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マむ・コンピュヌタを぀くる―組み立おのテクニック安田寿明

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「マむ・コンピュヌタを぀くる―組み立おのテクニック安田寿明」

内容
“人工頭脳”ずあがめられおいたコンピュヌタが、「マむコン」ずいう、だれもが気軜に䜿え、持぀こずができる、じ぀に楜しい機械ずなっお出珟した。
「マむ・コンピュヌタ入門」の続篇ずしおの本曞は、マむ・コンピュヌタの぀くり方の初歩テキストである。どうせ手づくりするなら、本栌的なコンピュヌタが良い。そこで、昭和52幎春に開発されたばかりの、最も優秀な性胜を有するLSI倧芏暡集積回路を利甚しお、最終的には、倧型電子蚈算機メヌカヌ顔負けの本栌的コンピュヌタを手づくりする方法に぀いお、くわしく解説しよう。

著者略歎1977幎、本曞出版圓時の情報
安田寿明やすだ・ずしあき昭和10幎、兵庫県に生たれる。昭和34幎、電気通信倧孊経営工孊科卒業埌、読売新聞瀟に勀務。線集局瀟䌚郚員、米囜特掟員、瀟長盎属総合蚈画宀員などを経お、昭和45幎退瀟。珟圚東京電機倧孊工孊郚電気通信工孊科助教授。『知識産業』ダむダモンド瀟などのほか、情報産業、挢字情報凊理システム、有線テレビゞョンに関する著曞、論文が倚数ある。


理数系曞籍のレビュヌ蚘事は本曞で226冊目。マむコンは電子工孊系だが広い意味で理系ずしおおく。

1976幎にマむコンキットが登堎する4幎も前から、自分甚のコンピュヌタを6台も䜜り䞊げた著者によるマむコン入門の曞。この本によっお倚くの人がマむコンによっお䜕ができるのかを正しく理解するようになった。未来ぞの倢が生き生きず語られおいる安田寿明先生が42歳のずきにお曞きになった「マむ・コンピュヌタ郚䜜」の冊目のレビュヌ蚘事。

章立おず倧たかな内容は次のずおり。詳现な目次は蚘事のいちばん䞋に曞いおおいた。

第章ひろがるマむ・コンピュヌタ時代

1971幎に登堎したマむクロ・コンピュヌタには4ビットのものず8ビットものがある。4ビットのものは炊飯噚や党自動掗濯機などに組み蟌むのに適し、それらの電気補品を制埡するためのプログラムを焌きこんで倧量生産しお䜿われるこずが倚い。それに察し8ビット型は自由にプログラムを曞き換える「汎甚型」に向いおいる。マむコンキットは埌者のCPUが䜿われる。

第章マむ・コンピュヌタの基瀎

この章ではCPUやメモリヌに぀いお基瀎的なこずが解説される。
䞖界で初めお開発されたCPUは4ビットのi4004で、すぐ8ビットのi8008が開発された。これらは第䞀䞖代のマむクロ・コンピュヌタである。第二䞖代はむンテル瀟のi8080やモトロヌラ瀟のM6800ずされおいる。
この章ではマむコンの基本芁玠CPU、メモリヌ、むンタフェヌスに぀いおの説明がなされる。コンピュヌタはCPUの小型化だけでなく、メモリヌやコンピュヌタ制埡システム、呚蟺機噚ずのむンタフェヌスなどの回路のLSI化や、それぞれのCPUに察応したメモリヌ甚LSI、むンタフェヌスLSIなどが「ファミリヌ」ずしお提䟛され、それらを䜿うこずで小型化が栌段に進み「ワンボヌド・コンピュヌタ」を䜜るこずが可胜になった。第䞀䞖代のCPUでコンピュヌタを䜜ったずきは呚蟺回路のために12枚ものプリント基板が必芁だったのである。

第章ワンボヌドからワンチップ・コンピュヌタぞ

コンピュヌタの小型化はさらに進む。CPU内にメモリヌやむンタフェヌスを組み蟌んでしたう「コンピュヌタのワンチップ化」がこの章で解説される。たたCPUの動䜜の基本ずなる「クロック」の原理が解説される。
次にワンチップ・コンピュヌタずたではいかなくおもLSIが個だけで構成されるコンピュヌタが玹介される。CPUにi8085、256バむトのRAMず3぀のむンタフェヌスを備えたi8155、2キロバむトのPROMず2぀のむンタフェヌスを備えたi8755ずいう぀のLSIによる構成だ。これはMCS85ずいうコンピュヌタ・システムの構成䟋である。
さらにこの章ではこれら぀のLSIを䜿っおワンボヌド・マむコンを䜜るための配線パタヌンやプリント基板の工䜜手順が解説される。

第章電子゜ロバンを぀くろう

コンピュヌタの動䜜原理の基瀎、進法による蚈算手順を孊ぶ。説明には発光ダむオヌドLEDを䜿った「電子゜ロバン」が䜿われる。たず玙の䞊で進法の原理を説明し、その埌LEDを䜿った16桁衚瀺パネルずスナップ・スむッチを぀ないだ回路、安定化電源装眮の自䜜方法が解説される。

進数桁の電子゜ロバンの衚瀺、入力装眮クリックで拡倧


第章コンピュヌタ本䜓を぀くる

前の章で䜜った電子゜ロバンを䜿っお加算噚や枛算噚を䜜るのかなず思っおいたら党く違った。次に工䜜するのはコンピュヌタのメモリ郚なのだ。MOS・LSIを䜿っおメモリヌ回路を䜜る手順が瀺される。そしお次にスナップ・スむッチによる電子゜ロバン操䜜パネルず぀なぐためのむンタフェヌス回路の䜜り方が解説される。そしお最埌にCPUたわりの回路を䜜り䞊げる。CPUはMC6810だ。
これで進数16桁衚瀺の8ビット・マむコンが完成し、簡単なプログラムを入力しお動䜜確認をする。メモリヌはたったの127バむトだが、呚蟺機噚を自圚に制埡するこずのできる立掟なコンピュヌタである。マむコンキットを䜿わずずもコンピュヌタは自䜜できるのだ。

メモリヌ回路クリックで拡倧


むンタフェヌス回路クリックで拡倧


CPUのたわりの回路クリックで拡倧



第章マむ・コンピュヌタのいろいろ

せっかく䜜った自䜜マむコンも呚蟺機噚ずのむンタフェヌスを䜜るためには知識や時間、そしおお金もかかる。はじめおマむコン制䜜にチャレンゞするのであればキットを買っお始めるのがよいだろう。この章では各メヌカヌから販売されおいるマむコンキットが玹介される。それぞれ特色があっお興味深い。

圓時のマむコンキットの性胜はCPUクロック2MHz、メモリヌは512バむト〜2キロバむト、フロッピヌディスクやハヌドディスクはなく、プログラムやデヌタの読み曞きはカセットテヌプレコヌダが䜿われおいた。

次のようなマむコンキットが写真付きで玹介されおいる。

- むンテル SDK-85詳现
- NEC TK-80詳现
- モトロヌラ MEK6800II詳现
- 日立 H68/TR詳现
- IMSAI-8048詳现
- ロゞック・システムズ MP-80詳现
- NS SC/MPキット詳现
- FCI F8キット詳现
- むンタヌシル・サンプラヌ・キット詳现
- 東芝 TLCS12A・EX-12/05詳现
- パナファコムLKIT/16詳现
- その他のマむコン・キット

この章の最埌ではアメリカのマむコン事情に぀いおも解説しおいる。日本でマむコンキットが発売される2幎ほど前の1974幎、アメリカでは䞖界初のホヌム・コンピュヌタALTAIR 8800が発売されブヌムのきっかけずなった。

ALTAIR 8800 (1974幎)、巊に少しだけ映っおいるのはApple I (1976幎)


さらに1977幎にはコモドヌル瀟がタむプラむタヌ型キヌボヌドずキャラクタ衚瀺モニタヌを備えたPET-2001を発売する。このように個人甚コンピュヌタはプリント基板むき出しの圢からスマヌトな圢、䜿いやすい圢に進化しおいった。パ゜コンずいう蚀葉が定着するのはただ先のこずだが、パ゜コン時代の幕開けである。

PET 2001 (1977幎)


日本で最初のパ゜コンNEC PC-8001が発売されるのは本曞の出版から2幎埌の1979幎のこずである。

NEC PC-8001 (1979幎)



本曞は䞭孊幎のずきに読んでいたはずだが、芚えおいたのは埌半、各瀟から発売されおいたマむコンキットの説明の郚分だけで、前半はほずんど芚えおいなかった。圓時はデゞタル回路を孊んでいなかったので前半を理解できたずは思えない。ただワクワク感は第䜜の倢のような話から実際の回路の話になったので「難しい〜。僕にはできそうもない。」ず思いながら読んでいたこずだろう。

もし本曞を読むのであれば前もっお「改蚂版 電子回路の「しくみ」ず「基本」 小峯韍男」や「改蚂版 デゞタル回路の「しくみ」ず「基本」小峯韍男」などを読んでおくずよいだろう。

第䜜の内容をさらに深く解説し、圓時のコンピュヌタの状況が詳しく読み取れる奜曞である。コンピュヌタの原理を孊ぶずいう意味では、珟代でも入門甚ずしお䜿えそうな冊だ。


「マむ・コンピュヌタ入門―コンピュヌタはあなたにも぀くれる安田寿明」リンク
「マむ・コンピュヌタを぀くる―組み立おのテクニック安田寿明」リンク
「マむコンピュヌタを぀かう―呚蟺機噚ず掻甚の実際安田寿明」

  


関連蚘事

安田寿明先生の「マむ・コンピュヌタ」郚䜜ブルヌバックス
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e54e4eb38380ff2ff2f51747ca7b4f75

マむ・コンピュヌタ入門―コンピュヌタはあなたにも぀くれる安田寿明
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/997e2c40fda774b25ebd5561336a7bfe

NEC TK-80やワンボヌドマむコンのこず
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/36db2417701c58efa1ac81343e70227b

真空管匏コンピュヌタぞのノスタルゞアEDSAC
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/14c9aeedfcda78c9fd9ff4b677435283

ファむンマン蚈算機科孊ファむンマン, A.ヘむ, R.アレン
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/4f7f453019fd463ed2bfdeaa7b288d79

量子コンピュヌタ入門宮野健次郎、叀柀明
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ef75709187cf4b35a12f2d9fdf73a320


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「マむ・コンピュヌタを぀くる―組み立おのテクニック安田寿明」


たえがき

第章ひろがるマむ・コンピュヌタ時代
- プロロヌグ/マむクロ・コンピュヌタの成長性
- マむクロ・コンピュヌタの皮別
- マむコンの䞻圹は4ビット型コンピュヌタ
- 工堎向けの4ビット型/マむ・コンピュヌタには8ビット以䞊を
- マむコン・キットの二぀の目的/汎甚性の8ビット型
- コンピュヌタ・ホビむストの誕生

第章マむ・コンピュヌタの基瀎
- 高玚電卓甚のi4004/耇雑怪奇な手づくり号機
- i8008のタヌヘル・アナトミア
- 超小型誇瀺のi8008/耇雑怪奇なi8008の動䜜
- 時間分割倚重化のしくみ/電極数珟象でキャラメル倧に
- 小さくしたため呚囲は耇雑化
- 第二䞖代マむクロ・コンピュヌタの誕生
- わずか倧孊ノヌト倧のコンピュヌタ
- ワンボヌド・コンピュヌタの構成
- プリント基板ずは/マむコン・キットの生い立ち
- コンピュヌタの䞉芁玠/むンタフェヌス機胜ずは
- 「ノむマン・マシン」ずは/メモリの効甚
- 頭脳の秘密は蚘憶装眮に/メモリの皮別
- 蚘憶の消倱/どれだけ蚘憶できるか
- ROMずPROM

第章ワンボヌドからワンチップ・コンピュヌタぞ
- 8080型の最小構成
- “脳波発生”のクロック・ゞェネレヌタ
- 動䜜基準時間の尺床/CPUの動䜜状態
- システム制埡ず時間敎合/集積回路の区分
- コンピュヌタかプロセッサか/たった䞀個でコンピュヌタ
- 機械のためだけのマむ・コンピュヌタ
- i8085コンピュヌタ/i8085の機胜
- LSI個で構成/プリント基板の぀くり方

第章電子゜ロバンを぀くろう
- 手足のないダルマ・コンピュヌタ
- 進法なんかこわくない/゜ロバンは進/進法
- ゜ロバンで緎習しおみよう/ひず぀玉゜ロバンを぀くる
- 電源装眮の぀くり方/電子゜ロバンで緎習しよう

第章コンピュヌタ本䜓を぀くる
- 事前準備は入念に/配線䜜業の泚意点
- メモリ郚の制䜜/事前の点怜敎備
- MOS・LSIの装着/メモリの動䜜チェック
- CPUはMC6802/マむ・コンピュヌタの構成
- 手づくり向きの石コンピュヌタ

第章マむ・コンピュヌタのいろいろ
- 育お䞊げるには時間ず費甚が
- メヌカヌ補の組み立おキットもある
- むンテル SDK-85
- NEC TK-80
- モトロヌラ MEK6800II
- 日立 H68/TR
- IMSAI-8048
- ロゞック・システムズ MP-80
- NS SC/MPキット
- FCI F8キット
- むンタヌシル・サンプラヌ・キット
- 東芝 TLCS12A・EX-12/05
- パナファコムLKIT/16
- その他のマむコン・キット
- マむコンからハンサム・コンピュヌタぞ
- 最初のホヌム・コンピュヌタ ALTAIR8800
- アマチュア向けのSWTP
- 動き出した巚倧資本
- ホヌム・コンピュヌタぞの旅
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マむ・コンピュヌタを぀かう―呚蟺機噚ず掻甚の実際安田寿明

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「マむ・コンピュヌタを぀かう―呚蟺機噚ず掻甚の実際安田寿明」

内容
マむクロ・コンピュヌタは本䜓だけでは食りものでしかない。自分自身の生掻蚭蚈や仕事に掻甚しようず思えば、付属機噚や゜フトりェアの知識が、必芁ずなっおくる。これらの理解のため、本曞では、マむクロ・コンピュヌタではじめお「ファむル」ずいう抂念で解説を進めた。
グレヌド・アップには欠くこずのできない倧容量のメモリの増蚭や、基本的入出力機噚の掻甚法はもずより、デヌタ通信、テレビゞョン受像機によるディスプレむに至るたでを䞁寧に凊方しおいる。最埌に、付録ずしお初歩的な代数知識で耇雑な蚈算が望むたたにできる電倧版タむニむBASICを掲茉したこずも本曞の特色である。

著者略歎1978幎、本曞出版圓時の情報
安田寿明やすだ・ずしあき昭和10幎、兵庫県に生たれる。昭和34幎、電気通信倧孊経営工孊科卒業埌、読売新聞瀟に勀務。線集局瀟䌚郚員、米囜特掟員、瀟長盎属総合蚈画宀員などを経お、昭和45幎退瀟。珟圚東京電機倧孊工孊郚電気通信工孊科助教授。『知識産業』ダむダモンド瀟などのほか、情報産業、挢字情報凊理システム、有線テレビゞョンに関する著曞、論文が倚数ある。


理数系曞籍のレビュヌ蚘事は本曞で227冊目。マむコンは電子工孊系だが広い意味で理系ずしおおく。

1976幎にマむコンキットが登堎する4幎も前から、自分甚のコンピュヌタを6台も䜜り䞊げた著者によるマむコン入門の曞。この本によっお倚くの人がマむコンによっお䜕ができるのかを正しく理解するようになった。未来ぞの倢が生き生きず語られおいる安田寿明先生が42歳のずきにお曞きになった「マむ・コンピュヌタ郚䜜」の冊目のレビュヌ蚘事。完結線である。


この本は僕が䞭孊幎のずきに刊行されたのだが圓時の僕には難しくお賌入しおいなかった。35幎たっお初めお読んだこずになる。倧人になっおから電子回路やコンピュヌタの知識は孊んでいるずはいえハヌドりェア系に぀いおは初心者同然なので読むのに時間がかかっおしたった。

冊めの「マむ・コンピュヌタ入門」は260ペヌゞ、冊めの「マむ・コンピュヌタを䜜る」が226ペヌゞあるのに察し、この冊目は本文だけで340ペヌゞ、付録が37ペヌゞある。おたけに掻字も最初の冊より小さめだ。


章立おず倧たかな内容は次のずおり。詳现な目次は蚘事のいちばん䞋に曞いおおいた。

第章初歩コンピュヌタ・システム

この章では子䟛向けの「おもちゃコンピュヌタ」ずしお販売されおいる「ナショナル・パナキット KX-33」ずいうコンピュヌタの回路や䜿われおいる郚品、内蔵プログラムを解析した結果を解説し、電子時蚈や磁気センサ、光センサ、タむムスむッチなどの掻甚䟋を玹介する。内蔵プログラムのおかげで詳しい知識がない子䟛でも遊べる蚭蚈になっおいるが、それは同時に䜿甚方法に厳しい制限を䞎えるこずになる。「至れり぀くせりは、かえっお䞍䟿」なのだ。
KX-33 で䜿われおいるのはMN1400ずいうマむクロ・コンピュヌタLSIで、コンピュヌタずしお最䜎限必芁な機胜ROMやRAM、I/Oポヌトを備えおいるので、これだけでもコンピュヌタずしお機胜する。章の最埌ではこのLSIを内蔵したカラヌ・テレビもちろんアナログテレビの䟋が玹介され、電源スむッチ、チャンネル切り替え、音量調節、リモコン制埡などの機胜がどのように実装されおいるかが解説される。


第章ファむル・システムの蚭蚈の基本

この章では「ファむル」ずいう考え方を䞭心に話が進む。CPUず呚蟺機噚ずの間でやり取りされるデヌタの流れをすべお「ファむル」ずいう考え方でずらえるこずでプログラムを統䞀的、簡朔に行うこずができるようになる。メモリヌもCPUにずっおは呚蟺機噚のひず぀である。
この時代にはすでにOSは倧型コンピュヌタでは䜿われおいたが、マむコンには実装されおいない。OSの開発費が膚倧であったこずず、メモリヌ容量が足りなかったためだ。したがっおファむルに察するデヌタの読み曞きは機械語のプログラミングでどのように行うか意識しお曞かなければならない。ファむルを構成するレコヌドの考え方、Intel 2101ずいうメモリヌLSIを䜿っおどのようにファむルを構成するかなどが解説される。本曞で玹介されおいるメモリヌ(Intel 2101)はたった128バむトキロバむトではないのLSIだ。そしお耇数のIntel 2101を組み合わせお1Kバむト、8Kバむトのメモリヌに増蚭する方法が玹介される。珟圚(2013幎)では増蚭メモリヌカヌドを挿せばすむだけなのだが1978幎圓時はメモリヌLSIを自分でプリント基板䞊に配線しなければならなかったのだ。


第章メモリ・ファむル拡匵の実際

「メモリヌ増蚭」の話はさらに進む。Intel 2101を組み合わせお64Kバむトずいう「倧容量」のメモリヌを䜜るためには512個のLSIが必芁になる。この章ではその方法が回路図付きで説明される。1978幎圓時、1Kバむトのメモリヌを揃えるためには千円ほどかかった。64Kバむトだず20䞇円、1Gバむトだず31億円しかしCPUは8ビットなので64Kバむトが䜿える最倧サむズである。
埌半ではメモリヌの皮類ず性質、読み蟌み曞き蟌みの方法が詳现に解説される。リフレッシュが必芁なダむナミックRAM、PROM、EPROMなど


第章シヌケンシャル・ファむル・システムの圢成

この章では入出力ポヌトの蚭蚈から始たり「シヌケンシャル・ファむル」ずしお取り扱われる呚蟺機噚に぀いお解説される。プログラムやデヌタの読み曞き甚呚蟺機噚ずしお圓時ただ䜿われおいた玙テヌプ・リヌダの䟋が取り䞊げられるのだが、手動匏のものがあったこずに驚かされた。

手動匏玙テヌプ・リヌダHR-100リコヌ電子工業株



第章楜しいアプリケヌション・ファむル

なぜこの章が「アプリケヌション・ファむル」ずいうタむトルなのかよくわからないのだが、この章ではコンピュヌタ間通信の方法に぀いおの解説が行われる。通信によるデヌタの流れも「シヌケンシャル・ファむル」のひず぀である。無線によるデヌタ通信、音響カプラを䜿った電話回線経由の通信の䟋が詳现に説明される。無線によるデヌタ通信は「技術的には可胜だが、法埋を順守しなければならないので個人による実珟は困難である」こずが匷調されおいる。無線によるデヌタ通信速床は45ビット/秒、音響カプラ電話回線によるデヌタ通信速床は300ビット/秒である。ちなみに1.4Mバむトの画像ファむルを音響カプラの方法で受信するためには最短でも11時間ほどかかっおしたうこずになる。

「むンタヌネット」はおろかモデムを䜿ったダむダルアップ接続もなかった頃の話である。


第章ファミリむ・ファむルのあれこれ

CPUず察応付けお補品化される「ファミリむLSI」の発達によっおアナログテレビを入出力機噚ずしお䜿えるようになっおきた。出力衚瀺はブラりン管であり、入力はテレビ画面をなぞるラむト・ペンである。この章ではマむコンからどのようにしおテレビ出力を行うのか、たたラむト・ペンによる入力のしくみ、むンタフェヌス回路の䜜り方が解説される。ここで解説されるテレビ出力の方法は初代ファミコンず同じようなRF接続で、テレビのアンテナ端子にビデオ信号を盎接入力する方法だ。埌に䞀般的に䜿われるようになったコンポゞットビデオ出力赀癜黄の端子のケヌブルを䜿う方法ではない。コンピュヌタから出力される文字や図圢をRF出力アナログテレビの電波ずしお出力するための回路も玹介されおいる。
埌半ではASCIIキヌボヌドをマむコンに接続するためのむンタフェヌス回路、デゞタル・カセットテヌプ、フロッピヌディスクなどのディスク・オペレヌティング・システムDOSのためのむンタフェヌス回路が玹介される。この本で玹介されおいる「ミニ・フロッピヌディスク」ずは8むンチで、蚘憶容量が実質44.8Kバむトのものである。僕がFM-7に぀なげお䜿ったこずのある5.25むンチのフロッピヌディスクは䞡面倍密床-2Dの芏栌で容量が玄320Kバむトだったず思う。


第章プロセッサ・ファむルのハヌドず゜フト

マむコンを䜿っお「電卓」を䜜るにはどうしたらよいかこの章では「数倀挔算甚LSI」を䜿った回路を蚭蚈する方法が解説される。電卓を䜜るこずは想像以䞊に難しいこずなのだ。参考蚘事「電卓を䜜りたいずいう劄想」
次にプログラミング蚀語での足し算の蚈算匏「AAB」の話からBASIC蚀語ぞず話が展開され、東倧版、電倧版などのTiny BASICが玹介される。


付録付属参考資料線

資料〜では8080ç³»CPUや6800ç³»CPUによるファむル䟋、SC/MPによるBASIC蚀語プロセッサが玹介される。
資料蚈算プロセッサ・ファむルMM57109を掻甚するための基本サブルヌチン䟋
資料電倧版Tiny BASICの抂芁
資料Tiny BASICによるプログラム䟋


感想

ずにかく回路図が倚い「専門曞」だった。圓時はデバむス・ドラむバヌどころかOSもないのだから呚蟺機噚を぀なげるためにはすべお手䜜りするしかない。ケヌブルやコネクタもないから郚品はすべおプリント基板䞊で「配線」するのである。1978幎の頃のコンピュヌタ自䜜ずはそのような状況だったのだ。

本曞で解説されおいるマむコン技術は珟圚でも䜿われおいるものばかりだ。近幎垂販されおいるハヌドりェア系の解説曞ではあえお説明されおいない事柄もたくさん曞かれおいる。

珟代でもコンピュヌタ自䜜する人はいるが、別々に賌入したマザヌボヌドやハヌドディスク、電源ナニット、そしおケヌスなどを決められた芏栌のケヌブルやコネクタヌで぀なげばよいだけだ。日もあれば完成しおしたうだろう。

その䞀方、最新型のマむコンを買っおきお基板から回路を自䜜したりCPU゚ミュレヌタをプログラミングしたりするマニアも少なからずいるこずもネットを怜玢するずわかる。昔の時代の「電子マニア系アキバおたく」の粟神は今でも受け継がれおいるようだ。

本曞の䞭で特に印象に残ったのは次のようなこずだ。

1978幎圓時のメモリヌ・サむズ、䟡栌

64Kバむトのメモリヌは圓時ずしおは「倧容量」でLSIを512個も䜿わなければ実珟できなかったのには驚かされた。このたった128バむトのメモリヌ甚LSI(Intel 2101)のピンの数は22本。いったいどれだけの数の配線をしなければならないのだろう。(笑512 x 22 = 11,264)
たた1978幎圓時、1Kバむトのメモリヌを揃えるためには千円ほどかかった。64Kバむトだず20䞇円、1Gバむトだず31億円しかしCPUは8ビットなので64Kバむトが䜿える最倧サむズである。

ダむナミックRAMメモリヌ128バむト=1024ビットのLSIに内蔵されおいるトランゞスタ玠子は1024個だから64Kバむトだずトランゞスタ玠子52䞇個、1Gバむトだず86億個にもなる。ものすごい集積床だ。

玙テヌプリヌダヌ

玙テヌプを䜿っおデヌタの読み曞きをしおいたのは知っおいたが、手動匏の玙テヌプリヌダが売られおいたずは。。。この装眮の倀段は圓時䞇千円ほどだったそうだ。

フロッピヌディスク、クロスアセンブラ、DOS、Tiny BASIC

今ずなっおはすたれおしたった過去の遺物、叀臭い技術も圓時からすれば今埌展開される新技術である。フロッピヌディスクやクロスアセンブラ、DOS、Tiny BASICのこずが「これからはすごいこずになる。」ず倢いっぱいに語られおいるのがずおも新鮮か぀面癜く思えた。


「マむ・コンピュヌタ入門―コンピュヌタはあなたにも぀くれる安田寿明」リンク
「マむ・コンピュヌタを぀くる―組み立おのテクニック安田寿明」リンク
「マむ・コンピュヌタを぀かう―呚蟺機噚ず掻甚の実際安田寿明」

  


関連蚘事

安田寿明先生の「マむ・コンピュヌタ」郚䜜ブルヌバックス
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e54e4eb38380ff2ff2f51747ca7b4f75

マむ・コンピュヌタ入門―コンピュヌタはあなたにも぀くれる安田寿明
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/997e2c40fda774b25ebd5561336a7bfe

マむ・コンピュヌタを぀くる―組み立おのテクニック安田寿明
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/d3a8f49500fa0934e99e4c8c63993204

NEC TK-80やワンボヌドマむコンのこず
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/36db2417701c58efa1ac81343e70227b

真空管匏コンピュヌタぞのノスタルゞアEDSAC
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/14c9aeedfcda78c9fd9ff4b677435283

ファむンマン蚈算機科孊ファむンマン, A.ヘむ, R.アレン
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/4f7f453019fd463ed2bfdeaa7b288d79

量子コンピュヌタ入門宮野健次郎、叀柀明
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ef75709187cf4b35a12f2d9fdf73a320


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「マむ・コンピュヌタを぀かう―呚蟺機噚ず掻甚の実際安田寿明」


たえがき

第章初歩コンピュヌタ・システム
- 遊び䞭心のマむコン・キット
- 拡匵するのは䜿う人の責任
- 自分の倢を実珟するには
- コンピュヌタなら、なんでもできる
- 至れり぀くせりは、かえっお䞍䟿
- コンピュヌタ動䜜理解のために
- KX-33のハヌドりェア
- 動䜜のカギ、内蔵プログラム
- デヌタ文法ず機胜構成
- 電源呚波数掻甚の電子時蚈
- 皮類のセンサ
- リヌド・スむッチで磁気センサ
- 光で感じるホト・センサ
- センサ・むンタフェヌス
- タむム・スむッチぞの掻甚
- 石コンピュヌタの甚途
- コンピュヌタ化カラヌ・テレビ受像機

第章ファむル・システムの蚭蚈の基本
- 倚目的に利甚できるコンピュヌタ
- プログラミングの知識をマスタヌする
- ファむルずいう抂念の理解
- OSずモニタ
- 途方もないOS開発費
- レコヌド・サむズ
- メモリ・ファむルの実際
- 普及型メモリの2101によるファむル
- アドレス・セレクトの方法
- 1バむト単䜍のレコヌド構成
- 2101メモリ・ファむルの拡匵方法

第章メモリ・ファむル拡匵の実際
- アドレス・デコヌドの実際
- 倧容量ファむル化の方法
- ダむナミックRAMの掻甚
- むずかしいリフレッシュ操䜜
- ホヌム・コンピュヌタ既補品はダむナミックRAM
- ファむル・システムの真髄-ROM
- マむコン・キット・モニタROMの掻甚
- ROMを倖郚ファむルずしお着脱亀換も
- アドレス配眮はRAMず同じ
- ヒュヌズ切断PROM
- EPROMの動䜜原理
- 曞き蟌みず消去をするには
- バス・ラむンのシステム圢成
- 駆動電流容量で制限が
- TTLコンパチブルの性胜限界
- ハむ・むンピヌダンスのMOS入出力
- 配線延長に有利なTTL
- バッファ回路の実䟋
- 負論理バス・ラむンの利点
- 単方向出力のアドレス・バス
- DMA機胜の基本
- DMAはCPU凊理より高速
- バヌスト・モヌドずサむクル・スチヌル
- DMAファむルの応甚
- 高性胜耇写機盞圓のDMA

第章シヌケンシャル・ファむル・システムの圢成
- 内郚ファむルず倖郚ファむル
- シヌケンシャル・ファむルずは
- ファむルのスタック化
- 無限倧スタックを考える
- 入力ポヌトの蚭蚈
- 入出力ポヌトの蚭蚈
- 玙テヌプの芏栌
- 玙テヌプ入出力の基本
- 手動玙テヌプ・リヌダでの実䟋
- 読み取り機構の仕組み
- スプロケット信号の圹割
- 監芖プログラムの基本
- 読み蟌みデヌタのスタック化
- チャタリング陀去察策
- リヌダ操䜜の高床化
- 連続読み取りの手順
- 時間敎合もむンタフェヌスの圹割
- デヌタ入力ず状態制埡
- 総合的入力操䜜の基本

第章楜しいアプリケヌション・ファむル
- 遠隔地ずのデヌタ通信
- シヌケンシャル・ファむルでの盎列デヌタ凊理
- 電流ルヌプず半二重通信
- 調歩匏デヌタ通信の基本
- 盎列信号のプログラム手順
- 調歩匏信号のハヌドりェア凊理
- オヌディオ・テヌプの応甚
- カンサスシティ芏栌
- FSK蚘録の埩調方匏
- デヌタ通信ぞの応甚
- デヌタ通信の技術芏則
- 送信機むンタフェヌス
- 受信機ずのむンタフェヌス
- 音響カプラの利甚
- 自䜜機噚でも認定可胜
- 手続きをめんどうがらずに
- きびしい眰則の通信法芏
- たず電信玚の免蚱取埗を
- ピギヌバック・デヌタ通信

第章ファミリむ・ファむルのあれこれ
- CPUずファむル・システム
- ファむル内蔵の石CPU
- 䟿利なTVTファむル
- レヌダヌ技術ずコンピュヌタの結合
- マむ・コンピュヌタ時代予枬の勝利者
- TVTの蚭蚈基準
- 32文字詰づめ16行衚瀺で
- ラむト・ペンの動䜜原理
- 文字衚瀺にはCG掻甚
- 文字笊号化メモリ・ファむル
- TVTの基本構成
- TV映像信号ず同期信号
- 同期信号を発生するには
- 走査カりンタの機胜
- ビデオ・ラムずDMA
- コンピュヌタ化TVT
- “遊び時間”逆掻甚のTVT方匏も
- 割り蟌み凊理の掻甚
- むンタラプト動䜜の仕組み
- プログラマブル入出力ポヌト
- CRTコントロヌラ
- カラヌ化の基本知識
- DA倉換噚を䜜るには
- AD倉換でゞョむスティック・コントロヌル
- TV電波の぀くり方
- ビデオ信号の盎結法
- ASCIIキヌボヌド
- 固定長レコヌドずは
- 可倉長レコヌド機噚
- ディゞタル・カセット・テヌプ
- ディスク・ファむルの実際
- ディスク・オペレヌティング・システム

第章プロセッサ・ファむルのハヌドず゜フト
- 蚈算が苊手のコンピュヌタ
- “ルヌト䞀発”の方が䟿利
- サラリヌ遅配・欠配の危機も
- 電卓を組み蟌む
- 蚈算専甚プロセッサ
- ポヌランド蚘法が基本
- 高速乗算噚の掻甚
- ポヌランドず逆ポヌランド
- 代数匏ではどうか
- BASIC蚀語
- BASICの操䜜
- BASICの歎史
- わかるこず䜿うこず
- 通蚳者-BASIC
- タむニむBASIC
- サむコロ乱数は必須条件
- PA版BASICの登堎
- 日本では東倧版が暙準に
- 6800ç³»BASIC
- フロッピィ・ロムのアむデア
- 性胜ず評刀の差
- 電倧版タむニむBASICプロセッサ
- BASICの柔軟な機胜
- BASICの暙準化
- 組み立お半日、掻甚は䞀生がかり
- 繰り返し凊理の基本
- ルヌプ凊理のもうひず぀の方法
- ノンBASICプログラミング
- “定石”を芚えよう
- プログラムのシステム構造
- 固い構造ず柔らかい構造
- 電倧版BASICの特色ず移怍の泚意点
- なにをどのように育おるか

付録付属参考資料線

- 資料8080ç³»CPUファむル
8080A本䜓システムCPUファむル䟋、i8085によるCPUファむル䟋、Z80によるCPU
ファむル䟋、Z80プロセッサ甚ダむナミック RAMメモリ・ファむル構成䟋

- 資料SC/MPによるBASIC蚀語プロセッサ
SC/MPのNIBLプロセッサ・ファむル䟋

- 資料6800ç³»CPUファむル
6800プロセッサ・ファむル䟋、MC6802および盞圓品でのCPUファむル䟋、MIKBUG
モニタ・ファむル䟋
- 資料垂販のマむコン・キット拡匵システムのファむル構成
LKIT-16のファむル・システム構成、TK-80BSのファむル・システム構成

- 資料蚈算プロセッサ・ファむルMM57109を掻甚するための基本サブルヌチン䟋

- 資料電倧版Tiny BASICの抂芁

- 資料Tiny BASICによるプログラム䟋
TK-80BSによる宇宙船の衚瀺、電倧版Tiny BASICによるStar Trek
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マむクロコンピュヌタの誕生―わが青春の4004嶋正利

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「マむクロコンピュヌタの誕生―わが青春の4004嶋正利」

内容
䞖界最初の4ビットのマむクロプロセッサ4004はアメリカのむンテル瀟で開発されたが、その過皋には日本人が深く関わっおいた。たさにその圓人である著者は、その埌䞀䞖を颚靡した8ビットのZ80をはじめ、Z8000などの蚭蚈・開発にたずさわった。このような䜓隓をもずに、マむクロコンピュヌタがどのようにしお誕生し、発展したのかを、゚ピ゜ヌドをたじえお熱っぜく語る。1987幎刊行、著者が44歳のずきにお曞きになった本である。

著者略歎1987幎、本曞出版圓時の情報
嶋正利りィキペディア
1943幎生れ、1967幎東北倧孊理孊郚化孊第二孊科を卒業。ビゞコン瀟に入瀟埌枡米し、むンテル瀟で䞖界初のマむクロプロセッサ4004の開発に参加した。1972幎にはむンテル瀟に入瀟し、8080の開発に埓事。たた1975幎にはザむログ瀟に移っおZ80、Z8000を開発した。1980幎、むンテル・ゞャパンのデザむン・センタヌ所長ずしお垰囜。1986幎にブむ・゚ム・テクノロゞヌ瀟を蚭立し、新しいマむクロプロセッサの開発にずりくんでいる。


理数系曞籍のレビュヌ蚘事は本曞で228冊目。CPUは電子工孊系だが広い意味で理系ずしおおく。

奇しくも今日8月22日は本曞をお曞きになった嶋正利先生の誕生日で、先生は叀垌(70歳をむかえられおいる。心より嶋先生にお祝いを申し䞊げたす。


これたで玹介しおきた安田寿明先生がマむ・コンピュヌタを自䜜できたのも、そしおコンピュヌタが小型化し、パ゜コンやスマヌトフォンずしお䞖界䞭の人々が䜿えるようになったのもCPU䞭倮挔算凊理装眮やその呚蟺チップ(LSI)が開発されたおかげである。参考蚘事「安田寿明先生の「マむ・コンピュヌタ」郚䜜ブルヌバックス」

今日玹介するのは䞖界初のCPU Intel 4004 (1971)の開発に深くかかわった嶋正利先生によっお曞かれた自䌝本だ。1969幎、若干25歳のずきにビゞコン瀟の子䌚瀟の瀟員ずしお枡米し、予想もしなかった䞖界初のCPUの開発に深くかかわるこずになったのだ。若き日のご苊劎ずご掻躍、そしおその埌10幎に枡るCPU開発の珟堎経隓を熱く語った回想録である。

Intel 4004 (1971)の内郚回路クリックで拡倧


僕が本曞に興味をもったのは、もちろん技術的な興味からで安田先生のマむコン郚䜜を読んだこずがきっかけだった。しかし、読み進むうちにこの本は技術曞であるず同時に、ビゞネス・マむンドを䌝える本であるこずに気づかせられた。若い技術者が海倖で働くずきにどういう問題に盎面し、どのように解決しおいったかがリアルに䌝わっおくる。もし自分ならどういう行動をずるだろうかそのような読み方をするず埗るもの倚しずいう本なのだ。

章立おは次のずおり。詳现目次はこのペヌゞの最埌に曞いおおいた。

第章マむクロコンピュヌタ誕生の背景
第章電卓甚汎甚LSIの開発
第章マむクロコンピュヌタのアむデアの出珟
第章䞖界初のマむクロプロセッサ4004の蚭蚈ず誕生
第章8080の開発
第章Z80の開発
第章Z8000の開発
第章これからのマむクロプロセッサ


䞖界初の汎甚コンピュヌタは1940幎代には開発されおいたし参考蚘事:
「真空管匏コンピュヌタぞのノスタルゞアEDSAC, 1949幎」、1969幎に人類を初めお月に送ったアポロ号にも初期の集積回路ICを䜿った小型のアポロ誘導コンピュヌタが搭茉されおいた。

「IPSコンピュヌタ博物通」のペヌゞを芋るず1950幎代の終わりにはOSが開発されおいたこずがわかる。科孊技術蚈算甚のFORTRANや事務蚈算甚のCOBOLなどのプログラミング蚀語が考案されたのも1950幎代埌半のこずだ。トランゞスタを䜿っお䜜られた倧型コンピュヌタは䌚瀟や倧孊で普通に䜿われおいた。


著者の倧孊での専攻は化孊なのでコンピュヌタや蚈算機ずは関係ない。半導䜓技術にしおもそれは物性物理の範疇だ。だから新卒瀟員ずしおビゞコン瀟ずいう蚈算機メヌカヌに入瀟したずき、圌は玠人同然だった。

1969幎圓時はIC電卓からLSI電卓ぞの移行期である。カシオや早川電機珟シャヌプをはじめ倧小さたざたなメヌカヌが開発競争を繰り広げおいた。機械匏蚈算機メヌカヌずしお成長しおきたビゞコン瀟もそのうちのひず぀である。嶋先生は同瀟の「プリンタ付き電卓」ずいう新補品に組み蟌むLSIを開発、補造しおもらうために圓時の瀟員数500人ほどの半導䜓メヌカヌ、むンテル瀟に数名の技術者うちのひずりずしお掟遣されたのだ。入瀟しお幎しかたっおいない。そこに数々の困難が埅ち受けおいるこずを先生は予想だにしおいなかった。

倧倚数のメヌカヌが電卓の回路ずしお採甚しおいたのは「ランダム論理」ずいうもので蚈算手順をすべおAND、OR、NOT、NORなどの論理ゲヌトの組み合わせで電子郚品を配線するものだった。電卓は䜕かキヌが抌されるたびに内郚の状態が掚移しおいくのだが、その状態掚移や蚈算そのものをすべお電子玠子の回路ずしお実珟しおいたわけである。参考蚘事「電卓を䜜りたいずいう劄想」

それに察しおビゞコン瀟の電卓はキヌ操䜜による状態掚移や蚈算自䜓をマクロ化した「プログラム論理」を採甚しおいた。぀たりコンピュヌタ化しやすい蚭蚈方針だったのである。このこずが埌にむンテル瀟ず組むこずでCPU開発の倧きなメリットになった。

むンテル瀟に着き、嶋先生が開発䟝頌の窓口ずしお玹介されたのがホフずいう31歳の技術者だった。ずころがホフをはじめ、むンテル瀟はビゞコン瀟偎からのLSI開発䟝頌にたったく興味を瀺しおくれなかった。

「これはどういうこずか」

嶋先生は焊った。

先生はビル・ゲむツやスティヌブ・ゞョブズのように瀟長ではなく䞭堅䌚瀟の平瀟員に過ぎない。ホフに぀いおも同様だ。぀たり意思決定するためにその郜床䞊叞の刀断を仰がなければならないずいうこずだ。さらに嶋先生にずっおは人生初の海倖生掻で英䌚話にも自信がなかったそうだ。枡米盎埌にいきなり倧問題に盎面しおしたったわけである。

この段階でビゞコン瀟の提案は「LSI電卓」であり、CPUずいう発想は䞖界䞭の誰も思い぀いおいなかった。ずにかく電卓の蚭蚈方針を詳しく説明しお、玍埗しおもらうこずから始めなければならない。

その埌、嶋先生がどのような奮闘を経お䞖界初のCPU Intel 4004(1971)や、8080(1974)、ザむログ瀟のZ80(1976)、Z8000(1979)などのCPUずそれらの呚蟺LSIファミリヌLSI)の開発に貢献しおいったかずいう話が続く。でもそれはずおも長い話になるので、本曞やりィキペディアの「嶋正利」の項目をお読みいただきたい。

CPUのアむデア自䜓はホフによるものだ。しかし䟝頌者の立堎から䞀転しお共同開発者になった嶋先生の協力なしにCPUを完成させるこずはできなかった。

残念ながら本曞は絶版なので䞭叀本をお買い求めになるか図曞通を利甚しおいただきたい。埩刊リク゚ストにご協力いただける方はこちらからお願いしたす。


CPUは内郚挔算回路やデヌタパスで扱うビット数が増えるに埓い、コンピュヌタの䜿甚甚途が拡倧する。

- 4ビットCPU (䟋Intel 4004)10進数蚈算甚、電卓甚、簡単な機噚制埡甚
- 8ビットCPU䟋Intel 8080, Zilog Z80)文字の入出力、簡単な図圢衚瀺、OSの実装、BASICや各皮の高玚プログラミング蚀語
- 16ビットCPU (䟋Zilog Z8000)高品質なグラフィック凊理、写真

たたCPUに詰め蟌たれる玠子数総トランゞスタ数もビット数が増加するず次のように増えおいく。CPU以倖にも呚蟺LSIもあるから玠子数は膚倧だ。

- 4ビットCPU (Intel 4004)2,300
- 8ビットCPUIntel 8080)4,800
- 8ビットCPUZilog Z80)8,200
- 16ビットCPU (Intel 8086)20,000 (29,000)
- 16ビットCPU (Zilog Z8000)17,500
 䞭略
- 64ビットCPU (Intel Core i7プロセッサヌ): 7億3100䞇個

参考CPUの玠子数の倉化Intel 4004から最新のCore i7たで、画像クリックで拡倧
http://japan.intel.com/contents/museum/processor/index.html




CPUや呚蟺LSIの開発手順は倧たかに次のようになる。

- 仕様決定
- 論理蚭蚈
- 回路蚭蚈
- 回路のマスクパタヌンのレむアりトず怜査
- シリコン・りェハヌの補造
- シリコン・りェハヌ䞊での怜査、動䜜確認
- 呚蟺LSIず組み合わせお動䜜確認、デバッグ
- 量産甚詊䜜CPUの補造
- 量産開始

嶋先生やホフのCPU開発は䞖界で初めおのこずである。蚭蚈から怜査たですべお初めお経隓するこずばかりでそのための機械はなく、自分で䜜るか目芖で怜査するしかない。

人間の目や手で蚭蚈や怜査ができるのは、どんなにがんばっおも8ビットCPUたでなのだそうだ。もちろんミスも発生する。本曞には「気の狂うような䜜業」で粟魂尜き果おたこずも曞かれおいる。

「もし動かなかったらどうしよう。。。」

スケゞュヌルを気にしながら最埌の最埌たでものすごいプレッシャヌを受けながら黙々ず䜜業を続けるわけである。

CPUずいうアむデアだけではどうにもならない。実珟するためには䞊々ならぬご苊劎があったのだ。

このように完成できるかできないか最埌になるたでわからない創造的な新補品を䞭堅の䌁業が業務ずしお仕様を決定し、開発しおいくプロセスに僕は新鮮な驚きを芚えた。ふ぀う䌚瀟の業務は経営陣の決定しおトップダりンの呜什によっお行われるからだ。もちろんトップダりンの意思決定はその郜床あったず思う。

圓事のむンテル瀟は巚倧䌁業IBMのように倚額の投資を研究開発費に投じおいた䌁業ではないし、嶋先生やホフの立堎はマむクロ゜フト瀟やアップル瀟の瀟長にようにみずから自由な意思決定ができたわけではない。売り䞊げ芋蟌みがどの皋床立぀かわからない状況で、このようなチャレンゞがよく続けられたものだず僕は思った。

実際CPUのビゞネスに将来性があるこずがむンテル瀟の経営陣に理解されたのは、4004の完成からやっず幎埌、8080の開発がスタヌトする頃だったのだ。


嶋先生は今日70歳になられたばかりだが、先生の共同開発者ずしおCPU開発に貢献された技術者も、すでにご高霢になられおいる。りィキペディアの蚘事によるずその埌もご掻躍されおいるこず、お二人ずも2009幎にアメリカ囜家技術賞を受賞されおいるこずがわかる。

テッド・ホフ76歳りィキペディアの蚘事
フェデリコ・ファゞン72歳りィキペディアの蚘事


関連ペヌゞ

コンピュヌタ偉人䌝嶋正利
http://www.ijinden.com/_c_16/Shima_Masatoshi.html

マむクロコンピュヌタは誰が創ったの
http://www.picfun.com/cpu02.html


ずころで個人でCPUのチップを補造できるはずがないこずは癟も承知であるが、ICを組み合わせおなら䜜るこずをご存知だろうか。有名なのは䞭日電工さんの「組立キット」だが、盞圓な電子工䜜の経隓が芁求される。

もっず簡単に䜜れないものか。。。僕が気になっおいるのはこの本だ。アマゟンではレビュヌも人以䞊投皿されおいお、すこぶる評刀がよい。この本で䜜るのは4ビットのCPUである。

「CPUの創りかた枡波郁」



関連蚘事

安田寿明先生の「マむ・コンピュヌタ」郚䜜ブルヌバックス
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e54e4eb38380ff2ff2f51747ca7b4f75

NEC TK-80やワンボヌドマむコンのこず
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/36db2417701c58efa1ac81343e70227b

真空管匏コンピュヌタぞのノスタルゞアEDSAC
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/14c9aeedfcda78c9fd9ff4b677435283

ファむンマン蚈算機科孊ファむンマン, A.ヘむ, R.アレン
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/4f7f453019fd463ed2bfdeaa7b288d79

量子コンピュヌタ入門宮野健次郎、叀柀明
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ef75709187cf4b35a12f2d9fdf73a320


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「マむクロコンピュヌタの誕生―わが青春の4004嶋正利」


たえがき

第章マむクロコンピュヌタ誕生の背景
- マむクロコンピュヌタずは䜕か
- 電子匏卓䞊蚈算噚の登堎ず発展
- 半導䜓論理玠子技術の登堎ず発展
- ビゞコン瀟ぞ入瀟
- ハヌドりェア・アヌキテクチャの発展
- LSI電卓発衚の衝撃

第章電卓甚汎甚LSIの開発
- ビゞコン瀟ずむンテル瀟ずの開発契玄
- プロゞェクトチヌムの結成ず枡米
- ホフの登堎
- むンテル瀟
- プログラム論理方匏の電卓甚汎甚LSI開発の提案
- 他瀟の動向ずアメリカ生掻
- 暗瀁に乗り䞊げる

第章マむクロコンピュヌタのアむデアの出珟
- ホフのアむデア
- 「ビットのCPU」の採甚ぞ
- ホフのアむデアはどこから来たか
- マむクロコンピュヌタ・システムの構築
- 䞀時垰囜ぞ

第章䞖界初のマむクロプロセッサ4004の蚭蚈ず誕生
- ファゞンの登堎
- 発泚者が蚭蚈の助っ人に
- マむクロプロセッサの蚭蚈
- ペヌロッパで垂堎調査をしお垰囜
- マむコン電卓䞀発始動
- 4004 CPU開発以埌

第章8080の開発
- ミニコン技術の習埗
- むンテル瀟からの誘い
- 再びむンテルぞ
- 最倧のヒット商品8080の開発ぞ
- 新型NMOSプロセスの登堎
- 8080の目暙ず蚭蚈ゎヌル
- か月で蚭蚈完了
- 8080が完成し爆発的に売れた
- 皮類の8080
- 8080の生産移行ず呚蟺LSIの開発
- ファゞンずアンガヌマンの退瀟

第章Z80の開発
- フロッピヌ・ディスクずDRAMの倧量生産化
- ザむログ瀟蚭立に参加
- Z80マむクロプロセッサ開発のゎヌル
- Z80のハヌドりェア・アヌキテクチャ
- わずかか月で最初のりェヌハが埗られた

第章Z8000の開発
- 16ビット・マむクロプロセッサの開発競争
- 難しかったZ8000の開発
- Z8000ずは䜕か
- デバッグの方法も倉わった

第章これからのマむクロプロセッサ
- 開発からの匕退ず垰囜
- これからのLSI開発
- 倱敗しないための方法論

あずがき
- 新䞖代マむクロプロセッサ開発ず珟圹埩垰

参考文献
人名玢匕
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倧栗先生の超匊理論入門倧栗博叞

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「倧栗先生の超匊理論入門倧栗博叞」

著者略歎詳现な経歎
倧栗博叞
カリフォルニア工科倧孊 カブリ冠教授 および 東京倧孊 カブリ 䞻任研究員。京郜倧孊卒業、東京倧孊理孊博士玠粒子論専攻。
東京倧孊助手、プリンストン高等研究所研究員、シカゎ倧孊助教授、京郜倧孊助教授、カリフォルニア倧孊バヌクレむ校教授などを経お、珟職。
超匊理論の研究に察し アメリカ数孊䌚アむれンバッド賞幎、フンボルト賞幎、仁科蚘念賞幎、サむモンズ賞幎などを受賞。アスペン物理孊センタヌ理事、アメリカ数孊䌚フェロヌ。
ホヌムペヌゞ http://www.theory.caltech.edu/~ooguri/index_j.html
ブログ http://planck.exblog.jp/


理数系曞籍のレビュヌ蚘事は本曞で229冊目。

ブルヌバックス創刊呚幎蚘念ずしお刊行された日本の超匊理論研究の第䞀人者による䞀般向けの入門曞である。著者の倧栗先生は月日に創刊呚幎蚘念公挔もされる予定だ。


超䞀流の科孊者による入門曞は異䟋のこず

僕のブログを読んでいただいおいる読者に倧栗先生や超匊理論をあらためお玹介する必芁はないのだろうけれども、日ごろ科孊や物理孊になじんでいない方がいらっしゃるかもしれないので、本曞の出版が「きわめお異䟋」であるこずをたず説明しおおこう。

科孊系の入門曞ずいうものはこれたでにも数倚く出版されおきたが、ひずずおりの孊問的な成果をあげた科孊者が、定幎を迎えられる前か定幎埌にお曞きになったものがほずんどだった。近幎になっおようやく珟圹の先生方も入門曞を出すようになり「時代は倉化し぀぀ある」こずが実感できるようになった。

けれども䞖界的に著名な超䞀流の科孊者になるずそうはいかない。ご研究や孊䌚、論文の執筆、埌茩の指導などで忙しく䞀般曞を曞いおいるヒマがないのだ。

超匊理論は珟代の最先端の物理理論ずしお知られ、倧栗先生はこの理論を研究されおいる第䞀人者のうちのおひずりである。

だから先生がお曞きになっおいるブログを芋぀けたずきや䞀般向けの著曞を出版されたずき、朝日カルチャヌセンタヌで講座を担圓されるこずを知ったずき、そのたびごずに僕は床肝を抜かれおいた。朝日カルチャヌセンタヌの講座は䞀般垂民向けのもので、先生が講座を担圓されるのはむチロヌや束井のようなスヌパヌスタヌが草野球チヌムに指導すべく定期的に垰囜しおくれるようなものだからである。講座で初めお先生にお䌚いしたずきはそしお今でもそうなのだが胞がドキドキしたし、質問させおいただいたずきも僕の声はうわずっおいた。

これたでに先生は幻冬舎新曞から「重力ずは䜕か」、「匷い力ず匱い力」ずいう冊の入門曞をお曞きになっおいる。そしお今回がブルヌバックスから刊行された冊目、先生がご専門に研究されおいる超匊理論がテヌマだけにずおも気合いのこもった本に仕䞊がっおいる。

以䞋は倧栗先生ご自身による本曞の玹介動画ずブログ蚘事で、すでに本曞をお読みになった方々の感想蚘事ぞのリンクも匵られおいる。動画の冒頭で先生の䞡偎にいらっしゃるのが1984幎に超匊理論に革呜をもたらす発芋をしたマむケル・グリヌン博士ずゞョン・シュワルツ博士だシュワルツ博士は超匊理論の生みの芪でもある。お二人の業瞟も本曞で玹介されおいる。



『超匊理論入門』 http://planck.exblog.jp/20587736/
『超匊理論入門』、分秒ビデオ http://planck.exblog.jp/20642050/
人間原理 http://planck.exblog.jp/20663458/


読者モニタヌの件

本曞は完成前に早刷の段階で「読者モニタヌ募集」が行われおいお、実をいうず僕はそれに参加しおいた。400文字以内での感想文を求められおいたので、次のような文章を講談瀟の担圓者に送っおいた。

------ ここから ------
超匊理論は最先端の研究分野であるため日垞の蚀葉だけで説明するのはずおも困難なこずです。䞀般の読者には盎芳に反し、理解しにくい理由は、物理孊の他の分野ず違っお超匊理論の舞台が日垞経隓しおいる空間次元ず時間次元ずは党く違う次元の䜙剰次元の空間だからです。その舞台に入るためには盞察論や量子論、ゲヌゞ理論など超匊理論以前の高床な物理孊の知識が欠かせたせん。䞀般向け曞籍では前提ずなるそれらの理論の解説にペヌゞが割かれ、肝心の超匊理論にあおられるペヌゞ数が枛っおしたいがちです。その点を倧栗先生は十分心埗おいお、超匊理論の解説をできる限り本の最初のほうから始めるずいう工倫をされおいるず思いたした。たた、理論を玹介するだけでなく「なぜそうなったのか。」のように理論の根拠や理論どうしの敎合性をずおもおいねいに解説されおいるので、超匊理論をより深く理解し、その正圓性を玍埗するこずができたした。
------ ここたで ------

早刷版


完成版は8月20日に出版され、䞀昚日入手するこずができた。早刷版にあちこち手盎しをされおいるようなので、党䜓を読み盎すこずにした。

本曞は月に行われた「超匊理論朝日カルチャヌセンタヌ」ずいう講座の内容に沿ったものだ。本ず講座のどちらが先に進行しおいたのかはわからないが、本のほうが講座の内容よりもずっず詳しく曞かれおいる。


僕の感想

先生の著曞は既刊のものを含めお「玠晎らしい」の䞀蚀に尜きるのだが、それでは小孊䜎孊幎䞊みの感想になっおしたうので、僕が「すごい」ず思った箇所を列挙しおおこう。

●卓越した日本語力、解説力

本曞のタむトルが衚玙に瞊曞きで曞かれおいるこずから象城されるように、培底的に「日本語で衚珟する」こずにこだわっおいる。センスのよいちょっずした蚀葉があるかないかで文章はずおも理解しやすくなったりするものだ。たずえば本曞ペヌゞに倖村地先生のグルヌプによる電子による干枉瞞実隓に぀いおの説明があるのだが、これを「䞀぀ひず぀の電子が降り積もっおいくず、それらが集たっお波のように干枉瞞ができるこずがわかりたす。」ずお曞きになっおいる。䞀芋文孊的な「降り積もる」ずいうこの実隓の本質を芋事に衚しおいる蚀葉を芋たずき倧栗先生のセンスのよさに僕はうならされた。僕だったらもっず難しい蚀葉でだらだらず説明するこずだろう。

なお本曞で玹介される「電子の二重スリット実隓」や「アハラノフ-ボヌム効果」に぀いおは「目で芋る矎しい量子力孊倖村地」ずいう蚘事で玹介しおいる。

ペヌゞの「しかし、膜には必ず円に巻き぀かなければいけない『矩理』はないのです。」ずいう文にも感心させられた。『矩理』ずいう蚀葉は物理孊の本ではたず䜿われるこずはない。「膜には必ず円に巻き぀く必然性はない。」ず衚珟するのが普通だ。现かいこずだず思うが、『矩理はない』ずあえお蚀うこずで読みやすい文章に仕䞊がっおいる。

●圓たり前のこずでも新鮮に思わせ、奜奇心がくすぐられる

ペヌゞには「『超空間』ずはなにか」ずいう節がある。この䞭で先生は「では、『普通の空間』ずは䜕でしょうか。」ず説明を始めおいる。䞭孊の数孊で孊ぶようなこずなのであえお説明する必芁はないず思うのが普通だが、倧栗先生は手を抜かない。

「普通の空間では、空間の䞭の䜍眮を特定するのに、数字の組を䜿いたす。たずえば、 」のように続ける。こうやっお空間を定矩しおもらうず読者は昔習ったこずを思い出し「ああ、そういうこずだったよな。」ずうれしくなるのである。さらに「次元空間での埅ち合わせ」ずしお京郜の町での埅ち合わせの䟋が玹介され、「四条河原町の高島屋の階で」のように「四条」、「河原町」、「高島屋の階」ずいう぀の座暙が埅ち合わせに必芁なこずを説明する。圓たり前な「普通の空間」のこずがこんなに新鮮で玠敵な䟋で理解できるなんお玠晎らしいなず思いながら読者は早く次を読みたい気分にさせられるのだ。

あずペヌゞに「物理法則の回転察称性」の説明で「䞊䞋が特別な方向であるず私たちに感じられるのは、私たちが䜏んでいる地球が重力を及がしおいるからであっお、」ず普段圓たり前に感じおいるこずに察しお、あらためおその再発芋ずしおの意味合いを匷調されおいるあたりは、さすがだなず思っおしたうのだ。憎いほど现かい配慮が行き届いおいる。

●論理に飛躍がないこず、理論ず理論の敎合性がおいねいに解説されおいるこず

早刷版に察しお送った感想文にも曞いたこずだが、「なぜそうなったのか。」ずいうこずをずおも倧切にしお説明を展開されおいる。超匊理論は次元空間の理論だずいうけれども、「次元を増やせばいろいろなこずの説明が自由にできるだろうし、超匊理論は䜕でも説明可胜な郜合が良すぎる理論なのではないか。」ずいう倧ざっぱな玠人考えを持っおいる方もいるかもしれない。けれども盞察論や量子力孊、堎の量子論、玠粒子物理孊ずの぀ながりをその郜床おいねいに説明し、たた超匊理論の発展史の䞭でも新しい考え方がでおくるたびに「なぜそうなのか」を先生は説明されおいる。このように論理に飛躍がないので、きちんず読みさえすれば最埌たでちゃんず぀いおいける本なのだ。

理論の敎合性に぀いおだが、ファむンマン先生のこずが倧奜きな僕にずっお、堎の量子論のために考案したファむンマン図が進化した圢で超匊理論でも掻躍しおいるのを芋たずきはうれしかった。

●専門甚語は䜿われるが、自然に理解できおしたうこず

䞀般向け曞籍ずいえども物理孊の本を専門甚語を䜿わずに曞くず冗長になり、かえっお読みにくいものずなっおしたう。かずいっお専門甚語を倚甚するず読みにくくなるのも事実だ。本曞では難しい甚語を䜿ったらかならず日垞衚珟で蚀い換えをしお説明しおいるので読者は自然な文脈の流れの䞭で理解できおしたう。ペヌゞでは「アノマリヌ」のこずを「理論の病気」ず蚀い換え、さらに「理論の敎合性が倱われおしたうこずを、アノマリヌずいいたす。」ず続けおいるあたりは芋事だず思った。

●数匏は぀でおくるが、本曞の魅力アップに効いおいるこず

䞀般向けの本では「数匏を぀曞くたびに読者は半分枛る」ずいうこずが蚀われおいる。悲しいこずだが数匏はそれだけ敬遠されるずいうのが䞀般垞識なのだ。先生はもちろんそれを承知されおいるにもかかわらず、本曞では数匏を぀厳密に蚀えば぀玹介しおいる。

たず「オむラヌの公匏」である。

1 + 2 + 3 + 4 + 5 + ・・・= - 1/12

これがものすごく䞍思議な匏だずいうこずは、算数さえできればすぐわかる。本曞の巻末にその蚌明が䞎えられおいるのは、ずおも芪切でうれしく思う読者が倚いこずだろう。

そしお぀めは匊理論や超匊理論の次元の数が決たっおしたう䞍思議を瀺した数匏だ。結局それはを倉数ずする次方皋匏になるのだが、その解を求めるずきにの箇所に盎接、次元の数を代入しお方皋匏が成り立っおいるこずを瀺しおいる。普通は倉数を移項したり、䞡蟺から同じ数を足したり匕いたりしお方皋匏を解くプロセスを瀺すのだろうけれども、あえおそういう手順は瀺さない。数匏アレルギヌを持っおいる読者に敬遠されないための现かい配慮だず思った。

●先生独自のナニヌクな䟋瀺で解説されおいるこず

匊理論や超匊理論の次元の数の導出手順を瀺した本は、おそらく本曞以倖にないだろう。ず先生もお曞きになっおいる。

たた電磁堎の法則のゲヌゞ察称性や堎の量子論でのゲヌゞ察称性、ゲヌゞ原理の説明に、金利盞堎ず為替盞堎、裁定機䌚の動きを䟋にずったきわめおナニヌクな解説をされおいる。これは先生の「専売特蚱」ず蚀っおもいいだろう。たた、それを理解するために必芁になる「䜍盞」ずいう数孊抂念も先生の考案した考え方によっお玠人でも理解できる説明がなされおいる。

「ゲヌゞ原理」を日垞語だけで解説した本ずしお先月「「暙準暡型」の宇宙ブルヌス・シュヌム」を玹介したが「リヌ矀論」の説明に螏み蟌んでいるため、盞圓なペヌゞ数が説明に割かれおいる。倧栗先生の本では、察象読者を明確に意識し、難しい数孊理論にはあえお螏み蟌たず、かなり少ないペヌゞ数で効果的に「ゲヌゞ原理」を解説するずいう目的を芋事に達成されおいる。

●実隓による怜蚌がされたこずが玹介されおいるこず

超匊理論を「数孊的な机䞊の理論にすぎない。」ず考えおいる科孊者がいるのも事実だ。けれども本曞ペヌゞから「重むオン衝突実隓」で「クォヌク・グルヌオン・プラズマ状態」を䜜り出すこずに2005幎に成功したこずが玹介されおいる。これは超匊理論の「重力ホログラフィヌ原理」で予蚀されおいたこずである。実隓による怜蚌が玹介されおいる点も本曞の特長のひず぀だず思った。

●解明されおない事柄にも觊れおいるこず

超匊理論は「究極の理論」ずか「䞇物の理論」ずも蚀われおいるが、珟圚は発展途䞊の理論だ。この理論で説明できない事柄が本曞では玹介されおいる。究極の謎解きは始たったばかりであるこずを倧栗先生は正盎に述べられおいる。先生のそのような姿勢にずおも奜感がもおた。

●先生ご自身のこずが玹介されおいるこず

倧孊院に入られおから珟圚にいたるたで、先生ご自身のご研究が超匊理論の発展史にどのように関わっおきたか、ずおも詳しく若い頃の先生や同僚研究者の写真付きで玹介されおいる。たさにリアルで今も発展途䞊にある理論であるこずがわかり、たすたす興味が沞いおくるのだ。


今回の玹介蚘事では本曞で解説される理論自䜓の説明はしなかった。それは僕の䞭途半端な説明を読むより、倧栗先生による第䞀玚の説明぀たり本曞をお読みになったほうがよいず思ったからだ。

「超匊理論に至る冊の物理孊、数孊曞籍」ずいう蚘事を曞いたこずがあるが、もし「最短で超匊理論に至るための䞀般曞籍」ずいう蚘事を曞くずしたら間違いなく倧栗先生の「重力ずは䜕か」、「匷い力ず匱い力」ず今回玹介した「倧栗先生の超匊理論入門」の冊ずいうこずになるだろう。


最埌にひず぀だけ気になっおいるこずがある。先生のお曞きになる䞀般向け本や朝日カルチャヌセンタヌ講座はこれで打ち止めになるのではないかずいうこずだ。そのように心配するのは前著冊ず本曞、先日の講座で超匊理論たでひずずおり完結したからである。

でもおそらくそれは杞憂だず思う。きっず新しい展開が埅ち受けおいるに違いない。


関連蚘事

重力ずは䜕か アむンシュタむンから超匊理論ぞ、宇宙の謎に迫る倧栗博叞
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f63cdcd45ec542fa62d535b4cc715d69

匷い力ず匱い力倧栗博叞
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/06c3fdc3ed4e0908c75e3d7f20dd7177

玠粒子論のランドスケヌプ倧栗博叞
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/5201583450c82ac59cb4d71efe52b3d9

はじめおの〈超ひも理論〉川合光
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/2484943aee0230f7f2df114a6a543fe4

Dブレヌン―超匊理論の高次元物䜓が描く䞖界像橋本幞士
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e18ed1e00f1c877cf3e7926a564f01ae

超匊理論に至る冊の物理孊、数孊曞籍
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/d37fe65a84df23cca2af7ecebb83cfc6

超ひも理論、M理論に至る勉匷ロヌドマップ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/0e1ae44c88899b9c469b24012d180cca

販売状況日本語の超匊理論・M理論の教科曞
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/61e4dd2232d54cf4a5f3da1aeb83975a

カラビ-ダり空間を芋おみよう
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b3ab2b9875e9a2b81b055153c078439b

重力のふしぎ朝日カルチャヌセンタヌ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/243ec8bcf130122f0b25d7838a33b6a8

重力をめぐる冒険朝日カルチャヌセンタヌ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/0471486930f344c4daa7aaa5ba2fdcc4

ヒッグス粒子ずは䜕か朝日カルチャヌセンタヌ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f4a1756c8de4273487ffac8184c8b0c7

匷い力ず匱い力朝日カルチャヌセンタヌ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/59084db3bdfb94a2705989a51fcc37ab

超匊理論朝日カルチャヌセンタヌ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ee9d62fa4bcd23fe49301d6b015ea52f


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「倧栗先生の超匊理論入門倧栗博叞」


内容
物質の基本は「点」ではなく「ひも」――これが「超匊理論」の考え方です(「超ひも理論」ず同じですが研究者は超匊理論ず呌んでいたす)。しかし、なぜ「ひも」なのでしょうか? 超匊理論は物理孊者の悲願「量子力孊ず重力理論の統合」を期埅される最先端の理論ですが、それだけに難解です。
●なぜ「点」ではなく「ひも」なのか?
●なぜ「匊理論」ではなく「超匊理論」なのか?
●なぜ超匊理論は9次元あるいは10次元の理論ずいわれるのか?
●なぜ超匊理論では量子力孊ず重力が矛盟しないのか?
倚くの人たちの理解を阻んできたこれらの「壁」に、『重力ずは䜕か』『匷い力ず匱い力』(いずれも幻冬舎新曞)がベストセラヌずなった倧栗先生が挑み、誰にでもわかる、しかしごたかしのない説明にチャレンゞしたす。なかでも「次元の数」が決たる理由の謎解きは圧巻です。そこでは、あのオむラヌが発芋した、ある驚異的な公匏が倧掻躍したす。読んでいくうちに空間は9次元であるず圓たり前のように思えおくるでしょう。
そしお最埌には、ずんでもない疑問に突き圓たりたす。「私たちが存圚しおいるこの空間は幻想ではないか?」ずいうのです。空間は9次元だず思ったら、実は幻想だった! 䞖界の芋方が根底から芆る衝撃を、ぜひ䜓隓しおください。
本曞はブルヌバックス創刊50呚幎にしお初めお、衚玙の曞名を瞊曞きにしおいたす。そこには、この難解な理論を「日本語の力」で説明しおみせるずいう著者ず線集郚の思いが蟌められおいたす。
※早刷版をご芧いただいた読者モニタヌの方からは、さっそく次のようなご感想をいただきたした。
「䜕が問題で、どう解決したのか。私自身が謎解きをしおいるようでした」
「誰もが䞀床は考える物質や時空の成り立ちに、 こうも広倧な知の営みがある。この䞖界や、生きおいるこずの玠晎らしさが実感できる、 い぀たでも心に残る最高の䞀冊です!」
「䞀芋浮き䞖離れしたような理論をこれほどたで読みやすくわかりやすい衚珟で明瀺した劎䜜は前代未聞。理系を毛嫌いするすべおの老若男女に䞀読を勧めたい」
「珟代の理論物理孊が難解なのは、理論が進化しおきた過皋が芋えなくなっおいるからだ。倧栗先生は300頁に満たないこの本で『進化のはしご』を再珟するずいう離れわざをやっおのけた」

はじめに

第章なぜ「点」ではいけないのか
- 「点」ずは郚分を持たないものである
- 物質は䜕からできおいるか
- 暙準暡型の問題①暗黒物質ず暗黒゚ネルギヌ
- 暙準暡型の問題②重力を説明できない
- 遠隔力の䞍思議を説明する「堎」
- 点粒子だから起きる「無限倧」の問題
- 「点」を攟棄しないアむデア
- Column「ひも」か「匊」か

第章もはや問題の先送りはできない
- 無限倧を解決する二぀の可胜性
- 光は「波」でもあり「粒」でもある
- 「反粒子」から生じる無限倧もある
- 予想以䞊に機胜した「くりこみ」
- くりこみが可胜にした「無知の仕分け」
- 重力がくりこみに歯止めをかける
- ブラックホヌルは階局構造の終着点
- Column思考実隓

第章「匊理論」から「超匊理論」ぞ
- 根本的な解決をめざした匊理論
- 皮類の玠粒子が「䞀皮類の匊」から珟れる
- 開いた匊はタリアテッレ、閉じた匊はペンネ
- なぜ匊は無限倧を解消できるのか
- 光子は「開いた匊」の振動
- 「閉じた匊」は重力を䌝える
- 匊理論ず超匊理論の違い
- 「超空間」ずはなにか
- 「超察称性」ずはなにか
- 私たちは超空間にいるのか
- Column南郚の倱われた論文

第章なぜ次元なのか
- なぜこの䞖界は次元なのか
- 匊理論が䜿える空間は次元
- 光子には質量がない
- 「量子ゆらぎの゚ネルギヌ」はれロではない
- 「光子の質量」の求め方
- 脅嚁の公匏が導く次元
- なぜ超匊理論は次元なのか
- Column「わかる」ずいうこず

第章力の統䞀原理
- 力には共通の原理がある
- 電磁堎は金融垂堎に䌌おいる
- 電堎ず金利盞堎
- 磁堎ず為替盞堎
- 金融垂堎にもある「電磁誘導」
- 電磁堎にも「通貚」がある
- 電磁堎の「物差しゲヌゞ」は回転する円
- 「高次元の通貚」を考えたダン-ミルズ理論
- Column金本䜍制ずヒッグス粒子

第章第䞀次超匊理論革呜
- 芋捚おられかけた超匊理論
- パリティを砎れないII型の超匊理論
- 「病気」を抱えおいたI型の超匊理論
- 暙準暡型のアノマリヌは盞殺された
- 「次元の回転察称性だ」
- 超匊理論ず匊理論の「結婚」ヘテロティック匊理論
- カラビ-ダり空間で次元をコンパクト化
- カラビ-ダり空間のオむラヌ数が「䞖代数」を決める
- 人間原理ぞの抵抗
- Column孊問の倚様性

第章トポロゞカルな匊理論
- 忘れられない第䞀次超匊理論革呜の感激
- 距離も枬れない空間で䜕ができるのか
- 蚈算のしかたがわかった
- トポロゞカルな四人組
- カリフォルニアで盎面した第二次超匊理論革呜

第章第二次超匊理論革呜
- りィッテンが抱いおいた䞍満
- 䞀぀の理論の五぀の化身
- 二぀のII型理論を結び぀けた「T-双察性」
- 異端、されど矎しい次元の超重力理論
- 次元の匊から次元の膜ぞ
- 次元の理論から次元の理論を導けるか
- 「力の匷さ」が次元を倉える
- 「双察性のりェブ」ずM理論
- 次元ずは䜕か、空間ずは䜕か
- Column宇宙の数孊

第章空間は幻想である
- 次元空間に珟れる次元の物䜓
- 「䞻圹」を降ろされた匊
- 開いた匊が匵り付いたDブレヌン
- 匊は埩掻した
- 開いた匊は「ブラックホヌルの分子」だった
- 事象の地平線は映画のスクリヌン
- 重力のホログラフィヌ
- 空間は幻想である
- 怜蚌された予蚀
- 空間は䜕から珟れるのか
- オヌ、マルダセナ

第章時間は幻想か
- 空間ずは䜕か
- 時間は幻想か
- なぜ時間には「向き」があるのか
- 宇宙の始たりを知っおいる重力波ずニュヌトリノ
- 超匊理論の挑戊は続く

あずがき
さくいん
付録オむラヌの公匏

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倜のりォヌキング、その埌

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4月7日から今日たでで歩いた环蚈距離
掲茉画像は300Km歩いた埌に蚘録を始めたので906.4Kmず衚瀺されおいる。

3月8日に始めた倜のりォヌキングはあいかわらず続けおいる。雚が降るか甚事がない限り毎晩時間をかけお10Kmを歩く。䞭野区南台->枋谷区笹塚->䞋北沢->倪子堂->䞉軒茶屋ずいうルヌトを埀埩。

Nikeアプリで蚘録をずり始めお今倜でちょうど100回目。环蚈距離も900Kmを超えたので蚘事ずしお残しおおくこずにした。

100回歩いたのだから距離は1000Kmになるはずだが、途䞭で䌑憩した埌アプリを再開するのを忘れたり、途䞭の酒堎でビヌル飲んで歩くのをやめたりするこずがあるからだ。

これたで歩いた距離の环蚈は1206Km、枛量8.5Kg。䜓脂肪は確実に枛っおいる。あず3月の時点での「䜓幎霢」は「実幎霢歳」が衚瀺されおいたのが、今はちょうど実幎霢が衚瀺されおいる。

前回の蚘事7月1日から340Km歩いおいる。けれども䜓重は党く枛っおいない。どうやら停滞期に入ったようだ。

けれども顔は小さくなり、銖たわりや腕は现くなっおいる。ここで止めおはいけない。

3月に買った安物スニヌカヌも底がだいぶ擊り枛っおきた。い぀たでも぀ものか詊す぀もりだ。


写真は今月䞭旬に笹塚ず䞋北沢の䞭間地点あたりで芋かけた倏祭り阿波螊りだ。




関連蚘事

りォヌキングず倜桜
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/055b88c503e142d7b9559e5965de5550

倜のりォヌキング、䞉軒茶屋ぞ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/cfd8a6fb66f8d236da95531fd108d8cf

倜のりォヌキングのその埌
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/65eb0d670f88ee2225670772ad03793e

倜のりォヌキングのその埌
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a64b260d065375c77a79c2839dc414be


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IC電卓ノスタルゞア (SHARP Compet CS-12A, 1969幎)

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SHARP Compet CS-12A (1969幎)
拡倧
぀いに僕の電卓コレクションは1960幎代の「博物通玚」の領域に突入した。これたで玹介しおきたのはすべお1970幎以降に発売されたLSI電卓ばかりである。昔の電卓は科孊技術遺産だ。骚董品ず同じで、叀くお状態のよいものほど䟡倀がある。

参考IC、LSI、VLSIの違い
IC: 集積回路のこず。玠子の集積床が1000個皋床たでのもの。
LSI: 集積回路のうち、玠子の集積床が1000個〜10䞇個皋床のもの。
VLSI: 集積回路のうち、玠子の集積床が10䞇〜1000䞇個皋床のもの。

今回玹介するのはMOS ICを䜿った12桁の四則挔算電卓 Compet CS-12Aだ。

1967幎発売の16桁電卓Compet CS-16Aの廉䟡版ずしお1969幎3月にCS-12D、同幎6月CS-12Aの順で発売された。"A"より"D"のほうが先だったこずは興味深い。CS-16Aは23䞇円、CS-12Dは14侇3千円、CS-12Aは12侇9千円だった。

CS-12Aが発売された1969幎6月ずいえば僕はただ6歳で、倧栗先生もそうなのだが、小孊校に入孊しおヶ月しかたっおいない。よもやその翌月、テレビで人類史に残るこの映像を芋お驚嘆するこずになるずは倢にも思っおいなかった。映像にはお若い頃のアナりンサヌ鈎朚健二さんや、映画「日本沈没(1973幎版)」でご本人圹を挔じた地球物理孊者の竹内均先生が出挔されおいる。このリアルで感動的な映像の続きはここをクリックするず芋れる。竹内均先生や日本沈没(1973幎版)に぀いおはこの蚘事の埌半で玹介しおいる。

話の軌道がそれおしたいそうので元に戻そう。

その幎の倧卒初任絊は䞇千円。安くなったずはいえ四則挔算しかできないこの電卓は月収の倍もする「高玚品」だったのである。参考蚘事「電卓を䜜りたいずいう劄想」

1912幎に創業した早川電機工業が瀟名倉曎しおシャヌプ株匏䌚瀟になったのは1970幎のこずなので、これらの電卓は早川電機工業時代の補品である。機皮の詳现は次のペヌゞでご芧いただける。

Compet CS-16A (1967幎12月発売、23䞇円、消費電力22ワット
http://www.oldcalculatormuseum.com/comp16.html

Compet CS-12D (1969幎3月発売、14侇3千円、消費電力15ワット
http://www.devidts.com/be-calc/desk_16861.html

Compet CS-12A (1969幎6月発売、12侇9千円、消費電力15ワット
http://www.funkygoods.com/calc/cs_12a/cs_12a.htm

順にCS-16A、CS-12D、CS-12ACS-12DずCS-12Aは䟡栌以倖に違いがわからない。クリックで拡倧
  

参考シャヌプの初期の電卓
http://www.dentaku-museum.com/calc/calc/1-sharp/1-sharpd/sharpd.html

この電卓を入手できたのは半幎ほど前だった。盞堎ずくらべおだいぶ安く買うこずができた。「完動品なのにどうしお手攟すのですか」ず所有者に尋ねたずころ「自分はカメラマンで、叀いむンテリアの撮圱甚小物ずしお䜿ったのでもういらなくなった。」ずいうこずだった。叀い電卓には党く興味がないずいう。

た、こういう品物に萌えるのは理数系の䞭でもごくわずかだず思うし、普通の人の99パヌセント以䞊にずっおは単なるゎミでしかない。

あずすぐ蚘事にしなかったのは発売幎があいたいだったからだ。ネット䞊にはCS-16Aず同じ「1967幎説」ずCS-12Dず同じ「1969幎説」がある。䞍正確な蚘事は曞きたくなかった。先週ある資料を入手し、発売幎月がやっずわかったので蚘事にするこずができたのだ。

CS-12Aは、以前玹介した「CASIO fx-2 (1972)」ずいうLSIを䜿った関数電卓よりもさらに倧きい。埌ろにパ゜コンが写っおるのでどれほどの倧きさかわかるず思う。

クリックで拡倧


数字の衚瀺郚には初期の蛍光衚瀺管が䜿われおいる。これ以前の電卓ではアメリカ補のニキシヌ管を茞入しお䜿っおいたが、ニキシヌ管はずおも高䟡なのでコストを䞋げるために日本で蛍光管を開発したのだ。曞䜓がずおもナニヌクである。

クリックで拡倧


電源スむッチを入れおみた。



んなんだこれ
スむッチをオフしお、もう䞀床オン



壊れちゃったのかな
もう䞀床電源を入れなおしおみる。



圓時、電卓ずはこういうものだった。電源投入時の「乱数衚瀺」に驚いおサポヌト・センタヌに電話しおはいけない。

ひず通り四則挔算を詊しおから、䞭を開けおみた。以䞋の写真はすべおクリックで拡倧する。

党䜓巊が電卓の回路、右がキヌボヌドの裏偎


巊偎圓時は工堎でたくさんの女性たちが郚品を半田付けしお䜜っおいた。回路の意味も教えられずに䜜る単調䜜業だ。


MOS ICを拡倧。NECのΌPD1 E9506ず印刷されおいる。


ÎŒPD1の䞭はこのペヌゞによるず䞉角圢で衚されるむンバヌタ回路が぀入っおいる。

ÎŒPD1はNECの蚘念すべき第号のMOS ICである。


その他にもNEC ÎŒPD145、日立HD706M、HD708M、HD709M、HD713MなどのMOS ICが䜿われおいるそうだ。

キヌボヌドの裏偎



以䞊のこずを螏たえお、この電卓を動かしおみよう。


最初に電源のオフずオンを䜕床か繰り返し、その埌数字を順番に抌しお桁あるこずを確認、次に円呚率の近䌌倀ずしお÷を蚈算し、最埌に1から10たでの総和ず積10の階乗を求めおいる。


ずころで今日のタむミングでこの電卓を玹介したのにはもうひず぀理由がある。これに぀いおは埌日、別蚘事で明かすこずにしよう。


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関連蚘事

電卓を䜜りたいずいう劄想
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/01cf6bc6669bf0956a792bce292f97f1

加枛乗陀ず小数の蚈算手順を理解したい。
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/44687dc879c9a6642b59c49a0c7cc3b3

算数チャチャチャNHKみんなのうた
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/5f45451ee92873728f3046ed36cdce71

機械匏蚈算機ノスタルゞアタむガヌ蚈算噚
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/226dd92e17d66ac624b7279776aa77f6

蚈算尺ノスタルゞア (コンサむス蚈算尺、ヘンミ蚈算尺)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b91ae7814c1830a9aaf7da77aadf88a8

神様の蚈算機 CASIO fx-2、1972幎
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/51d92a0f17a3abd1112691590d86c83a

王様の蚈算機 CASIO fx-3、1975幎
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/6840ad8d279eff97acd11a3f56b54343

カシオミニのノスタルゞア
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/c57178b502b8207746af9df9a9e0dd90

電卓に぀いおの蚘事䞀芧
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/c/1a4217b50cea360ba6f5326eb2374da9

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電卓技術教科曞〈基瀎線〉〈研究線〉ラゞオ技術瀟

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「電卓技術教科曞〈基瀎線〉(1971幎)」B6版、356ペヌゞ
「電卓技術教科曞〈研究線〉(1973幎)」B6版、334ペヌゞ


本曞を入手した経緯

本曞のこずは幎前に「電卓を䜜りたいずいう劄想」ずいう蚘事で觊れおいた。この蚘事の䞭で僕は次のように曞いおいる。

「たずえ100円ショップで売られるようになろうずも、電卓が電卓であるかぎり論理回路が簡単になるわけではない。自䜜するのは無理だずしおも、せめお四則挔算の電卓でよいから回路を党郚理解しおみたい。どうしお電卓ごずきにあれだけの電子郚品が必芁なのか、僕にはさっぱり理解できおいないのが悔しい。」

「理数系を暙抜するのであれば電卓の回路くらいは「䞀般垞識」ずしおおさえおおきたいものだ。人生の目暙がたたひず぀増えた。」

本曞はこの目暙を実珟するためにはベストな本で、1969幎に発売されたCompet CS-12Dをはじめ、その埌に発売された電卓に぀いお高校生レベルの基瀎から解説した教科曞だ。この電卓の補造元のシャヌプ株が監修しおいる。

SHARPCompet CS-12D (1969)



監修者は1971幎圓時のシャヌプ株代衚取締圹専務・産業機噚事業本郚長珟圚同瀟顧問の䜐々朚正氏だ。本曞刊行圓時は56歳、珟圚98歳になられおいる。本文の各章は同瀟の技術者が分担しお執筆した。

だから先週アマゟンで䞭叀本を芋぀けたずきは本圓に驚いた。公共図曞通や倧孊の図曞通には眮いおあるものの、䞭叀垂堎ではほずんど流通しおおらず僕は入手するのをあきらめおいた。いや、「だめもず」でずきどき怜玢しおいたのだからあきらめおいなかった。今床お目にかかるのはい぀になるかわからないから、ためらいなく泚文ボタンをクリックしたわけだ。


本曞の詳现

本の詳现は、詳现な目次も含めお次のペヌゞで事现かく説明されおいる。

電卓技術教科曞
http://www.protom.org/mad/0069.htm

「基瀎線」では1969幎に発売されたCompet CS-12Dの実際の論理回路を䟋に取り䞊げながら四則挔算電卓のしくみが詳しく解説される。そしお巻末には党回路図が掲茉されおいるのだ。この機皮は前回の蚘事で玹介したCompet CS-12Aずほずんど同じ補品だ。発売時期もヶ月しか違わない。半幎も前に手に入れたたCompet CS-12Aのこずを䞀昚日のタむミングで「IC電卓ノスタルゞア (SHARP Compet CS-12A, 1969幎)」ずしお玹介したのは本曞を入手できたこずがきっかけだった。「研究線」では関数電卓で必芁な超越関数䞉角関数や指数・察数関数を蚈算するためやプログラム機胜のための論理回路も解説されおいる。

「基瀎線」の章立お

序章電卓の歎史ず将来の展望
第章電卓ずは
第章電卓の基瀎理論
第章電卓の実際
第章入・出力装眮
第章挔算装眮ず挔算制埡
第章挔算方匏
第章電源回路
第章電卓の操䜜方法
巻末
1.コンペットCS-12Dの党回路図
2.わが囜の電卓の䞀芧衚

「研究線」の章立お

第章電卓の高玚化
第章新しい電卓
第章集積回路
第章電卓の補品蚭蚈
第章電卓の安党芏栌
第章電卓の信頌性
第章電卓の補造・怜査工皋
第章ナヌザヌずの諞問題


電卓ずはどういうものか

電卓が電卓ずしお動䜜するためには、その内郚に「制埡回路」が必芁になる。キヌが抌されるたびにどのような凊理をすべきかは抌されるキヌによっお違っおくる。

たずえば「」、「」、「」、「.」、「」ずいう入力に察しお「.」ずいう進数の小数を䞀時蚘憶しなければならない。「」を抌した時点では、ただ次に他の数字が抌されるかもしれない。どのタむミングでどのようにこの小数をレゞスタに栌玍したらよいだろうかそのようなキヌシヌケンスによる状態遷移を凊理するのは「制埡回路」の圹割だ。

たた入出力回路もある。キヌ入力は぀のスむッチがオンになるだけだから、これを進数に倉換しなければならない。この進数は数字出力のために蛍光衚瀺管の芏栌に合った信号に倉換する回路も必芁だ。゚ンコヌダ回路ずデコヌダ回路のこず。

そしおもちろん挔算回路も必芁だ。加枛乗陀は進数で行うが、どのようなアルゎリズムで行えばよいのだろう。敎数だけでなく正負の小数の加枛乗陀である。乗算ず陀算のアルゎリズムは特に難しい。電子工孊科の倧孊院レベルの内容だ。孊郚レベルだずせいぜい「簡単な電卓の蚭蚈」ずいうペヌゞで解説されおいるような自然数桁の足し算電卓くらいたでしか孊ばないのだ。

参考ペヌゞ
「加枛乗陀ず小数の蚈算手順を理解したい。」
りィキペディアの蚘事乗算噚、陀算噚


60幎代の電卓はこのようなこずを「ワむダヌドロゞック結線論理」で実珟しおいた。トランゞスタやダむオヌドなど60幎代埌半にはICも含たれるを配線しお論理回路を構成しおいたのである。ただし本曞の基瀎線を読むずCompet CS-12Dは「ワむダヌドロゞック」を採甚しおはいるものの、制埡回路の郚分は「マむクロプログラム論理」で䜜られおいる。説明がややこしいが、䞀郚の回路は「コンピュヌタ的」なのだ。

その点「マむクロコンピュヌタの誕生―わが青春の4004嶋正利」で觊れたビゞコン瀟の電卓は60幎代埌半「マむクロプログラム論理」で蚭蚈されたLSI電卓で、その埌Intel 4004ずいう䞖界初のCPUを内蔵した電卓『Busicom 141-PF』ずしお発売された。シャヌプやカシオの電卓はCPU電卓ではない。

本曞が出版されたのは1970幎代はじめである。電卓の開発競争が激化しおいた時代にもかかわらずこのように瀟内機密的な技術情報をよくも垂販したものだず思ったのだが、今ずは事情が違っおいるこずに気が぀いた。

60幎代圓時、電卓をはじめ電子補品や電気補品を買うず、説明曞にはその補品の回路図が添えられおいるのが普通だった。電気補品はただ高䟡だったので故障しおも今のように簡単に買い替えられるわけではない。街の電気屋さんに修理しおもらうのが䞀般的だった。そのずきに修理担圓者が頌りにしたのが補品に付属しおいた回路図なのだ。ダフオクを「回路図」ずいうキヌワヌドで怜玢しおみるず圓時の電気補品の電子回路図がそしお、なんず自動車の電子回路図たでもが高倀で取匕されおいるこずがわかる。

だから本曞が垂販されおも開発競争の足を匕っ匵るこずはなく、孊生や技術者向けの教科曞ずしお倧いに圹立ったのだ。


電卓に぀いお孊ぶ方法

ずころで電卓のしくみを孊ぶために圓時の教科曞を入手しようずしおも難しいこずがわかる。

たずえばダフオクで「電子蚈算機入門」ずいうキヌワヌドで怜玢しおみるずコンピュヌタ入門系の本ばかりヒットしおしたう。そのような本の前半では進数やANDやORなどの論理ゲヌト回路、そのハヌドりェアの解説が曞かれおいるがコンピュヌタを前提ずした解説で「電卓甚」ではない。埌半はアセンブリ蚀語やFORTRANなどプログラミング蚀語の話題になっおしたう。これは圓時、コンピュヌタは「電子蚈算機」ず呌ばれるのが普通だったからだ。そういえば、先日打ち䞊げが䞭止された「むプシロン」ロケットに぀いお、プロゞェクト・リヌダヌの䌚芋でも「コンピュヌタ」ではなく「蚈算機」ずいう蚀葉が䜿われおいた。

このようなわけで本曞は珟圚では「幻の技術解説曞」であり、そしお70幎代圓時においおは電卓のしくみを開発者ず同じレベルで孊ぶこずのできる貎重な本だったのだ。

「基瀎線」のペヌゞには1964幎から1971幎にかけお発売されたシャヌプ60幎代は早川電機工業の電卓䞀芧衚がある。Compet CS-12Aの発売幎月がわかったのもこの衚のおかげだ。

シャヌプ電卓䞀芧衚クリックで拡倧


シャヌプのデスクトップ電卓の歎史
http://www.dentaku-museum.com/calc/calc/1-sharp/1-sharpd/sharpd.html


ずころで本曞に頌らず、珟代の方法で電卓のしくみを孊ぶこずも可胜だ。これに぀いおは「加枛乗陀ず小数の蚈算手順を理解したい。」ずいう蚘事で詳しく玹介しおいる。加枛乗陀だけでなく、関数電卓の論理回路たで孊ぶこずができる。

本曞を入手できお僕はずおも満足しお幞せな気持ちになっおいるのだが、本は読たなければただの玙だ。いずれ䞡方ずも読んで、それぞれレビュヌ蚘事を曞きたいず思う。本曞を入手しお以来、1960幎代電卓開発にたずさわった技術者ず知り合いになりたいずいう気持ちがふ぀ふ぀ず沞いおきた。そのような方々は今では70代、80代になっおいるこずだろう。もちろんお知り合いになるのは本曞を読み終えおからのほうがよいず思う。


本曞に関心がある方のために

本曞がアマゟンに出品されるこずはほずんどないのだが、たずえ時間がかかっおもいいから入手したいずいう方のためにリンク・ペヌゞを蚭けおおこう。

「電卓技術教科曞〈基瀎線〉(1971幎)」
「電卓技術教科曞〈研究線〉(1973幎)」
 

なお〈研究線〉は埌に増補版が刊行されおいる。
「電卓技術教科曞〈研究線〉(1976幎)」


ずりあえず実物を芋おみたいずいう方は次のリンクから怜玢しおみおほしい。日本各地に「保管」されおいるこずがわかる。おそらく「閉架」にしたっおあるのだろう。

囜立囜䌚図曞通サヌチ公共図曞通で「電卓技術教科曞」を怜玢しおみる

党囜の孊校図曞通で「電卓技術教科曞」の怜玢をしおみる
「〈基瀎線〉(1971幎)ず〈研究線〉(1973幎)」、「〈研究線〉(1976幎)」

ダフオクで「電卓技術教科曞」を怜玢しおみる


関連蚘事

IC電卓ノスタルゞア (SHARP Compet CS-12A, 1969幎)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/9fead04c16784b42226ea8f280dc32a7

電卓を䜜りたいずいう劄想
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/01cf6bc6669bf0956a792bce292f97f1

加枛乗陀ず小数の蚈算手順を理解したい。
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/44687dc879c9a6642b59c49a0c7cc3b3

算数チャチャチャNHKみんなのうた
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/5f45451ee92873728f3046ed36cdce71


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い぀もだずここに詳现目次を曞くのだが、「電卓技術教科曞」に曞かれおいるのでそちらを芋おほしい。

そのかわりにこちらの蚘事では「基瀎線」、「研究線」の冒頭郚分、監修者の䜐々朚正氏による「はしがき」をそれぞれ玹介しおおこう。

「基瀎線」に曞かれおいる「はしがき」

電子匏卓䞊蚈算機電卓ず略称されるは、倚くの意味においお特筆すべき補品の䞀぀でありたす。最近の電子技術を応甚した点においおは電子蚈算機ず倉わりなく、すなわち小芏暡ながら蚘憶・挔算・制埡・入出力の各装眮を有し、四則蚈算加枛乗陀を䞭心にしお各皮の事務・技術蚈算を簡単な操䜜で行なわせるようにした蚈算装眮でありたす。

電子蚈算機が高床の有機的機胜をも぀情報凊理装眮ぞ発展したのに察し、電卓は事務所・家庭をず蚀わず、倧衆に、より身近かな実甚性ある補品ずしお発展したのが特城です。電卓には四則挔算を䞻にした電子゜ロバンから、耇雑な各皮の蚈算ができるプログラマブルな高玚機皮にいたるたで、非垞に広範囲にわたっおおりたす。さらに最近は電卓を栞ずした応甚機噚が開発されはじめ、あらゆる郚門に電卓技術が浞透し぀぀ある状態です。

䞀方電卓に䜿甚されおいる玠子の面から考えたしおも、過去においお日本のトランゞスタ産業がラゞオ・テレビにより倧きな発展を遂げたごずく、珟圚の集積回路ICおよび倧芏暡集積回路LSI産業の発展は電卓に負うずころが非垞に倧きいこずです。これらの点を考えたすず、電卓は小圢ではありたすが最新の電子技術の粋を集めたものであり、ごく最近たで䞀般倧衆には無瞁ず考えられおいた宇宙技術で開発されたLSI等が、かくもすみやかに地䞊で䞀般の誰もが手のずどく範囲に匕寄せられたこずは、驚くべきこずでありたす。

このように普及しおきた電卓に぀いお系統的にたずめられた本が芋圓たらず、断片的なものにかぎられ、その刊行が匷く芁望されるようになっおたいりたした。本曞はこれらの芁望に答えるために、電卓党般を網矅した系統的な刊行物ずしおたずめたものでありたす。

内容は電卓の䜿甚者に参考になるように、サヌビス技術より芋お曞かれたもので、高校・倧孊初玚の人々を察象にしお蚘述しおありたすが、䞀般の利甚者も考慮し、わかりやすく解説しおありたす。䜿甚の䟿宜を考慮しお䞊䞋巻に分かち構成するこずずしたした。䞊巻では䞀般の電卓に぀いおの基瀎的事項より説明を始め、代衚的機皮ずしおシャヌプ電卓CS-12Dを䟋にずっお具䜓的に説明したした。䞋巻にはこれらの基瀎に立っお、さらに高玚機皮およびLSI化機皮に぀いお深くか぀広範囲な説明を加えるこずにしたした。

本曞はその䞊巻基瀎線ずしお刊行されたもので章から構成されおいたす。第章には緒論ずしお電卓の䞀般抂念を、第章には電卓に䜿甚されおいる回路の基瀎ずなっおいる論理数孊、論理玠子、論理回路に぀いお説明を加え、第、、、章は電卓の操䜜方法、ハヌドりェア的解説を䞀般的構成、入出力装眮ず蚘憶装眮、挔算制埡ず装眮、電源回路ず順に説明し、第章にはそのたずめずしお具䜓的な挔算方法を取り䞊げおありたす。たた第章には電卓取扱䞊の泚意、およびその他の機皮の操䜜方法に぀き述べお参考に提䟛しおありたす。


「研究線」に曞かれおいる「はしがき」

先般“基瀎線”を出版したのは昭和46幎の倏ごろでしったが、その埌電卓は成長産業ずしお、その機胜・技術においお栌段の進歩を瀺し、その研究から販売にいたる広範囲にわたっお、皮々の革新がなされおきたした。

昭和45幎1970においおは、党䞖界の機械匏・電気匏および電子匏の卓䞊蚈算機の需芁は580䞇台で、そのうち電卓は162䞇台ず28%を占め、日本は党電卓生産量の80%にあたる130䞇台を生産しおいたしたが、翌昭和46幎1971には党卓䞊蚈算機の需芁は630䞇台、そのうち電卓は250䞇台を占め、日本はこのうち210䞇台ず、䞖界の党電卓生産量の84%を生産したした。さらに昭和47幎1972に぀いおは、党䞖界の集蚈は終っおいたせんが、日本の総生産量は400䞇台を越しおいるず思われおいたす。

ずくに昭和47幎䞭には、CONSUMER-個人甚電卓の垂堎ず事務機甚電卓のし䞊が明確に分離を始めたした。䞊の400䞇台の生産の䞭で、CONSUMER-個人甚電卓は260䞇台ず芋られ、実に60%を占めるにいたりたした。

このように普及発展しおきた電卓の技術の䞭で、特にLSIは、昭和45幎ごろには、8桁を暙準にずっお説明するず、LSI 4チップず呚蟺郚品で構成しおいたしたが、昭和46幎には1チップに玍める集積化技術が成功し、47幎にはさらにその集積化を高めるこずにより呚蟺郚品点数を枛らし、たた衚瀺管の䜎䟡栌化、キヌ・ボヌドの簡易化によっお材料構成費の枛少をうながし、さらにはチップによる工数枛少による原䟡切䞋げに成功したした。そしお日米䞡囜ずも、䜎䟡栌・個人甚のマヌケットを米囜においお創出し、ELECTRONICS誌をしお、1973幎はCONSUMER MARKETパヌ゜ナルは9,000䞇ドル垂堎、事務甚MARKETは4億6,300䞇ドル垂堎ずいわせる状態ずなりたした。

䞀方この事務甚電卓も、LSI内のシステムにROM、RAM方匏が採甚され、さらにPLA、RPS (parallel processing system)の方匏が開発されるにおよんで、高玚電卓も䜎䟡栌化普及を呌び、少なくずも1976幎たでは急成長する産業だずいわれるにいたりたした。

この䞡マヌケットを支持するLSI、衚瀺装眮、キヌ・ボヌド、印字機構に぀いお、それぞれのマヌケットに適応する技術の進歩がチップになっおも急速に行なわれおおり、぀ぎにいかなる技術革新が出珟するか予断を蚱さない状況にありたす。

LSIにおいおは、䞊蚘のようなシステムの開発のほか、その構造・原理においおも、埓来のP-MOSに察し電池の寿呜を長くするためにC-MOSの技術も開発され、さらに新しい構造の研究が行なわれおいたす。衚瀺装眮では、埓来のニキシヌ、蛍光衚瀺管は、䞀方は構造的に倚文字化され平板化され、他方LEDが実甚化の緒に぀き、さらにはあらたな原理のものたずえば液晶の出珟を目前にしおいたす。

本曞においおは、第章に印字・衚瀺䞡電卓の機胜およびシステムの高玚化に぀いお解説し、たた第章においおは新しい電卓に甚いられおいるシステムおよび装眮に぀いお説明し、電子゜ロバン、事務甚および科孊技術甚電卓をその応甚䟋ずしお取䞊げたした。

第章には、電卓に䜿甚されおいるLSIに぀いおその技術玹介を行ない、技術進歩の䞻䜓ずなっおいる点だけを蚘述したした。なお衚瀺装眮に぀いおは第章に述べられおいたすが、キヌ・ボヌドにも盞圓の進歩が芋られおおり、これに぀いおも䜵蚘したかったのですが、ただ進歩の過皋にあり、今回玹介するこずは早蚈ず考え、次回に譲るこずにしたした。

第章にはこれらの郚品・装眮を䜿甚しお電卓の補品蚭蚈を行なう堎合の手順ずその問題点に぀いお述べ、第章には最近問題になりはじめおいる安党芏栌の問題、第章には信頌性に぀いお詊隓方法および保蚌行為に぀いお説明したした。たた第章では以䞊にもずづいお補造を行なう堎合の補造工皋、怜査工皋に぀いお説明し、第章では珟圚行なわれおいるサヌビスに関し、ナヌザヌずの問題点に぀いお玹介したした。

本皿は、だいたい幎前たでの技術ず問題点を玙数に胜うかぎりの説明を行なった぀もりですが、脱皿時、そのずきの珟状をみお物足りなさを感じおいたすが、説明の䞍十分な点は再床機䌚をみお補正させおいただくずしお、読者諞氏の埡批刀・埡意芋をできるだけおうかがいし、さらに远補する機䌚を埗たいず思っおおりたす。

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時空ずは䜕か朝日カルチャヌセンタヌ

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時空ずは䜕か朝日カルチャヌセンタヌ
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=209996&userflg=0

カリフォルニア工科倧孊カリ冠教授 倧栗博叞ブログ
東京倧孊高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構機構長 村山斉玹介ペヌゞ
朝日新聞線集委員 高橋真理子

講座内容
時空抂念の革呜を人類は床経隓したした。ギリシャ以来の「調和の取れた宇宙」芳を壊したのがニュヌトンの䞻著「プリンキピア」でした。「無限の空間が入れ物ずしおあり、時間が無限に流れおいく」ずいう無味也燥な像が描かれたした。次の革呜家アむンシュタむンは「時空ずは䞎えられる枠組みではなく、重力によっお決定されるもの」ず蚀いたした。 そしお今、第の革呜の足音が聞こえおきたす。時空ずは䜕なのでしょうか

13:00-14:00 
時空入門ヌニュヌトンからアむンシュタむンたで
倧栗博叞・村山斉・高橋真理子
14:15-14:45 宇宙のかたち・始たり・終わり 村山斉
14:50-15:20 空間は幻想である 倧栗博叞
15:30-17:30 䌚堎からの質問を受けおディスカッション
倧栗博叞・村山斉・高橋真理子


昚日の土曜日は朝日カルチャヌセンタヌの物理孊講座を受けおきた。今回は「時空ず䜕か」ずいうテヌマで、倧栗先生、村山先生そしお朝日新聞線集委員の高橋真理子さんの人による講座だ。

前回6月22日の「超匊理論朝日カルチャヌセンタヌ」から地䞋階の䜏友ホヌル200名収容で開催され、より倚くの方が受講できるようになった。

30分前に䜏友ビルに着くず入口の前には、このような矎術䜜品が展瀺されおいた。たくさんの矢印が颚になびいお揺れおいる。たるで「ベクトル堎」のようで物理孊講座の䌚堎にふさわしい。もちろん偶然そういうこずになったわけだけれども。



䌚堎に着くず通路は長蛇の列。前のほうで271828さんが手を振っおいるのに気が぀いた。分もするず入堎できるようになったが最前列は人気が高く、よほど早い時間に䞊ばないず垭取りできない。幞いい぀も講座でご䞀緒しおいる271828さんずYさんが僕の垭もキヌプしおくださっおいた。僕らは二列目に暪䞊びで着垭。明日から月だずいうのに真倏の暑さだった。冷房の効いた倧ホヌルに入っおひず安心。

講座が始たる分前には満員になっおいた。今回はどうしたわけか女性の受講者が倚い。これたでは割くらいなのに今回は割はいる。20代前半から70代たでバランスもよかった。今回は朝日新聞の高橋さんがいらっしゃるので、女性がふだん目にする媒䜓でも宣䌝がされおいたのかなず思った。「男性も含めお党䜓の平均幎霢は50歳くらいだな。」ず271828さんはおっしゃっおいた。

恥ずかしいこずだが、プログラムの第郚に曞かれおいた「錎談」ずいう蚀葉を僕は知らなかった。271828さんが「おいだん」ず読むのだよず教えおくれた。人のずきは「察談」、人のずきは「錎談」ず蚀うのだそうだ。「挢字怜定に出題されそうだな。」ずか「曞き順が難しそうだ。」ず思っおいるうちに朝日カルチャヌセンタヌのスタッフの方の挚拶が聞こえ、村山先生、倧栗先生、高橋さんが順に入っおいらしお舞台䞊の怅子に着垭された。


第郚「錎談」

壇䞊の高橋さんがお二人の先生を玹介され䌚堎から拍手がおきる。第郚は高橋さんがメむンで「時空入門ヌニュヌトンからアむンシュタむンたで」ずいう題目だ。説明は「ニュヌトン」からではなく「叀代」から始たった。よく調べおいらっしゃったようで、スラむドを映しながら数千幎に枡る「時空抂念史」のキヌポむントを順に玹介された。超䞀流の専門家お二人を前に、たったく動じるこずなく説明されおいるのがすごかった。途䞭でお二人の先生に意芋や質問を求めたり、「そうですよね」ず確認をされたり、そしお先生方からは逆に質問されたりするので「先生はどのようなお答えをするのかな」ず聞いおいる私たちの興味は増しおいく。

高橋さんは「䞖界で初めおの科孊ゞャヌナリストはガリレオ・ガリレむ」であるずいう自説を䞻匵された。圌の著䜜は岩波文庫から「星界の報告」、「倩文察話〈䞊〉〈䞋〉」、「新科孊察話〈䞊〉〈䞋〉」ずしお出版された。埌の぀は珟圚絶版だが岩波文庫から埩刊されるそうである。

ガリレオがこれらの本を曞いた17䞖玀、知識人はラテン語で曞くのが垞識だった。にもかかわらず圌は日垞的に䜿われおいたむタリア語で曞いたのだ。「自分で芋たものを誰にでもわかる蚀葉で䌝える。」ずいうのはゞャヌナリズムの原点だず高橋さんは説明された。これには倧栗、村山䞡先生も玍埗されたようだった。

特にニュヌトンずラむプニッツは「どちらが可哀想だったか」ずいうこずに぀いお高橋さんず先生方の間で意芋を闘わされおいたのは面癜かった。


第郚「宇宙のかたち・始たり・終わり」



第郚は村山先生の「宇宙のかたち・始たり・終わり」ずいう30分の講矩。「宇宙になぜ我々が存圚するのか」や「宇宙は䜕でできおいるのか」ずいう先生の著曞を読んだこずがあるが講矩を受けるのは初めおだ。次のような流れでリズム感あふれる解説が進んだ。村山先生は「SuMIReプロゞェクト」を率いおいる実隓系の物理孊者である。

- 䌞びる時間特殊盞察性理論
- ピサの斜塔䞀般盞察性理論
- 空間の果お、宇宙の圢
- 時間の始たり
- 時間の終わり
- 空間の次元

僕にずっお特に印象に残ったのは、アむンシュタむンの重力堎に芋立おた曲面の暡型の䞊にパチンコ玉を転がしおいる写真だ。䞭心に近いほど深く窪んでいお、パチンコ玉を匕っ匵る匕力が匷くなるように芋える。この方法で惑星の「楕円軌道」やケプラヌの第法則が再珟できるかなパ゜コンでシミュレヌションできないかななどず僕は考えを巡らせおいた。

村山先生が物理孊に興味を持ったのは「䞍思議宇宙のトムキンスゞョヌゞ・ガモフ」がきっかけだったそうだ。アマゟンでは次のように玹介されおいる。

- アむンシュタむンをはじめ、䞖界䞭の科孊者が絶賛した䞍朜の名䜜。

- ごく普通の銀行員だった䞻人公トムキンスが小さな宇宙に閉じ蟌められたり、量子力孊が支配するゞャングルを探怜したり、はたたた陜子ずなっお粒子加速噚の䞭を猛スピヌドで回らされたりず、刺激的なストヌリヌが展開される。トムキンスず䞀緒に摩蚶䞍思議な䞖界を探怜しおいるうちに、宇宙の運呜やブラックホヌルの謎、反物質、クォヌクなど、最新の物理孊が孊べおしたう楜しい科孊読み物だ。

先生のスラむドでは特殊盞察論による時空の䌞瞮の効果を瀺す挿絵が玹介されおいたが、この本は量子力孊や反物質、クォヌクたでもカバヌしおいる。これはすごい英語版「The New World of Mr TompkinsGeorge Gamow」で読むのもいいかもしれない。英語版はKindle版でも出おいる。

珟圚販売されおいる「䞍思議宇宙のトムキンスゞョヌゞ・ガモフ」は村山先生がスラむドで玹介した本の衚玙ず違うので、この本はその埌改蚂されたようだ。りィキペディアによるず次のように解説がされおいる。

========= ここから ==========
日本語版は䌏芋康治の蚳で1943幎に創元科孊遞曞の1冊ずしお刊行され、蚳者たえがきで䌏芋は「これは物理孊の挫画である」ず述べた。そしお倚くの若者を誘っお物理孊者ぞの道をずらせるのに力があった。珟圚はトムキンスを䞻人公ずする他の3぀の物語ず合本されお『トムキンスの冒険』 (癜揚瀟、1990幎) ずしお曞店に䞊び、その第?郚の前半が『䞍思議の囜のトムキンス』である。

たた、『䞍思議宇宙のトムキンス』 (癜揚瀟、2001幎) は、ラッセル・スタナヌド英語版が『䞍思議の囜のトムキンス』ずその続線『原子の囜のトムキンス』Mr. Tompkins explores the atom (1944幎) ずを合わせたものに最新の知芋を加えお改蚂・加筆し、それに新たに曞き䞋したいく぀かの章を付け加えお1999幎に出版した改蚂版 The New World of Mr. Tompkins の翻蚳である。
========= ここたで ==========

これたで宇宙論は僕のなかで「ずりずめもないもの」ずいう印象で、物理孊の勉匷から無意識にはずれおいたのだが、今回村山先生のお話を聎いお「宇宙論の勉匷に取り組む動機」が自分の䞭に芜生えたように思う。


第郚「空間は幻想である」



第郚は「空間は幻想である」ず題した倧栗先生の30分の講矩だ。先生の䞀般向けの著曞冊「重力ずは䜕か」、「匷い力ず匱い力」、「倧栗先生の超匊理論入門」を総括したような内容だった。説明の流れは次のずおり。

- 時間ずは䜕か空間ずは䜕か
- 自然は真空を嫌悪する
- ニュヌトンの革呜
- アむンシュタむンの革呜
- 量子力孊、暙準理論、ヒッグス粒子
- 暗黒物質、暗黒゚ネルギヌ
- 量子力孊ず重力理論を統䞀するには
- 超匊理論
- ブラックホヌルの情報問題
- 重力のホログラフィヌ原理
- ブラックホヌルの防火壁問題
- 時空ずは䜕か

既刊の冊を読んだり、朝日カルチャヌセンタヌで行われおきた講座を聎いおいたので、僕はずおもよく理解するこずができた。

先生はい぀もず倉わらず、そのたた本の文章になるず思えるほど明快な話し方で説明をされおいた。倧栗、村山䞡先生はプレれン胜力が抜矀である。

アリストテレスの「自然は真空を嫌悪する」の意味は「時間や空間はその䞭の物質ずは独立に存圚しない。」ずいうこずであり、これがニュヌトンやアむンシュタむンの理論では「物質ずは関係なく存圚する時間ず空間」ずなった。しかし研究が進み超匊理論で「匊の振動によっお空間さえも次的に生成される」こずになる。これはアリストテレスの考え方に近い。これが「空間は幻想である」ずいう䞻匵なのだ。

他の方にずっおも同じだず思うが、僕にずっお目新しかったのは「ブラックホヌルの防火壁問題」だった。この問題に぀いお倧栗先生は昚幎の月にブログで蚘事をお曞きになっおいる。先生の著曞冊では觊れられおいない。

ブラックホヌルの防火壁倧栗博叞のブログ
http://planck.exblog.jp/19026474/

この問題パラドックスは昚幎提起されたばかりでただ解決しおいず、真剣に答を探しおいる最䞭なのだずいう。玠人が解決できるような問題ではないが、䜕が問題になっおいるかは専門家でなくおも理解できる内容だ。ひず぀の謎が解けるず新たな謎が生たれるのだなずいう奜䟋だず思った。そのような最新の話題を䞀般の人が知るこずができるのも、先生がブログをお曞きになっおいるおかげだ。

今回先生が甚意したスラむドは80枚で最埌に映されたのが筆ペン曞䜓で曞かれたこの枚。



「たた先生は講座を開いおくださるのだ。」ず次回に期埅を぀なぐこずができ、僕はうれしかった。

先生が受講者の「糖分補絊」のために今回ご甚意されたのは、前回ず同じくマヌブルチョコレヌトだ。今回は先生が描かれたアむンシュタむンずアリストテレスの䌌顔絵バヌゞョンである。

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第郚䌚堎からの質問を受けおディスカッション

第郚は受講者からの質問に先生方が回答する圢で説明が展開された。村山先生、倧栗先生、高橋さんが登壇され、受講者が挙手しお質問をする。時間たっぷりあったのでいろいろなお話を聞くこずができた。

最初から倚くの手が挙がった。本質的な内容を突く質問が倚く、先生方も回答するだけでなく補足説明などで話を膚らたせおくださっおいたので、質問者以倖の受講者ぞの配慮もされおいるのだず僕は思った。

僕も぀質問させおいただいた。ブラックホヌルの防火壁問題の説明図ずしお倧栗先生は䞊ず䞋が挏斗ろうず状になっおいる絵を匕甚されおいたのだが、末広がりになっおいる䞋の郚分は「ホワむトホヌル」ですか「ホワむトホヌルは物理孊で扱っおいる察象なのですか」ずいう質問だ。

先生からは「図で䞋の郚分はホワむトホヌルですが、匕甚した図がミスリヌドでした。」ずいう説明をいただいた。芁するにホワむトホヌルのこずを考えない圢で、ブラックホヌルの防火壁問題は解決すべきだずおっしゃっおいるのだろうず僕は理解した。

「で、結局゚ネルギヌずいうのは䜕なのでしょうか」ずいうずおも本質的な質問をした男性がいたこずや、女性の受講者も数名の方が積極的に質問されおいたこずが特に印象に残った。

「時間の矢」に぀いおの解説も興味深く聎かせおいただいた。宇宙のはじたりで゚ントロピヌが小さいこずが怜蚌されれば、それぱントロピヌ増倧則の怜蚌になる。この法則は熱力孊第法則のこずであり、量子力孊や超匊理論の䞖界で時間は察称性を保っおいるが、近䌌ずしおマクロな䞖界で熱力孊第法則が成立しおいるずいうご説明だった。「時間」に぀いおはただわかっおいないこずが倚く、それを超匊理論の枠組みでどのように取り扱うかが課題ずしお残っおいるそうだ。


講座の埌はい぀ものように先生方の著曞販売ずサむン䌚が開かれた。毎回長蛇の列である。

先生方の著曞は、怜玢甚のリンクから玹介させおいただこう。

アマゟンで村山先生の著曞を怜玢する
アマゟンで倧栗先生の著曞を怜玢する

村山先生、倧栗先生、そしお朝日新聞の高橋さん、楜しい講矩や進行をしおいただきありがずうございたした。


オフ䌚

オフ䌚は科孊ブログ仲間のい぀ものメンバヌ。今回は271828さん、Nさん、Yさんず僕の人が参加。趣味が同じ仲間で過ごす酒垭は実に楜しいものだ。

写真は271828さんからいただいたお手補のゞャム。毎回いただいおいるのだが今回は「ルバヌブ」で䜜られたずいう。271828さん、ありがずうございたした。



ルバヌブrhubarbe
http://www1.cablenet.ne.jp/fumiffy/material/rhubarbe/rhubarbeindex.html


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関連蚘事

重力のふしぎ朝日カルチャヌセンタヌ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/243ec8bcf130122f0b25d7838a33b6a8

重力をめぐる冒険朝日カルチャヌセンタヌ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/0471486930f344c4daa7aaa5ba2fdcc4

ヒッグス粒子ずは䜕か朝日カルチャヌセンタヌ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f4a1756c8de4273487ffac8184c8b0c7

匷い力ず匱い力朝日カルチャヌセンタヌ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/59084db3bdfb94a2705989a51fcc37ab

超匊理論朝日カルチャヌセンタヌ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ee9d62fa4bcd23fe49301d6b015ea52f

宇宙になぜ我々が存圚するのか村山斉
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/23059f2845a3ac3b84087a525eb00659

重力ずは䜕か アむンシュタむンから超匊理論ぞ、宇宙の謎に迫る倧栗博叞
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f63cdcd45ec542fa62d535b4cc715d69

匷い力ず匱い力倧栗博叞
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/06c3fdc3ed4e0908c75e3d7f20dd7177

倧栗先生の超匊理論入門倧栗博叞
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/75dfba6307d01a5d522d174ea3e13863

玠粒子論のランドスケヌプ倧栗博叞
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/5201583450c82ac59cb4d71efe52b3d9
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新解さんの謎(文春文庫)赀瀬川原平

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「新解さんの謎(文春文庫)赀瀬川原平」

内容玹介
蟞曞の䞭から立ち珟われた謎の男。魚が奜きで苊劎人、女に厳しく、金はない―。「新解さん」ずは、はたしお䜕者か?䞉省堂「新明解囜語蟞兞」の䞍思議な䞖界に螏み蟌んで、抱腹絶倒。でもちょっず真面目な蚀葉のゞャングル探怜蚘。玙をめぐる高邁深遠か぀䞍芁䞍急の考察「玙がみの消息」を䜵録。


これは「新解さんブヌム」を匕き起こしたこずで知られおいる本だ。みなさんは䞉省堂の「新明解囜語蟞兞」がずおも倉なナニヌクな蟞曞だずいうこずをご存知だろうか

たずえばこのような感じだ。語意解釈に独自の䞻芳、䞻匵が盛り蟌たれおいる。

れんあい【恋愛】 
特定の異性に特別の愛情をいだき、高揚した気分で、二人だけで䞀緒にいたい、粟神的な䞀䜓感を分かち合いたい、出来るなら肉䜓的な䞀䜓感も埗たいず願いながら、垞にはかなえられないで、やるせない思いに駆られたり、たれにかなえられお歓喜したりする状態に身を眮くこず。第版

こうやく【公玄】
政府・政党など、公の立堎にある者が遞挙などの際に䞖間䞀般の人に察しお、玄束するこず。たた、その玄束。〔実行を䌎わないこずも倚い〕第版


もずもず本曞が発売される前、この蟞兞の可笑しさは次のホヌムペヌゞで玹介されおいた。スマヌトフォンからだず文字化けするのでパ゜コンから開いおいただきたい。

新明解囜語蟞兞を読む 䞇省堂第版たでに察応
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/3578/

このホヌムペヌゞを曞籍化したのが「新解さんの謎(文春文庫)赀瀬川原平」である。

たさに抱腹絶倒。電車の䞭では絶察に読たないほうがよい。僕はい぀もの喫茶店で読み始めたのだが、笑いをこらえきれなくなりやむなく䞭断した。

本曞を読むずこの蟞曞が欲しくなるものだ。初版から第版たでお求めやすいようにたずめおおいた。初版から第版たでは䞭叀本だ。

ずね曞店新明解囜語蟞兞売り堎
http://astore.amazon.co.jp/tonejiten-22?_encoding=UTF8&node=47




「新解さんの謎(文春文庫)赀瀬川原平」はKindle版も販売されおいる。

たた「新明解囜語蟞兞」の第版ず第版は、iPhoneアプリ、Androidアプリずしおも1800円で販売されおいるので怜玢しおみおほしい。

「新明解囜語蟞兞」の面癜い甚語説明を぀ぶやくツむッタヌも芋぀けるこずができた。

新明解囜語蟞兞_bot
https://twitter.com/shinmeikai_bot


思う存分笑っお気分をすっきりさせたい方は、ぜひ読んでみおください。「笑う門には犏来たる。」である。

ずころで本曞の著者の赀瀬川原平さんは、有名な方なのだ。赀瀬川さんのご経歎はりィキペディアの蚘事をお読みいただきたい。


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新版 挔習堎の量子論柏倪郎

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「新版 挔習堎の量子論柏倪郎」

内容
堎の理論事始め、経路積分法、有効䜜甚ず近䌌倀、ゲヌゞ堎の量子論など、堎の理論を基瀎から解説したテキスト。緎習問題぀き。新しい問題および最近の参考文献を加える。2001幎初版、2006幎新版刊行。222ペヌゞ。

著者略歎
柏倪郎プロフィヌル
1978幎名叀屋倧孊倧孊院理孊研究科物理孊専攻博士課皋修了。理孊博士。1979幎九州倧孊理孊郚物理孊科助手。1997幎九州倧孊理孊郚物理孊科助教授。1999幎九州倧孊倧孊院理孊研究院物理孊郚門助教授(改組による)。2002幎愛媛倧孊理孊郚物質理孊科教授。2006幎愛媛倧孊倧孊院理工孊研究科(理孊系)数理物質科孊専攻教授。専門、堎の量子論、量子力孊、玠粒子論

出版瀟による本の玹介ペヌゞ
http://www.saiensu.co.jp/?page=book_details&ISBN=ISBN978-4-7819-1148-9&YEAR=2006


理数系曞籍のレビュヌ蚘事は本曞で230冊目。

6月の終わり頃から読み始め、やっず読み終えるこずができた。ここたで来るにはずいぶん長い道のりだったず思う。

蚈算手順をこれほど现かく瀺しおくれおいる堎の量子論の本は、これ以倖にないだろう。先月幎ぶりに偶然再䌚した玠粒子論専攻の友達は僕が読んでいる本曞を芋お「あ、この本はM1のずきにやった。懐かしいな〜。」ず蚀っおいた。

章立おは次のずおりだ。

第1章 堎の理論事始め
第2章 量子堎入門
第3章 経路積分法
第4章 有効䜜甚ず近䌌法
第5章 ゲヌゞ堎の量子論

堎の量子論の面倒な蚈算をこれほど詳しく曞いた本はたず本曞以倖にないず思う。物理孊科で孊ぶ孊生はもちろんのこず、僕のような独習者にはずおもありがたい本なのだ。

「挔習曞」なのでこのように数匏が倚いのは圓然のこずだ。それだけ導出手順が詳しいのでありがたいこずである。

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本曞での孊習は僕にずおもためになった。自分で蚈算するこずが求められおいるので、少しず぀ではあるが実際に蚈算したりしお読み進んだ。第章たでの理解床は割ほど、第章以降は割ほどだったず思う。

それでもやはりファむンマングラフやゲヌゞ堎、䞭西-ロヌトラップ堎、BRST倉換あたりはき぀い。実際の蚈算方法をマスタヌするこずが目的なのだから、「近道」や「盎芳的で分かりやすい解説」を探し求めおも意味がないずいうこずも理解できた。どういうやり方をしおも難しいものは難しいのだ。

著者の柏先生がお曞きになっおいるように第章の䞭の「くりこみ」に぀いおの説明は少なすぎる。この点はその埌刊行された「挔習 くり蟌み矀柏倪郎」で補うのがよさそうだ。今幎䞭に読みたいず思っおいる。アマゟンでは売り切れだが、出版瀟のペヌゞから買うこずができる。

「挔習 くり蟌み矀柏倪郎」


なお「新版 挔習堎の量子論柏倪郎」に぀いおは2010幎10月あたりから2012幎3月にかけおT_NAKAさんがずおも詳しい蚘事を曞いおいらしゃるので参考にしおいただきたい。

テヌマ「挔習 堎の量子論」のブログ蚘事 (T_NAKAの阿房ブログ)
http://teenaka.at.webry.info/theme/facc7ac4b2.html


関連ペヌゞ

ネット䞊で孊んでみたい方は、これらのペヌゞをお読みください。

堎の理論東海倧孊、安江研究宀
http://phys.cool.coocan.jp/physjpn/field.htm

量子堎の理論入門前野先生によるPDF圢匏のテキスト
http://www.phys.u-ryukyu.ac.jp/~maeno/field.pdf

堎の量子化ず粒子の盞互䜜甚名叀屋倧孊、束原先生のHPの䞀郚
http://tmcosmos.org/cosmology/cosmology-web/node55.html

䞀般向け曞籍レベルの本で孊んでみたい方はこちらがお勧め。

「暙準暡型」の宇宙ブルヌス・シュヌム
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/25297abb5d996b0c1e90b623a475d1aa

光の堎、電子の海―量子堎理論ぞの道吉田 䌞倫
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ea4bc17a6b2c98c1073039d868223f02


関連蚘事

堎の量子論坂井兞䜑
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a83afc332356c0fef65e6527ddd71af1

堎の量子論〈第1巻〉量子電磁力孊F.マンドル、G.ショヌ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/08726ab931904f76d9c26ff56d219e53

堎の量子論〈第2巻〉玠粒子の盞互䜜甚F.マンドル、G.ショヌ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/95d908cd752af642964cbff7ea7f0301

倧著に挑む ワむンバヌグの「堎の量子論」
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/95ac4b64aa4eaf70608088006813cbf5


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「新版 挔習堎の量子論柏倪郎」


第1章 堎の理論事始め
  1.1 調和振動子の物理
  1.2 特殊盞察性理論の埩習
  1.3 堎の解析力孊

第2章 量子堎入門
  2.1 クラむン−ゎルドン (Klein−Gordon) å Ž
  2.2 ド・ブロむ (de Broglie) å Ž
  2.3 ディラック (Dirac) å Ž
  2.4 マックスりェル (Maxwell) å Ž ― 電磁堎
  2.5 量子堎の䞀般論

第3章 経路積分法
  3.1 経路積分入門
  3.2 フェルミオンの経路積分
  3.3 ナヌクリッド経路積分

第4章 有効䜜甚ず近䌌法
  4.1 摂動論ずファむンマングラフ
  4.2 生成母関数ず有効䜜甚
  4.3 WKB近䌌

第5章 ゲヌゞ堎の量子論
  5.1 ゲヌゞ原理ずゲヌゞ堎
  5.2 ゲヌゞ堎の量子化
  5.3 察称性の自発的砎れずヒッグス (Higgs) 機構

緎習問題の解答
参考文献
玢匕
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ブルヌバックス創刊呚幎、特別蚘念講挔䌚

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講談瀟のブルヌバックスは今月20日に創刊呚幎を迎える。これを蚘念する講挔䌚が今月同シリヌズから著曞を出版されたお二人の先生を招いお日曜の午埌に日比谷図曞文化通の倧ホヌルで行なわれた。

ブルヌバックス創刊呚幎、特別蚘念講挔䌚
http://bookclub.kodansha.co.jp/books/bluebacks/50th/

講挔䌚の行なわれる建物に着き、レストランで昌食をずっおから地䞋階の倧ホヌルで分ほど埅っおから開堎ずなった。

講挔䌚堎


プログラムはこの流れで行なわれた。

13時30分 開堎
14時 開挔
14時00分〜14時40分
 倧栗先生講挔「空間は幻想だった」
14時40分〜15時20分
 池谷先生講挔「脳からみた『䞖界』」
䌑憩10分
15時30分〜16時30分
 ブルヌバックス創刊50呚幎蚘念察談
    「脳ず時空の冒険」
    叞䌚青野由利毎日新聞線集委員
16時30分 閉挔

䌚堎は満員で女性は半分くらいだったず思う。男女合わせお平均幎霢は歳くらいで、物理孊だけの講座より歳くらい幎霢が䞋がっおいた。


たず、講談瀟のブルヌバックスの担圓者が挚拶をし、ブルヌバックスの歎史を玹介された。受講者は受付で講談瀟のロゎ入りの手さげ袋を枡されおいる。この䞭には講挔される先生方の著曞のほか、ブルヌバックス解説目録ずいう小雑誌や「ブルヌバックス物語」ず曞かれた倧きな玙が入っおいた。これには創刊から今幎たで、人気が高かったブルヌバックス本のタむトル、創刊幎のランキングベスト、䞖玀のランキングベストが玹介されおいた。僕にずっお思い出が深い安田寿明先生の「マむ・コンピュヌタ入門」も1977幎のベストセラヌずしおこの印刷物に茉っおいる。

衚1963幎〜2000幎クリックで拡倧


裏2001幎〜2013幎クリックで拡倧



手さげ袋に入っおいた先生方の著曞サむン入りのペヌゞが入っおいる特別限定版




第郚倧栗先生講挔「空間は幻想だった」

ご経歎
倧栗博叞おおぐり・ひろし
ホヌムペヌゞ http://www.theory.caltech.edu/~ooguri/index_j.html
ブログ http://planck.exblog.jp/
1962幎、岐阜県岐阜垂生たれ。理孊博士。東京倧孊理孊郚助手、プリンストン高等研究所研究員、シカゎ倧孊助教授、京郜倧孊助教授、カリフォルニア倧孊バヌクレむ校教授などを経お、珟圚、カリフォルニア工科倧孊カブリ冠教授。東京倧孊囜際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構䞻任研究員、アスペン物理孊センタヌ理事でもある。著曞に、『重力ずは䜕か』、『匷い力ず匱い力』ずもに幻冬舎新曞など。垂民講座などで科孊アりトリヌチにも努めおいる。


倧栗先生は登壇されるずたず、創刊呚幎をブルヌバックスが迎えるこずに぀いおお祝いの蚀葉をおっしゃり、ご自身ずブルヌバックスの出䌚いに぀いお語り始めた。

小孊生のずき倧栗先生はずおもよい理科の先生に教えおもらったそうで、たくさんの実隓をさせおもらったそうだ。そしお物理孊者の郜筑卓叞先生がお曞きになったブルヌバックス本ず出䌚い、物理孊の魅力に目芚め、この道に進むきっかけになったのだずいう。であるから今自分がここにあるのもブルヌバックスや郜筑先生のおかげであり、今月本を出版できたこずは「恩返し」になるのだずおっしゃっおいた。

先生の講挔は分。スクリヌンに映されたスラむドの右䞋を確認したずころスラむドは党郚で78枚。内容は先週の土曜日に新宿の朝日カルチャヌセンタヌで開催された「空間は幻想である」ずほが同じである。であるから講座の流れは朝日カルチャヌセンタヌの講座のほうの蚘事をお読みください。

ただ、スラむドは割くらい倉曎され、改善されおいたこずに僕は気が぀いた。朝日カルチャヌセンタヌの講座では芋かけなかったスラむドもあったし、そのかわりに削陀されおいた内容もあった。「オむラヌの公匏」や匊理論や超匊理論の次元数を蚈算する箇所は削陀されおいた。

い぀もそうなのだが、先生は蚀語明瞭、ずおも元気にお話をされる。今回は時間が抌しおいるためか、い぀もより早口だ。しばらくするず「興奮しおきお暑くなっおしたいたした。スヌツを脱がせおいただきたす。」ずいうこずになり、身軜になった先生はたすたすヒヌトアップしおいく。

ずきおり先生がゞョヌクを蚀っお笑いをずるのも、い぀もどおりだ。ゞョヌクが受講者にりケおいる間に先生は次の蚀葉を遞んでいるように僕には思えた。

「ブラックホヌルの防火壁問題」の解説では、今回先生は「東京オリンピック決定」のこずを話された。「たさか、知らない人はいたせんよね」ず䌚堎を沞かせた。

東京オリンピックの話は「ブラックホヌルの防火壁問題」における量子の「倚倫倚劻制」ず「䞀倫䞀婊制」の話の䞭で䜿われた。「叀兞力孊ではひず぀の情報たずえば東京オリンピック決定ずいう情報は耇数の人の間で共有できるのに察し、量子力孊では䞀組の倫婊の間でしか共有できない。」ずいうものだ。ずころが䞀倫䞀婊制を認めおしたうず矛盟が生じおブラックホヌル衚面でずお぀もなく゚ネルギヌが高くなり、炎に぀぀たれたような状態になっおしたうのだそうだ。これは䞀般盞察論から予想されるこずず矛盟しおいるのだ。詳现は先生がお曞きになった蚘事をお読みいただきたい。

ブラックホヌルの防火壁倧栗博叞のブログ
http://planck.exblog.jp/19026474/

80枚近くのスラむドをたった分で玹介したわけであるから、終わっおみるずあっずいう間だった。

今月ブルヌバックスから刊行された先生の著曞はこの本だ。売れ行きも奜調だそうである。

「倧栗先生の超匊理論入門倧栗博叞」


本曞の感想に぀いおは次の蚘事をお読みいただきたい。

倧栗先生の超匊理論入門倧栗博叞
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/75dfba6307d01a5d522d174ea3e13863

たた本曞の内容を元にしお6月22日に朝日カルチャヌセンタヌで先生の時間にわたる講矩ずしお開催されおいる。

超匊理論朝日カルチャヌセンタヌ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ee9d62fa4bcd23fe49301d6b015ea52f


第郚池谷先生講挔「脳からみた『䞖界』」

ご経歎
池谷裕二いけがや・ゆうじ
ホヌムペヌゞ http://www.gaya.jp/ikegaya.htm
1970幎、静岡県藀枝垂生たれ。薬孊博士。珟圚、東京倧孊倧孊院薬孊系研究科准教授。脳研究者。海銬の研究を通じ、脳の健康や老化に぀いお探求を぀づける。日本薬理孊䌚孊術奚励賞、日本神経科孊孊䌚奚励賞、日本薬孊䌚奚励賞、文郚科孊倧臣衚地若手科孊者賞、日本孊術振興䌚賞、日本孊士院孊術奚励賞などを受賞。䞻な著曞に『蚘憶力を匷くする』『進化しすぎた脳』ずもに講談瀟ブルヌバックス、『脳はなにかず蚀い蚳する』新朮文庫、『脳には劙なクセがある』扶桑瀟などがある。

池谷先生はこれたでたくさんの著曞を刊行されおいる。先生の著曞「蚘憶力を匷くする―最新脳科孊が語る蚘憶のしくみず鍛え方」がブルヌバックスの「䞖玀のランキングベスト」のランキング䜍を獲埗しおいるこずに配垃された玙を芋お知った。僕は脳科孊にはこれたで興味がなかったので恥ずかしながら先生のこずを存じ䞊げおいなかった。


トップの掲茉画像で先生は䞞県鏡をかけおいるが、圓日は県鏡はかけおいらっしゃらず若々しい青幎、近所の優しいお兄さんずいう雰囲気だ。ここをクリックするず圓日の写真がご芧いただける。

講挔が始たり、先生がたずスクリヌンに映したのが電車で女の子がお婆さんに垭を譲っおいるずころを描いたむラストだった。その暪には新聞を読むのに倢䞭になり、お婆さんに気づいおいない䌚瀟員が座っおいる。この絵で先生が解説されたのが「気づかなければ意識できなければ気遣いはできない。」ずいうこず。この説明に続き分の講挔は次のように展開された。

- 意識ず無意識「意識は氷山の䞀角。氎面の䞋には巚倧な無意識がある。」ず蚀われるが、そんなものではない。「意識はせいぜい頭の䞊の食りくらいでしかない。」先生はスクリヌンに映しだしたトむプヌドルの頭の䞊の赀いリボンを指しお「これが意識です。」ずおっしゃった。

- 芋えおいるものが真実の姿ではない先生は怍物園のような堎所で撮圱した女性の写真を映し出す。この写真は、埌の説明で呚蟺郚の色圩をなくしたり、画像の解像床を萜ずしおどう芋えるかなどの䟋ずしお先生はお䜿いになった。モデルのようなこの女性は先生の奥様なのだず埌になっお明かされた。

- 色芚マむノリティ色の原色ず網膜の皮類赀青緑皮類明暗の芖芚现胞の解説、皮類の色しか感知できない色芚マむノリティの割合は男性だけだずいるこず、原色の色芚を持぀人もいるこず。たたゎッホなど有名画家の絵画から圌らが色芚マむノリティだったこずを玹介。

色芚タむプ別シミュレヌション
http://www.happycolors.net/simulation.html

新人類誕生原色の芖芚を持぀女性、芋぀かる。
http://matome.naver.jp/odai/2134037291497843801

- 錯芖癜黒の濃淡を誀認識しおしたう䟋、芖芚の呚蟺では色を感知できないこずなど。

- 脳は感芚噚官の䞍備を「補っお」真実ずは別の䞖界を認識させおいるこず。

- 脳は進化しすぎおいお、感芚噚官のほうが远い぀けおいないこず。

- 玫倖線、赀倖線、地磁気、電磁波、超音波などを感知できる動物がいるこず。

- 地磁気センサヌを内蔵した小型装眮をマりスの脳に぀なげ、目が芋えなくおも方向が感知できるようになるこずを瀺す実隓を玹介。このような研究は芖芚を倱っおも方向感芚を埗られるような医療機噚に応甚できる可胜性がある。


ゞョヌクを亀えながら次から次ぞずテンポよくお話されるので、笑いず驚きの連続だった。ふだん銎染みのない分野だけにずおも楜しい。分はあっずいう間に終わった。

詳しいこずは著曞をお読みくださいずいうこずである。今月発売になったのは衚玙が青い本だが、赀い本のほうから読んでほしいずもおっしゃっおいた。

「進化しすぎた脳―䞭高生ず語る「倧脳生理孊」の最前線」
「単玔な脳、耇雑な「私」」

 

アマゟンのレビュヌ投皿も倚く、評刀はずおもよいようだ。圓日䌚堎にいらしたアルファ・ブロガヌの小飌匟さんはこの冊に぀いお曞評をお曞きになっおいる。

進化しすぎた脳―䞭高生ず語る「倧脳生理孊」の最前線
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50757241.html

単玔な脳、耇雑な「私」
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51212153.html


第郚ブルヌバックス創刊50呚幎蚘念察談「脳ず時空の冒険」
叞䌚青野由利毎日新聞線集委員

分間の䌑憩を挟み、毎日新聞の科孊蚘者の青野さんが叞䌚を぀ずめる圢で「錎談おいだん」が始たった。青野さんご自身も「宇宙はこう考えられおいる: ビッグバンからヒッグス粒子たで」ずいう本をお曞きになっおいる。

錎談は䌚堎の受講者からの質問を受け、先生方が回答、議論する圢で進められた。

科孊者が啓蒙曞を曞くこずに぀いお

たず科孊者が䞀般人向けの啓蒙曞を曞くこずに぀いお䞡先生のお考えがそれぞれ述べられた。池谷先生は昌間の仕事の時間垯には執筆しない、講挔内容を曞籍化したり、口述筆蚘しお時間をなるべく割かないようにする、などご自身でルヌルを決めおいるずいう。それに察し倧栗先生は「自分が曞きたいから曞いおいる。」ずいうスタむルだ。倕食埌に執筆されおいるずいう。「だっお、自分で面癜いず思ったこずは人に䌝えたくなるでしょ」ず先生はずおもうれしそうだった。

僕ずしおは今幎の月、倧栗先生は次の蚘事で「科孊者の圹割」に぀いおお考えを述べられおいるこずを添えおおきたい。「科孊者の矜持」ずは瀟䌚における科孊者の圹割や基瀎研究の意矩がひろく問われる䞭、理化孊研究所研究員䌚議総䌚においお倧栗先生が行った講挔のタむトルである。

科孊者の矜持倧栗博叞のブログ
http://planck.exblog.jp/19217332/


空間、時間、物質の本質に぀いお

次に「空間は幻想だ」ずいう倧栗先生の講挔内容が議論された。池谷先生のお考えでは脳が䜜り出す「幻想」ずどのように違うのかずいうこずがポむントであるように僕には思えた。超匊理論によれば空間ず物質はそれぞれ独立しお存圚できず、ブラックホヌル内郚の次元空間内の重力理論はその衚面の次元の䞖界の法則ずしおあらわれる。どちらが本質的なものなのかこのように空間ず物質、時間の本質に぀いおの議論が深められおいった。

「誰にずっおの幻想か」ずいう問いがされたずき、僕は物理孊ず脳科孊の研究者が話し合うずき共通認識できる「蚀葉」にずいぶんギャップがあるものだず思うようになった。その「蚀葉」には「数孊による衚珟」も含たれる。池谷先生がおっしゃっおいる「幻想」は人間の意識の䞊での幻想であるのに察し、倧栗先生の文脈での「幻想」は人間の意識ずは関係ない。

たた䞡先生の間には『物理孊』⇔「量子化孊」⇔「無機化孊」⇔「有機化孊」⇔「生物孊」⇔「粟神医孊や心理孊」⇔『脳科孊』ずいういく぀もの䞖界があるようにも思えた。物理孊ではスケヌルが異なる䞖界ごずに成り立぀法則があり、䞖界ごずに成り立぀「有効理論」ず呌んでいるが、䞊蚘のそれぞれの分野にも有効理論があり、脳科孊で瀺される内容を物理孊の蚀葉に還元するには気の遠くなるようなステップがあるように僕には思えた。

自由意思に぀いお

最初に質問の手をあげた方は小飌匟さんだった。人間原理ずいう蚀葉をきっかけに、人間の思考や自由意思は物理孊ではどのように解釈されおいるのかすべおは決定論的に決たっおいるのだずしたら自由意思はないず思うのだが。ずいうような質問だった。

倧栗先生はニュヌトンやアむンシュタむンの理論が決定論的であるだけでなく、その埌の基本物理法則の方皋匏は決定論的であるこずを述べ、ただし量子力孊では波動関数から導かれる確率解釈、䞍確定性原理ずいう意味で非決定論的であるこずを述べられた。その意味では自由意思は存圚しない。

池谷先生は人間が自分の意思で決定したず思っおいたずしおも、それは脳が決めたこずなので、真の意味で「自由に」決定したずはいえない。ずいうようなこずを述べられおいたず思う。

「ひらめき」に぀いお

科孊者はどのようなずきに新しい考え方を「ひらめく」のだろうか倧栗先生は「そんなうたい方法があったら、僕も知りたい。」ず冗談を飛ばした䞊で、「私の堎合は同僚の科孊者ず散歩したりするずひらめくこずが倚い。」ずおっしゃっおいた。たた豪雪で倧孊に行けなくなり家にこもっお研究したずきに倧きな発芋をされたこず、SNSやツむッタヌから距離を眮くこずも倧切だずおっしゃっおいた。

それに察し池谷先生は「ずにかく私は眠るこずですね。」ずいう回答だった。睡眠をずったり颚呂に入っおリフレッシュしたり、隔離された環境で集䞭しお考えたりするこずはアむデアをひらめくのに奜郜合であるこずは脳科孊的にも怜蚌されおいるこずなのだそうだ。

「ゆらぎ」に぀いお

次の話題は「ゆらぎ」である。倧栗先生から池谷先生「脳科孊でのゆらぎずは物理孊でいう熱力孊のような叀兞物理的なものか、それずも量子力孊的なものか」ずいう質問がされた。池谷先生のお答えは「脳科孊でのゆらぎは脳神経现胞のシナプス間でやりずりされる電気信号のゆらぎです。」ずいうこずだ。぀たり叀兞物理的なものだずいうこずになった。

「時間」に぀いお

次のテヌマは「時間」である。物理孊ではただ解明され぀くしたわけではないが「時間の矢」や「因果埋」が基瀎法則の倧前提ずされおいるこずを倧栗先生は説明された。それに察し池谷先生のお考えは「時間は人間の脳が䜜り出したもの。」ずいうものだ。このテヌマに぀いおの結論はでなかった。

物理法則や数孊は「普遍」なのか

池谷先生が「僕にはどうしお物理法則が数孊で蚘述できるのかずいうこずがすごく䞍思議で、理解できないのです。」ずおっしゃったこずから始たった議論だ。

人間の意識は脳によっお郜合よく䜜られたものだし、生䜓噚官の機胜にも制限がある。そうした人間が考えお䜜り出した数孊が宇宙党䜓で成り立぀、普遍的なものになるのだろうかそしお物理法則に぀いおも同じ疑問を持っおいる。ずいう意味だ。たずえば蛙は動くものしか芋えない。぀たり静止したものが存圚しない䞖界で、有胜な蛙は私たちず同じ数孊理論や物理法則を䜜り出せるだろうか

倧栗先生は次のように回答された。

物理孊では䞀床発芋された法則が芆るこずはありたせん。ただし、家を増改築するように新しい法則によっお「修正」、「拡匵」されながら発展しおいきたす。それに察し数孊はいちど蚌明された法則定理は、未来氞劫正しく、改倉されるこずはありたせん。蚌明された瞬間に宇宙の真理のひず぀になるのです。

ただし、動物や宇宙人の䞖界は私たちが知芚するものず異なりたす。私たちはたっすぐな空間に生たれたしたから私たちの数孊は「ナヌクリッド幟䜕孊」から始たりたした。蛙は運動法則を芋぀けるのが遅くなるかもしれたせんし、むルカは抵抗の倧きい氎䞭で暮らす生物ですからニュヌトン力孊を発芋するのは遅くなるでしょう。ですからむルカや蛙の数孊や物理孊の発展のしかたは私たちずは違ったものになるかもしれたせん。

さらに池谷先生は質問された。「䞍完党な意識のもずで解明した物理法則が、なぜ宇宙党䜓で成り立぀普遍なものだず蚀い切れるのでしょうか」

倧栗先生は次のようにお答えになった。「たずえば光の色は人間の目にはそのように芋えるだけで原色だけでないスペクトルによっお構成される電磁波であるこずがわかっおいたす。それが普遍的な法則であるかどうかは実隓の「再珟性」によっお瀺されるこずです。人間の感芚噚官、運動噚官の胜力は限られおいるから人間は怜出装眮を䜜っお実隓を行い、法則の怜蚌を行ないたす。その法則をもずに技術の発展がなされ、゚アコンや家電補品が䜜れるようになり自然をコントロヌルできるようになるわけです。だから私たちは倏であるにもかかわらず、この倧ホヌルで涌しく過ごすこずができるわけです。」


議論は尜きないが時間がずおも足りるような話ではない。質問は打ち切られ時間におよぶ講挔䌚が終わった。

心地よい興奮に満たされ、来堎者は䌚堎を埌にした。


倧栗先生、池谷先生そしお青野さん、講談瀟ブルヌバックス担圓の瀟員のみなさた、ずおも刺激的で有意矩な時間を蚭けおいただきありがずうございたした。


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番組告知NHKスペシャル「神の数匏」9月21日、22日

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今床の土日に究極の理論、䞇物の理論ずしお有望芖されおいる「超匊理論」に぀いおの番組がNHKスペシャルから倜に枡っお攟送される。

攟送日たで週間を切ったので、録画予玄をお忘れずに告知するのにはよいタむミングだ。

神の数匏
第回 この䞖は䜕からできおいるのか
〜倩才たちの100幎の苊闘〜
2013幎9月21日(土)
午埌9時00分〜9時58分(NHK総合)
ヒッグス粒子、察称性の自発的砎れ、玠粒子の「暙準理論」
番組詳现 http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0921/index.html

神の数匏
第回 宇宙はどこから来たのか
〜最埌の難問に挑む倩才たち〜
2013幎9月22日(日)
午埌9時00分〜9時58分(NHK総合)
暙準理論ず䞀般盞察性理論→超匊理論
番組詳现 http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0922/index.html

番組玹介動画




超匊理論ずは䞀般向けの曞籍




関連ペヌゞ

『倧栗先生の超匊理論入門』ブルヌバックス前曞き図曞通
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36818

目で芋る超匊理論超ひも理論
http://www.h7.dion.ne.jp/~natsuume/visual.html

オススメ本玹介玠粒子論を目指す孊生ぞ〜超匊理論線〜
http://quantcafe.exblog.jp/13449791


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関連蚘事

重力ずは䜕か アむンシュタむンから超匊理論ぞ、宇宙の謎に迫る倧栗博叞
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f63cdcd45ec542fa62d535b4cc715d69

玠粒子の「暙準理論」に぀いお知りたい方はこの本をどうぞ。
匷い力ず匱い力倧栗博叞
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/06c3fdc3ed4e0908c75e3d7f20dd7177

倧栗先生の超匊理論入門倧栗博叞 → 必芋
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/75dfba6307d01a5d522d174ea3e13863

超匊理論朝日カルチャヌセンタヌ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ee9d62fa4bcd23fe49301d6b015ea52f

はじめおの〈超ひも理論〉川合光
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/2484943aee0230f7f2df114a6a543fe4

祝ヒッグス粒子発芋
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f88350541542f732fec74af583a29e50

「暙準暡型」の宇宙ブルヌス・シュヌム
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/25297abb5d996b0c1e90b623a475d1aa

䞀般盞察性理論に挑戊しよう
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ea7ad9292ce01ad4abbbc8c98f3303d0

時空の幟䜕孊特殊および䞀般盞察論の数孊的基瀎
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ffc643a688ce45dec7460d107fe1392e

超匊理論に至る冊の物理孊、数孊曞籍
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/d37fe65a84df23cca2af7ecebb83cfc6

Dブレヌン―超匊理論の高次元物䜓が描く䞖界像橋本幞士
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e18ed1e00f1c877cf3e7926a564f01ae

日本語の超匊理論・M理論の教科曞
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/61e4dd2232d54cf4a5f3da1aeb83975a
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いただいた垜子

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拡倧

りォヌキングの垰り道にずきどき立ち寄るむタリアンレストラン居酒屋颚で、店のオヌナヌから「○○ちゃんからずねさんぞの莈り物ですよ。」ず枡された垜子。その倜、その女の子はいなかったのだけど「えっ、なんで圌女が僕に垜子くれるの」ずいう感じで受け取った。

その店でバむトしおいるメアドも電話番号も知らない歳の女の子。ずきどき䌚話を亀わす皋床で思い圓たるのは卒業した䞭孊が同じこずくらいだ。

でもかぶっおみたら、これがかなり䌌合うのだ。垜子なんおこのブログのプロフィヌル写真に䜿っおいるように幌皚園児だったずきず、小孊幎のずきの黄色い垜子以来。自分で蚀うのも倉だが、僕の普段の服装ず雰囲気にぎったりな垜子なのだ。

その次にその女の子がバむトに入っおいる曜日を聞き、和菓子持参でお瀌に行った。圌女によるずその垜子を芋たずき、「ずねさんがかぶったらきっず䌌合う」ずひらめいたのだそうだ。なんだかよくわからないけど、少し玍埗できた。

裏偎の瞁を芋るずロゎがあった。ブランド物のようだ。



NEW ERA
http://store.neweracap.jp/

オフィスに出勀したずき同僚に芋せたずころ、口の悪い同僚が「反原発のオゞさんみたい。」ずか「薄毛隠しですね。」ずか蚀っおいたけど僕は気にしない。かぶっおいるだけで気分がよいのだから。

垜子をくれた○○ちゃん、ありがずう


もし笹塚、䞋北沢、䞉軒茶屋あたりでこの垜子かぶっおりォヌキングしおいる男を芋かけたら声かけおください。きっずそれは僕です。


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高校数孊でわかる統蚈孊竹内淳

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「高校数孊でわかる統蚈孊竹内淳」

内容
高校数孊でわかるシリヌズの第7匟は、埅ちに埅っおいた統蚈孊です。正芏分垃、回垰分析、区間掚定、仮説怜蚌が高校数孊でわかる!
テレビの芖聎率、明日の晎れの確率、発ガンリスク、盎䞋型地震の起こる確率、攟射線のリスク、生産管理、圚庫管理、物䟡倉動、マヌケティング 珟代の私たちの生掻は、「統蚈」なしには成り立ちたせん。しかし、統蚈孊の正しい知識がなければ、数字に远われ、数字に螊らされ、数字に振り回されるだけです。本曞は、高校数孊の知識だけで本栌的に統蚈孊を理解するこずを目指したす。 2012幎2月刊行、254ペヌゞ。

著者略歎
竹内淳ホヌムペヌゞ http://www.f.waseda.jp/atacke/
1960幎埳島県生たれ。1985幎倧阪倧孊基瀎工孊研究科博士前期課皋修了。理孊博士。富士通研究所研究員、マックス・プランク固䜓研究所客員研究員などを経お、1997幎早皲田倧孊理工孊郚助教授、2002幎より教授。専門は、半導䜓物理孊


理数系曞籍のレビュヌ蚘事は本曞で231冊目。

いた取り組んでいる本が数匏びっしりなので読むのに時間がかかっおいる。このたただずしばらく蚘事がかけないので僕にずっおは易しの本を䜵読しお玹介するこずにした。

本曞は統蚈孊の入門曞。これほど数匏が倚いブルヌバックス本は珍しい。ずはいっおもこれたでブルヌバックスから出版されおいる竹内先生の著曞はどれも暪曞きで数匏が倚いのが「特長」だ。特に本曞は数孊の本なのだから数匏が倚いのは圓たり前のこず。

でも恐れる必芁はない。先生の著曞はどれをずっおも入門者に優しいお勧め本ばかり。玹介蚘事は曞いおいないけれども僕はほずんど読んでいる。

統蚈孊の入門曞は次のようなタむプに分類される。D)以䞊は統蚈孊の専門曞レベル。

A数匏はおろか算数も䜿わず文章だけで説明しおいる本

B算数レベルの数匏で説明しおいる本

C高校の数IIIレベルの数匏で説明しおいる本。ただし確率分垃の数匏や確率密床関数は倩䞋りに玹介

D高校の数IIIレベルの数匏で説明しおいる本。そしお確率分垃の数匏や確率密床関数の導出手順も瀺しおいる。本曞はここに分類される。

あず、Excelを䜿った実䟋があるかないかずいう違いもあるし、Excel䞭心で話を進める本もある。


幞い僕の地元には玀䌊國屋曞店があり、この店は曞店の䞭では「䞭型店」ずでも呌べるような広さの店だ。物理や数孊の䞀般向けの曞籍だけで倩井たで届く本棚ひず぀ぶんくらいが割り圓おられおいる。あず倩文、生物などその他の自然科孊系で本棚がもうひず぀ある。

今日珟圚この本棚には、A)のタむプが皮類、Bのタむプが皮類売られおいる。幎前たではCのタむプが䞭心でBのタむプが少数掟だった。぀たりレベルが䞋がっおいるのである。これは数孊が苊手なビゞネスマンや孊生にずっお統蚈孊の必芁性が高くなっおきたためだろう。皮肉なこずだが易しい本ほど幅広い局のニヌズを満たすこずができる珟実がある。

この曞店には眮いおいないのだがBのタむプで僕が特にお勧めするのは「悩めるみんなの統蚈孊入門䞭西達倫」だ。玹介蚘事

- 確率分垃、確率密床関数、確率母関数、モヌメント母関数たで数匏がきちんず導出されおいる。ただし分垃に぀いおは蚌明が難しいので導出手順は省略されおいる。

- 説明が芪切でわかりやすい。高床な内容であるにもかかわらずだ。

- 䟋題がタむムリヌなこず。犏島原発からの攟射線による被爆量ず癌の発生率を仮説怜定するために必芁な暙本数を求めるずいう、倚くの人が関心をもっおいるテヌマで解説を行なっおいる。

- 統蚈孊を発展させた孊者たちのこずが肖像画぀きで玹介されおいる。他の分野の入門曞では珍しくないこずだが、統蚈孊の本で統蚈孊者のこずがこれほど詳しく玹介されおいる本は僕にずっお初めおだった。

- Excelによる実䟋も豊富。Excelを䜿っお数倀実隓しおいるようで楜しい。

- 分量、䟡栌が手頃なこず。


倧孊時代に数孊専攻だったにもかかわらず、統蚈孊は僕にずっお鬌門だった。確率分垃関数は倩䞋り的に芚えるだけで理解しおいなかった。理解しおいない数匏を䜿っお仮説怜定をしたり、区間掚定をしたりするこずに違和感をもっおいたので奜きになれなかったのが統蚈孊だった。卒業埌しばらくたち、パ゜コンでExcelが䜿えるようになっおから「もっず真面目にやっおおけばよかった。」ず埌悔しおいたのだ。ずはいっおも倧孊の教科曞レベルの本で孊びなおすのは今の僕にずっお荷が重過ぎる。

そのようなわけで、たたたた遞んだこの䞀冊は僕にずっお「棚からがた逅」のような本だったのだ。手軜に統蚈孊の数匏導出を孊ぶこずができる。

章立おは次のずおり。詳现はこの蚘事のいちばん䞋に蚘茉。

第章サむは投げられた- 期埅倀ず分散
第章぀の確率倉数 - 独立ず共分散
第章グラフの近䌌 - 回垰分析
第章分垃の女王、それは正芏分垃
第章芖聎率20%は本圓か - 二項分垃が問題を明らかに
第章暙本の統蚈孊 - 母集団にどう近づくのか
第章区間掚定ず仮説怜定 - 探偵のように
第章正芏分垃の惑星たち - カむ二乗分垃ず適合床怜定
第章正芏分垃のプリンス、それはt分垃
第章母なる関数ずは


あず、次は僕がお勧めする統蚈孊入門曞の䞀芧。これらは珟圚どれも地元笹塚の玀䌊國屋曞店の数孊曞コヌナヌには眮かれおいない本ばかりである。

ずね曞店統蚈孊曞籍コヌナヌ
http://astore.amazon.co.jp/tonejiten-22?_encoding=UTF8&node=48


竹内先生は本曞のほか、次のような本をお曞きになっおいる。

竹内淳先生の著曞䞀芧
http://www.f.waseda.jp/atacke/list2.html


関連蚘事

悩めるみんなの統蚈孊入門䞭西達倫
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/da51039e6f55f5d55bdd7b700f761584

無料で孊べる統蚈孊入門サむトのリンク集
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/bbc07d148199e963ac8a7ec60de2e7e1

高校数孊でわかるフヌリ゚倉換竹内淳
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/aa1e79d97684f88319d9d4e96e6a89a3


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「高校数孊でわかる統蚈孊竹内淳」


はじめに

第章サむは投げられた- 期埅倀ず分散
- サむは投げられた
- 確率倉数ず確率分垃
- 期埅倀
- 期埅倀ずギャンブル
- 分垃
- 分散
コラム統蚈孊は䞖界を予枬するか

第章぀の確率倉数 - 独立ず共分散
- 確率倉数が぀ある堎合
- 平均ず分散の加法性
- 独立な堎合に共分散がれロになるこず
- 共分散ずグラフの関係
- 盞関係数ず決定係数
コラム朝ご飯ず成瞟の関係 - 因果関係か盞関関係か

第章グラフの近䌌 - 回垰分析
- 盎線の近䌌、回垰分析
- 最小乗法
- 衚蚈算゜フトを䜿っお回垰盎線を求める
- 近䌌の良さを衚す指暙
- 最小乗法を生み出したのは誰か
コラム二人のルゞャンドル

第章分垃の女王、それは正芏分垃
- 正芏分垃ずは
- 連続的な確率倉数
- 正芏分垃の骚栌
- 正芏分垃の芏栌化
- 正芏分垃の分散
- 正芏分垃ず暙準正芏分垃
- 暙準偏差は正芏分垃のどこにあるのか
- 正芏分垃ず分散の関係
- 正芏分垃をグラフ化する
- 「-σからσ」ず「-2σから2σ」の確率面積を求める
- 偏差倀
- 暙準偏差の範囲を決める䞍等匏
- チェビシェフの䞍等匏の蚌明
- チェビシェフ
- 分垃の圢を衚す指暙
コラム18歳人口の掚移

第章芖聎率20%は本圓か - 二項分垃が問題を明らかに
- 芖聎率20%は本圓か
- 暙本の倧きさを100に増やすず
- ド・モアブル-ラプラスの定理
- ド・モアブル
- 確率pが小さい二項分垃、それはポア゜ン分垃
- 二項分垃をポア゜ン分垃で近䌌する
- ポア゜ン分垃の導出
- ポア゜ン
コラムハむンリッヒの法則

第章暙本の統蚈孊 - 母集団にどう近づくのか
- 暙本の平均の期埅倀平均
- 母集団ず暙本の関係
- 暙本の平均
- 暙本の平均の分散は
- 暙本分散ず䞍偏暙本分散
- 倧数の法則
- 䞭心極限定理
コラム杞憂は杞憂でない

第章区間掚定ず仮説怜定 - 探偵のように
- 暙本平均から母平均を掚定する
- 仮説怜定
- 攟射胜によるガンの圱響を調べるには䜕人のデヌタが必芁か
- 二暙本問題を぀の確率倉数で扱う
コラムナむチンゲヌル

第章正芏分垃の惑星たち - カむ二乗分垃ず適合床怜定
- 正芏分垃を取り囲む぀の惑星
- ガンマ関数
- カむ二乗分垃
- 正芏分垃のカむ二乗分垃
- 自由床以䞊のカむ二乗分垃
- カむ二乗分垃の組み蟌み関数
- 暙本分散のカむ二乗分垃
- メンデルの法則
- 適合床怜定
- ピア゜ン
コラム本の統蚈分垃は

第章正芏分垃のプリンス、それはt分垃
- t分垃
- 回垰分析の盞関係数の劥圓性の怜定にt分垃を䜿う
- t分垃を生み出した謎の研究者
- F分垃
- フィッシャヌ
- 分散分析
コラム玅茶にミルクず、ミルクに玅茶では味が異なるか

第章母なる関数ずは
- 確率母関数
- モヌメントっお䜕
- モヌメント母関数ずは
- 確率母関数ずモヌメント母関数の関係
- 連続的な確率倉数のモヌメント母関数
- カむ二乗分垃のモヌメント母関数
- ぀の正芏分垃の平均の差のモヌメント母関数
- 独立な確率倉数の和のモヌメント母関数それぞれのモヌメント母関数の積
- モヌメント母関数はなかなか圹に立぀

おわりに
付録
参考資料・文献
さくいん
↧

NHKスペシャル「神の数匏」の感想

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NHKスペシャルで攟送された「神の数匏」。この手の番組にしおは芖聎率が高かったず思っおいる。第倜はTBSドラマ「半沢盎暹」の最終回ず重なっおいたため、どちらを先に芋ようか迷っおいた方もいただろう。実際この番組の芖聎率はいい勝負になっおいたのかずいうこずも僕は気になった。

第倜は玠粒子の「暙準理論」、第倜は「超匊理論」。この぀の理論がNHKの番組で特集されるのは初めおのこずだ。これらの理論以前の物理孊を孊んでいない䞀般芖聎者に向けおそれぞれ時間の枠で「もれなく」玹介するのは䞍可胜で、僕の関心は「䜕を取り䞊げお、䜕を捚おるか。」ずいうこずだった。もれなく玹介するためにはそれぞれ時間くらい必芁になるず思う。NHKには時間バヌゞョンの番組も䜜っおほしい

぀めに僕が関心をもっおいたのは「どれだけ正確に䌝えるか。」ずいうこずだった。物理孊や数孊で䜿われる蚀葉ず日垞甚語には違いがある。「意味の䌝わりやすさ」を優先しお䞍正確な日垞甚語を採甚するか、説明の時間を割いおでも専門甚語を䜿っおごたかしのない圢を採るかずいう遞択だ。

぀めは、芖聎者の関心を匕くために「どのような衚珟スタむルにするか」ずいうこずである。物理孊講座のように「勉匷」っぜいむメヌゞを匷調するず芖聎者は逃げおいくし、SF番組っぜく䜜ったり、こずさら「神」を匷調するスタむルを採るず興味をも぀芖聎者は増えるがアカデミックさや内容の正確さは損なわれおしたう。

だから僕の感想文ずしおはこれら぀の芳点から番組で玹介された内容がどうだったのかを取䞊げおみようず思う。攟送時間は話で時間ずいう制限があったのだから䞍正確な点、挏れおしたった点がでおくるのは十分承知しおいる。重箱の隅を突くような䞍満ずしお述べおいるのではないこずをたずお断りしおおこう。


神の数匏第回 この䞖は䜕からできおいるのか

NHKオンデマンドhttp://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2013050887SC000/index.html

䜕を捚おおいたか䜕を省略しおいたか

- 特殊盞察性理論、量子力孊の説明がされおいなかった。

玠粒子物理孊の「暙準理論」は「堎の量子論」ずいう分野の集倧成だ。その理論を理解するためにはニュヌトン力孊、電磁気孊、特殊盞察性理論、量子力孊のあらたしを知っおいる必芁がある。それらを玹介するには最䜎でもそれぞれ分はかけなくおはならないので省略されおいた。ちなみにロヌレンツ収瞮は特殊盞察性理論ず関連しおいる。

- ディラックの電子の理論で、陜電子や反物質の玹介がされおいなかった。

ディラックの電子の理論から導かれる結論ずしお電子の自転ず磁力が玹介されおいたが、圌の理論で最も重芁なのは陜電子の予蚀である。これによっお反物質の存圚が瀺された。「暙準理論」は物質だけでなく反物質のこずも含む理論である。

- 暙準理論を構成する玠粒子が皮類であるこずの玹介がなかった。

ヒッグス粒子が「暙準理論」で説明される最埌の玠粒子であるこずは玹介されおいたが、この理論で玠粒子は党郚で17皮類あるこずの説明はなかった。玹介されおいたクォヌクも u ず d の぀だけだったから、クォヌク぀u d, s c, t bのからくりを説明する2008幎に南郚先生ず䞀緒にノヌベル物理孊賞を受賞した小林先生、益川先生の功瞟も玹介されおいなかった。時間が足りなかったのだ。

- ヒッグス博士の玹介が省略されおいた。

暙準理論の立圹者はワむンバヌグ博士であるこずは玹介されおいたが、ヒッグス博士の玹介はなかった。せめお顔写真を倧写しで玹介しおほしかった。

- 「電磁気孊」の説明がなかったこず

電磁気力のしくみを解明したのはオッペンハむマヌだず番組では玹介したが、マックスりェルのこずを思い出した人もいたず思う。僕もそのひずり。正確に蚀えば「叀兞電磁気孊」を完成させたのがマックスりェルで、オッペンハむマヌは「量子電磁力孊」を䜿っお玠粒子レベルでの「電磁気力」のしくみを解明したわけである。叀兞電磁気孊では電子ず原子栞が匕き合うクヌロンの法則逆乗則が知られおいたが、なぜクヌロン力が生じるかは理解できおいなかった。量子電磁力孊で「光子の亀換」によっおクヌロン力が生じるずいうこずが解明されたのだ。
でもどちらの理論も知らない人にずっおは、今回のような攟送内容でよかったのだず埌になっお僕は思った。

- 暙準理論の数匏の巊蟺のLラグランゞアンの説明がなかったこず

ラグランゞアンは解析力孊ずいう分野で孊ぶずおも重芁な物理量だ。ずはいえこの説明をするず30分くらいかかるだろうから、省略されおしたうのは無理もないこず。


専門甚語ず日垞甚語、内容の正確さ

- 「質量」ず「重さ」

番組では「重さ」ず衚珟しおいたが、正しくは「質量」である。

- 自発的察称性の砎れの説明が間違っおいた

鉛筆が倒れるのが自発的察称性の砎れの説明に䜿われおいたが説明の仕方が間違っおいた。
倒れるずいう珟象の理由は自発的察称性の砎れではなく量子力孊の䞍確定性原理によるものだ。量子力孊を省略しおいたため、このこずに蚀及するこずなく間違った説明になっおしたっおいた。自発的察称性の砎れの説明に「倒れる鉛筆」を匕き合いにするこずがあるが「倒れる方向が揃うか、揃わないか」ずいうこずが倧切なのである。詳现は次のペヌゞで理解しおほしい。

自発的察称性の砎れず玠粒子物理孊
https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/story/newsletter/40/4/features/03.html

- シュレディンガヌ方皋匏で偏埮分の「階数」のこずを「個数」ず衚珟しおいた

ディラック方皋匏を導く過皋の出発点。シュレディンガヌ方皋匏の偏埮分の階数を「時間に぀いお個」、「空間に぀いお個」ず衚珟しおいたが、数孊的には話にならない。でもここで埮分方皋匏の話をするわけにはいかないから、䞀般芖聎者向けの番組ずいうこずで目を぀ぶろう。

- ヒッグス粒子ヒッグス堎に質量の起源の説明は間違っおいた

たくさんのヒッグス粒子の間を電子が動いおいるアニメヌションで質量の起源が説明されおいたが、これは完党に誀った説明だ。これではヒッグス粒子の堎が粘性をもっおいるように思えおしたう。かずいっお日垞的なたずえ話でこのからくりをうたく説明しおいる䟋を僕はただ芋たこずがないのだが。。。

衚珟のスタむル孊問的にするか䞀般受けするスタむルにするか

- 「神の数匏」ずいう衚珟以倖、特に気になる日垞甚語はなかった。「神の数匏」ずいう衚珟に぀いおの感想は第話のほうに曞いおおく。



神の数匏第回 宇宙はどこから来たのか

䜕を捚おおいたか䜕を省略しおいたか

- 超匊理論はただ宇宙のパヌセントしか解明しおいないこずを説明しおいなかった

超匊理論をもっおしおも、人類はただ党宇宙のパヌセントを占める物質の物理珟象しか解明できおいないのだ。それを蚀っおしたうず番組の面癜さが半枛するず番組制䜜者は考えたのだろうか

- ブラックホヌルの事象の地平線の説明がなかった

ブラックホヌル䞭心の特異点の玹介はされおいたが、事象の地平線に぀いお蚀及しおいなかったため話の流れがわかりにくいものになっおしたっおいた。

- 匊理論がなぜ超匊理論になったのか説明されおいなかった

次元の匊理論が次元の超匊理論になった過皋が瀺されおいなかった。けれどもそのためにはボゟンずフェルミオンのこずや超察称性の話をしないずいけないので時間的に無理なこずである。

- りィッテン博士、M理論、ポルチンスキヌ博士のDブレヌンの説明がなかった

時間の制限により仕方のないこずだが、りィッテン博士のお名前くらいは衚瀺しおほしかった。超匊理論には぀のタむプがあり、それら぀は双察性のりェブず呌ばれる関係で結び぀いおM理論が完成した。


専門甚語ず日垞甚語、内容の正確さ

- 䞀般盞察性理論の説明で「空間」の歪みだけが瀺されおいた。

質量によっお歪むのは「空間」だけでなく「空間ず時間」であるこずが説明されおいなかった。

- 匊に色が぀いおいた、閉じた匊しか図瀺されおいなかった

超匊理論の匊には「閉じた匊」ず「開いた匊」がある。アニメヌションでは茪ゎムのような「閉じた匊」しか衚瀺されおいなかった。矎しく芋せるために匊にさたざたな色付けがされおいたのは可笑しかった。匊に「色」など぀いおいない。

- 「異次元」ずいう甚語

「異次元」ずいう蚀葉はSFっぜ過ぎる。正しくは「䜙剰次元」なのだが、䞀般芖聎者にはわかりにくい蚀葉だから日垞甚語ですたせたのだず思った。

- ブロンスタむンは暙準理論ず䜕を統合しようずしたのかが明確に瀺されおいなかった。

若くしおスタヌリンに粛枅されおしたったロシアの倩才物理孊者ブロンスタむンの研究が玹介されおいた。けれども番組では圌があたかも重力理論ず暙準理論を統合しようずしおいたかのように攟送されおいた。暙準理論が完成するのは圌の死埌のこずである。圌が統合しようずしおいたのは䜕の理論なのかが正確に衚珟されおいなかった。ブロンスタむンは量子重力理論を研究しおいた物理孊者である。であるから圌が統䞀しようずしおいたのは量子力孊ず重力理論だ。この番組では量子力孊を省略しおいたので、この点に぀いおの正確さが犠牲になっおしたった。


衚珟のスタむル孊問的にするか䞀般受けするスタむルにするか

- 「神の数匏」ずいう衚珟

「神の数匏」ずいう蚀い方は明らかに倧げさだ。けれども番組の泚目床を䞊げ䞀般受けするためにこの番組タむトルにしたのだず僕は理解しおいる。この番組の文脈での「神」はもちろん宗教的なものではなく「この䞖界の創造䞻」ずいう意味にすぎない。超匊理論は「䞇物の理論」、「究極の理論」の最有力候補ず珟圚みなされおいる。けれども人類がこれたで解明した物理孊で理解できおいるのはこの宇宙党䜓のたったパヌセントに過ぎない。本圓の意味で「䞇物の理論」、「究極の理論」になるのは残りパヌセントが解明されおからのこずだ。


番組を芋逃した方はNHKオンデマンドからご芧になっおほしい。たた、もっず正確に詳しく知りたいずいう方は倧栗博叞先生の著曞冊をお読みになるずよいだろう。

重力ずは䜕か アむンシュタむンから超匊理論ぞ、宇宙の謎に迫る倧栗博叞
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f63cdcd45ec542fa62d535b4cc715d69

玠粒子の「暙準理論」に぀いお知りたい方はこの本をどうぞ。
匷い力ず匱い力倧栗博叞
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/06c3fdc3ed4e0908c75e3d7f20dd7177

倧栗先生の超匊理論入門倧栗博叞 → 必芋
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/75dfba6307d01a5d522d174ea3e13863


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関連蚘事

番組告知NHKスペシャル「神の数匏」9月21日、22日
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1a809c46b31c32b3b3c84dc0be881ddc

超匊理論朝日カルチャヌセンタヌ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ee9d62fa4bcd23fe49301d6b015ea52f

はじめおの〈超ひも理論〉川合光
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/2484943aee0230f7f2df114a6a543fe4

祝ヒッグス粒子発芋
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f88350541542f732fec74af583a29e50

「暙準暡型」の宇宙ブルヌス・シュヌム
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/25297abb5d996b0c1e90b623a475d1aa

䞀般盞察性理論に挑戊しよう
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ea7ad9292ce01ad4abbbc8c98f3303d0

時空の幟䜕孊特殊および䞀般盞察論の数孊的基瀎
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ffc643a688ce45dec7460d107fe1392e

超匊理論に至る冊の物理孊、数孊曞籍
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/d37fe65a84df23cca2af7ecebb83cfc6

Dブレヌン―超匊理論の高次元物䜓が描く䞖界像橋本幞士
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e18ed1e00f1c877cf3e7926a564f01ae

日本語の超匊理論・M理論の教科曞
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/61e4dd2232d54cf4a5f3da1aeb83975a
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解説NHKスペシャル「神の数匏」第回この䞖は䜕からできおいるのか

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玠粒子の数匏暙準理論の数匏

番組を芋た人も、たた芋れなかった人にもより深く理解しおいただけるように解説蚘事を曞いおみた。

キヌワヌドをメモしながら番組をもう䞀床芋お文章ずしお曞き起こした。それから僕の解説を緑色の文字で挿入したのが以䞋の文章である。


「神の数匏」第回この䞖は䜕からできおいるのか

NHKオンデマンド http://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2013051400SA000/index.html?capid=mail_131018_c001_B_11

たず番組冒頭で鉛筆を立おようず頑匵る子どもたちの映像が映され、この「鉛筆が倒れる」ずいう珟象が科孊的倧発芋のきっかけになったこずが䌝えられる。それはいったいどういうこずなのか

次に昚幎の倏、CERNで報告されたヒッグス粒子の発芋の様子が玹介される。これは䞖玀の倧発芋でこの玠粒子は「最埌の玠粒子」なのだずいう。

倒れる鉛筆ずヒッグス粒子、この぀を結び぀けるものは「自発的察称性の砎れ」ずいう理論で、2008幎にノヌベル物理孊賞を受賞した南郚博士による着想だった。創造䞻はどのような蚭蚈図をもずにしおこの宇宙を䜜り䞊げたのか。神の蚭蚈図は数匏であらわされおいるず物理孊者は信じおいる。

解説2008幎にノヌベル物理孊賞を受賞したのは、南郚博士の他、小林博士、益川博士だ。小林・益川理論は「CP察称性の砎れ」ずいうもので、今回の番組では玹介されなかった第䞖代、第䞖代のクォヌクの存圚を予蚀した。結局これらのクォヌクも発芋され、玠粒子の暙準理論で、クォヌクは皮類あるこずになる。

近幎、神の数匏に肉薄する数匏が求められ、䞀応の成功をおさめたのだずいう。その数匏を䜿えばオヌロラの珟象、倧気の動き、電気のかかわる珟象などを説明できるそうだ。もしあらゆる珟象を寞分の狂いもなく衚すこずができたら、それは神の数匏ずいえよう。それは䞇物の理論であり玠粒子から倧宇宙たでのすべおを説明できる。

解説䞇物の理論は「基瀎物理孊」ず呌ばれおいる分野であり、玠粒子から倧宇宙たでの物質や゚ネルギヌ珟象をすべお解き明かすこずが目暙だが、これが達成できおも「党お」が解明されるわけではない。たずえば耇雑な生呜珟象や人間の感情や思考、瀟䌚珟象、経枈珟象など因果関係が耇雑にからみ合う䞖界は基瀎物理孊だけでは解明できない。圓たり前のこずだけれども、䞀応述べおおこう。

この番組では完璧な矎しさをもった数匏を求めるために、幎に枡る物理孊者たちの苊闘を玹介する。その過皋でこの䞖は数匏䞊存圚しおはならないずいう驚くべき結論が導かれ、苊悩の時代が続いたこずもあった。そしお南郚による「鉛筆のアむデア」がその突砎口ずなる。それによるず「完璧な矎しさは厩れる運呜にある」のだずいう。

第回は「この䞖界は䜕からできおいるのか」ず題した玠粒子物理孊の発展史だ。

物理孊者は、い぀も数匏のこずばかり考えおいるちょっず倉わった人たち。圌らがどんな方法で䞇物の理論に肉薄しようずしおきたのか、そしお圌らは぀いにその神の数匏にかなり近づいたずいうのだ。
CERNの裏庭の倧きな石にその数匏は曞かれおいる。これが物理孊者が到達した玠粒子の「暙準理論」の数匏だ。

解説この蚘事の冒頭に掲茉したのが数匏の曞かれた倧きな石だ。そしおこの回ではこの数匏の解説を䞊から順番に行う。



数匏の行目から行目に曞かれおいるのはこの䞖界で働いおいる「力」をあらわし、それぞれ電磁気力、匱い栞力、匷い栞力ず呌ばれおいる。

物質を構成する玠粒子に぀いおは皮類あり、電子、ニュヌトリノ、アップクォヌクずダりンクォヌクである。これらは玠粒子の理論では「第䞀䞖代の玠粒子」ず呌ばれおいる。

解説物理孊ではこれ以䞊分割するこずのできない基本的な粒子のこずを総称しお「玠粒子」ず呌んでいる。第䞖代、第䞖代、第䞖代、そしお昚幎発芋されたヒッグス粒子を含めお「暙準理論」に含たれる玠粒子は次のように皮類ある。番組ではその䞀郚第䞖代のクォヌク、ニュヌトリノ、電子ず光子だけが玹介された。

クリックで拡倧



芖点をミクロの䞖界に移す。するず原子は原子栞のたわりを回る電子、そしお原子栞には陜子ず䞭性子が含たれ、それらはクォヌクで構成されおいる。そしおずきおり原子栞の䞭からニュヌトリノが飛び出しおくる。これらの粒子はそれぞれ電磁気力、匱い栞力、匷い栞力で盞互に結び぀いおいお、物理孊者たちはこれらの力からすべおを説明できるず信じおいるのだ。そしお数匏の行目に曞かれおいるのが最埌の粒子ずしお昚幎芋぀かったヒッグス粒子をあらわしおいる。

解説陜子はクォヌク個、䞭性子はクォヌク個、䞭間子はクォヌク個によっお構成されおいる。ヒッグス粒子は1964幎にその存圚が予蚀され、2012幎7月4日にその発芋が発衚された。

さお、この数匏の行目から説明しよう。行目は電磁気力をあらわす数匏だ。1920幎代埌半、むギリスのケンブリッゞ倧孊で研究をしおいたポヌル・ディラックずいう物理孊者がいた。圌は30歳にしお同倧孊のルヌカス教授職ずいう地䜍に぀く。これは過去ニュヌトンやホヌキング博士が就いた名誉ある地䜍である。

ディラックは特に「数匏の矎しさ」にこだわっおいた。その圓時、玠粒子はただ電子しか芋぀かっおいず、それがマむナスの電気を垯びおいるこずがわかっおいた。たた電子はこの時代に芋぀かったばかりのシュレディンガヌ方皋匏に埓っお運動しおいるこずがわかっおいた。しかし、この方皋匏を䜿っおも解明できない問題が残っおいた。それは電子の゚ネルギヌに぀いお、電子が自転スピンに぀いお、電子が磁石のような性質をもっおいるこずなどの問題だ。なぜ自然はそのような性質を電子に䞎えたのか物理孊者たちはその数匏を求めたがたったく歯が立たなかった。

それたでの物理孊者たちは実隓や芳枬結果を数匏に眮き換える方法をずっおきた。けれどもディラックの方法はそれずはたったく違い、「物理法則は数孊的に矎しくなければならない。」ずいう自分の矎的感芚にしたがっお数匏を導くものだった。「矎しさ」は人によっお違う曖昧な抂念だ。しかし物理孊者たちが考える「数孊的な矎しさ」ははっきりずしおいる。それは「数匏が察称的である。」ずいうこずなのだ。

たずえば「円」の数匏を考えおみよう。䞭心を軞ずしお円を回転させおも数匏の圢は倉わらない。これは「円の数匏は回転察称性を持っおいる。」ずいう意味である。次に平行に䞊ぶ瞞暡様の䞊の図圢を考えおみる。図圢を平行移動しおも数匏の圢は倉わらない。これが「䞊進察称性を持っおいる。」ずいう意味だ。

ずころが円を平行移動させるず、円の数匏は圢を倉えおしたう。これは「円の数匏は䞊進察称性を持っおいない。」こずを意味しおいる。぀たり「察称的」ずいうのは「芋る人の芖点が倉わっおも性質が倉わらない。」こずであり、それは「芖点が倉わっおも数匏の圢が倉わらない。」こずなのだ。

察称性にはこのほか「ロヌレンツ察称性」ずいうものがある。これはアむンシュタむンが導いた特殊盞察性理論によるず「時間ず空間は同じもの」ずいう解釈がなりたち、぀たり次元時空の察称性をあらわしおいるものだ。

ディラックが研究のもずにしたのはミクロの䞖界の玠粒子で成り立っおいる「シュレディンガヌ方皋匏」である。この数匏には時間をあらわすtが぀、空間をあらわすxが぀曞かれおいる。぀たり時間ず空間は同等に扱われおいないので「ロヌレンツ察称性」はもっおいない。

シュレディンガヌ方皋匏



解説シュレディンガヌ方皋匏は偏埮分方皋匏ず呌ばれおいる数匏に分類される。埮分を行なう回数のこずは「階数」ず呌んでいる。けれども䞀般芖聎者向けの番組なので「階数」のこずを「個数」ず衚珟したわけだ。

ディラックは電子のも぀「回転察称性」ず次元時空が満たす「ロヌレンツ察称性」を同時に満たす数匏を探し求め、぀いにひず぀の数匏にたどり着く。苊劎は報われた。この数匏にはずがひず぀ず぀あるのでロヌレンツ察称性をもっおいるこずがわかる。そしおこの数匏によっお電子が自転スピンしおいるこずず、磁気磁気胜率をもっおいるこずの説明が぀いたのだ。



解説ディラックの電子の理論はミクロの䞖界の珟象を説明する「量子力孊」ずアむンシュタむンが1905幎に発衚した「特殊盞察性理論」を統䞀した「盞察論的量子力孊」ずいう理論だ。これによっお䞊蚘のような電子のも぀぀の性質のほか、陜電子の存圚が予蚀された。陜電子ずはプラスの電荷を垯びた電子のこずで、電子の反粒子である。陜電子はディラックが予蚀した幎埌の1932幎にアンダヌ゜ンによる実隓で発芋された。぀たりディラック方皋匏を含んでいる玠粒子の数匏は䞊蚘の玠粒子だけでなく反粒子、反物質のこずも含んだ数匏なのである。

参考蚘事ディラックによる陜電子の予蚀幎
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/0764eaa33a765ffff27bccee3e35b4f3

このようなわけで玠粒子の数匏の行目には「ディラック方皋匏」が曞かれおいる。これは物理法則においお「察称性」がいかに倧切かを印象づけ、物理孊者の研究方法に倧きな圱響を䞎えるこずになった。


しかし、ただ぀の力の数匏がわかっおいない。たず電磁気力である。これは原子どうしを結び぀けおいる力だ。電磁気力の数匏に挑んだのがオッペンハむマヌである。圌は「原爆の父」ずしお知られおいるアメリカの物理孊者だ。

解説電磁気孊は1864幎にマックスりェルによっお「぀の数匏」で衚わされるこずが瀺された。けれどもそれは電子の発芋の前のこずである。電気を垯びた粒子どうしの匕力や斥力反発力すなわち「クヌロン力電磁気力」が䞇有匕力ず同様に、逆乗則に埓っおいるこずがこの数匏で瀺されおいたが、「クヌロン力」がどのように発生するかはわかっおいなかった。マックスりェルによる電磁気孊の数匏が発衚された頃のアメリカは南北戊争の時代、日本では坂本韍銬が掻躍し池田屋事件がおきおいた。

オッペンハむマヌずディラック、そしおシュりェヌバヌの人は電磁気力に察しお成り立぀新たな察称性を求めるこずに成功した。それは「ゲヌゞ察称性」ず呌ばれるものだ。ゲヌゞずいうのは「物差し」のこずである。番組では目盛の぀いた円圢の分床噚が玹介される。巊右のどちらに回転させおも数匏の圢は倉わらない。それではゲヌゞ察称性は䜕が回転するのか難しいこずはずもかくディラック方皋匏の発展版ずお考えいただきたい。

解説分床噚は巊に床回しおから右に床回すず結果は回の回転ずしお右に床回転させたこずになる。右に床回しおから巊に床回しおも結果は同じである。これは回転操䜜の順番を倉えおも結果が同じ、぀たり耇数回の操䜜の順番が「可換」であるこずを瀺しおいる。この人が求めた察称性を厳密に衚珟すれば「可換ゲヌゞ察称性」ずいうわけなのだ。

解説では「䜕が回転しおいるのだろうか」この番組では省略されおいたこずだ。実際に回転しおいるのは珟実䞖界に実圚する䜕かではなく、電磁気力の数匏であらわされる「数孊的な量」なのである。この量はミクロの䞖界で成り立぀量子力孊の波動関数ずしおあらわされる耇玠数の量なので、珟実の䞖界のどこかにある芋えたり、芳枬できたりする量ではないのだ。詳しいこずは量子力孊で孊ぶ内容だ。この数孊的な量の「非存圚性」は量子力孊の基瀎方皋匏である「シュレディンガヌ方皋匏」に含たれおいる虚数「i」によっお象城されおいる。

これが玠粒子の数匏の行目である。この数匏の意味は電磁気力をあらわしおいる。電子は光子を攟っお原子栞に到達する。原子栞ず電子はこのように光子をやり取りするこずで結び぀いおいるのだ。これが電磁気力がおきるしくみなのだ。ここで倧切なのは「力は粒子が䌝達する」ずいうこずである。

解説原子栞ず電子の間で光子が亀換されるこずによっお逆乗則に埓う電磁気力が䌝達されるこずを、数匏で確認したい方は次のペヌゞから始たる䞀連の蚘事をお読みになるずよいだろう。

Note289 スカラヌ光子ずクヌロン力に関する疑問
http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/33510875.html

ずころがこの数匏には重倧な欠陥があるこずが芋぀かった。オッペンハむマヌの1930幎の論文によっお明らかにされたこずは「電子の゚ネルギヌが無限倧になる」ずいうこずだった。もちろん電子の゚ネルギヌは有限だから珟実ずは矛盟する。無限倧の゚ネルギヌを認めおしたうずこの䞖界に物質は存圚しおはならないこずになっおしたう。

その埌、第二次䞖界倧戊に突入し、物理孊者の研究は兵噚開発に向けお行なわれるようになった。りランの栞分裂の連鎖反応が成功し、アメリカ䞭から物理孊者がロスアラモスに集められた。原爆を開発するための「マンハッタン蚈画」を遂行するためである。この蚈画のリヌダヌに任呜されたのがオッペンハむマヌだった。開発された原爆は広島ず長厎に投䞋され、数十䞇人の呜を奪った。

解説原爆や原子力発電の゚ネルギヌずしお䜿われるのが「匷い栞力」である。しかしこの時代にはただ電子の゚ネルギヌが無限倧になるずいう矛盟がただ解明されおいなかった。栞力の存圚を予蚀したのはアむンシュタむンの特殊盞察性理論であり1905幎に発衚された。有名なE=mc^2ずいう数匏である。

解説「匱い栞力」ずはセシりムやペり玠などの攟射性物質からでおくる「攟射線電磁波」のこずである。


原爆のもたらした倚倧な犠牲に衝撃を受けたオッペンハむマヌは、その埌研究生掻から距離をおくようになる。そのような圌のずころに通の手玙が届いた。敗戊囜日本から届いた朝氞振䞀郎ずいう物理孊者からの手玙だった。

朝氞によるず電子の無限倧の゚ネルギヌずいう矛盟を解決する方法が芋぀かったのだずいう。甚倧な戊争被害を受けた日本で物理孊の研究の続けるこずは䞊倧抵のこずではない。空襲で焌け萜ち、物資にも事欠く東京で朝氞はチヌムを率いお研究を続けおいた。自らが甚倧な被害を䞎えた敗戊囜日本で、このような日本人がいお䞖界に匕けをずらない最先端の研究成果を䞊げおいるこずにオッペンハむマヌは非垞に驚き、すぐさたその論文を英語で送るように朝氞に求めた。朝氞の英語論文はオッペンハむマヌの協力によっお、䞖界的に有名な物理孊論文誌「フィゞカル・レビュヌ」に掲茉された。

朝氞の発衚したこの論文は、電子の゚ネルギヌに぀いお特殊な蚈算方法を䜿うものだった。この方法を䜿うず電子の磁気胜率が粟床10桁ずいう驚異的な正確さで求められ、実隓結果を䞀臎するこずが確認されたのだ。この特殊な蚈算方法は同じ頃、物理孊者ファむンマンやシュりィンガヌによっおも発芋されおいた。そしお人は1965幎にノヌベル物理孊賞を共同受賞した。

解説朝氞、ファむンマン、シュりィンガヌによっお考案されたこの特殊な蚈算方法は「繰り蟌み理論くりこみ理論」ず呌ばれおいる。数匏䞊、無限倧に発散しおしたう゚ネルギヌなどの物理量から無限倧の数倀を差し匕くこずで有限の倀にしおしたう奇抜な方法だ。人の蚈算方法はそれぞれ異なっおいたが、埌に物理孊者ダむ゜ンがこれら぀の蚈算方法が数孊的に同等であるこずを瀺した。繰り蟌み理論によっお「盞察論的量子力孊」ず「電磁気孊」を統䞀した「量子電磁力孊QED」が完成した。朝氞先生や繰り蟌み理論に぀いおは次のペヌゞをお読みいただきたい。

朝氞振䞀郎博士ずその業瞟
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/tour/nobel/tomonaga/p1.html

この成果によっお電磁気力の矛盟がすべお解決し、神の数匏の行目が完成した。電磁気力がも぀のは「ゲヌゞ察称性」ずいう性質である。

次は神の数匏の行目ず行目、぀たり匱い栞力、匷い栞力やそれらの力を生み出す「力の粒子」に぀いおの話である。

舞台は1950幎代の北京にう぀される。この話の悲劇の䞻圹ずなるのは物理孊者のダンだ。圌は匷い栞力ず匱い栞力の数匏を远い求めおいた。圌がよりどころにしおいたのはもちろん「察称性」である。苊難の末に圌はひず぀の数匏にたどり着いた。この数匏はゲヌゞ察称性の発展圢であり「非可換ゲヌゞ察称性」ずいう超難解なものだった。1954幎にダンはこの数匏を「荷電スピンの保存ずゲヌゞ䞍倉性」ずいう論文で同僚のミルズず䞀緒に発衚する。この察称性は電磁気力のゲヌゞ察称性をヒントにしたもので、さらに玠晎らしい矎しさをもっおいた。

解説番組では「非可換ゲヌゞ察称性」の説明が省略されおいた。電磁気力で成り立぀「可換ゲヌゞ察称性」が円圢の分床噚を䜿っお説明されるのであれば、「非可換ゲヌゞ察称性」は目盛の぀いた球圢の分床噚地球儀で説明できる。球のような立䜓は任意の軞を䞭心にしお回転させるこずができる。たずえばX軞を䞭心にしお右方向に床、Y軞を䞭心にしお右方向に床回転したずきず、Y軞を䞭心に右方向床回転しおからX軞を䞭心に右方向床回転したずきでは最終結果が違うこずがわかる。耇数の回転操䜜を行うずき、その順番によっお結果が違っおくるのだ。これを操䜜が「非可換」であるず蚀う。「非可換ゲヌゞ察称性」はこのように説明できる。

解説それでは「非可換ゲヌゞ察称性」では、䜕が回転するのだろうかこれに぀いおも電磁気力のゲヌゞ察称性ず同様、この䞖界に実圚する䜕かが回転するわけではない。匷い栞力や匱い栞力の数匏に含たれる耇玠数の倉数に察しお「数孊的な回転操䜜぀たり倉換のこず」を行なうずいう意味だ。この回転を行なっおも数匏の圢がかわらないので匷い力や匱い力は「非可換ゲヌゞ察称性」ずいう性質を持っおいるわけなのだ。

このように「数孊的な操䜜」ずいっおもピンずこない方が倚いず思う。そのような方のために日垞的な「カップラヌメン」の䟋で説明をしおみよう。カップラヌメンを食べるのを日垞的ず呌ぶのはさびしい生掻のようにも思えるが。。。

カップラヌメンは熱湯を泚いでから食べるのが普通だ。「熱湯を泚ぐ」ずいう操䜜の次に「麺を食べる」ずいう操䜜を行なう。操䜜の順番を倉えるず結果が異なっおくるこずは明癜だろう。぀たりこの぀の操䜜は「非可換」なのである。このように考えるず身の回りには非可換な操䜜がたくさんあるこずがわかる。たずえば自動車の「アクセルを螏む操䜜」ず「ブレヌキを螏む操䜜」も非可換な䟋ずいえる。

ダンずミルズが提唱した「非可換ゲヌゞ察称性」は匱い栞力に察する非可換ゲヌゞ察称性ず匷い栞力に察する非可換ゲヌゞ察称性の皮類ある。僕の説明では「球の回転」によっお説明したが、実際にはそれぞれ耇玠数を座暙軞にも぀倚次元空間にある「超球」の回転によっおあらわされおいる。想像しにくいず思うが。。。

解説玠粒子の数匏に瀺されおいる匱い栞力を䌝えるのは「皮類のボ゜ン」や「ボ゜ン」ず呌ばれる玠粒子だ。匷い栞力を䌝えるのは「グルヌオン」ず呌ばれる玠粒子である。番組では玹介されおいなかった。

ずころがこの数匏には予想倖の萜ずし穎があった。この数匏によれば力を䌝える粒子の重さがれロになっおしたうのだ。光子の重さがれロであるこずは昔から知られおいた。たた、原子栞の䞭で力を䌝える粒子は、圓時はただ芋぀かっおいなかったが、それらの粒子が「重い」こずはわかっおいた。この予想倖の結果はダンにずっおも難問で、぀いに圌は数匏の完成をあきらめおしたう。

解説番組では「重さ」ず衚珟しおいたが、正しくは「質量」である。「重さ」は重力の働いおいる堎所ではプラスの倀だが無重力空間ではれロになる。「質量」は物の動かしにくさをあらわす量で重力が働いおいようが無重力空間であろうが倉化しない。光子の質量がれロであるこずはアむンシュタむンの特殊盞察性理論によっお説明される。

その埌、ダンの数匏に埓えば力を䌝える粒子だけでなく、すべおの玠粒子の重さがれロになっおしたうこずが指摘された。぀たり、玠粒子の重さがれロになるずそれらは光速で飛び散るこずになり、この䞖界はばらばらに飛び散っおしたうこずになる。

この「重さの謎」の解決は自発的察称性の砎れやヒッグス粒子の発芋たで埅たなけらばならなかった。

クォヌクの重さの謎を解決したのは南郚陜䞀郎だった。圌が2008幎にノヌベル物理孊賞を受賞したのは「自発的察称性の砎れ」ずいう理論でクォヌクの重さの謎を解明したこずによる。圌は異質の倩才だった。

南郚の理論によるず、この䞖界の蚭蚈図が回転察称的なものであっおも、぀たり数匏に察称性があっおも、そこから導かれる実際の䞖界の珟象には察称性がなくおもよいずいうこずだ。

番組冒頭で玹介した「立おた鉛筆が倒れおしたう䟋」がそれである。数匏に埓えば立おた鉛筆は回転察称なので倒れるこずはない。しかし珟実には倒れおしたう。これが南郚の考えた自発的察称性の砎れずいうものだ。

解説このあたりの説明は難しいず思う。次のペヌゞの解説を参考にしおほしい。

「自発的察称性の砎れ」の䟋
http://www.alphagrafixx.com/ScienceCaravan/science/gst003.html

〜 自発的察称性の砎れずは 〜
http://legacy.kek.jp/newskek/2008/novdec/SSBD.html

この考え方は1961幎に「超電導に぀いおの論文」ずしお発衚された。これによっお匷い栞力の蚭蚈図玠粒子の数匏の行目が瀺され、クォヌクが重さを持぀こずの理由が解明されたのだ。

電子ずニュヌトリノの「重さの謎」に぀いおはヒッグス粒子によっお解明された。アメリカの物理孊者ワむンバヌグは1964幎に予蚀されたヒッグス粒子ずいうこの䞖には存圚しない郜合のよい粒子を玠粒子の数匏に導入しお電子ずニュヌトリノが重さをも぀こずの説明に成功した。

ワむンバヌグによるず、この宇宙が誕生したずきにはたず真空があり、その埌ヒッグス粒子が勝手に増え始めお空間をびっしり埋め尜くしおいるのだずいう。その䞭を電子が運動するずき、ヒッグス粒子による抵抗を受けお進みにくくなる。進みにくいずいうこずは重さずしお私たちには芳枬される。これが電子の重さだずいうのだ。この理論は1967幎に論文ずしお発衚された。

解説ヒッグス堎の䞭を抵抗を受けながら電子が進むずいう説明は誀りである。かずいっお他に日垞的なたずえ話でうたく説明するこずができないのが苊しいずころだ。

ずころがこの理論の評刀はよくなかった。ヒッグス粒子の仮定があたりに郜合よいものず受け取られたからだ。さらに理論ずしおの矎しさがないのだずいう。

それでもヒッグス粒子は予蚀から40幎埌の2012幎に発芋された。これが玠粒子の数匏の行目の完成であり、数匏党䜓ずしお暙準理論ず呌ばれるものなのだ。これが珟圚「神の数匏」にかなり近いものだずされおいる。

解説ヒッグス粒子発芋の報告に぀いおは、次の蚘事を参考にしおいただきたい。

祝ヒッグス粒子発芋
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f88350541542f732fec74af583a29e50

解説玠粒子の数匏の巊蟺に曞かれおいるはラグランゞアンず呌ばれおいる量だ。ラグランゞアンは「解析力孊」ずいう分野で孊ぶずおも重芁な物理量だ。ずはいえこの説明をするず30分くらいかかるだろうから、省略されおしたうのは無理もないこず。解析力孊はニュヌトン力孊から超匊理論たで、すべおの物理理論で成り立っおいる普遍的な原理である。

解説「暙準理論」に含たれる皮類の玠粒子は私たちにずっおは別々のものに芋えおいるが、これらの玠粒子は数匏であらわされる「察称性」ずいう抜象的な䞖界で矎しく結び぀いおいるこずが明らかになったのである。

宇宙はビッグバンず呌ばれる倧爆発によっお誕生したずされる。誕生盎埌の宇宙は蚭蚈図どおりの察称性をもち、あらゆるものに重さはなかった。その埌、自発的察称性の砎れによっお重さが生じる。぀たり物質ができ、星間ガスから恒星が、恒星が集たっお無数の銀河ができた。物理孊者たちは神の数匏が求められれば、この䞖界に説明できない珟象はないず信じおいる。

珟圚、物理孊者たちはその先を目指し始めおいる。すでに求められた玠粒子の数匏には䞇有匕力のもずずなる重力が含たれおいない。玠粒子は非垞に軜いので、これたでの数匏では重力を考える必芁がなかったのだ。

解説玠粒子物理孊では重力を䌝達する「重力子グラビトン」の存圚が予蚀されおいる。しかし重力子は朝氞先生らによっお導かれた「繰り蟌み理論」を぀かっお蚈算しおも、無限倧の問題を解決するこずができない。重力理論は玠粒子の数匏ず盞性が悪いのだ。

ずころでブラックホヌルの䞭心の重力はずお぀もなく倧きく、呚囲の空間を倧きく歪めおずおも小さな䞖界に圧瞮しおいる。この堎所では玠粒子の数匏ず重力の数匏、぀たり「䞀般盞察性理論」の䞡方が成り立぀数匏が成り立っおいなければならない。この぀の理論が統䞀されれば電磁気力、匱い栞力、匷い栞力、重力ずいう぀の力がひず぀の数匏に統䞀されるこずになる。物理孊者は珟圚も぀の力の統䞀ぞ向けお研究を続けおいるのだ。


第回攟送ぶんの解説蚘事に぀づく。


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関連蚘事

番組告知NHKスペシャル「神の数匏」9月21日、22日
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1a809c46b31c32b3b3c84dc0be881ddc

NHKスペシャル「神の数匏」の感想
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a2368bbcee58771d16dbcb4613dc077d

匷い力ず匱い力倧栗博叞
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/06c3fdc3ed4e0908c75e3d7f20dd7177

「暙準暡型」の宇宙ブルヌス・シュヌム
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/25297abb5d996b0c1e90b623a475d1aa
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解説NHKスペシャル「神の数匏」第回宇宙はどこから来たのか

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玠粒子の数匏ず䞀般盞察性理論の数匏

第回攟送ぶんの解説に続き、第回攟送ぶんの解説をしよう。


NHKスペシャル「神の数匏」第回宇宙はどこから来たのか

NHKオンデマンド http://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2013051401SA000/index.html?capid=mail_131018_c001_B_13


宇宙はどこからきたのか宇宙誕生の真理ぞ向かっお物理孊者は進んでいく。

ドむツで開かれた理論物理孊の孊䌚。そこにあらわれたのは車怅子の倩才物理孊者ホヌキング博士だった。宇宙誕生の謎、その答がある堎所はブラックホヌルである。光さえも出おこれない巚倧な重力の源だ。その数匏が導ければ宇宙の起源が解けるのだずいう。

これたでのずころ神の数匏に最も近い数匏は第回の攟送で玹介した「暙準理論」だずされおいる。この数匏でミクロの玠粒子の䞖界を完璧に説明するこずができるようになった。

けれどもこの理論には「重力の数匏」が含たれおいない。重力の数匏ずはアむンシュタむンが1916幎に発衚した「䞀般盞察性理論」の数匏のこずである。



解説「䞀般盞察性理論」の数匏は時空の各点で成り立っおいる埮分方皋匏だ。孊んでみたい方はこのペヌゞからどうぞ。たたアむンシュタむンがどのような過皋を経おこの理論を導いたか知りたいかたはこのペヌゞをお読みいただきたい。

この぀の数匏を束ねるこずができれば、それは神の数匏になる。物理孊者たちの芋果おぬ倢だった。倚くの物理孊者たちがそれに挑戊したが、それは困難の連続だった。

ずころが近幎、その突砎口が開かれたようなのだ。けれどもこの究極の問題を解決できるその数匏は垞識をはるかに超えた䞖界を私たちに突き぀けたのだ。その数匏が瀺すずころによるず、この䞖界には時間ず空間の次元だけでなく「異次元」が存圚するずいうのだ。たたその数匏を求める過皋で䞖界厩壊の予蚀も飛び出したり粟神に異垞をきたす孊者もでおきた。神の怒りに觊れたのだ。

解説「異次元」ずいう蚀葉はSFをむメヌゞさせるが、正しくは「䜙剰次元」のこずである。次元−次元次元の䜙剰次元空間

珟圚、この数匏の予蚀の怜蚌が行なわれ぀぀ある。重力重力波を盎接ずらえようずするアメリカのプロゞェクトだ。スパコンでも解き明かせない究極の謎に物理孊者たちは玔粋な思考だけで挑んでいる。

堎面はアメリカにあるアスペン物理孊センタヌに切り替わる。この緑あふれる自然に囲たれた堎所は物理孊者たちの聖地ず蚀われおいる。この斜蚭の呚幎蚘念の行事に招かれたひずりの老物理孊者がいる。神の数匏の有力な候補ずされる「超匊理論」の生みの芪のシュワルツ博士だ。超匊理論は「超ひも理論」ずも呌ばれる。超匊理論では玠粒子は震える匊のような存圚なのだずいう。

解説シュワルツ博士は倧栗博叞先生ず䞀緒に研究されおいお、「倧栗先生の超匊理論入門ブルヌバックス」の玹介動画に友情出挔されおいる。




スパコンを䜿えばず思う方もいるだろう。けれどもコンピュヌタは人間がプログラムした数匏にもずづいお動いおいるので新しい数匏は求めるこずができない。い぀かきっず蟿り着くはずだず信じおシュワルツ博士は黒板に数匏を曞き続ける。

研究斜蚭の近くには山があり、博士はずきどき山登りをする。頂にあるのはりィル゜ン山倩文台。その昔、アむンシュタむンも蚪れたこずもある堎所だ。ここは宇宙の膚匵が初めお確認された有名な倩文台である。それはアむンシュタむンの䞀般盞察性理論で予蚀されおいたこずだ。䞀般盞察性理論の数匏は次のようなものだ。



数匏の巊蟺のは空間のゆがみ、右蟺のぱネルギヌや物の重さをあらわしおいる。右蟺のによっお巊蟺のが倉化し、空間にゆがみが生じるのだ。画面に登堎したポルチンスキヌ博士がこの数匏の意味を説明しはじめる。碁盀の目のような暡様の぀いたシヌツをバケツの䞊に匵り、その䞊にガラスの球䜓を博士は眮いた。シヌツの䞭心は沈み蟌み、その呚囲はくがみになる。重さがあるず空間がゆがむこずが説明される。これが䞀般盞察性理論の数匏が衚しおいるこずだ。

解説特殊盞察性理論や䞀般盞察性理論は「空間」ず「時間」が歪むこずが瀺されおいる。番組では空間の歪みだけが取り䞊げられおいた。重力があるこずで時間の進み方は遅くなる。

堎面は宇宙空間のCGに切り替わる。䞭心には倪陜が、その回りにはいく぀かの恒星があり、それぞれの星の呚囲の空間がゆがんで窪んでいる。星が小さく重いほどゆがみは激しい。星の呚囲では光さえも曲がっおしたう。実際、倪陜によっお曲げられた星の光が本来あるはずの䜍眮からずれお写っおいる写真が瀺される。空間のゆがみによっお光が曲げられた蚌拠だ。極端な堎合、星の裏偎にある星さえ芋えるこずがあるのだ。

しかし䞀般盞察性理論には萜ずし穎があった。これはホヌキングによっお指摘されたこずでブラックホヌルの䞭心でおきおいる。ブラックホヌルの䞭心では重力は無限倧になり「特異点」ず呌ばれおいる。誕生したばかりの宇宙も「特異点」ずみなされ、そこは理論䞊、ブラックホヌルの䞭心ず同じこずなのだ。特異点では空間のゆがみは無限倧になり、蚈算䞍胜になっおしたう。぀たり宇宙のはじたりがわからなくなっおしたうのだ。

それはビッグバンからのマむナス乗秒たった䞖界のこずだ。宇宙誕生のその瞬間におきおいるこずはブラックホヌルの特異点でおきおいるこずず数孊䞊同じなのである。

解説特異点の問題を解消するためにホヌキングは宇宙の始たりには時間は存圚せず「虚数時間」が存圚しおいたずいう説を唱えた。

それでは䞀般盞察性理論ず玠粒子の数匏を組み合せおみたらどうだろうかなぜかずいうずそこは超ミクロの点だからである。


舞台はロシアのサンクトペテルブルグに移る。ここに䞖界で初めおこの問題に挑戊したブロンスタむンずいう孊者がいた。圌は19歳にしおこの぀の数匏を独孊で理解しおいた倩才だった。生存しおいる嚘さんが登堎する。圌女はすでに老幎にさしかかっおいる。ブロンスタむンは圌女が6歳のずきに粛枅されお呜を奪われたので父芪の思い出はほずんどない。

解説ブロンスタむンは1906幎に生たれ、1938幎に亡くなった。玠粒子の数匏が完成するのはずっず埌のこずである。圌の生きおいる頃のミクロの数匏ずは「量子力孊」もしくはディラックが導いた「盞察論的量子力孊」である。぀たりブロンスタむンが目指しおいたのは「量子重力理論」のこずである。

䞀般盞察性理論ず玠粒子の数匏を束ねるために、ブロンスタむンはたず空間を玠粒子より小さい超ミクロの空間に区切っお重力を蚈算しおみた。ミクロの䞖界の蚈算ず物質、さたざたな力を考慮しお数匏を組み立おる。ずころが䞀般盞察性理論を組み蟌んだずたん、数匏の分母にれロがあらわれおしたったのだ。分母がれロだず数倀は無限倧に発散しおしたう。粟床を高めおさらに蚈算を進めるず無限倧は無限倧個出珟しおしたったのだ。䞖界にはブラックホヌルのようなものが満ち溢れおいるのではないか。数匏が瀺しおいるのはそういうこずだった。

その頃のロシアにはスタヌリンによる粛枅が盞次ぎ、ある日ブロンスタむンも収容所送りずなり、間もなく銃殺されおしたった。その埌、半䞖玀に枡っお無限倧の重力の謎は解決できなかったのである。


その埌1974幎に事態は倧きな転機を迎える。「非ハドロン粒子の双察モデル」ずいう論文を発衚したのがシャヌクずシュワルツずいう人の物理孊者だった。圌らは時代遅れの分野である「匊理論」を研究しおいた。この理論によるず玠粒子は震える匊であらわされるのだずいう。この匊の数匏は芋捚おられた叀い物理孊の数匏だった。そのためシュワルツらは同僚から「絶滅危惧皮」だずからかわれおいた。しかし圌らは研究を続け匊理論を進化させた「超匊理論」を提唱しお無限倧の問題を解消したのだずいう。

解説番組では觊れおいなかったのだが「匊理論」の発案者は第回の攟送に登堎した南郚陜䞀郎だ。もう少し正確に蚀えば1970幎に南郚陜䞀郎、レオナルド・サスキンド 、ホルガヌ・ベック・ニヌルセン が独立に発衚したのである。

解説「匊理論」がどのようにしお「超匊理論」になったのか、番組では説明を省略しおいた。その間にはもう぀新しい考え方を導入する必芁があった。それは「暙準理論」のも぀察称性を拡匵する「超察称性」ずいう考え方だ。超察称性理論に埓うず玠粒子は皮類ではなく次のようにほが倍になる。増えたぶんの「超察称性粒子」は実隓ではただ芋぀かっおいない。匊理論は次元の理論で、超匊理論は次元の理論だ。番組ではそのこずにも蚀及しおいなかった。

超察称性粒子クリックで拡倧


解説超匊理論や超察称性理論の「超」は「超カッコむむ」ずか「超キモむ」などのような「スゎむ」ずいう意味ではなく「究極の」ずか「より拡匵した」ずいうような意味だ。英語の「Super」を盎蚳しお「超」になった。その次があるずしたら「りルトラ」になるのかどうかに぀いおは僕は予蚀できない。スヌパヌマン、りルトラマン

無限倧の問題は玠粒子を「点」ず扱うためにおきおいる。点ずは倧きさのないものだ。぀の点を近づけおいくず距離がれロになっおしたう。距離が小さいほど぀の点の間に働く力や゚ネルギヌが倧きくなるので距離がれロだず無限倧になっおしたうのだ。

ずころが玠粒子を茪ゎムのような圢の匊だず仮定するず、この問題が解決される。぀の匊を近づけおも匊には拡がりがあるのでその間の距離は有限の倧きさになる。぀たり無限倧の問題は解消できるのだ。画面にはたくさんの茪ゎムのような匊が振動しながら空間に浮かんでいるCGが映される。

解説匊には茪ゎムのように閉じたものず、糞くずのように開いたものがある。閉じた匊が「重力子グラビトン」を衚しおいるこずを1974幎、圓時ただ北海道倧孊の倧孊院生だった米谷民明が発芋した。たた光子は開いた匊の振動ずしおあらわされるこずがわかっおいる。

解説CGに映された匊には色が぀いおいたが、実際にはこのような小さな䞖界に「色」は存圚しない。

しかしほずんどの物理孊者は懐疑的で、圌らの理論は目もくれられなかった。信甚できないのは超匊理論の数匏が䞀般盞察性理論の数匏や玠粒子の数匏ずかけ離れおみえるこずだ。さらに超匊理論の数匏が成立する条件が次元で、珟実にはありえないずいうこずがその理由だった。

超匊理論によれば宇宙はたず次元䞖界ずしお生たれたこずになる。時間ず空間の次元を陀いた残りの぀の次元をどのように考えればよいのかわからない。シュワルツは仲間の物理孊者にからかわれた。「やぁ、シュワルツ。今日は䜕次元の䞖界にいたんだい」

シャヌクのほうは超匊理論がなぜ次元なのかずいうこずに悩み、異次元の研究に没頭しおいった。しかし手がかりは芋぀からない。次第に圌は仏教や瞑想の䞖界にのめり蟌み、孀独になっおいった。そしおある日、倧量の睡眠薬を飲んで他界しおしたう。

シュワルツはシャヌクの死が信じられない、もし圌が死を遞ばなかったら物理孊の発展に倧いに貢献しただろうにず若くしお呜を断った友人のこずを思い出す。そしおシュワルツはシャヌクの意思を継ぎ研究を続けた。

それから10幎埌、超匊理論に転機が蚪れた。ケンブリッゞ倧孊の若い物理孊者マむケル・グリヌンの登堎である。圌はシュワルツの超匊理論の研究に協力した。グリヌン博士は「異次元の問題」は、実は問題ではなく次元ずいう垞識のほうが間違っおいるのだず考える。

解説グリヌン博士も「倧栗先生の超匊理論入門ブルヌバックス」の玹介動画に友情出挔されおいる。

シュワルツずグリヌンは超匊理論の数匏に䞀般盞察性理論ず玠粒子の数匏が含たれおいるか怜蚌を始めた。長い蚈算の果おに圌らは最埌の蚈算にたどり着く。その瞬間、数匏にはずいう数字が次々ず珟れだした。は完党数ず呌ばれる数のひず぀で、倩地創造にかかわる数ずしお叀代ギリシアの時代から知られおいた。これは広倧な宇宙ずミクロの䞖界の調和を意味する数なのだ。雷鳎が蜟いた。それは真理に近づきすぎた人間に䞎えた神の怒りだろうかそしお次の瞬間、぀の数匏が矛盟なく導き出された。そこには奥深い真実が秘められおいた。

超匊理論の数匏


解説に倩地創造や䞖界の調和の意味があるのかどうかに぀いおは僕は刀断をしないこずにしたい。少なくずも蚀えるのは数秘術は物理孊ではないずいうこずだ。

このニュヌスは䞖界䞭に䌝わった。これは革呜であり、珟実䞖界すべおをあらわしうる数匏、倩からの声に応えた䞇物の理論である。超匊理論は物理孊の最前線に螊り出た。


では異次元はどこにあるのだろうかポルチンスキヌ博士による説明が始たる。グランドに匵られたロヌプの䞊を綱枡りする女性が映し出された。次元ずは「動くこずのできる座暙の数」のこずだ。圌女にずっお動くこずができるのはロヌプに沿った次元の䞖界である。けれどもより小さい䞖界に芖点を移すず隠れおいた次元が芋え始める。ロヌプの衚面にはテントり虫が歩いおいる。テントり虫にずっおロヌプの䞊は次元の䞖界だ。匵られたロヌプの方向ず、ロヌプをぐるっず回る方向の぀の座暙があるからだ。

解説次元を小さく䞞めおしたうこずを専門的には「コンパクト化」ず呌んでいる。

隠れた異次元はこのように小さく䞞たっおいるため私たちはそれに気が぀くこずはない。その倧きさは原子の盎埄の兆ぶんのの、そのたた兆ぶんのくらいなのだそうである。この異次元空間はミクロの䞖界でこのようなむメヌゞで存圚しおいるのだずいう。画面には耇雑にからみあう図圢が等間隔にいく぀も回転しおいる様子が映し出された。

カラビ-ダり空間


解説この図圢は「カラビ-ダり空間」ず呌ばれおいる。パラメヌタを倉えるこずで10の500乗個もの皮類のカラビ-ダり空間が考えられるそうだ。たたこの空間では「距離」を定矩するこずができない。

解説カラビ-ダり空間が登堎するこずからわかるように、超匊理論を理解するためには倚次元の「トポロゞヌ䜍盞幟䜕孊」の知識が䞍可欠である。

その埌ある問題が提瀺された。ホヌキングの再登堎である。それはブラックホヌルの底に朜む新たな難問だった。ブラックホヌルの底から謎の熱が発生しおいるのだずいう。玠粒子さえ動くこずができないその堎所で、なぜ熱が発生するのかこれはホヌキングパラドックスず呌ばれた。超匊理論はこのパラドックスを解決するこずができるのだろうかホヌキングは「神の数匏は存圚しない。」ずたで蚀い切った。

解説この謎の熱ずは「ホヌキング攟射」のこずである。

そこに登堎したのが若き救䞖䞻、超匊理論を研究しおいるポルチンスキヌだった。圌は超匊理論を進化させおこの問題を解決したのだ。そのアむデアを圌が思い぀いたのは京郜を蚪れおいたずきに入ったコむンランドリヌで掗濯をしおいたずきのこずだったずいう。

ポルチンスキヌの着想によればいく぀もの「匊」はたずたっお「膜」のようになるのだずいう。この膜を圌は「ブレヌン」ず呌んだ。そう考えるこずでブラックホヌルの謎の熱の蚈算ができるようになったのである。異次元で膜状に集たった匊が動くこずによっお、熱が発生しおいるからくりが解明されたのだ。この問題を提起したホヌキングは2004幎に敗北を認めた。ブラックホヌルの底の謎は解明されたのだ。

ブレヌンによっおブラックホヌルから熱が発生する説明の図


解説超匊理論の発展ずいうこずに぀いおいえば、りィッテンによっお提唱されたM理論も重芁である。超匊理論には぀のタむプがあり、それら぀は双察性のりェブず呌ばれる関係で結び぀いお空間が次元の「理論」が提唱された。次元の理論に発展したこずは番組のいちばん最埌にごくあっさりず觊れられおいたにすぎない。

解説倧栗先生が発芋した「トポロゞカルな匊理論」や「重力のホログラフィヌ原理」も重芁である。これらに぀いおは先生の著曞「倧栗先生の超匊理論入門ブルヌバックス」をお読みいただきたい。

人類は宇宙誕生の謎を解くこずができるのだろうかLIGOやCERNなどの実隓斜蚭では研究が続けられおいる。次のタヌゲットは「異次元の怜出」である。

解説LIGOで行なわれおいるのは「重力波」の怜出である。重力波の存圚や重力波の速床が光の速床ず同じであるこずはアむンシュタむンの䞀般盞察性理論で予蚀されおいる。参考蚘事「アむンシュタむン遞集: [A8] 重力波に぀いお1918幎」


超匊理論の生みの芪であるシュワルツ博士が再び登堎する。呜があるうちにその数匏にたどり着きたい。しかし答がわかっおしたっおもそれは悲しいこずだず思う。博士にずっおは探求を続けるこずが楜しいのだずいう。

最新の超匊理論によるず、この䞖界は次元ではなく次元なのだずいう。たた新たな難問も提起された。この宇宙は私たちの䜏む宇宙だけでなく10の500乗皮類の別の宇宙もでおきたのだ。これは人類にずっおの果おなき探求の蚌なのである。

解説番組の最埌の秒皋床で映された無数の宇宙の。ほずんど解説もなくこれを芋た人はどう思うだろうパラレルワヌルドのような倚宇宙を想像した人がいるのではないだろうか超匊理論は「倚宇宙マルチバヌス」さえも説明できる玠晎らしい理論なのだず。。。実はそうではない。カラビ-ダり空間の解説で觊れたこずだが、超匊理論が含んでいる理論の数可胜性が10の500乗もあるずいうこずをこのCGは瀺しおいるのである。その通りが私たちが䜏んでいる宇宙の物理法則ずいうわけなのだ。䞀般盞察性理論ず玠粒子の数匏を統䞀したものが私たちの宇宙の法則だずすれば、別の物理法則に埓う宇宙のこずが超匊理論を䜿えばいくらでも可胜だずいうこずが最埌のが䌝えおいるこずなのだ。その膚倧な可胜性の䞭からどうしおこの宇宙物理法則が遞ばれたのかは、今埌の研究課題なのである。


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重力ずは䜕か アむンシュタむンから超匊理論ぞ、宇宙の謎に迫る倧栗博叞
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倧栗先生の超匊理論入門倧栗博叞
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はじめおの〈超ひも理論〉川合光
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䞀般盞察性理論に挑戊しよう
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時空の幟䜕孊特殊および䞀般盞察論の数孊的基瀎
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超匊理論に至る冊の物理孊、数孊曞籍
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Dブレヌン―超匊理論の高次元物䜓が描く䞖界像橋本幞士
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e18ed1e00f1c877cf3e7926a564f01ae

日本語の超匊理論・M理論の教科曞
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速報2013幎ノヌベル物理孊賞はヒッグス博士ずアングレヌル博士に決定

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拡倧

2013幎のノヌベル物理孊賞はピヌタヌ・ヒッグス博士ずフラン゜ワ・アングレヌル博士のお二人に決定した

Nobelprize.org
http://www.nobelprize.org/

おめでずうございたす


授賞理由

"For the theoretical discovery of a mechanism that contributes to our understanding of the origin of mass of subatomic particles, and which recently was confirmed through the discovery of the predicted fundamental particle, by the ATLAS and CMS experiments at CERN's Large Hadron Collider."

翻蚳

「亜原子粒子の質量の起源の理解に貢献するメカニズムの理論的発芋、そしお予想された基本粒子ずしおCERNのLHCにおいおなされたATLASおよびCMSの実隓によっお最近確認されたこずに察しお授賞する。」

発衚時の映像はこちら。




ピヌタヌ・ヒッグスりィキペディアの蚘事日本語

フラン゜ワ・アングレヌルりィキペディアの蚘事英語


ノヌベル物理孊賞 2013 䞀般向け説明(PDF)
http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/physics/laureates/2013/popular-physicsprize2013.pdf

ノヌベル物理孊賞 2013 専門家向け説明(PDF)
http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/physics/laureates/2013/advanced-physicsprize2013.pdf

受賞をもたらしたヒッグス博士、アングレヌル博士の論文1964幎
http://www.aps.org/publications/apsnews/updates/nobel13.cfm

2012幎7月4日お二人が初めおCERNで䌚ったずきの写真



なお、報道ではヒッグス粒子は「神の粒子」ず䌝えられおいるが、神の粒子などではない。報道の文脈での「神の粒子」は「偉倧な粒子」ずか「神の存圚の蚌ずなる粒子」ずいう意味だか、この呌び方はもずもず「そんな粒子はあるはずがない。」ずいう皮肉、蔑芖の意味合いで䜿われるこずが倚かった。

たた「ヒッグス粒子が邪魔するこずにより玠粒子に質量が生たれる。」ず報道されるこずが倚いが、これは完党に間違った説明である。

あず「ヒッグス粒子はすべおの物質に質量を䞎える。」ずか「ヒッグス粒子は物質の質量の起源を明らかにした。」ずいう説明も誀りだ。ヒッグス粒子ヒッグス機構によっお質量が䞎えられるのは「力を䌝える粒子ゲヌゞ粒子ボ゜ン、ボ゜ン」や「フェルミオン電子など」だけである。すべおの玠粒子に質量を䞎えるわけではない。

物質の質量のうち玠粒子の質量はパヌセントだけにすぎない。残りのパヌセントは原子栞内の栞力匷い力の゚ネルギヌによっお説明される。アむンシュタむンの特殊盞察性理論により゚ネルギヌが質量に換算されるからだ。

物質の質量玠粒子の質量匷い力の゚ネルギヌによる質量

クリックで拡倧


繰り返そう。物質の質量の起源のパヌセントはアむンシュタむンの理論によっお解明枈みで、残りの1パヌセントの謎が昚幎の倏に解明されたわけである。

詳しいこずは「匷い力ず匱い力-ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く倧栗博叞」の第章の最埌の぀の節で説明されおいる。


埌日远蚘

ヒッグス粒子ヒッグス機構による玠粒子の質量の起源に぀いおは、報道やネット䞊では䞍正確な説明がたこずしやかに広たっおしたっおいるが、前野先生のご説明が僕が芋た䞭ではいちばん正確だず思う。ぜひお読みいただきたい。

ヒッグス粒子っおなあに高校生以䞊向け版
http://irobutsu.a.la9.jp/movingtext/HiggsHS/index.html


関連曞籍

「ヒッグス粒子の発芋 (ブルヌバックス)むアン・サンプル」レビュヌ蚘事



関連蚘事

祝ヒッグス粒子発芋
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f88350541542f732fec74af583a29e50

解説NHKスペシャル「神の数匏」第回この䞖は䜕からできおいるのか
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/5f0430e3fed08f6947d5efbe9559fbbd

匷い力ず匱い力-ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く倧栗博叞
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/06c3fdc3ed4e0908c75e3d7f20dd7177

「暙準暡型」の宇宙ブルヌス・シュヌム
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/25297abb5d996b0c1e90b623a475d1aa

幎床ノヌベル物理孊賞倧栗先生のブログ
http://planck.exblog.jp/20806670/


ノヌベル物理孊賞、ヒッグス博士ら人に読売新聞

スりェヌデン王立科孊アカデミヌは日、幎のノヌベル物理孊賞を英゚ディンバラ倧孊名誉教授のピヌタヌ・ヒッグス博士ずベルギヌ・ブリュッセル自由倧孊名誉教授のフラン゜ワ・アングレヌル博士に莈るず発衚した。

賞金䞇スりェヌデン・クロヌナ玄億䞇円は、人で分ける。

人は、宇宙誕生埌、物に質量重さが生たれた仕組みの理論を幎に盞次ぎ発衚。質量を生み出した粒子は、埌にヒッグス粒子ず呌ばれた。昚幎月、日本の機関が参加したスむスの加速噚実隓で粒子の存圚が確認され、受賞に぀ながった。装眮の開発にも日本䌁業が倚く貢献した。


「南郚博士の圱響倧」ノヌベル賞・ヒッグス博士読売新聞

【゚ディンバラ英北郚石黒穣】幎のノヌベル物理孊賞の受賞が決たった英゚ディンバラ倧孊名誉教授のピヌタヌ・ヒッグス博士が日、同倧で蚘者䌚芋を行った。

日の発衚の際に人前に姿を珟さず、日遅れの受賞䌚芋ずなった。

ヒッグス博士は「南郚陜䞀郎博士の研究から倧きな圱響を受けた」ず明かした。

ヒッグス博士は幎、物に質量を䞎えるヒッグス粒子の存圚を予枬し、今回の受賞が決たった。その基瀎になる理論を提唱したのが、米シカゎ倧名誉教授で、幎の同賞受賞者の南郚博士だ。ヒッグス博士は「幎に研究の方向を芋倱っおいたずき、南郚博士の論文に興味をかきたおられた。圌の足跡をたどり、圌の理論で欠けおいた芁玠を提䟛した」ず語った。


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発売情報よくわかる解析力孊前野昌匘

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「よくわかる解析力孊前野昌匘」

内容
解析力孊は本来「力孊を簡単にする方法」。本曞では「ラグランゞアンのおかげでこんな問題が簡単になるよ」ずいう点を具䜓的に語っおいく。

著者略歎
前野 昌匘ホヌムペヌゞ http://irobutsu.a.la9.jp/
1985幎神戞倧孊理孊郚物理孊科卒業。1990幎倧阪倧孊倧孊院理孊研究科博士埌期課皋修了。1995幎より琉球倧孊理孊郚教員。珟圚、琉球倧孊理孊郚物質地球科孊科准教授


泚文しおいた本曞が今日届いた。今の孊生は恵たれおいるず思った。発売されたばかりのずおもわかりやすい解析力孊入門曞である。本曞を読むための前提知識は理数系の倧孊幎で孊ぶ埮積分偏埮分を含むず線圢代数。本曞に限らず解析力孊を孊ぶのであれば、いずれにせよ前提知識は同じだ。

「解説NHKスペシャル「神の数匏」第回この䞖は䜕からできおいるのか」の蚘事で「玠粒子の数匏の巊蟺に曞かれおいるはラグランゞアンず呌ばれおいる量だ。ラグランゞアンに぀いお孊ぶ解析力孊はニュヌトン力孊から超匊理論たで、あらゆる物理理論で成り立っおいる普遍的な原理である。」ず曞いたように解析力孊Wikipediaの蚘事はずおも重芁な䜍眮をしめおいる。

「無数にある未来の可胜性の䞭から自然はどうやっお぀だけを遞び取っおいるのだろうかそしおそれが繰り返されるこずで䞖界の動きが進み、どのように過去の有り様がひず぀に決たっお「歎史」が䜜られおいくのだろうか」

解析力孊はそこに朜む普遍的な原理を説き明かしおくれる。ニュヌトン力孊を出発点ずしおいるから解析力孊の瀺す未来はあらかじめ決たっおいるずいう決定論のはずだ。しかし䞍思議なこずに孊び終えるころには量子力孊の入口が芋えおくるのだ。その先にあるのは非決定論的で䞍確実な䞖界である。第章の「解析力孊ず物理」でそれはわかる。

ずはいっおも初めお孊ぶ人には幟分ハヌドルが高いのも事実。これたで僕がお勧めしおいたのは「解析力孊久保謙䞀著、裳華房」だった。

しかし今日届いたばかりの「よくわかる解析力孊前野昌匘」の内容をざっず確認した限りでは、こちらのほうがずっずよい。これからは本曞を勧めるこずにしよう。

読んでもいないのに無責任だずいう声も聞こえおきそうだが、「よくわかる電磁気孊前野昌匘」や「よくわかる量子力孊前野昌匘」の良さは十分知っおいるので、前野先生の本ならば間違いはない。本曞のわかりやすさに぀いおも九分九厘保蚌できる。章立おは次のずおり。

第1章 解析力孊入門の準備
第2章 簡単な倉分問題
第3章 静力孊―仮想仕事の原理から倉分原理ぞ
第4章 ラグランゞュ圢匏の解析力孊?導入篇
第5章 ラグランゞュ圢匏の解析力孊?発展篇
第6章 ラグランゞュ圢匏の解析力孊―実践篇1・振動
第7章 ラグランゞュ圢匏の解析力孊―実践篇2・剛䜓の回転
第8章 保存則ず察称性
第9章 ハミルトン圢匏の解析力孊
第10章 正準倉換
第11章 ハミルトン・ダコビ方皋匏
第12章 おわりに 解析力孊ず物理
付録A 行列蚈算
付録B 偏埮分に関係するテクニック
付録C 座暙系に関しお
付録D 問いのヒントず解答


ひずずおり孊び終えおいる僕でも近いうちに読んでレビュヌ蚘事を曞いおみたい。そんな気持ちにさせられた。

前野先生は今幎の月に初等力孊の入門曞もお出しになっおいる。解析力孊以前に力孊も孊び盎しおみたいずいう方は、合わせおお読みになるずよいだろう。

「よくわかる初等力孊前野昌匘」
「よくわかる解析力孊前野昌匘」

 


本曞のサポヌトペヌゞ「はじめに」や「正誀衚」が読める。
http://irobutsu.a.la9.jp/mybook/ykwkrAM/

ネットで解析力孊を孊んでみたい方は「EMANの解析力孊」がお勧め。

EMANの解析力孊
http://homepage2.nifty.com/eman/analytic/contents.html


----------------------------
远蚘その埌、本曞を読んでレビュヌ蚘事を曞いた。

よくわかる解析力孊前野昌匘
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/bd9d328483de3bc3f9a3ad14ec6fe078


䜙談

ずころでノヌベル物理孊賞が発衚されたばかりだが、前野先生はこんなペヌゞもお曞きになっおいる。報道やネット䞊では䞍正確な説明がたこずしやかに広たっおしたっおいるが、前野先生のご説明が僕が芋た䞭ではいちばん正確だず思う。ぜひお読みいただきたい。

ヒッグス粒子っおなあに高校生以䞊向け版
http://irobutsu.a.la9.jp/movingtext/HiggsHS/index.html


関連蚘事

よくわかる電磁気孊前野昌匘
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/3f7e34e15a862a7c6471d5eb60be0273

よくわかる量子力孊前野昌匘
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/08beb004bf1a5c9e6f6192439045c120

今床こそ玍埗する物理・数孊再入門前野昌匘
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/8777ea8175e9c48e0170df5b930f42d9


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「よくわかる解析力孊前野昌匘」


はじめに

第1章 解析力孊入門の準備
 1.1 ニュヌトン力孊の埩習
  1.1.1 運動の法則
  1.1.2 保存則
  1.1.3 角運動量の保存
 1.2 力孊を簡単にするために
  1.2.1 「仕事」を䜿いこなす
  1.2.2 より高い芖点から「運動」を芋る
 1.3 経路
 1.4 座暙ずその倉換
 1.5 章末挔習問題

第2章 簡単な倉分問題
 2.1 倉分による蚈算
  2.1.1 倉分ずは
  2.1.2 等しい呚で最倧面積の長方圢
  2.1.3 等しい呚の䞉角圢
 2.2 光孊におけるフェルマヌの原理
  2.2.1 反射の法則
  2.2.2 屈折の法則
  2.2.3 光の盎進
  2.2.4 極座暙での盎線
 2.3 関数の倉分に関するたずめず䟋題
  2.3.1 オむラヌ・ラグランゞュ方皋匏
  2.3.2 䞀般的な図圢の等呚問題
  2.3.3 最速降䞋線
 2.4 章末挔習問題

第3章 静力孊―仮想仕事の原理から倉分原理ぞ
 3.1 仮想仕事の原理
  3.1.1 䞀個の質点の堎合
  3.1.2 耇数の質点からなる系における仮想仕事の原理
 3.2 剛䜓に察する仮想仕事
  3.2.1 剛䜓に起こり埗る仮想倉䜍
  3.2.2 剛䜓に察する仮想仕事
  3.2.3 仮想仕事が0 になるための条件
 3.3 仮想仕事の原理を䜿う䟋題
 3.4 䜍眮゚ネルギヌ
  3.4.1 仕事ず゚ネルギヌ
  3.4.2 䜍眮゚ネルギヌを衚珟する座暙を倉えおみる
 3.5 3 次元の仮想仕事ず䜍眮゚ネルギヌ
  3.5.1 積分可胜条件ずrot
  3.5.2 異なる座暙系で蚈算したポテンシャルの安定点
 3.6 静力孊における倉分原理
  3.6.1 動力孊の倉分原理のモデルになる静力孊の問題
  3.6.2 懞垂線の方皋匏
  3.6.3 䞀般座暙におけるラプラシアン
 3.7 章末挔習問題

第4章 ラグランゞュ圢匏の解析力孊?導入篇
 4.1 「䜜甚」を`䜜る'
  4.1.1 䜜甚ずは䜕か
  4.1.2 ダランベヌルの原理による仮想仕事の原理の拡匵
  4.1.3 確認䜜甚は本圓に極倀を取っおいるか
  4.1.4 運動方皋匏ずしおのオむラヌ・ラグランゞュ方皋匏
  4.1.5 なぜ䜍眮゚ネルギヌは匕かれるのか
 4.2 1 次元運動の䟋題
  4.2.1 簡単な䟋題
  4.2.2 加速する座暙系内の自由粒子
  4.2.3 速床に比䟋する抵抗
 4.3 耇合系をラグランゞアン圢匏で
  4.3.1 定滑車
  4.3.2 動滑車
 4.4 倚次元のラグランゞュ圢匏
  4.4.1 2 次元以䞊の倉数のラグランゞアン
  4.4.2 棒に繋がれた2 物䜓の平面内運動
  4.4.3 䞀般的ポテンシャルによる盞互䜜甚をする2 物䜓
 4.5 章末挔習問題

第5章 ラグランゞュ圢匏の解析力孊?発展篇
 5.1 オむラヌ・ラグランゞュ方皋匏ず座暙倉換
  5.1.1 オむラヌ・ラグランゞュ方皋匏の共倉性
  5.1.2 2 次元極座暙でのオむラヌ・ラグランゞュ方皋匏
  5.1.3 埪環座暙
  5.1.4 倉数倉換に関する泚意|ルゞャンドル倉換の必芁性
  5.1.5 2 次元で䞇有匕力が働く堎合
 5.2 次元の盎亀曲線座暙で蚘述する運動
  5.2.1 盎亀座暙から他の座暙系ぞ
  5.2.2 次元の極座暙
  5.2.3 球察称ポテンシャル内の運動
 5.3 拘束のある系
  5.3.1 拘束条件の分類
  5.3.2 ラグランゞュ未定乗数の利甚
  5.3.3 倉数の消去
 5.4 章末挔習問題

第6章 ラグランゞュ圢匏の解析力孊―実践篇1・振動
 6.1 単振動
  6.1.1 簡単な単振動
  6.1.2 埮小振動
 6.2 連成振動
  6.2.1 二䜓連成振動
  6.2.2 二䜓連成振動の行列を䜿った倉数倉換
  6.2.3 質量が異なる堎合
  6.2.4 二重振り子
 6.3 䞉䜓からN 䜓の連成振動ぞ
  6.3.1 䞉䜓連成振動
  6.3.2 ぀のモヌドの衚珟
  6.3.3 N 個の物䜓が連結されおいる堎合の振動
 6.4 連続的な物䜓ぞの極限
  6.4.1 振動解の物䜓数を増やす
  6.4.2 䜜甚の曞き換え
 6.5 章末挔習問題

第7章 ラグランゞュ圢匏の解析力孊―実践篇2・剛䜓の回転
 7.1 剛䜓の回転運動
  7.1.1 剛䜓の運動゚ネルギヌ
  7.1.2 䞻軞倉換
7.2 オむラヌ角で衚珟する回転運動
  7.2.1 物䜓に固定された座暙軞
  7.2.2 オむラヌ角ず角速床ベクトル
  7.2.3 倖力が働かない剛䜓の回転運動
  7.2.4 角運動量の保存
  7.2.5 特定の軞に回りに回っおいる時の近䌌蚈算
 7.3 ゚ネルギヌ保存ず角運動量保存から蚀えるこず
  7.3.1 自由に回転する剛䜓
 7.4 章末挔習問題

第8章 保存則ず察称性
 8.1 空間䞊進ず運動量保存則
  8.1.1 ハミルトンの䞻関数
  8.1.2 「ハミルトンの䞻関数の端点埮分」ずしおの運動量
  8.1.3 運動量保存則の導出
 8.2 運動量の䞀般化
 8.3 時間䞊進䞍倉性ず゚ネルギヌ保存則
   8.3.1 䜜甚の時間埮分ずしおの゚ネルギヌ
   8.3.2 ゚ネルギヌ保存則の導出
 8.4 䞀般論|ネヌタヌの定理
 8.5 角運動量保存則
 8.6 章末挔習問題

第9章 ハミルトン圢匏の解析力孊
 9.1 ハミルトン圢匏正準圢匏ずは
  9.1.1 運動量ず座暙を䜿った衚珟
  9.1.2 ハミルトニアン
  9.1.3 簡単な䟋題
  9.1.4 ラグランゞュ未定乗数ずしおの運動量
 9.2 倉分原理からの正準方皋匏
 9.3 䜍盞空間
  9.3.1 䜍盞空間ずは
  9.3.2 䜍盞空間で衚珟した「運動」
 9.4 リりノィルの定理
 9.5 ポアッ゜ン括匧
  9.5.1 時間埮分ずハミルトニアン
  9.5.2 ポアッ゜ン括匧の性質
  9.5.3 ダコビ恒等匏の蚌明
  9.5.4 ポアッ゜ン括匧が0 になるこずの意味
 9.6 ハミルトン圢匏で考える角運動量ず剛䜓
  9.6.1 角運動量ずのポアッ゜ン括匧
  9.6.2 倖力が働かない剛䜓の回転
  9.6.3 察称コマのハミルトニアン
  9.6.4 軞先が固定された察称コマ
 9.7 章末挔習問題

第10章 正準倉換
 10.1 1 次元系の時間によらない正準倉換
  10.1.1 正準方皋匏の倉換
  10.1.2 䜍盞空間の面積を倉えない倉換の䟋
  10.1.3 ポアッ゜ン括匧の倉換
  10.1.4 より倧胆な正準倉換
  10.1.5 ポアッ゜ン括匧を䜿っお無限小正準倉換を蚘述する
 10.2 倉分原理ず正準倉換
  10.2.1 正準倉換による䜜甚の倉化ず母関数
  10.2.2 正準倉換の倉数の取り方
  10.2.3 母関数を䜿った正準倉換の䟋
  10.2.4 倉換から母関数を䜜る
 10.3 時間に䟝存する倉換
  10.3.1 䜜甚の倉化
  10.3.2 時間に䟝存する正準倉換の䟋
 10.4 倚倉数の正準倉換
  10.4.1 倚倉数のポアッ゜ン括匧の倉換
  10.4.2 倚倉数の堎合の母関数
  10.4.3 倚倉数正準倉換の䟋
 10.5 章末挔習問題

第11章 ハミルトン・ダコビ方皋匏
 11.1 ハミルトン・ダコビ方皋匏
  11.1.1 K = 0 ずなる正準倉換の母関数を求める
  11.1.2 䜜甚ずハミルトン・ダコビ方皋匏
 11.2 ハミルトン・ダコビ方皋匏の解
  11.2.1 倉数分離
  11.2.2 簡単な䟋
  11.2.3 2 次元攟物運動
 11.3 球察称ポテンシャル内の3 次元運動
 11.4 章末挔習問題

第12章 おわりに 解析力孊ず物理
 12.1 解析力孊ず盞察論
 12.2 解析力孊ず統蚈力孊
 12.3 解析力孊ず量子力孊

付録A 行列蚈算
 A.1 行列の基本蚈算
 A.2 行列を䜿う利点
 A.3 添字を䜿った衚珟
 A.4 盎亀行列
 A.5 盎亀行列でない行列の逆行列
 A.6 固有倀ず固有ベクトル
 A.7 行列匏の蚈算
 A.8 固有ベクトルによる察角化

付録B 偏埮分に関係するテクニック
 B.1 倚倉数の関数の埮分
  B.1.1 偏埮分
  B.1.2 党埮分ず倉数倉換
 B.2 䜓積積分ずダコビアン
  B.2.1 面積積分
  B.2.2 䜓積積分
 B.3 ラグランゞュ未定乗数の方法の意味
 B.4 オむラヌ・ラグランゞュ方皋匏
  B.4.1 倉数の堎合
  B.4.2 倚倉数の堎合
 B.5 ルゞャンドル倉換
  B.5.1 必芁性?もしルゞャンドル倉換をしなかったら
  B.5.2 ルゞャンドル倉換ずは

付録C 座暙系に関しお
 C.1 ベクトルの衚珟
  C.1.1 盎亀座暙の基底ベクトル
  C.1.2 䞀般的な盎亀曲線座暙の基底ベクトル
  C.1.3 曲線座暙ずベクトル
  C.1.4 テン゜ル
 C.2 回転を蚘述する方法
  C.2.1 2 次元回転
  C.2.2 オむラヌ角

付録D 問いのヒントず解答
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発売情報初玚講座匊理論 基瀎線、発展線B.ツノィヌバッハ

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「初玚講座匊理論 基瀎線B.ツノィヌバッハ」
「初玚講座匊理論 発展線B.ツノィヌバッハ」

内容
MITの孊郚孊生向けの講矩から生たれた教育的な匊理論の教科曞。

“基瀎線”では盞察論的な開匊および閉匊の基本的な量子化たでを䞁寧に解説する。たず特殊盞察論ず光錐座暙系、高次元時空、䜙剰次元のコンパクト化などの背景抂念を導入し、非盞察論的な匊の力孊を埩習する。そしお盞察論的な点粒子や匊の叀兞論を論じ、それらに察しお光錐量子化を斜しお、Lorentz䞍倉性の芁請から匊理論の臚界次元が決たるこずや、匊の量子状態ずしお光子や重力子が珟れるこずなどを芋る。最終章では超察称性を導入した超匊理論の考え方を簡朔に玹介する。

“発展線”では、“基瀎線”で詳述した量子匊の基瀎抂念を背景に眮いお、匊理論の倚様な発展的偎面を抂芳する。D‐ブレむンず開匊を利甚したYang‐Mills堎の構築や、匊のKalb‐Ramondチャヌゞ、T双察性の抂念に぀いお説明し、D‐ブレむンの電磁堎を考察する。曎に、匊理論を利甚した玠粒子モデルやブラックホヌルの統蚈力孊、AdS/CFT察応などの応甚的な話題を玹介する。共倉な量子化に぀いおも簡単に蚀及し、最埌の郚分では匊のダむダグラムを甚いお匊の盞互䜜甚やルヌプ振幅を論じる。“発展線”は超匊理論の入門曞ずなっおいる。

日本語版の翻蚳者略歎
暺沢宇玀
1990幎倧阪倧孊倧孊院基瀎工孊研究科物理系専攻前期課皋修了。(æ ª)日立補䜜所䞭倮研究所研究員。1996幎(æ ª)日立補䜜所電子デバむス補造システム掚進本郚技垫。1999幎(æ ª)日立補䜜所蚈枬噚グルヌプ技垫。2001幎(æ ª)日立ハむテクノロゞヌズ技垫


日連続の発売情報蚘事ずなり、レビュヌ蚘事をお埅ちの読者の方には申し蚳ないのだが本が出おしたったのだから仕方がない。

玹介するのは超匊理論の教科曞の䞭ではいちばんやさしいず定評のある入門曞である。英語版はKindle版も出おいるのでそろそろダりンロヌド賌入しようず思っおいた矢先、日本語版が発売されたずいうニュヌスが飛び蟌んできた。

翻蚳の元ずなったのは2009幎1月に刊行された次の本で、これが第版である。

「A First Course in String Theory: Barton Zwiebach」




この倧著を翻蚳されたのは暺沢宇玀先生。これたでたくさんの物理孊曞の翻蚳を手がけおきた。この蚘事の最埌に瀺すように先生の蚳曞はこれたで僕も冊読んでいる。

そしお今回䞞善プラネットから出版されたのが次の冊。分量が倚いので分冊になっおしたったわけだ。タむトルや目次には「匊理論」ず曞いおあるが、基瀎線のいちばん最埌に「超匊理論入門」ずいうセクションがあるので、少しだけ「超匊理論の入門曞」なのだろうけれども、党䜓的には「匊理論の入門曞」である。远蚘蚳者の暺沢先生からコメント欄を通じお『“党䜓的には「匊理論の入門曞」”ずいう評蚀はこれはこれで正しいしかしながら「発展線」のほうには超匊理論を前提ずした話題も結構含たれおいるので定圚的なD-ブレむンを扱う話題は必然的に超匊理論の範疇に入る䞡線あわせお「超匊理論の話題も含めた匊理論の入門曞」ず評しおも悪くはない内容になっおいたす』ずご説明いただいた。僕の蚘事の蚂正ずしお远蚘しおおく。

孊郚幎生から読めるそうなのだが、解析力孊、堎の量子論、盞察論特殊ず䞀般を孊んでいるこずは必芁だ。超察称性を加味した匊理論(超匊理論)を構築したケンブリッゞ倧孊の倩才物理孊者マむケル・グリヌン教授が「盞察性理論や量子理論の知識が浅い人でも理解できる、新鮮なアプロヌチを取り䞊げる」ず掚薊しおいる。

この第版ではAdS/CFT察応、超匊理論 、orbifold、宇宙ひも、ひも理論のランドスケヌプ などを新しく網矅したずいう。

「初玚講座匊理論 基瀎線B.ツノィヌバッハ」
「初玚講座匊理論 基瀎線B.ツノィヌバッハ」

 

基瀎線の目次

緒論
特殊盞察性理論・光錐座暙系・䜙剰次元
様々な次元における電磁気孊ず重力
非盞察論的な匊
盞察論的な点粒子
盞察論的な匊
匊のパラメヌタヌ付けず叀兞的な運動
䞖界面カレントず保存量
盞察論的な光錐匊
各皮の光錐堎ずボゟン
点粒子の光錐量子化
盞察論的な量子開匊
盞察論的な量子閉匊
超匊理論入門

発展線の目次

D‐ブレむンずゲヌゞ堎
匊のチャヌゞず電荷
閉匊のT双察性
開匊およびD‐ブレむンのT双察性
電磁堎を持぀D‐ブレむンずT双察性
Born‐Infeld理論ずD‐ブレむンの電磁堎
匊理論ず玠粒子物理
匊の熱力孊ずブラックホヌル
匷い盞互䜜甚ずAdS/CFT察応
匊の共倉な量子化
匊の基本的な盞互䜜甚ずRiemann面
匊のダむダグラムの構造ずルヌプ振幅


「やさしい」ずはいっおも、やはり超匊理論の本だ。曞店で立ち読みしおからお買い求めになったほうがよいかもしれない。アマゟンの読者レビュヌは英語版のほうに日本語で件投皿されおいるので参考にされるずよいず思う。

远蚘蚳者の暺沢先生からコメント欄を通じお次のようなご説明をいただいたので付蚘しおおく。先生ありがずうございたした。

内容的に先日のNHK「神の数匏」第倜や倧栗博叞氏の日本語の著䜜にシンクロする郚分をたっぷり含んでいたすたた「孊郚孊生向け」ずうたっおあるだけあっお教育的な配慮の行き届いた読みやすい本だず思いたすただ字面を远うこずは容易であっおもこれだけの内容をきちんず理解するのは孊郚生はおろか倧方の理系のマスタヌコヌスの孊生にずっおもなかなか倧倉ではないかず思いたすMITで理論物理をやろうずいう孊生なんぞの頭は䞊の出来ではないのでしょうね私の蚳業の指針は「私皋床の頭の持ち䞻䞊の理工系修士修了皋床・理論物理専攻経隓なしでも読めば理解できる少なくずも理解に近づいた気分になる蚳曞を提䟛する」ずいうこずなので読者にずっおテキストの議論がさらに飲み蟌みやすくなるように随所に蚳蚻を入れおありたす頭のよい人々の䞭には䜙蚈な差し出口ず揶揄する人もいるでしょうけれども


関連蚘事

初玚講座匊理論 基瀎線B.ツノィヌバッハ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/6da996449afaf50f8cf0f4f84881da0e

販売状況日本語の超匊理論・M理論の教科曞
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/61e4dd2232d54cf4a5f3da1aeb83975a


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関連蚘事 暺沢宇玀先生の蚳曞で、これたで僕が読んでレビュヌ蚘事を曞いた本

サクラむ䞊玚量子力孊〈第1巻〉茻射ず粒子J.J.サクラむ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f54547be0138322c412050725ce489c2

サクラむ䞊玚量子力孊〈第2巻〉共倉な摂動論J.J.サクラむ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ef07c6e9d17863ca8e6c48959925783e

堎の量子論〈第1巻〉量子電磁力孊F.マンドル、G.ショヌ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/08726ab931904f76d9c26ff56d219e53

堎の量子論〈第2巻〉玠粒子の盞互䜜甚F.マンドル、G.ショヌ
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/95d908cd752af642964cbff7ea7f0301
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