におけるスイッチ動作
- MOSFETの等価回路
- 電流利得と遮断周波数f_T
- 短チャネル効果
- MOSFETのスケーリング(寸法規則)
- 絶縁体上シリコン(SOI)
- 他のFET
- まとめ
- 付録の参考文献リストについて
- 第8章の参考文献
- 復習のポイント
- 練習問題

補遺3 MOSデバイスに関する補足
- はじめに
- チャネル電荷Q_chに関する注意
- MOSFETの閾値電圧
- 低電界移動度に関する普遍的な関係式
- V_Tの測定
- 長チャネルMOSFETのV_Tとμ_lfを求める別の方法
- MOSキャパシター
- MOSキャパシターの混成図
- デバイスの劣化
- MOSFETの低温動作
- SPICEによるMOSFETの特性の計算
- まとめ
- 付録の参考文献リストについて
- 補遺3の参考文献
- 復習のポイント
- 練習問題

索引

地デジのブロックノイズ問題が解決

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昨日この問題が解決したので、経過を書いておこう。

3月くらいから我が家の地デジでEテレの画面にブロックノイズが入るようになった。その後、Eテレは全く映らなくなり、4月に入ると同じことが他のチャンネルでもおきるようになってきた。「Missデビル 人事の悪魔・椿眞子」の菜々緒さんもこのような有様である。



ドラマ好きの僕には致命的だが、TVerを見ればなんとか見れるし、Fire TV stickで他の番組を見れば事足りる。しかし両親にとっては大問題だ。

まず疑ったのは強風で屋根の上のUHFアンテナの向きがずれてしまったこと。でもこれは考えにくい。問題は一部のテレビ局のみででていたからだ。

次に疑ったのはアンテナやブースターの障害、寿命である。風雨にさらされるアンテナの寿命は10年ほどだと言われている。しかしこれも考えにくい。どちらも5年前に取り換えたばかりだから。

5月になって近所の電気屋に行って説明したら、原因は我が家ではなく中野通り沿いで1キロメートルほど離れたビルの建設現場であることがわかった。資材を吊り上げる大型クレーンが東京スカイツリーから出ている電波を反射して、我が家のあるエリアで電波障害を引き起こしているそうなのだ。その日、帰宅してから撮った現場の写真がこれ。同じような建設現場が中野通り沿いにもう一か所ある。



電気屋さんの説明によると、東京スカイツリーから地デジの電波がでているわけだが、テレビ局(チャンネル)によって電波が出される位置(高さ)や電波強度は違うのだそうだ。放送局によってブロックノイズの影響が出たり出なかったりするのは、そのためだそうである。

原因がわかったのだから、アンテナを調整しに来ていただけますかと依頼したところ無理だという。これには2つの理由があった。

1)アンテナは日々動くから、電波を微調整するのは無理。一度合わせても翌日には狂ってしまう。

2)近所の老人ホームのエアコンの総取り替えをしなくてはならないので人手が足りず、6月15日までは伺うことができない。

最悪のタイミングである。クレーンが取り外されるまでテレビが見れないのか。。。その後、5月末までに地デジはどの局も見れなくなっていた。両親にはBS放送だけで我慢してもらうしかない。幸い母が好きな「西郷どん」は「早どん」として日曜午後6時からBSプレミアムでも放送されている。

J-COMのケーブルテレビの契約も考えてみた。でもうちにはテレビが3台、録画機が2台ある。テレビはともかく録画機の機能を使って予約したりできなくなりそうだし、すべてをケーブルテレビ化するには機材をどれだけ買い足せばよいのだろう?考えるだけでストレスがたまる。

電気屋さんで聞いたところ、NHKに相談すると原因特定のために電波強度を測定するための装置が送られてくるそうで、これもなかなか面倒そうだ。クレーンが日々動くからである。そして2つある建設現場のどちらが原因かもわからない。

ここまできて、ギブアップ。両親とはビル建設が終わるまで待つことにしようと話した。釈然としないが、仕方がない。


ところが昨日帰宅したら、父がなんだか嬉しそう。テレビがちゃんと映るようになったという。

「え!なぜ??」と僕。

父の話によると、昼間に建設現場の1つに行って事情を話したそうである。そうしたら現場の担当者が提案によりクレーンを動かしてテレビの映りを調べることになった。父はいったん帰宅し、現場担当者と電話で話しながらテレビの映りを確認する。クレーンをいろいろ動かし、父はチャンネルをひとつづつ確認して映り具合を現場担当者に連絡するのだ。

そのようにして、いちばん映り具合のよいクレーンのポジションを決めることができた。それはこのように横倒しにする形。



平日の昼間、クレーンを動かしている間は仕方がないが、夕方作業を終えるときにクレーンをこの位置にして業務を終えるということで話がついた。土日は作業しないからこの位置のままである。

たまたま父が最初に行った現場が問題を起こしていたのが幸いだった。原因がもうひとつの現場だったら、解決がもっと難しくなっていたのだから。

ともあれ、めでたしめでたしである。


この話を聞いた僕はきわめて(前期)昭和的な解決方法だと思った。父は昭和前期世代である。昭和後期世代の僕でも思いつかないやり方だ。「問題がおきたら、まず当事者どうしで話をしてみる。」という単純なことを思いつけなかったのだ。NHKに相談したらとか、現場にクレームを言いに行くというのと、「とりあえず話をしてみる」というのは大違いである。

真っすぐに立ったクレーンが電波障害を引き起こすくらいのことは、理系だからよくわかる。では「横に倒してみたらどうか?」というシンプルなことを思いつかなかった。使わないときクレーンは真っすぐに立てておくものだと思い込んでいたからである。そのほうがクレーンに余計な負荷がかからない。でも、クレーンは重い物を吊り上げる機械なのだから、横倒しで放置したとしても何も問題ないはずだ。

後になってみれば「クレーンを横倒しにしさえすればよい」のだとわかる。しかし、これがなかなか思いつけなかったのだ。


平成も終わりになって「規則だから」とか「~はこうあるべき」、「責任範囲を明確に」という風潮がますます強くなっている。戦前の世代には生きにくい社会だ。戦前戦中は社会基盤や行政的なルールが未整備で、そのような社会で融通を利かせながら人々が生活していたからだ。

このようにすがすがしい感じで我が家のテレビ問題が解決したのは、父の前期昭和的な発想と行動と「なんとしてもテレビを見たい」という父の熱意、現場担当者の機転のおかげである。

今週末からEテレで「サイエンスZERO」が見れる。明日の放送は「量子コンピューターでも解読不可能!?新しい暗号誕生なるか」である。楽しみだ。


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かがみの孤城: 辻村深月

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かがみの孤城: 辻村深月」(Kindle版

内容:
鏡の世界で謎を追う不登校児 大人と子どもの目が共存する救いの物語

大人である現在の自分と、子どもだったあの頃の自分の両方を、同時に、ここまで慰め、励ましてくれる小説なんてはじめてだ。辻村深月の新作『かがみの孤城』のことである。

中学一年生のこころは、ある出来事を機に学校へ行けなくなり、いつも家で過ごしている。ある日一人で家にいると、部屋の鏡が突然輝き始め、潜り抜けてみると、そこは城の中だった。集められたのはこころを含め、似た境遇にいるらしき中学生が七人。九時から十七時まで滞在が許されるその城で、彼らにはひとつの課題が出される。猶予は一年。戸惑いながらも七人は、少しずつ心を通い合わせていくのだが……。

少年少女が異世界の建物の中で謎を追う設定は、著者のデビュー作『冷たい校舎の時は止まる』と同じ。ああ、久々に初期の頃のような青春小説を書いたのだな……と思いながら読み進めた。自分も思春期にこんなふうに傷ついていたなと思い出すというより、自分があの頃傷ついたのは、こういうことだったのか、と気づかせる描写の巧さに唸る。だが途中で、それだけではないと気づいた。これは、あの頃の気持ちを失わないまま、かつ、大人としての目を持ち合わせるようになった今の著者だからこそ書ける作品なのだ。泣けるのは娘を理解しようと手探りする母親の戸惑いや怒りや喜びが、それに無自覚なこころの目を通しながらもありありと伝わってくる点。子どもが大人に望むことはもちろん、大人が子どもに対して思うことを、こんなふうに巧みに表現してのけるとは。

大人も子どもも、みんなが関係を構築していこうとしている。その部分だけでも充分読ませるが、もちろんミステリーパートも秀逸で、孤城の秘密がすべて明かされていく終盤は驚きの連続。それがまた、胸をしめつける真相だ。救いを求める側から救う側へとなった時、人は本当に救われるのだとも気づかせてくれる一冊である。

評者:瀧井 朝世

あなたを、助けたい。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――
なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。

著者について:
辻村深月
1980年2月29日生まれ。千葉大学教育学部卒業。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。『ツナグ』(新潮社)で第32回吉川英治文学新人賞を、『鍵のない夢を見る』(文藝春秋)で第147回直木三十五賞を受賞。
2017年5月刊行、554ページ。

辻村深月さんの著書: Amazonで検索


友達との関係に傷ついて中学に行けなくなった「こころ」という中学1年生の女の子を主人公にした物語。部屋に置かれた不思議な鏡に入ると、なんとそこは城の中。学校へ行けなくなった6人の中学生がそこにいた。こころを含め、7人の中学生が少しずつ交流を深めながら物語は鏡の中の世界と現実世界で進行していく。

本書を読むことにしたのは表紙の不思議な絵に興味をもったこと、そして今年の「本屋大賞」で1位になった本であること。ただそれだけだ。内容は本を買った後にAmazonの紹介で知った。

中学生の頃に何を思い、何に傷ついていたかはほとんど覚えていない。僕は田原俊彦さんや三原じゅん子さんが中学生を演じていた金八先生の第1シリーズの世代だから無理もないことだろう。いまの中学生が学校でどのようなことを感じながら生活しているかはほとんど知らない。ときどき報道されるいじめによる自殺やフリースクールに関するニュースを通じて、ほんの一面を知ることができているくらいだ。

もちろん僕が中学生だった頃にもいじめはあったし、学校に来ない「登校拒否児」はいた。でも、それはほんの一部の生徒のことだったし、本当のところは学校に行くのを拒否していたのではなく、行きたくても行けなかったのだと思う。その後「登校拒否児」という無神経な呼び方は改められ「不登校児」という呼び方が一般的になっている。


この不思議な孤城には中学生たちのほか「オオカミ様」と呼ばれる女の子がいた。この城の主のような存在。お人形のようなフリルのドレスを着て、顔にはオオカミのお面をつけている。7人の中学生が城で過ごす間は、彼らに君臨し、命令する絶対的な存在である。掟を破ると中学生たちには死が訪れるらしい。

ファンタジーと感傷、不気味さの入り混じった設定は、読むものをぐいぐい引き付ける。今の中学生や高校生の生活や気持ちがよくわかる人なら、最初から没頭できる本なのだと思う。つまり僕は没頭できなかった。

7人の中学生が抱えるそれぞれの悩みは頭では理解できる。でも、社会に出るともっと厳しい現実と何度も向き合うことになるのだから、そのくらいのことでで傷ついていてどうするの?と思い、共感できないのだ。「星の王子さま」ではないけれど、僕も子供の感情が理解できない大人になってしまったのだなぁと思った。子供相手のカウンセラーなどできそうもない。

謎解きの要素をもったこの本を紹介するのは難しい。僕は紹介記事を書くことでブログの読者に本を読んでもらいたいわけだから、ネタバレは厳禁なのだ。Amazonのレビューを読むと、本書の半分くらいのところで謎が解けたと書いている人を見かけるが、僕はには無理だった。3分の2くらい進んだところで「あ、もしかしたら!」と謎が少し解けた程度だ。

多感な中学生の気持がわかる人には最初から最後まで癒しを得ることができる本、僕のように鈍感な大人になってしまった人には、最後の4分の3ほど読み進んだあたりから癒しと感動が得られる本である。

SFっぽい物語の設定は少しずつ明かされていく。そして最後の4分の1でドラマチックに物語は展開し、謎と謎が整合して中学生がなぜこの城で出会うことになったのか、彼らが何を見つけ、現実の世界でどう行動すべきかが明かされていく。そして最後に「オオカミ様」が何者なのかがわかったとき「ああ、この本を読んでよかった。」と(鈍感な僕でも)感動してしまうのだ。

Amazonの紹介にある「救いを求める側から救う側へとなった時、人は本当に救われるのだとも気づかせてくれる一冊」という言葉が、本書から得られる感動を凝縮している。


理数系の読者の方にもお伝えしておくが、この不思議な物語の設定には理数系的要素も使われている。ぜひお読みいただきたい。

かがみの孤城: 辻村深月」(Kindle版




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数学ガール/ポアンカレ予想 : 結城浩

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数学ガール/ポアンカレ予想 : 結城浩」(Kindle版

内容紹介:
数学ガール、ポアンカレ予想に挑む!!
《ポアンカレ予想》は、20世紀の初頭にフランスの数学者アンリ・ポアンカレが提示した位相幾何学の問題であり、2000年にクレイ数学研究所が発表した7つの数学の難問(賞金100万ドルのミレニアム問題)の一つです。百年間、誰も証明できなかったこの問題が、 21世紀の初めにロシアのグリーシャ・ペレルマンによって証明されました。
本書は、ポアンカレ予想をテーマに、トポロジー(位相幾何学)、基本群、非ユークリッド幾何学、微分方程式、多様体、フーリエ展開などの数学的題材を解き明かしていきます。大学受験を迎えた「僕」の苦悩と数学ガールたちとの交流も軽やかに描かれます。
『数学ガール/ガロア理論』の刊行から6年。「数学ガール」ファンはもちろん、すべての数学愛好家に捧げる一冊です。
2018年4月刊行、416ページ。

著者について:
結城浩: HP: http://www.hyuki.com/
1963年生まれ。プログラミング言語、デザインパターン、暗号、数学などの分野で入門書を執筆。
代表作は『数学ガール』シリーズ。J.S.バッハの「フーガの技法」が大好きな、プロテスタントのクリスチャン。

結城さんの著書: Amazonで検索


理数系書籍のレビュー記事は本書で368冊目。

6年ぶりに『数学ガール』の「難しめシリーズ」の新刊が刊行された。なんと「単連結な3次元閉多様体は3次元球面と同相である」という「ポアンカレ予想」だ。

刊行のニュースを知ったとき「大丈夫だろうか?」、「この世紀の難問を高校生レベルの読者にどう解説するのだろうか?」という興味が頭をもたげた。「ポアンカレ予想」といえば2007年に放送された「ハイビジョン特集 数学者はキノコ狩りの夢を見る ~ポアンカレ予想・100年の格闘~」や「NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか ~天才数学者 失踪(しっそう)の謎~」でわかるように難問中の難問である。どれくらい難しいかは、次の動画でうかがい知ることができる。

「宇宙の形を知る」 ポアンカレ予想に挑んだ天才達 ドキュメンタリー 事件


この予想は僕も「トポロジカル宇宙(完全版):根上生也著

この予想を証明したペレルマンが2002年と2003年に「リッチフローの三次元多様体への応用」として掲載した論文は一般公開されているで以下のアドレスをクリックするとPDFで読むことができる。
http://arxiv.org/find/all/1/au:+Perelman_Grisha/0/1/0/all/0/1

ペレルマンによる論文ではないが「リッチフローによるポアンカレ予想と幾何化予想の完全な証明」も以下のPDFファイルで読める。(こちらは328ページもある)
http://www.ims.cuhk.edu.hk/~ajm/vol10/10_2.pdf


結城さんといえども、これを理解したとはとうてい思えない。では数学ガールには何が書かれているのだろうか?取り掛かるのは遅くなったが、一気に読み終えた。ポアンカレ予想を詳しく解説してあるのだろうという期待は外れたが、なかなか良い本だった。全体的には「トポロジー(位相幾何学)の初歩の初歩」という感じ。

トポロジーはこれまでに入門書から教科書レベルの本まで、何冊も読んでいたから結城さんがどのあたりにフォーカスしているのがよくわかる。ページ数が限られているから面白い話題をすべて提供することは不可能だ。

旧作5冊は章を追うごと指数関数的に難易度が増してく感じだが、本書は旧作5冊よりずっと易しい。高校生であっても最終章まで理解できると思った。

全体の構成は次のとおり。

あなたへ
プロローグ
第1章「ケーニヒスベルクの橋」
第2章「メビウスの帯、クラインの壺」
第3章「テトラちゃんの近くで」
第4章「非ユークリッド幾何学」
第5章「多様体に飛び込んで」
第6章「見えない形を捕まえる」
第7章「微分方程式のぬくもり」
第8章「驚異の定理」
第9章「ひらめきと腕力」
第10章「ポアンカレ予想」
エピローグ
あとがき

まず第1章「ケーニヒスベルクの橋」、第2章「メビウスの帯、クラインの壺」などトポロジーでは定番の話から入る。「証明すること」にこだわりをもちながら、僕と女の子たちの会話で進行していくいつものパターン。思考の流れを大切にするから贅沢にページ数を割いている。自然な会話の中で「閉曲面の分類」や「曲面の向きづけ可能性」など重要な考え方を紹介しているのが、『数学ガール』シリーズの良いところ。

そして実をいうと僕が本書でいちばん気に入ったのが第3章「テトラちゃんの近くで」である。トポロジー理論の土台となるのは「位相」という数学概念だ。現代数学を基礎づける重要な概念だが、初学者には理解しにくい。4月に紹介した「「集合と位相」をなぜ学ぶのか:藤田博司」をお読みになってもよいわけだが、本書で結城さんは「イプシロン-デルタ論法」を使った関数の連続性(距離の世界)と開集合、開近傍を使った位相の連続性(位相の世界)を対比することによって位相の連続性の概念が関数の連続性の一般化であることを解説している。とてもユニークでわかりやすいと思った。

第4章「非ユークリッド幾何学」で、私たちが慣れ親しんだユークリッド空間が一般化され「非ユークリッド幾何学」となることが紹介される。球面幾何学と双曲幾何学だ。曲っていないユークリッド空間は一般の曲がった空間の特殊な例だと考えるから非ユークリッド空間はユークリッド空間の一般化と考える。ユークリッド幾何学の平行線公理が非ユークリッド幾何学でどのようになるかを考えるのは面白い。曲がった空間に関しては僕も「楽しもう射影平面 目で見る組合せトポロジーと射影幾何学: 大田春外」という本を紹介したことがある。また球面幾何学の「二角形」は「宇宙の形、ガウスの曲面論と内在幾何(第3回)」という記事で紹介している。

第5章「多様体に飛び込んで」は一風変わった多様体入門だ。0次元から3次元サイコロの話が面白い。でも、どうしてこんな話を持ち出したのだろうと興味がでてくる。「あ、そうか!ポアンカレ予想は3次元球面の話だ!」と気が付くのだ。私たちが日頃慣れ親しんでいる球面は2次元の球面であり、ポアンカレ予想は1つ上の次元の世界での話である。テレビ番組で映される解説図では2次元の曲面までしか表現できないから誤解しやすい。

第6章「見えない形を捕まえる」で現代数学の威力を見ることになる。幾何的に見てきた「形」を代数的に表現する手法だ。群論である。群論は本シリーズでも「数学ガール/ガロア理論:結城浩」(Kindle版)でお読みいただけるが、この章では最低限のことに絞って解説している。そして形をループで捉えるホモトピーの手法が「基本群」であらわされることが紹介される。基本群であらわされる各次元の球面は次のように分類される。

1次元球面の基本群は整数の加法群Zに同型
2次元球面の基本群は単位群{e}に同型
3次元球面の基本群は単位群{e}に同型

この考え方を使ってこの章でポアンカレ予想の「Mを3次元閉多様体とする。Mの基本群が単位群に同型ならば、Mは3次元球面に同相である。」という文が理解できるようになる。

この章なのだが、話をもっと進めて「トポロジー入門: 松本幸夫」で解説しているような次のことも紹介したらよいのにと思ったが、やはりページ数の制限を考えると無理かもしれない。

2次元の閉曲面は2つのグループに分類され、第1グループは「向き付け可能」であり、第2グループは「向き付け不可能」であるという。(参考:向き付け可能性)

第1グループ)S^2またはnT^2(n≧1)
第2グループ)nP^2(n≧1)

第7章「微分方程式のぬくもり」は意外だった。「なぜここで微分方程式?」と思った。トポロジーとどう結びつくのだろう?ニュートンの冷却法則まで紹介されている。その謎が解き明かされるのは第10章である。

第8章「驚異の定理」も面白い。再び非ユークリッド幾何学だ。球面三角形の面積が3つの頂角と球の半径Rで計算できるという公式。その証明が理解できたら、すごく得した気分になると思う。この章の目的は「ガウス曲率」や「内在幾何」、「ガウス・ボンネの定理」を紹介することにある。「驚異の定理」については僕も「宇宙の形、ガウスの曲面論と内在幾何(第2回)」という記事で解説したことがある。

第9章「ひらめきと腕力」は計算が中心の章だ。三角関数の加法定理、積和公式、積分、確率密度関数、ラプラス積分を経てフーリエ展開までみっちり学ぶ。「何のため?」という疑問は第10章で明かされる。

第10章「ポアンカレ予想」に入ってやっと本書のメインテーマが始まる。この証明に使われたのが「サーストンの幾何化予想」と「ハミルトンのリッチフロー方程式」だ。前者は純粋にトポロジー(数学)だが後者は熱方程式(物理学)に類似する。数学と物理の2つの世界を対比することでペレルマンは証明を完成することができた。「ハミルトンのリッチフロー方程式」は本書のレベルをはるかに超えるので、それに類する「熱方程式」を解説することで読者の理解を少しでもリッチフロー方程式に近づけようというのが結城さんの工夫である。第7章で微分方程式を、第8章でフーリエ展開、フーリエ積分を解説したのはそのためだった。

しかし第10章に割かれているのは24ページに過ぎない。「ポアンカレ予想」の部分はもう少し厚く、深く掘り下げてほしいと思った。特に「サーストンの幾何化予想」について。この予想については「楽しもう射影平面 目で見る組合せトポロジーと射影幾何学: 大田春外」の最後の部分を参照していただきたい。


『数学ガール』シリーズのもうひとつの魅力は、数学と関係のない部分、「大学受験を迎えた「僕」の苦悩と数学ガールたちとの交流」である。この部分があることで売り上げはおそらく5割増しになっていると思う。多感な高校生の心理を上手に再現しているところを見ると、結城さんは(オジサンの年齢に達しているのに)理系男子高校生の心理をよく理解されている。

ひとつ前の「かがみの孤城: 辻村深月」の感想記事で「僕は子供の感情が理解できない大人になってしまったのだなぁと思った。」と書いたが、結城さんは大人になっても子供の心理をよく理解されているのだなと思った。この小説と同時進行して読んでいたため男言葉の命令調で話す「オオカミ様」といつも毅然としているミルカさんの姿が僕の中で重なっていた。

全体的に高校生以上の方にお勧めできる良書だと思う。お読みになっていない方は、ぜひ書店で手に取っていただきたい。


あわせて読みたい:

本書で少し物足りなかった「ポアンカレ予想」の部分を補いたいと思って見つけたのが今年の1月に刊行されたこの本だ。すごく気になっているので近いうちに読んでみたい。

低次元の幾何からポアンカレ予想へ : 市原一裕」(Kindle版




そして2007年に放送されたNHKの番組を書籍化したのがこの本。理数系が苦手な方でもたやすく読める教養書である。

NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか 天才数学者の光と影 : 春日真人」(Kindle版)(文庫版




『数学ガール』シリーズ:

『数学ガール』シリーズの内容の一部は(草稿として)著者のホームページから読むことができる。本書の正誤表もある。

『数学ガール』シリーズ:《理系にとって最強の萌え》をあなたに。
http://www.hyuki.com/girl/

また著者の結城浩さんのWikiはこちら。
http://www.hyuki.com/index.html


数学ガール:結城浩」(Kindle版
数学ガール/フェルマーの最終定理:結城浩」(Kindle版
数学ガール/ゲーデルの不完全性定理:結城浩」(Kindle版
数学ガール/乱択アルゴリズム:結城浩」(Kindle版
数学ガール/ガロア理論:結城浩」(Kindle版
数学ガール/ポアンカレ予想:結城浩」(Kindle版

  

  


関連記事:

数学ガール:結城浩
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/bb4f1447d41afcc8b46b85229296dd7a

数学ガール/フェルマーの最終定理:結城浩
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/4bf119bf3842421f8916c787c51216ae

数学ガール/ゲーデルの不完全性定理:結城浩
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f9b0b9264e35a680ce974fcbf17c62c0

数学ガール/乱択アルゴリズム:結城浩
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/deaece69e304b94be1a8b9ad3c92617f

数学ガール/ガロア理論:結城浩
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a5450818389e0220779e363617332a76

Kindle版発売:「数学ガール:結城浩」シリーズ
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/9d9037d14ed9ffcc98c7b2569fba7c39


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数学ガール/ポアンカレ予想 : 結城浩」(Kindle版



あなたへ
プロローグ

第1章「ケーニヒスベルクの橋」
- ユーリ
- 一筆書き
- 簡単なグラフから
- グラフと次数
- これって数学?
- ≪逆≫の証明

第2章「メビウスの帯、クラインの壺」
- 屋上にて
- 教室にて
- 図書室にて
- 帰路にて

第3章「テトラちゃんの近くで」
- 家族の近くで
- Oの近くで
- 実数αの近くで
- 点αの近くで
- テトラちゃんの近くで

第4章「非ユークリッド幾何学」
- 球面幾何学
- 現在と未来の間で
- 双曲幾何学
- ピタゴラスの定理をずらして
- 平行線公理を越えて
- 自宅

第5章「多様体に飛び込んで」
- 日常から飛び出る
- 非日常に飛び込む
- 飛び込むか、飛び出るか

第6章「見えない形を捕まえる」
- 形を捕まえる
- 形を群で捕まえる
- 形をループで捕まえる
- 球面を捕まえる
- 形に捕らわれて

第7章「微分方程式のぬくもり」
- 微分方程式
- ニュートンの冷却法則

第8章「驚異の定理」
- 駅前
- 自宅
- 図書室
- ≪がくら≫

第9章「ひらめきと腕力」
- 三角関数トレーニング
- 合格判定模擬試験
- 式の形を見抜く
- フーリエ展開

第10章「ポアンカレ予想」
- オープンセミナー
- ポアンカレ
- 数学者たち
- ハミルトン
- ペレルマン
- フーリエ
- 僕たち

エピローグ
あとがき
参考文献と読書案内
索引

訃報: カシオ計算機の創業者 樫尾和雄氏が死去

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カシオ計算機の創業者 樫尾和雄氏が6月18日に死去されました。謹んで哀悼の意を表します。

カシオ計算機株式会社の公式発表はこのページです。

弊社 代表取締役会長 樫尾 和雄 逝去のお知らせ
https://www.casio.co.jp/release/2018/0619/

「私と父の違い」 カシオ、カリスマの息子の独白
http://jmah3046.blog.fc2.com/blog-entry-17701.html


カシオ電卓の愛好者として、このブログでもカシオ電卓の紹介記事を書かせていただきました。以下、電卓の年代順に紹介させていただきます。

カシオミニのノスタルジア
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/c57178b502b8207746af9df9a9e0dd90

神様の計算機 (CASIO fx-2、1972年)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/51d92a0f17a3abd1112691590d86c83a

王様の計算機 (CASIO fx-3、1975年)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/6840ad8d279eff97acd11a3f56b54343

70年代の関数電卓:CASIO fx-10 (1974)、fx-15 (1975)、fx-19 (1976)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e27a518854a8b71b3eb83b6d38ab598c

プログラム関数電卓ノスタルジア (CASIO fx-502P、fx-602P、fx-5800P)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/8c31d67db36639471e9bc3209f88b3de

日本初のプログラム関数電卓: CASIO fx-201P (1976)、fx-202P (1976)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/55c4832a2ca95087960c2ec0e532b1e6

世界初の手帳型プログラム関数電卓 CASIO fx-502P (1979)、fx-602P (1981)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/fdc21158802ddaef862956805b0195f2

現行のプログラム関数電卓 CASIO fx-71F (2006)、fx-5800P (2006)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/745d3cb41a88d8fd317bb6488ccf695c

最新のグラフ電卓 CASIO fx-CG50 (2017)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/931887855b489997d262031d02ae0ac5

CASIO fx-260 SOLAR II
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/2f6f1e08b441224c5f106dec41b5fea2


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無料公開:3次元多様体入門(培風館): 森元勘治

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3次元多様体入門(培風館): 森元勘治」(改訂電子版)

内容紹介:
本書は、多様体の組合せ構造の立場から、前半で3次元多様体論の伝統的手法等の基本概念を中心に述べ、後半では、基本群やホモロジー群等の代数的対象と3次元多様体の位相形との関係、及びトーラス分解の存在と一意性等について解説する。学部学生から十分読み進められるよう、具体例や図を用いて丁寧に解説されている。3次元多様体の美しさ、面白さが十分に味わえる好個な書である。
1996年7月刊行、201ページ。

著者について:
森元勘治(もりもとかんじ): 研究者情報: https://researchmap.jp/read0044405/
甲南大学知能情報学部 知能情報学科教授。専門:幾何学。


「ポアンカレ予想」は3次元球面の特徴づけを与えるものであり、「球面」と呼んでいるものの実は面ではなく立体だ。しかもその立体は4次元の超立体の「表面(内と外を区別する境界)」のこと。

私たちが視覚的、感覚的に認識できるのは3次元の立体の表面にある2次元の面なのだから、3次元球面は1つ高い次元の話である。ポアンカレ予想の3次元球面は、そのような3次元多様体でいちばんシンプルな例だ。

ドーナツ(トーラス)の表面(2次元の曲面)に生息している平べったい生き物は、まさか自分の世界に穴が開いているとは思わない。それは私たちが住んでいる「3次元の曲面」でも同じこと。4次元の世界から見れば穴が開いていたり、奇妙に曲がっていたり、摩訶不思議な形になっているのかもしれない。それが「3次元曲面=3次元多様体」の世界だ。どのような形があり得るのか?そこにどのような定理が成り立っているのかを研究するのがこの本で入門できる幾何学である。

直観的にわかりにくい3次元多様体の入門書が無料で公開されていることに昨夜気が付き、ツイートしたところ予想を超えて多くの方からリツイートや「いいね」をいただいた。森元先生がお書きになり1996年に刊行された「3次元多様体入門(培風館)」 のことである。

絶版になって久しいようで、Amazonでは現在2万円の高値がついている。幸い2013年に森元先生はご自身のホームページから、この本をPDFファイルとして無料ダウンロードできるようにしてくださっている。より多くの方にこのテキストを読んでいただきたいし、先生のご厚意を最大限活かさせていただきたいので、ツイッターだけでなくブログからもお知らせさせていただくことにした。森元先生、このように素晴らしいテキストを無料公開していただき、ありがとうございました。

お読みになりたい方は、次のページからPDFファイルをダウンロードしていただきたい。

3次元多様体入門
http://tunnel-knot.sakura.ne.jp/3-manifolds.html



章立ては次のとおり。

第1章:単体的複体と単体写像
第2章:組合せ多様体
第3章:1次元多様体と2次元多様体
第4章:基本的な3次元多様体
第5章:ハンドル体の特徴づけ
第6章:ヒーガード分解
第7章:ヒーガード図式と基本群の表示
第8章:レンズ空間
第9章:積多様体のヒーガード分解
第10章:連結和
第11章:ヒーガード分解と連結和
第12章:デーンの補題,ループ定理,球面定理
第13章:圧縮不可能曲面
第14章:自由群と自由積
第15章: S~1 上の曲面束
第16章:曲面上の S~1 束
第17章:ザイフェルト多様体
第18章:トーラス分解
付録:トーラスの写像類群
参考文献・あとがき
電子版 あとがき(ポアンカレ予想の解決)
索引


森元先生のテキストは、次回紹介しようと思っている「低次元の幾何からポアンカレ予想へ : 市原一裕」(Kindle版)という一般理系読者向けの教養書ととても相性がよい。この教養書をお読みになり、本格的に学んでみたいと思った方は森元先生のテキストにチャレンジされるとよいだろう。

低次元の幾何からポアンカレ予想へ : 市原一裕」(Kindle版



巻頭 ポアンカレ予想に関わる図形たち
はじめに
第1章 ポアンカレ予想
第2章 多様体の幾何構造
第3章 サーストンの幾何化予想
第4章 ペレルマンの証明
付 録 非ユークリッド幾何について
読書案内
あとがき


関連記事:

数学ガール/ポアンカレ予想 : 結城浩
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/769e2639898b351545e7ad8a8eba89d7

トポロジカル宇宙(完全版):根上生也著
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/246a5c64c600c9c12c303231173ee9e2


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低次元の幾何からポアンカレ予想へ : 市原一裕

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低次元の幾何からポアンカレ予想へ : 市原一裕」(Kindle版

内容紹介:
ビウスの帯、クラインの壺、オイラーの多面体定理、ポアンカレ予想など有名な幾何学をとりあげ、多様体の魅力に迫ります。
ポアンカレ予想は位相幾何学の予想の1つですが、きちんと理解しようとすると3次元の壁にぶつかり、あきらめてしまう人もいるようです。
本書では、身近な例を豊富に使って親近感がわくように説明します。多面体や次元がイメージできるようになるでしょう。
サーストンの幾何化予想にも言及します。
2018年1月刊行、208ページ。

著者について:
市原一裕(いちはら・かずひろ)
日本大学文理学部数学科教授。1972年生まれ。専攻は低次元位相幾何学、特に三次元多様体論、および数学教育学。主な著書『ひらいてわかる線形代数』(共著、数学書房、2011年)、教科書執筆『高等学校「数学」』(数研出版)、論文“Exceptional surgeries on alternating knots"など。

市原先生の著書: Amazonで検索


理数系書籍のレビュー記事は本書で369冊目。

2003年に証明された「ポアンカレ予想」が話題になったのは2007年に放送された「ハイビジョン特集 数学者はキノコ狩りの夢を見る ~ポアンカレ予想・100年の格闘~」や「NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか ~天才数学者 失踪(しっそう)の謎~」がきっかけだ。

100年もの間、数学者たちを悩ませ続けた超難問だから一般人が証明を理解するのはもちろん不可能だ。どのような意味なのか、証明の流れを大まかにつかむだけでよいのなら話は違う。そのための教養書がいくつか刊行されていて、先日紹介した「数学ガール/ポアンカレ予想 : 結城浩」も、そのうちのひとつだ。

ポアンカレ予想を証明する鍵になったのが「サーストンの幾何化予想」と「ハミルトンのリッチ・フロー方程式」だ。「数学ガール/ポアンカレ予想」では最終章で24ページを割いて説明している。

今回紹介する「低次元の幾何からポアンカレ予想へ : 市原一裕」(Kindle版)は「サーストンの幾何化予想」と「ハミルトンのリッチ・フロー方程式」、「ペレルマンによるポアンカレ予想の証明」を数学者の市原先生が、より詳細かつ具体的、視覚的に解説をした本なのだ。数学の教養書の中ではかなり難しいほうだが、一般の読者でもなんとかついていくことができる。特に「サーストンの幾何化予想」の部分が全体の7割を占めており、一般読者に対してこれだけ詳しく解説した本は他にはないと思う。

とはいえ、論理的整合性を保ちつつすべてを説明し尽くすのは無理だったようだ。「この部分の説明は省略させていただきます。」とか「~のようなものだと思ってください。」のように説明を断念してしまっている箇所がかなり目につく。

それでも不満に思ったり、がっかりする必要はない。詳しく説明されている部分だけでもじゅうぶん難しく知的興奮が味わえるから、省略されても「ここまで説明してくれているのだから十分だ。」と思えてくるからだ。難しいところは次元を1つ下げて解説をしたりして、可能なかぎり具体的にたくさんのことを説明したいという先生のお気持が伝わってくる。

章立てはこのとおり。

巻頭 ポアンカレ予想に関わる図形たち
はじめに
第1章 ポアンカレ予想
第2章 多様体の幾何構造
第3章 サーストンの幾何化予想
第4章 ペレルマンの証明
付 録 非ユークリッド幾何について
読書案内
あとがき

第1章「ポアンカレ予想」では、次元や多様体、3次元球面、閉多様体、基本群の解説をしながらポアンカレ予想とはどういう意味なのかが明らかにされる。

第2章「多様体の幾何構造」ではまずサーストンの幾何化予想の意味が解説され、曲面や1次元の多様体を取り上げて「幾何化する」ということがどういうことなのかを理解することができる。幾何化できない多様体もあるのだ。次の図でKはガウス曲率。



第3章「サーストンの幾何化予想」が本書でいちばん難しく、そして重要だ。3次元多様体は無限にあるのに、断片は8種類に限られる。8つのの断片は、物理に例えれば原子、数に例えれば素数のような存在だ。なぜ8つに限られるのかが一般の人には不思議である。



この章では定曲率の幾何構造、直積幾何構造、ねじれ積の幾何構造を紹介し、最大で8つの幾何学しか考えられないことが解説される。これらの幾何学からサーストンが提示した幾何化予想がどのようなものなのか理解できるようになる。

たとえば直積幾何構造の説明では2次元トーラスと3次元トーラスは、このような図を使って説明されている。両側矢印で対応づけられる辺と辺、面と面は同一視して考える。



そして本書で紹介される直積幾何構造は、まず9種類求められ、そのうち1つが除外されることになる。(上の8つの断片の図と割当てられている英文字が違うが、図と表の英文字の対応関係はコメントとしてhirotaさんからいただいた説明を参照していただきたい。)



第4章「ペレルマンの証明」も読みごたえがある。リーマン計量やガウス曲率、リッチ曲率などを解説した後、ハミルトンが考案した「3次元多様体にリーマン計量を入れる」というアイデアが紹介される。リーマン計量を少しずつ変形していく過程で使われるのが「リッチ・フロー方程式」である。


巻頭にはホワイトヘッド絡み目、双曲正12面体、3次元球面のねじれ積(ホップ・ファイブレーション)、トーラス結び目、ザイフェエルト多様体、8の字結び目、リッチ・フローの様子などがカラーの美しいCGで紹介されている。

また、本文では次のような多様体や概念が紹介、解説されている。本書のレベルがおわかりになると思う。

ホワイトヘッド多様体、ポアンカレ12面体、レンズ空間、ザイフェルト・ウィーバー12面体、ファイバー束、ホップ・ファイブレーション、ザイフェルト多様体、デーン・ツイスト、Solv幾何学、サーストン幾何、サーストンの怪物定理、実質的ファイバリング予想、連結和分解、JSJ分解、トーラス分解定理、本質的トーラス、圧縮円盤、圧縮不可能曲面、8の字結び目、ハーケン多様体、デーンの補題、リーマン計量、リーマン多様体、ガウス曲率、曲率テンソル、リッチ曲率、リッチ・フロー方程式、アインシュタイン多様体、ハミルトンの定理、ネック・ピンチ、特異点、手術、単射半径、シガー・ソリトン、局所非崩壊定理、標準近傍定理、エントロピー、手術付きリッチ・フロー、有限時間消滅定理、グラフ多様体、アレクサンドロフ空間


ポアンカレ予想を証明したペレルマンが2002年と2003年に「リッチフローの三次元多様体への応用」として掲載した論文は一般公開されている。以下のアドレスをクリックするとPDFで読むことができる。(理解しろという意味で紹介したわけではない。)
http://arxiv.org/find/all/1/au:+Perelman_Grisha/0/1/0/all/0/1

ペレルマンによる論文ではないが「リッチフローによるポアンカレ予想と幾何化予想の完全な証明」も以下のPDFファイルで読める。(こちらは328ページもある)
http://www.ims.cuhk.edu.hk/~ajm/vol10/10_2.pdf


あわせて読みたい:

本書と非常に相性がよいのがこの本。PDFファイルが無料で公開されている。(紹介記事

3次元多様体入門(培風館) : 森元勘治




専門書だと、あとこの2冊が良さそうだ。

3次元リッチフローと幾何学的トポロジー: 戸田正人
リッチフローと幾何化予想:小林亮一」(書評)(他の購入先

 


多様体の入門書、教科書は定番のものがいくつかあるが、昨年3月にはユニークな本が刊行された。この本もいずれ読んでみたい。

具体例から学ぶ 多様体: 藤岡敦




そして2007年に放送されたNHKの番組を書籍化したのがこの本。理数系が苦手な方でもたやすく読める教養書である。時間の制約から番組では放送されなかったことが、たくさん書かれている。

NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか 天才数学者の光と影 : 春日真人」(Kindle版)(文庫版




関連記事:

数学ガール/ポアンカレ予想 : 結城浩
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/769e2639898b351545e7ad8a8eba89d7

トポロジカル宇宙(完全版):根上生也著
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/246a5c64c600c9c12c303231173ee9e2

無料公開:3次元多様体入門(培風館): 森元勘治
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/7f5737d01d69c60f6320e28c049bc0f1


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低次元の幾何からポアンカレ予想へ : 市原一裕」(Kindle版



巻頭 ポアンカレ予想に関わる図形たち
はじめに

第1章 ポアンカレ予想
- 宇宙の形と3次元多様体
- 次元とは
- 多様体とは
- 3次元球面とは
- 閉多様体とは
- 基本群とは

第2章 多様体の幾何構造
- サーストンの幾何化予想とは
- 曲面の幾何化
- 1次元の幾何化

第3章 サーストンの幾何化予想
- 定曲率幾何構造
- ねじれ積の幾何構造
- 8つの幾何学
- 幾何化予想とは
- 幾何化予想からわかること

第4章 ペレルマンの証明
- リーマン計量
- 曲率とリッチ曲率
- ハミルトンとリッチ・フロー方程式
- ハミルトンの定理と残された問題
- ペレルマンが示したこと

付 録 非ユークリッド幾何について
- 球面幾何について
- 双曲幾何について

読書案内
あとがき

発売情報: Python量子プログラミング入門: 中山茂

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「えっ、もうPythonなの?」、「日進月歩についていけない。。」というのが第一印象。量子コンピュータ、量子計算はもうここまできたのか?本書を見つけたとき目を疑った。

量子コンピュータの発展史(リンク集)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/91fa592173ea1b2a6e53ae0c84323751

書籍版は以下の画像から、Kindle版は「こちら」からお買い求めいただきたい。

 


差し当たり6月25日発売のほうだけ購入。Kindle版はストレスなく買える金額だ。

購入した本をざっと読んだところ、相変わらず5量子ビットを使う構成。五線譜のスコアで視覚的にプログラムしていたのが、そのままPythonのコマンドに置き換わっただけな気がする。量子アルゴリズムの勉強の新しいスタイルの本という位置付けなのかな?

C言語にたとえれば、if文やforループ、関数の呼び出しなどは既存の古典プログラミング、そしてビット演算のようなところが量子ビット演算になった感じという例え話で通じるだろうか? Pythonではあるけれども量子ビットを操作する箇所はアセンブリ言語っぽい。グラフィカルなスコアよりも高級言語のほうがソース管理がしやすいから、ありがたいには違いない。

即断するのは早いか?まず本書をじっくり読んでみよう。

Python量子プログラミング入門: 中山茂」(Kindle版

2018年6月25日刊行、146ページ

【目的】
無料のクラウド量子計算IBM QXで、最新のQISKit 0.5に対応して、Python言語を使ってクラウド量子計算を行う量子プログラミング入門書です。 クラウド量子計算を行うPythonプログラムについて解説した動作確認済みの実践的で入門書です。 量子コンピュータがビジネスで使える時代になってきており、それに備えた斬新な解説入門書です。テキストでは、63例のPythonコードで分かりやすく丁寧に解説していますので、定番の量子ゲートから量子アルゴリズムを学習する教材になると期待しています。  

【概要】
IBM QXとPython開発環境から解説し、量子情報ソフト開発キットQISKit SDKのインストール方法とクラス構成、特徴を説明しています。そして、量子ゲートの基礎をPythonコードで実装し、コーディングについて説明しています。これらの量子ゲートを使い、量子アルゴリズムのPythonコードでの実装、量子通信プロトコルのPythonコードでの実装、グローバー探索アルゴリズムのPythonコードでの実装、量子フーリエ変換のPythonコードでの実装、ショアの因数分解アルゴリズムのPythonコードでの実装、そして、最後に、関数傾斜推定アルゴリズムのPythonコードでの実装を行なっています。これらのPythonコードを約140頁で丁寧に解説した本格的な入門書です。このテキストで十分にPythonコードによる量子プログラミングの基礎が習得できます。  

【QISKit 0.4とQISKit 0.5との量子プログラミング形式の違い】
QISKit 0.4とQISKit 0.5とで、量子プログラミング形式が大きく変わりました。しかし、基本的には、 QISKit 0.4で作成した量子コードは、QISKit 0.5上でも動作可能です。QISKit 0.4での 量子プログラミング形式は、主にQuantumProgramクラスでその中で定義さ れたメソッドでレジスタ設定や量子回路設定、実行を行なっています。しかし、QISKit 0.5では、QuantumRegisterクラスやClassicalRegisterクラ スでレジスタ設定を行い、QuantumCircuitクラスで量子回路設定、execute関数で実行を行 うことになりました。ここで、量子回路での量子ゲート関連の設定はQISKit 0.4でもQISKit 0.5でもほとんど 同じです。そのために、量子プログラミングの出だしと終了が多少変更 になったと考えます。本書での量子プログラミング例は、全て最新のQISKit 0.5に対応したPythonコードで解説しています。   

【特徴】
現段階では量子計算ですべてができないので、Pythonによって古典的計算と量子計算とをハイブリッドで融合させることが得策です。つまり、Pythonプログラムで量子計算の得意な処理と古典的計算の得意な処理とを分けて、現在の組み合わせ最適化問題や有機化学のエネルギー計算などの現実問題を解決しようという試みである。Pythonプログラムで従来のIBM QXのクラウド量子計算ができて、なおかつ、古典的計算もそのクラウド量子計算に混ぜてプログラムできるので、クラウド量子計算の応用が膨大に広がったと考える。 たとえば、ガソリン車からゼロエミッションの電気自動車EVへの完全移行を考えた時、 EVが走行距離や充電サービスなどの問題で一気にシフトできない時には、ハイブリッド車で対応することが現実的な解決策である。そのように、Python方式も、クラウド量子計算で全ての問題が現段階では解決できない今、ハイブリッド車のようにクラウド量子計算の得意とするところと古典的計算の得意とするところとを組み合わせたハイブリッド方式 で、関数組み合わせ最適化問題や量子化学問題を解ければ、過渡的な段階では最良と考えられる。 たとえば、ショアの因数分解アルゴリズムで見られるように、難しい周期発見アルゴリズムはIBM QXの量子計算に任せ、最大公約数を求めるユークリッドの互除法は Pythonの古典的計算に任せるのが現実的な解法であると考えます。1+1を量子計算させる必要はない。
  
【著者】
中山 茂 (なかやま しげる)  京都生まれ。 京都大学大学院工学研究科博士課程修了後、上智大学、英国Reading大学、京都工芸繊維大学、兵庫教育大学、英国Oxford大学、鹿児島大学を経て、2014年に定年退職。


そして気になるのが、こちらの本。1万5千円以上する。

Python量子プログラミング入門: 中山茂」(Kindle版

2018年5月3日刊行、490ページ

【目的】
無料のクラウド量子計算IBM QXで、Python言語を使ってクラウド量子計算を行うQISKITバイブルです。 クラウド量子計算を行うPythonプログラムについて詳細に解説した動作確認済みの実践的で本格的な入門書です。 量子コンピュータがビジネスで使える時代になってきており、それに備えた斬新な解説書です。テキストでは、236例の豊富なPythonコードで徹底的に解説していますので、研究やビジネスに応用できる足がかりとなると期待しています。  

【概要】
ラビ振動から、基本量子ゲートから隠れ部分群問題、グローバー探索、量子フーリエ変換、ショアの因数分解、量子通信、シンドローム診断、量子誤り訂正、量子トンネル効果、イジングモデルの断熱量子計算、組み合わせ最適化問題など豊富なPythonコードを480頁で丁寧に解説した本格的なバイブルです。このテキストで十分にPythonコードによる量子プログラム開発の基礎・応用が習得できます。
  
【特徴】
現段階では量子計算ですべてができないので、Pythonによって古典的計算と量子計算とをハイブリッドで融合させることが得策です。つまり、Pythonプログラムで量子計算の得意な処理と古典的計算の得意な処理とを分けて、現在の組み合わせ最適化問題や有機化学のエネルギー計算などの現実問題を解決しようという試みである。Pythonプログラムで従来のIBM QXのクラウド量子計算ができて、なおかつ、古典的計算もそのクラウド量子計算に混ぜてプログラムできるので、クラウド量子計算の応用が膨大に広がったと考える。

【書き下ろしPythonコード】
◉ラビ振動実験 
◉重ね合わせの原理実験 
◉サイモン問題の秘密キー表示 
◉グローバー探索アルゴリズムの繰り返し回数変更の解発見確率のヒストグラム表示 
◉量子ゲートテレポーテーションの古典的変換器の実装 
◉位相推定問題のモジュラー累乗法の実装 
◉エネルギー障壁による量子トンネル効果実験 
◉イジングモデル 
◉イジングハミルトニアン 
◉関数傾斜推定アルゴリズム実装 
◉論理演算の真理値表のイジングモデル
◉NP完全問題例でNumber Partition問題のイジングモデル 
◉NP困難問題例でMaxCut問題のイジングモデル 
◉イジングハミルトニアンのエネルギー準位表示 
◉ドイチ問題のイジングモデル 
◉ショアの因数分解アルゴリズムでの周期表示とユークリッドの互除法計算 
◉シュレディンガー方程式の実装 
◉組み合わせ最適化問題  

【目次】
第1章 IBM QX とPython開発環境(42頁)
1-1 IBM Q体験(QX)でのQISKITとPython
1-2 Pythonのインストールと開発環境
1-3 Anacondaのダウンロードとインストール
1-4 Jupyter notebookでのPython開発環境
1-5 QISKIT SDKのインストール
1-6 QISKIT プロジェクト
1-7 QISKIT SDKによるPythonプログラミング
1-8 Python API Connector

第2章 量子情報ソフト開発キットQISKIT SDK(58頁)
2-1 QISKIT SDK
2-2 QuantumProgramクラス
2-3 ResultクラスとQuantumCircuitクラス
2-4 QISKIT SDKのその他のクラス
2-5 量子プロセストモグラフィ
2-6 パウリ基底分解による可視化
2-7 科学技術計算のPython基礎

第3章 量子ゲートのPythonコード(62頁)

第4章 量子アルゴリズムのPythonコード(22頁)
4-1 ドイチアルゴリズム
4-2 ドイチ・ジョサアルゴリズム
4-3 ベルンシュタインヴァジラニアルゴリズム
4-4 サイモンアルゴリズム

第5章 量子通信のPythonコード(34頁)

第6章 グローバーアルゴリズムのPythonコード(52頁)
6-1 グローバーの探索アルゴリズム
6-2 データベースN=8でのグローバーアルゴリズム
6-3 複数の探索解でのグローバーアルゴリズム
6-4 4量子ビット以上でのグローバーアルゴリズム

第7章 量子フーリエ変換のPythonコード(52頁)

第8章 ショアの因数分解アルゴリズム(28頁)
8-1 古典的因数分解アルゴリズム
8-2 量子関数の作り方
8-3 量子オラクルの作り方
8-4 ショアの因数分解アルゴリズムのため量子ゲート
8-5 関数傾斜推定アルゴリズム

第9章 量子エラーシンドローム診断(22頁)

第10章 量子誤り訂正(26頁)

第11章 量子トンネル効果の実験(10頁)
11-1 量子トンネル効果とは
11-2 ポテンシャル障壁のあるシュレディンガー方程式
11-3 量子トンネル効果の実験

第12章 イジングモデルでの断熱量子計算(32頁)
12-1 イジングモデルとは
12-2 イジングモデルの断熱量子計算
12-3 イジングモデルのハミルトニアンの量子ゲート実装
12-4 イジングモデルでの断熱量子計算の基本

第13章 組み合わせ最適化問題(33頁)
13-1 論理演算のイジングモデルでの断熱量子計算
13-2 Number Partition問題におけるイジングモデル
13-3 MaxCut問題におけるイジングモデル
13-4 ドイチ問題のイジングハミルトニアン
13-5 イジングハミルトニアンのエネルギー準位

【著者】
中山 茂 (なかやま しげる)  京都生まれ。 京都大学大学院工学研究科博士課程修了後、上智大学、英国Reading大学、京都工芸繊維大学、兵庫教育大学、英国Oxford大学、鹿児島大学を経て、2014年に定年退職。


実行環境、ガイド:

これらの本を頼りにして量子計算を試してみたい方は以下のページを開いていただきたい。無料で利用できる。

無料のクラウド量子計算IBM QX:
https://quantumexperience.ng.bluemix.net/qx/experience

IBM Q Experience, QISKit 入門:
http://quantum.classcat.com/2018/01/10/ibm-qx-uguide1/

QISKit 概要:
https://qiskit.org/documentation/ja/qiskit.html


関連記事:

発売情報: クラウド量子計算入門: 中山茂
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/d360b69100fbe723c5b9410dbf3f5f4d

クラウド量子計算入門: 中山茂:(4) 全体の感想
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ad7dfbad69e1e196848be123e3f4ea3f

発売情報: クラウド量子計算 量子アセンブラ入門:中山茂
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/5c9a7f62bf27a2ca214911448bbf9847

発売情報:量子プログラミングの基礎: イン・ミンシェン
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/27e4d9a10982d4d69c0029fc4c801708

量子コンピュータ、量子アルゴリズムを学びたい高校生のために
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1b2940b648bda682aa27192eb8261972

量子コンピュータの発展史(リンク集)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/91fa592173ea1b2a6e53ae0c84323751


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夜のウォーキング、その後11(累積10000Km)

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2013年4月7日から今日までに歩いた累積距離

2013年3月8日に始めた夜のウォーキング。ナイキのランニングアプリで歩いた距離を記録始めたのは300Km歩いた1か月後からだった。昨日、累積距離が10000Kmに達したので記事として記録しておこう。地球1周は4万Kmだから、その4分の1を歩いたことになる。

累積8500Kmを超えたところでNikeのアプリでの距離計測はやめている。アプリを毎晩使っていたためiPhone6のバッテリー劣化がいちじるしかったからだ。そのため昨年11月初めに機種変更を余儀なくされた。(参考記事:「iPhone 6からiPhone Xに機種変更」)

歩くルートはいつも同じだから、いちいち計測する必要はない。歩くたびに距離を足し算していけばよいだけである。

というわけなので、この記事トップのスクリーンショット画像は加工(偽造)して作ったものだ。


累積メータが9000Kmに到達したのは今年の1月4日なので1000Km歩くのに177日(5.9ヶ月)かかっている。月あたり169Kmのペース。今年は1月にB型インフルエンザにかかり、10日ほど外出できなかったことを考えると、ペースは落ちていない。

これまでの記録はこうなる。

累積5000Km達成: 2016年2月1日
累積6000Km達成: 2016年7月15日
累積7000Km達成: 2017年2月3日
累積8000Km達成: 2017年7月16日
累積9000Km達成: 2018年1月4日
累積10000Km達成: 2018年6月29日

累積8000Kmまでは2000Km/年のペース(月に154Km)で歩いていた。9000Kmを越えてからペースがあがっている。

ウォーキングしながら聴いているのは「まいにちフランス語(応用編)」。そしてradikoのタイムフリーでは「土曜の朝のサラ・オレイン」や「壇蜜の耳蜜」も歩きながら聴いている。壇蜜さんのファンのことは「ミツラー」ではなく「ミツシタン」と呼ぶのだそうだ。ファンであることを隠しておくのが無難という意味か。w


この数年は脂肪燃焼というより、むしろ健康維持のためという目的に切り替えている。サボる日もあるが、継続が何より大事だ。


関連記事:

1日人間ドック(2010年)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/78d08050074f97baefb45084b0e936e2

ウォーキングと夜桜(2013年3月):
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/055b88c503e142d7b9559e5965de5550

夜のウォーキング、三軒茶屋へ(2013年3月27日)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/cfd8a6fb66f8d236da95531fd108d8cf

夜のウォーキングのその後(2013年6月6日)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/65eb0d670f88ee2225670772ad03793e

夜のウォーキング、その後2(2013年7月1日)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a64b260d065375c77a79c2839dc414be

夜のウォーキング、その後3(2013年8月27日)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/7da6bbf0006e187662cf2cf1822b82fe

1日人間ドックとウォーキング(2014年4月2日)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/630184969180751eecfdfcfeb6ff54c0

夜のウォーキング、その後4(累積3000Km): 2014年11月15日
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/6e55742ebae984371eed25cc70de75bb

夜のウォーキング、その後5(累積4000Km): 2015年5月27日
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/31b8bd0070d5d2853a7515efc7ac0e2e

夜のウォーキング、その後6(累積5000Km): 2016年2月1日
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/20cde6adec555ae73da5ab19156ae257

夜のウォーキング、その後7(累積6000Km): 2016年7月15日
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1c78ee3fbdf5077b17b69596746ebe63

夜のウォーキング、その後8(累積7000Km): 2017年2月3日
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1b73972a971a66c79eac24535750f931

夜のウォーキング、その後9(累積8000Km): 2017年7月16日
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b7de5cb526634b0f4ab88eed68c78d06

夜のウォーキング、その後10(累積9000Km): 2018年1月4日
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/8fbe0804e4cc5bec0fdab8e1bdc6a27d


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