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四千万歩の男(一): 井上ひさし

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四千万歩の男(一): 井上ひさし」(Kindle版

内容:
忠敬は下総佐原村の婿養子先、伊能家の財をふやし50歳で隠居。念願の天文学を学び、1800年56歳から16年、糞もよけない“二歩で一間”の歩みで日本を歩き尽し、実測の日本地図を完成させた。この間の歩数、4千万歩……。定年後なお充実した人生を生きた忠敬の愚直な一歩一歩を描く歴史大作。全5巻。(講談社文庫)
1992年刊行、664ページ。

著者について:
井上ひさし: 公式サイト: hhttp://www.inouehisashi.jp/
1934年-2010年。山形県生れ。上智大学文学部卒業。浅草フランス座で文芸部進行係を務めた後に放送作家としてスタートする。以後『道元の冒険』(岸田戯曲賞、芸術選奨新人賞)、『手鎖心中』(直木賞)、『吉里吉里人』(読売文学賞、日本SF大賞)、『東京セブンローズ』など戯曲、小説、エッセイ等に幅広く活躍している。’84年に劇団「こまつ座」を結成し、座付き作者として自作の上演活動を行う。


昨今は司馬遼太郎や松本清張のようにボリュームのある連作ものの歴史小説を書ける作家がほとんどいなくなってしまった。次の世代では井上ひさし、そしてもう少し若くなって(歴史小説ではないが)京極夏彦というところだろう。力量がなくなったわけではなく、スピードが優先され、調査や分析にあてる時間が取れなくなったからなのだと思う。

通勤電車で読む一般書としてこの本を読み始めた。伊能忠敬については説明する必要がないだろう。史実にもとづいた本はいくつもあるが、ほとんど創作に近い本書を選んだのは純粋にフィクションとして楽しみたかったからである。井上ひさしさん独特の軽妙な言い回しで、忠敬の後半生を描き出した物語である。水戸黄門漫遊記のような本だから、時代考証や学術的な記述について「事実と違う!」などと目くじらを立てるのは野暮というもの。

物語は全5巻で6冊目に「忠敬の生き方」という解説本でしめくくられている。僕はKindle版をダウンロードし、ライトノベル感覚で読み始めた。ところがするする読み進めているわりに、なかなかページが進んでいかない。「あれ、変だぞ」と思って第1巻のページ数を確認したら664ページもある。どうりで進まないわけだ。全部読むのには時間がかかりそうだから、間に他の本も入れながら読むことにしよう。

フィクションといっても次の点においては綿密に調査の上、史実にのっとって書かれている。忠敬は1800年から1816年まで10次に渡る測量を行ったが、本書の第5巻まではそのうち1801年に完了した第2次測量までである。(参考ページ

- 第1次と第2次の測量が行われた目的、日程(年月日)、ルート、宿泊地
- 測量や観測に使用した装置、それらの装置の役割、測量方法
- 経由地の様子、藩主や主だった役人の名前
- 測量を行った時代の幕藩体制、庶民の生活や文化


第1巻では江戸に住む忠敬や家族、周囲の人たちの描写、測量の旅を志す動機、準備段階の描写から始まる。器具を使っての測量とはいえ歩測するのもとても大事なことだ。当時の江戸には野良犬がたくさんいた。前方に犬の糞が落ちていても進路や歩幅を変えるわけにはいかない。しぶしぶ犬の糞を踏みつけながら律儀に測量を続ける忠敬の姿が滑稽に描かれる。

実際の忠敬は真面目な人物だったそうだ。しかし本書で描かれているのは遊び心をもち、吉原通いが好きな忠敬である。忠敬は生涯4度妻をめとったが4番目の妻の「お栄」の素性ははっきりしていない。本書ではお栄を吉原の花魁に設定し、年季が明けた彼女を忠敬が迎えて嫁にしたことになっている。

当時の幕藩体制のもとで、奇妙な測量器具を持ち歩きながら各藩を旅するのは容易なことではない。「蝦夷地の調査」という名目で幕府の許可を取り付け、やっと旅を始めるめどがたったのである。そこに至るまでにも井上ひさしながらの奇想天外な出来事、実際にはとてもあり得ない幕府重鎮との出会いと顛末が創作された。つまり忠敬は吉原のとある店の雪隠(便所)で立小便している隠居した松平定信と出くわし、うまい具合に蝦夷地の調査のお許しを勝ち取るのである。そもそも忠敬の目的は子午線の長さの測量のために北へ真っすぐ進めればよいわけで、蝦夷地の調査は方便なのだ。

旅の各所で事件に巻き込まれたり、みずから進んで事件を解決しながら息子や弟子を伴った忠敬は測量を続け、北へ北へと進んでいく。第1巻の最後は津軽藩が秘密裡に行っていた阿片栽培をめぐる座頭(盲人)の大量殺人事件を解決し、蝦夷地から箱館(函館)に渡る直前までの行動が描かれている。

物語としてじゅうぶん楽しめる。『吉里吉里人』のようにジョーク連発というわけではないが、くすっと笑いながら江戸時代後期の雰囲気を楽しめる本だ。江戸の言葉づかいはもちろん、各地の方言が再現されていて著者の力量には敬服させられるばかり。こういう方言丸出しの文章を書ける作家も、最近はほとんどいなくなってしまったなと思った。いや違う、井上ひさしだからこそできたのである。

引き続き第2巻に進もう。


四千万歩の男(一): 井上ひさし」(Kindle版

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関連ページ:

【 あの人の人生を知ろう~伊能忠敬編 】
http://kajipon.sakura.ne.jp/kt/tadataka.html

伊能忠敬e資料館
https://www.inopedia.tokyo/

日本国地図の歴史的変遷?やっぱ伊能忠敬って天才だわ。凄すぎる・・・
https://matome.naver.jp/odai/2136439442534894801

伊能大図彩色図の閲覧
http://www.gsi.go.jp/MAP/KOTIZU/sisak/ino-main.html


関連記事:

吉里吉里人:井上ひさし
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/7830d542844bf6f4f6b702e081aa3be7

追悼:井上ひさしさん
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/8b68249f7d2070726183c6f9e8fb71dd


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数学 その形式と機能: ソーンダース・マックレーン

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数学 その形式と機能: ソーンダース・マックレーン

内容紹介:
数多くの名著の著者として著名なマックレーン教授が、現代数学の各部門にわたってその基礎概念を縦横に論じたもの。数学の構造、性格、および各部門の関係を数学と哲学の両面から論じ、数学の起原から現代数学までを概観しながら、それぞれの問題の本質を明らかにした。現代数学全般に精通した原著者のライフワーク。
1992年4月刊行、621ページ。

著者について:
ソーンダース・マックレーン
1909年8月4日、米国タフトヴィル生まれ。1934年、ゲッティンゲン大学でP.ベルナイスの指導を受け論理学に関する論文で博士号を取得。1947年よりシカゴ大学教授、1982年より同大学名誉教授。またMAA会長(1951‐52)、AMS会長(1973‐74)を歴任。2005年4月14日、米国サンフランシスコにて歿。


理数系書籍のレビュー記事は本書で324冊目。

本書は「数学とは何か(原書第2版):R.クーラント、H.ロビンズ、I.スチュアート」を書いたときに読者の方からご紹介いただいた本だ。ようやく読み終えることができた。この2冊のテーマは同じだが「数学とは何か」が幾何学系に話題が偏っているのに対し、本書は解析学、幾何学、数論、代数のバランスがとれているという印象を持った。数学全体を俯瞰するのならば本書のほうがよいと思う。

章立ては次のとおり。

第1章:形式的構造の起源
第2章:整数から有理数へ
第3章:幾何学
第4章:実数
第5章:関数、変換および群
第6章:微積分学の諸概念
第7章:線形代数
第8章:空間が有する形式
第9章:力学
第10章:複素解析とトポロジー
第11章:集合、論理、圏
第12章:数学のネットワーク


まず本書が想定している読者だが、大学の学部レベルの数学を一通り学んだ学生向けということだろう。数学全体を俯瞰しているとはいえ学部1、2年生には難しすぎるし、まして「数学やり直し系」の本ではない。学部1、2年生が数学全体を俯瞰するのなら本書よりも「『数学ガイダンス2016』数学セミナー増刊:日本評論社」のほうがずっとよい。

第1章から第10章までは各分野の概要と他の分野とのつながりを解説する。教科書のように厳密な証明をせずに進めるから1冊であらゆる分野をカバーできるのだ。けれども全く学んでいない人にとっては何を言っているのかわからない。つまり学ぶための本ではないということ。

また、僕のように各分野をひととおり学んだ者にとっては知っていることばかりでかなり退屈なのも事実。筋道立てて進めるためには高校数学レベルの話も含めておかなければならないからだ。数学全体を俯瞰する本を書くのは難しいことだと気付かせられた。対象読者を絞るのが難しいからだ。

退屈しながらも読み進めることができたのは、各章の終わりに「他の分野とのつながり」が詳しく示されているからである。これは分野別の教科書では知ることができない内容だから。これまでの学習経験で培われてきたこと、おぼろげながら「数学の全体はこのような感じに結びついているのだ」という印象を、著者の言葉であらためて解説されると「なるほどなぁ。」と納得させられるのである。幾何学、解析学、代数学、物理学のつながりが、読み進めるにしたがって明らかになっていく。

特に第8章の解析力学のラグランジュ方程式からハミルトン方程式への変換が、数学では接空間から余接空間への変換に対応するのだということを著者が発見したという解説がとても興味深かった。この部分は数式による詳しい導出が行われているのでじっくり読んだほうがよい。

僕が萌え始めたのは「第10章:複素解析とトポロジー」あたりから。解析接続やリーマン面の説明はこの上なくわかりやすく、なぜ重要なのかがよく理解できた。

「第11章:集合、論理、圏」は数学基礎論の話。何を数学全体の土台とすべきかということだ。集合論ではなぜダメなのかがよくわかる。集合論では緩すぎるし、基礎とする公理をどうとるかによって異なる体系が生まれてしまう。大ざっぱに言えば砂上の楼閣なのだ。集合論に置き換わる土台としての圏論の有用性や圏論と集合論の関係性がよく理解できた。著者による「圏論の基礎」をお読みになる前にこの章であらましを知っておくとよいだろう。

「第12章:数学のネットワーク」で本書全体を総括する。幾何学、代数学、解析学、数論と物理だけでなく応用数学にも話は拡がり、「数学とは何か?」や「数学はどのように発展してきたのか?」がプラトニズムまで遡って語られる。「数学とは発見なのか?それとも創造なのか?」という問いにも著者はご自身の回答を示されている。初学者には芽や層などの概念は人為的に設定されたものに思われがちだが、現代数学の諸分野に通じた著者のような人から見ると、それらの概念は他の分野とのつながりが明らかで、抽象的でより高い立場から見るとその実在性がはっきりと感じられるのだという。つまり著者にとって「数学は発見するもの」なのである。

アマゾンのレビュー記事に「二十世紀後半の重要な部分、コホモロジーやファイバー束・接続の理論(ゲージ理論)にもっとほんの少し触れるだけでなく本格的に論じて欲しかったと思う。」という感想があった。概ね僕も同じ感想を持っているが本書の原書が出版されたのは1986年である。「ゲージ理論とトポロジーの年表」という記事で書いたように1986年以降にもゲージ理論と数学のつながりはよりいっそう強いものであることがわかってきた。「数学の統一理論」としてのラングランズ・プログラムもこの時代には部分的に明らかにされているに過ぎない。本書が書かれた時代を考慮して読むべきなのだろうと思った。


本書に掲載されている図版はどれも示唆に富むものだが、特に以下の4つを紹介しておこう。











翻訳の元になった原書はこちらである。

Mathematics Form and Function: Saunders MacLane」(ハードカバー




関連記事:

数学とは何か(原書第2版):R.クーラント、H.ロビンズ、I.スチュアート
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e2b02a51b73a9716b077da16a102aaff

数学とは何か―アティヤ 科学・数学論集
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b3ce277f0624f0adea8186a0168bcf99

数学の大統一に挑む:エドワード・フレンケル
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/43ca100e56e15427613b009af55c8f7d

無限をつかむ: イアン・スチュアートの数学物語
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/2307174ab3fd537695b1287f059f2304


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数学 その形式と機能: ソーンダース・マックレーン



日本語版への序文
監修者のことば
原序

序説

第1章:形式的構造の起源
- 自然数
- 無限集合
- 置換
- 時刻と順序
- 空間と運動
- 対称性
- 変換群
- 群
- ブール代数
- 微積分学、連続性および位相
- 人間活動とアイデア
- 数学上の諸活動
- 公理的構造

第2章:整数から有理数へ
- 自然数の諸性質
- ペアノの(Peano)の公準
- 帰納定理により記述される自然数
- 数論
- 整数
- 有理数
- 合同式
- 基数
- 順序数
- 数(自然数)とは何か?

第3章:幾何学
- 空間にかかわる諸活動
- 図を使わない証明
- 平行線の公理
- 双曲幾何学
- 楕円幾何学
- 幾何学的量
- 向き付け
- 幾何学における群
- 立体幾何学
- 幾何学は科学であるか?

第4章:実数
- 大きさの測定
- 幾何学的量としての大きさ
- 大きさの操作(演算)
- 大きさの比較
- 実数の公理
- 実数の算術的構成
- ベクトル幾何学
- 解析幾何学
- 三角法
- 複素数
- 立体射影と無限遠点
- 虚数は現実のものか?
- 抽象代数登場
- 四元数その他
- 要約

第5章:関数、変換および群
- 関数のタイプ
- 写像
- 関数とは何か
- 対の集合としての関数
- 変換群
- ガロア理論
- 群の構成
- 単純群
- 要約:像と合成という考え方

第6章:微積分学の諸概念
- 起源
- 積分法
- 微分係数、導関数
- 積分法の基本定理
- ケプラー(Kepler)の法則とニュートンの法則
- 微分方程式
- 微積分学の基礎づけ
- テイラー(Taylor)級数と近似
- 偏導関数、偏微分係数
- 微分形式
- 微積分学から解析学へ
- 諸概念のあいだの内部関連

第7章:線形代数
- 線形性の源泉
- 線形変換と行列
- 固有値
- 双対空間
- 内積空間
- 直交行列
- 随伴変換
- 主軸定理
- 双線形性とテンソル積
- 商空間
- 外積代数と微分形式
- 相似性と直和
- 要約

第8章:空間が有する形式
- 曲率
- 曲面のガウス曲率
- 弧長と内在的幾何学
- 多価関数とリーマン面
- 多様体の例
- 滑らかな多様体
- 径路と量
- リーマン計量
- 層
- 幾何学とは何か?

第9章:力学
- ケプラーの法則
- 運動量、仕事、エネルギー
- ラグランジュの方程式
- 速度と接束
- 数学における力学
- ハミルトンの原理
- ハミルトンの方程式
- トリックとアイデア
- 主関数
- ハミルトン-ヤコビの方程式
- 回転ごま
- 力学の形式
- 量子力学

第10章:複素解析とトポロジー
- 1変数複素関数
- 病的関数
- 複素微分
- 複素積分
- 平面上の径路
- コーシーの定理
- 一様収束
- 冪(べき)級数
- コーシーの積分公式
- 特異点
- リーマン面
- 芽と層
- 解析学、幾何学、位相数学

第11章:集合、論理、圏
- 集合の階層
- 公理的集合論
- 命題計算
- 第1階の言語
- 述語計算
- 正確な推論と理解
- ゲーデルの不完全性定理
- 独立性の証明
- 圏と関手
- 自然変換
- 普遍性
- 写像の公理
- 直観主義の論理
- 層の方法による独立性の証明
- 基礎付けか組織化か?

第12章:数学のネットワーク
- 形式性
- アイデア
- ネットワーク
- 部門、分野および下位区分
- 問題
- 数学を理解するということ
- 一般化と抽象化
- 新機軸
- 数学は真実か?
- プラトニズム
- 好ましい研究の方向
- 要約

参考文献
記号一覧
訳者あとがき
索引

開平と開立(第1回): 平方根と立方根の計算手順

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平方根(開平)と立方根(開立)

一般教養として平方根と立方根の計算手順を理解しておきたいと思い、そのための勉強にこの3連休をあてることにした。開平は「かいへい」と読み、開立は「かいりつ」あるいは「かいりゅう」と読む。

ネットにはさまざまな解説が見つかる。筆算用、算盤用の手順は違うし、筆算のやり方、算盤でのやり方にもいくつか流儀があるようだ。

とりあえず筆算、算盤用の手順を自己流の文字表現に変換して、計算手順を覚えることにした。以下、自分用の記録として残しておく。解説をつけないので読者にはわかりにくいと思うが、試行錯誤中なのでご容赦いただきたい。

筆算と算盤のどちらが楽なのか、どのような計算手順がよいのか、マスターするとしたらどの手順が覚えやすいのか、などを探っていきたい。

ちなみにウィキペディアでは単純な例について、筆算と算盤での計算手順が解説されている。

平方根(開平法): ウィキペディアの記事
立方根(開立法): ウィキペディアの記事


平方根の計算練習1: 答が自然数になる場合

以下の例は算盤用の計算手順を文字で表現したものだ。通常の九九と半九九で掛け算記号を次のように使い分けている。

6x4=24(通常の九九)
6*6=18(半九九:通常の九九を2で割る)

square root(529)=23
(5|29) 2^2=4
(2|05|29) 5-4=1
(2|01|29) 129/2=64.5
(2|00|64|5) 6/2=3,
(2|30|64|5) 3x23, 3x2=6
(2|30|04|5) 3*3=4.5
(2|30|00|0)

square root(60,516)=246
(6|05|16) 2^2=4
(2|06|05|16) 6-4=2
(2|02|05|16) 20516/2=10258
(2|01|02|58) /4
(2|41|02|58) 10258/2: 4x24 → 4x2=8, 4*4=8
(2|40|14|58) 1458/24 /6
(2|46|14|58) 6x246, 6x2=12,
(2|46|02|58) 6x4=24,
(2|46|00|18) 6*6=18
(2|46|00|00)

square root(841)=29
(8|41) 2^2=4
(2|08|41) 8-4=4
(2|04|41) 441/2=220.5
(2|02|20|50) 2205/2=1102.5
(2|92|20|50) 9x29, 9x2=18, 9*9=40.5
(2|90|40|50)
(2|90|00|00)

square root(1,764)=42
(17|64) 4^2=16
(4|17|64) 17-16=01
(4|01|64) 164/2=8.2
(4|00|82) 82/4=20.5, 2x4=8, 2*2=2
(4|20|00)

square root(253,009)=503
(25|30|09) 5^2=25
(5|25|30|09) 3009/2=1504.5
(5|00|15|04|50) 15045/5=3009, 3x5=15, 3x0=0, 3*3=4.5
(5|03|00|00|00)

square root(40,401)=201
(04|04|01) 2^2=4
(2|04|04|01) 4-4=0
(2|00|04|01) 401/2=200.5
(2|00|02|00|50) 2005/2=1002.5, 1x2=2, 1x0=0, 1*1=0.5
(2|01|00|00|00)


平方根の計算練習2: 答が無理数になる場合

以下の例は筆算用の手順を文字で表現したものだ。

square root(2)=1.414213562373095…
2:(1|02|00)
2?+?:(1?|100-2?x?|00) ?=4
24+4:(14|100-96|00)
28:(14|04|00)
28?+?:(14?|400-28?x?|00) ?=1
281+1:(141|400-281x1|00)
282:(141|119|00)
282?:(141?|11900-282?x?) ?=4
2824:(1414|11900-2824x4)
2824:(1414|604|00)
2824?+?:(1414?|60400-2824?x?) ?=2
28242+2:(14142|60400-28242x2)
28244:(14142|3916|00)
28244?+?:(14142?|391600-28244?x?) ?=1
282441+1:(141421|391600-282441x1)
282442:(141421|109159|00)

square root(5)=2.23606797749979…
(05) 2^2=4
2+2:(2|05-4)
4?+?:(2?|100-4?x?) ?=2
42+2:(22|100-42x2)
44:(22|16)
44?+?:(22?|1600-44?x?) ?=3
443+3:(223|1600-443x3)
446:(223|271)
446?+?:(223?|27100-446?x?) ?=6
4466+6:(2236|27100-4466x6)
4472:(2236|304)
4472?+?:(2236|30400-4472?x?) ?=0
44720:(22360|30400-44720x0)
44720?:(22360?|3040000-44720?x?) ?=6
447206:(223606|3040000-447206x6)
447206:(223606|356764)


立方根の計算練習: 答が無理数になる場合

筆算用の手順を文字表現に変換したもの。

cube root(3)=1.442249570307408…
(003) 1^3=1
3×1^2:3×1:(003-1)
300:30:(002|000)
300×?^1<2000:30×?^2<2000: ?=4
300×4=1200,30×4^2=480,4^3=64
300:30:(002|000-001|200-000|480-000|064)
300:30:(000|256)
300+30×4×2+3×4:30+3×4:(000|256)
588:42:(000|256)
58800:420:(256|000)
58800×?^1<256000,420×?^2<256000: ?=4
58000×4=235200,420×4^2=6720,4^3=64
58800:420:(256|000-235|200-006|720-000|064)
58800:420:(014:016)
58800+420×4×2+3×4^2:420+3×4:(014|016)
62208:432:(014|016)
6220800:4320:(014|016|000)
6220800×?^1<14016:4320×?^2<14016: ?=2
6220800×2=12441600,4320×2^2=17280,2^3=8
6220800:4320:(014|016|000-012|441|600-000|017|280-000|000|008)
6220800:4320:(001|557|112)
6220800+17280×2×2+3×2^2:4320+3×2:(001|557|112)
6238092:4326:(001|557|112)
623809200:43260:(001|557|112|000)
623809200×?^1<1557112000:43260×?^2<1557112000: ?=2


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開平と開立(第2回): 平方根と立方根の算盤での計算練習

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平方根(開平)と立方根(開立)


この連載記事はまだ準備段階である。ブログ記事としてはいまいち人気がないのだが、まあ仕方があるまい。

今回も開平、開立の手順を理解するための計算練習だ。第1回の記事の最後に書いた算盤用の平方根の計算練習を今日の記事に移動し、開平と開立の算盤用の計算練習としてひとつにまとめておいた。

関数電卓を使えば一発でできるこのような計算を、なぜわざわざ詳しく取り上げるのか疑問に思う方が多いことだろう。僕としては計算のアルゴリズムに興味があるわけだが、皆さんが感じる疑問も連載が続く間に少しずつとけていくと思う。

これまでの計算練習でなんとなくコツがつかめてきた。計算手順の解説記事としての本編は次回以降になる予定なので、もう少しお待ちいただきたい。

ブログのカテゴリーも新たに「開平、開立」を設けることにした。この連載記事にかける僕の意気込みを感じてほしい。


平方根の計算練習: 算盤:答が自然数になる場合

以下の例は算盤用の計算手順(半九九法)を文字で表現したものだ。通常の九九と半九九で掛け算記号を次のように使い分けている。

6x4=24(通常の九九)
6*6=18(半九九:通常の九九を2で割る)

square root(529)=23
(5|29) 2^2=4
(2|05|29) 5-4=1
(2|01|29) 129/2=64.5
(2|00|64|5) 6/2=3,
(2|30|64|5) 3x23, 3x2=6
(2|30|04|5) 3*3=4.5
(2|30|00|0)

square root(60,516)=246
(6|05|16) 2^2=4
(2|06|05|16) 6-4=2
(2|02|05|16) 20516/2=10258
(2|01|02|58) /4
(2|41|02|58) 10258/2: 4x24 → 4x2=8, 4*4=8
(2|40|14|58) 1458/24 /6
(2|46|14|58) 6x246, 6x2=12,
(2|46|02|58) 6x4=24,
(2|46|00|18) 6*6=18
(2|46|00|00)

square root(841)=29
(8|41) 2^2=4
(2|08|41) 8-4=4
(2|04|41) 441/2=220.5
(2|02|20|50) 2205/2=1102.5
(2|92|20|50) 9x29, 9x2=18, 9*9=40.5
(2|90|40|50)
(2|90|00|00)

square root(1,764)=42
(17|64) 4^2=16
(4|17|64) 17-16=01
(4|01|64) 164/2=8.2
(4|00|82) 82/4=20.5, 2x4=8, 2*2=2
(4|20|00)

square root(253,009)=503
(25|30|09) 5^2=25
(5|25|30|09) 3009/2=1504.5
(5|00|15|04|50) 15045/5=3009, 3x5=15, 3x0=0, 3*3=4.5
(5|03|00|00|00)

square root(40,401)=201
(04|04|01) 2^2=4
(2|04|04|01) 4-4=0
(2|00|04|01) 401/2=200.5
(2|00|02|00|50) 2005/2=1002.5, 1x2=2, 1x0=0, 1*1=0.5
(2|01|00|00|00)


立方根の計算練習: 算盤:答が自然数になる場合

以下の例は算盤用の計算手順(倍根法)を文字で表現したものだ。

cube root(12,167)=23
(012|167) 2^3=8
(020|012|167) 12-8=4,2x3=6
6:(020|004|167) 416/6 商=69
6:(020|069|027) 69/2 商=3, 3x2=6, 3x3=9を引く
6:(023|000|027) 3^3=27を引く
6:(023|000|000)

cube root(373,248)=72
(373,248)=72 7^3=343
(700|373|248) 373-343=30
(700|030|248) 7x3=21
21:(700|030|248) 3024/21=144
21:(701|440|008) 144/7 商=2, 2x7=14, 2x2=4を引く
21:(720|000|008) 2^3=8を引く
21:(720|000|000)

cube root(97,336)=46
(097|336) 4^3=64を引く
(400|033|336) 4x3=12
12:(400|033|336) 3333/12 商=277余り9
12:(402|770|096) 277/4 商=6
12:(462|770|096) 6x4=24, 6x6=36を引く
12:(460|010|096) 余り1を盤面左の12と掛けて足し戻す,1x1=1,1x2=2
12:(460|000|216) 6^3=216を引く
12:(460|000|000)

cube root(370,146,232)=718
(370|146|232) 7^3=343
(700|370|146|232) 370-343=27, 7x3=21
21:(700|027|146|232) 2714/21 商=129 余り=5
21:(701|290|056|232) 129/7 商=1, 1x7=7, 1x1=1を引く
21:(710|580|056|232) 余り58は21と掛け戻す、8x21=168, 5x21=105を足し戻す
21:(710|012|236|232) 1^3=1を236から引き、根71までを確定
21:(710|012|235|232) 1x3=3を左端にかけ足す
213:(710|012|235|232) 1223523/213 商=5744 余り=51
213:(710|574|400|512) 5744/71 商=8 8x7=56, 8x1=8, 8x8=64を引く
213:(718|000|000|512) 8^3=512を引く
213:(718|000|000|000)

cube root(45,499,293)=357
(045|499|293) 3^3=27
(030|045|499|293) 45-27=18
(030|018|499|293) 3x3=9
9:(030|018|499|293) 1849/9 商=205 余り4
9:(030|205|049|293) 205/3 商=5 5x3=15, 5x5=25を引く
9:(035|030|049|293) 余り3を左端の9で掛け戻す
9:(035|002|749|293) 5^3=125を引く
9:(035|002|624|293) 5x3=15を左端に足す,35を左にシフト
105:(350|002|624|293) 262429/105 商=2499 余り=34
105:(350|249|900|343) 2499/35 商=7 7x3=21, 7x5=35, 7x7=49
105:(357|000|000|343) 7^3=343を引く
105:(357|000|000|000)


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開平と開立(第3回): 青葉計算アカデミーの心強い味方

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ホームページ

平方根と立方根の計算手順を学ぼうとネット上の資料でこれまで調べてきた。筆算の手順は比較的覚えやすいが、算盤での手順はややこしい。僕が参照していた資料は主にこの2つ。

開法(開平法と開立法のこと): PDFファイル
http://www.yokozuna.org/abacus/kaiho.pdf

ADVANCED ABACUS TECHNIQUES JAPANESE SOROBAN & CHINESE SUAN PAN
http://webhome.idirect.com/~totton/soroban/


2006年に作成された日本語のPDF資料がとてもわかりやすく丁寧だ。ドメインは www.yokozuna.org だから相撲好きの人が書いたのだなと思っていた。トップページを開くとこうなる。

Welcome to Yokozuna.Org(Yokozuna.Orgにようこそ。若干の算盤(そろばん)ネタを掲載しています。)
http://www.yokozuna.org/


神さま登場!?

誰が書いた文書なのか気にせず、3週間ほど僕はPDF資料で勉強を続けていた。そして先日トップに載っている著者のIDらしきものを見てハッとしたのだ。名前のイニシャルまで一致している。



「あああっ!! これってあの大関さんの文書だ!」

大関さんはもちろん相撲の力士ではない。彼は僕の友人で算盤の名手だ。趣味が高じ、「そろばん教室を開くのだ。」と言って数年前に会社を辞めていたことを思い出した。

僕は間抜けである。それは将棋の駒の並び方を覚えたばかりの男が「そういえば子供のころ羽生くんっていう将棋がやたらと強い子がいたけど、いま頃どうしてるのかな。」と言っているようなものだから。

昨日数年ぶりに大関さんと連絡をとった。そして2011年に開校した彼のそろばん教室のホームページを見てびっくり。経歴を見ると珠算、暗算ともに最高位の十段であるばかりでなく、全国計算競技大会個人優勝、そろばんクリスマスカップ日本一など、全国規模の競技会での実績多数。そして北大理学部数学科卒業、同大学院修士課程修了でもある。

今の僕には、まさに「神さま登場!?」のようなものである。


青葉計算アカデミー

ということで今日は大関さんが主宰する「青葉計算アカデミー」を紹介しよう。

青葉計算アカデミー:次元の違う珠算式高速暗算教室(横浜市青葉区市ヶ尾町)
http://aoba.keisan.ac/
http://www.aoba-ku.jp/request/area/shop_detail/1528/



主宰者の大関一誠さん: 経歴


昨夜、授業が終わって教室に残っていた大関さんとチャットしてみたところ開平と開立は珠算の段位をとるために必要だそうで、彼は特に力を入れて学んでいたそうだ。「マスターした。」というレベルをはるかに超えていると感じた。十段というのは「級」もとっていない入門レベルの僕にとっては想像のつかない世界。最近疑問に思っていた素人ながらの質問をさせていただいた。

僕:「開平や開立って筆算で計算したほうが楽というか僕には覚えやすいです。なぜ江戸時代とか筆算ではなく算盤でやっていたのかというのが不思議ですね。」

大関さん:「筆算だと場所が上書きできずにどんどん増えていくけど、そろばんだとその場でどんどん動かせるからですかね。」

確かにそうだ。第1回第2回の記事で計算したように数字に置き換えたとしても筆算式のほうがあっという間に桁が増えてしまう。数字表記を算盤に移すと桁が足りなくなってしまうのだ。その半面、算盤には履歴が残せないというデメリットもある。

あと算盤の開平と開立の練習問題は答が自然数になるものがほとんどだ。でも答が無理数になる場合だって解けるはずである。大関さんは無理数になる場合の解法例をひとつ送ってくださった。計算を途中で切り上げて残りは近似計算するというやり方である。


ファインマン先生と算盤の達人の対決

大関さんが送ってくださった解法例は、物理学ファンにはおなじみの「1729.03の立方根の計算」である。



物理学者のリチャード・ファインマンは自伝の「ご冗談でしょう、ファインマンさん」の中で、日本人の算盤の達人と計算のスピードを競い合ったエピソードを紹介している。加算、減算、乗算では算盤の達人に負けたが、複雑な除算では引き分け、立方根の問題では圧勝した。これは幸運にも立方根を求めるよう選ばれた数字が 1729.03 であり、1立方フィートが1728立方インチであることおよび誤差をどのように概算すべきかを知っていたためである。このエピソードは「ラッキーナンバー」という小話に含まれていて、下巻の10ページ目から始まる。

Feynman vs. The Abacus
http://www.ee.ryerson.ca/~Elf/abacus/feynman.html

An Interesting Number (Feynman: 1729, 1729.03)
http://www.cut-the-knot.org/blue/InterestingStory.shtml

Feynman 氏の計算
http://www.math.u-ryukyu.ac.jp/~suga/ssh3/node6.html


この1729.03という数字は12の3乗の1728と近いため、ファインマン先生にかなり有利な例である。そのほかの数だとどうなのだろう?依然ファインマン先生が勝っていたのだろうか?算盤でこれを計算するのはどれくらい大変なのだろう?

大関さんが送ってくださった算盤での解法例は、いずれこの連載記事で紹介させていただこう。

強力な味方を見つけたとはいえ、勉強は自分ですることが大事だ。大関さんに頼らずなるべく自分で解決することを心掛けたい。


江戸時代の算盤事情、和算

江戸時代の算盤事情については「武士の家計簿:磯田道史」という記事を書いたことがある。この時代の有名な算法書「塵劫記」には1728の立方根12を求める方法が示されているそうだ。(Amazonで現代語版の塵劫記を検索

塵劫記に書かれている1728の立方根(=12)の計算手順の解説(クリックで拡大)
 

塵劫記(電子画像)
http://mahoroba.lib.nara-wu.ac.jp/y05/html/380/

新編塵劫記(国立国会図書館デジタルコレクション)
http://www.ndl.go.jp/math/s2/1.html

日本人の数学力をたどる : 平成15年度京都大 学附属図書館公開企画
http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/141905/1/wasan.pdf

和算における開平法のルーツ―ギリシャから日本まで―
http://www.nsu.ac.jp/nsu/pdf/library/e-asia/35-4.pdf


算盤を始めたい方へ

これを機に始めてみようという方には、この2冊をお勧めする。特に田園都市線沿線にお住まいの方は「青葉計算アカデミー」の門をたたいてみてはいかがだろうか?

僕は「はじめてのそろばん」のほうを使ってこれまで練習を進めてきた。どちらも同じような本だが「はじめての~」のほうは3桁の数字で割る割り算まで、「いちばんわかりやすい~」のほうは2桁の数字で割る割り算までという違いがある。

集中力&計算力アップ! かならずわかる! はじめてのそろばん
いちばんわかりやすい そろばん入門

 

算盤をAmazonで検索: 11桁 23桁 27桁
算盤をヤフオクで検索: 11桁 23桁 27桁

小学校では現在3、4、6年生で算盤の授業が行われているようだ。僕が小学生だった頃は子供は算盤を買わされたものだが、いまは学校に備えてある算盤を使って授業をするそうだ。

小学校学習指導要領(算数)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/san.htm


余談: 開平と開立の連載記事ばかり続いているのは、いま読んでいる理数系書籍が650ページあって時間がかかっているからである。現在200ページあたりまで進んでいるので、本の紹介記事はあとしばらくお待ちいただきたい。


関連ページ:

そろばんに学ぶ人生教訓:全国大会で優勝/市ヶ尾・大関さん
http://www.townnews.co.jp/0101/2012/02/16/135294.html

青葉計算アカデミー主宰 大関 一誠(青葉区.jp)
http://www.aoba-ku.jp/request/area/owners_profile_d/369/

計算アカデミー
http://keisan.ac/

日本珠算連盟
http://www.shuzan.jp/

(社)全国珠算教育連盟
http://www.soroban.or.jp/

財団法人全国珠算連盟
http://sfoj.or.jp/

そろばん普及委員会
http://www.sorobanfukyu.com/

そろばん珠算教室・塾検索
http://そろばん珠算.教室検索.jp/


算盤メーカー:

トモエそろばん
http://www.soroban.com/

雲州堂(雲州算盤
http://www.unshudo.co.jp/

株式会社DAIICHI(播州算盤
http://daiichi-j.com/


そろばん入門サイト:

初心者のためのそろばんの使い方
http://soroban-no1.com/

そろばんのやり方!動画で基礎になる足し算の練習方法を公開!
http://thankyoublog.info/11191.html

そろばんの使い方!動画で引き算の基礎練習を公開!
http://thankyoublog.info/11244.html


関連記事:

武士の家計簿:磯田道史
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/38e15f47cba2eaed5f1787c30b09eb7c

計算尺ノスタルジア (コンサイス計算尺、ヘンミ計算尺)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b91ae7814c1830a9aaf7da77aadf88a8

アポロに搭載された計算尺(Pickett N600-ES)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/3898318d7f4b3e84900d9ae2cb80d816

機械式計算機ノスタルジア(タイガー計算器)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/226dd92e17d66ac624b7279776aa77f6

五桁ノ 對數表 及 三角函數表:えふ.げい.がうす著
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/8d90de27b13365139c25bbffd9c4f04b


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発売情報:現代物理学3大理論 増補第2版:Newton別冊

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現代物理学3大理論 増補第2版:Newton別冊

内容:
20世紀初頭に登場した「相対性理論」と「量子論」は、自然界を実にうまく説明することができます。しかし、どちらか一方だけでは、自然界のすべてを説明することができません。そこで、この二つの理論を統合したような“究極の理論"が求められています。現在、その最有力候補といわれているのが「超ひも理論(超弦理論)」です。
超ひも理論は、自然界を極限にまで細かく分割していくと、「ひも」にたどりつくと考えます。世界が「10(または11)次元」であることや、宇宙空間全体が「膜(ブレーン)」でできていることなどを予言します。
本書は、相対性理論・量子論・超ひも理論という、現在物理学における“3大理論"が一冊でわかる構成となっています。ぜひご一読ください。
2017年1月刊行、176ページ。


本書の第1版が刊行されたのは2013年9月のことで、NHKスペシャル「神の数式(全2回)」が初めて放送された頃だった。

今回は増補第2版として第3章の「超ひも理論」が大幅に書き換えれられた。第1章の「相対性理論」と第2章の「量子論」は目次で比較する限り完全に一致している。

第3章の目次だけ比べてみよう。大栗博司先生橋本幸士先生へのインタビュー記事がそれぞれ必読だとわかる。




とね書店:Newton別冊コーナー
http://astore.amazon.co.jp/tonejiten-22?node=50&page=1


関連記事:

発売情報:現代物理学3大理論:Newton別冊
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/d1242244f28fddde8c75eb19c7663df1


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現代物理学3大理論 増補第2版:Newton別冊



1.相対性理論

特殊相対性理論
光速度不変の原理
同時性の不一致
時間の遅れ
コラム 光速度不変の原理はどんな実験で確かめられているのか?
空間がちぢむ
質量の増大
質量=エネルギー
コラム 相対論による空間のちぢみを体験している粒子がいる

一般相対性理論
重力への挑戦
等価原理
空間が曲がる
曲がった空間と光
重力とは何か
重力と時間の遅れ
コラム 相対性理論から宇宙論へ
コラム 相対論の正しさを示す新たな証拠

2.量子論

量子論の誕生
量子論の“守備範囲”
不連続な世界
量子仮説
光量子仮説
光の「波と粒子の二面性」
コラム 光を光子の集まりだと考えたアインシュタイン
コラム シャボン玉が虹色に見えるのは,光が波の性質をもつため
ボーアの原子モデル
電子の「波と粒子の二面性」
コラム 電子の波と粒子の二面性を決定づけた「二重スリット実験」

量子論の摩訶不思議さ
波の収縮
電子の波
シュレーディンガー方程式
不確定性原理
コラム 量子論の解釈をめぐる論争
コラム 量子論で「半死半生のネコ」が生まれる?

量子論の応用
原子
分子と結合の力
マクロな物質
量子重力理論と量子コンピューター
コラム 金属,絶縁体,半導体の性質を知るのに必須な物性物理学の「バンド理論」とは?
書きかえられる「不確定性原理」

3.超ひも理論

プロローグ
“究極の数式”
物質の“最小部品”

ひもの正体
ひもの性質
ひもの振動
ひもの振動と質量

超ひも理論の世界
超ひも理論の歴史
高次元空間
超対称性
ブレーン

究極の理論をめざして
量子重力理論
宇宙のはじまり
超ひも理論の証明
広がる応用例
コラム 究極の理論がめざす「力の統一」

特別インタビュー
橋本幸士教授
ブライアン・グリーン教授
大栗博司博士

余剰次元の検証
「見えない次元」をさがしだせ!

宇宙の形、ガウスの曲面論と内在幾何(第1回)

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ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された超遠方の深宇宙

今日の記事はTwitterで3年ほど前から相互フォローさせていただいている @s_Yanasy さんの次のツイートに触発されて書いたものです。

Yanasy @s_Yanasy
宇宙の形を知りたいと思った時に、宇宙の外に出なくても良い...
多様体論もトポロジーも面白そう...
がんばろ

宇宙の形を知るためには宇宙の外から見ないとわからないはずです。けれども宇宙に果てがあるのかどうかはまだわかっていません。それなのに宇宙の外に出なくても形がわかるとYanasyさんはツイートしているのです。そんなことできるのでしょうか?

彼は数学を専攻している大学2年生です。今回の話は彼が勉強している微分幾何学や曲面論についてなのですが、高校生にもわかるように、画像付きでやさしく解説することにしました。

次の画像は私たちが地球から見ている宇宙の姿です。縦横高さの3つの方向に果てしなく伸びている3次元空間ですね。



宇宙に果てがあるのかはわかっていないのですから、実をいうとYanasyさんが言っている「宇宙の形」とは宇宙の果てのさらに外側から見た形のことではないのです。

わかりやすくするために宇宙を縦横の2つの方向だけに広がっている世界だとしましょう。上の画像を平面の宇宙と考えるわけです。

そしてこの宇宙を次のような形に貼り付けて見てみましょう。まず円筒の側面に貼り付けるとこのようになります。



このような宇宙では横方向に「真っすぐ」進むと、1周して元の場所に戻ってきてしまいますね。次に球の表面に張り付けて見ましょう。



この球面宇宙ではどの方向に真っすぐ進んでも、1周して元の場所に戻ってきてしまいます。

Yanasyさんが言っている宇宙の形とは、このように「宇宙空間が曲がっているとしたら、それはどのような形だろうか?」という意味です。説明のために2次元の面の宇宙を考えましたが、本当は3次元空間の宇宙が曲がっているとしたら?ということなのです。このような意味ならば、宇宙に果てはあるのかないのかということとは切り離して考えられるわけです。

私たちは3次元空間に住んでいますから、2次元の曲面が曲がっていることがわかります。曲面の中からだと私たちの3次元空間は「外」にあると言っていいのかわかりませんが、「曲面の中」ではないからとりあえず「外」という言い方をしているのです。

2次元の宇宙は張り付ける対象によって実にさまざまな曲面になります。たとえば次の画像では25種類の対象に張り付けた場合を例示しています。それぞれ2次元の宇宙を貼り付けた画像を想像してみてください。



私たちには平坦に見えているだけで、もしかすると本当の宇宙はこのような感じで曲がっているのかもしれません。実感としてはこんなめちゃくちゃな宇宙はあり得ないと思えるのですが、可能性としては排除できないわけです。

もし宇宙が曲がっているとしたら、その形をその内部にいながら知ることはできるのでしょうか?

第2回の記事に続きます。


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宇宙の形、ガウスの曲面論と内在幾何(第2回)

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カール・フリードリヒ・ガウス(1777-1855)

ドイツの大数学者ガウスは、徳川第11代将軍家斉や第12代将軍家慶と同時代を生きた人です。とても頭がよさそうに見えますね。

ガウスの業績をあげればきりがありませんが、そのうちのひとつに「曲面についての研究」があります。高校の数学でも球面や放物面、円錐や円筒の側面などを学びますし、そのうちのいくつかについては数式での表現も学びます。「曲面についての研究」とだけ聞くと、それほど難しいことをやっていたようには思えません。でもそんなはずはありませんよね。彼が業績として遺した曲面の理論については、後で説明することにいたします。


さて、ここでガウスさんに登場してもらいましょう。2次元空間に住んでいる「平面ガウスさん」です。平面にガウスの肖像画を貼り付けて、方眼紙のように縦横に座標を描いてみました。



このガウスさんは平面の世界に縛られているので、縦と横の方向しか認識できません。あなたを見つめているように見えますが、あなたのいる方向はガウスさんが認識できない3つめの方向なので、ガウスさんにあなたは見えていないのです。

1905年に発表されたアインシュタインの特殊相対論によると、物体が等速で運動すると運動する方向に空間が縮むそうです。ですのでガウスさんに横方向に運動してもらいました。私たちから見るとガウスさんの横幅が縮んだことがわかります。この画像です。



でも、ガウスさんは自分の横幅が縮んだことを認識しているでしょうか?空間が縮むのと一緒にガウスさんも縮んだのですから、彼には周囲の空間に変化がおきたとは感じられないのです。ですから彼は自分が縮んでいるとは感じていません。そして彼の周囲にある三角形や円、四角形も形が変わているようには見えません。

けれども(肖像画には描きませんでしたが)私たちから見るとガウスさんや彼の周囲にある三角形や円、四角形は横方向に縮んで見えるはずです。想像できますよね?

つまり、私たちの住む3次元世界とガウスさんが住む2次元世界の幾何学(面や3次元空間の座標)は別物なのです。私たちとガウスさんは長さの尺度が違う別の世界に生きているのです。

私たちの住む世界の幾何学を「外在幾何」、ガウスさんが住む世界の幾何学を「内在幾何」と呼ぶことにします。ガウスさんがいる2次元の世界の中の線と角度だけであらわされるから「内在」だというわけです。外在幾何と内在幾何の違いは大切ですので、しっかり覚えてください。


次にとてつもなく大きな重力波がやってきて、空間が波打つ状況を描いてみましょう。次の画像のようにガウスさんの姿は私たちから見ると波打って見えます。



平面が「正の方向に曲がる」と平面は凸レンズのような曲面になります。私たちからはガウスさんの姿がこのように右の眉毛のところが盛り上がったように見えます。



平面が「負の方向に曲がる」と平面は馬の鞍に貼り付けたように曲がります。私たちからはガウスさんの姿がこのように眉や目、口などが鼻のほうに寄って見えます。



さらに続けましょう。空間が渦を巻き始めました。ガウスさんの顔は鼻を中心に渦を巻き、醜く変形してしまいます。



球や円筒の側面にガウスさんの2次元世界を貼り付けることもできます。私たちからはそれぞれ次のようなガウスさんを見ることになります。

球面の世界にいるガウスさん


円筒の側面の世界にいるガウスさん



このようにガウスさんのいる空間が変形することで、私たちにはガウスさんの姿がそれぞれ違った形に見えるわけです。

けれどもガウスさんはどのように感じているでしょうか?空間といっしょに自分の形もひきずられて変化するので、ガウスさんは相変わらず自分が真っすぐな空間に住んでいると信じています。彼からは周囲の物体の形にまったく変化は見られません。ここが不思議で面白いところです。



ガウスさんのいる世界を宇宙だと考えれば、たとえ宇宙が曲がっていてもその内部にいる限り周囲の空間はいつも真っすぐに見えるので、宇宙の形はわからないのだと思えます。でも、はたして本当にそうでしょうか?


ところで、私たちが住んでいる3次元の空間の幾何学はX、Y、Zの3方向に伸びる空間の中であらわされます。これが外在幾何の座標システムで、その中にあるすべての場所は(x, y, z)の座標で示すことができます。この座標システムでガウスさんのいる曲面を方程式にして書くと、それぞれx,y,zを使った複雑な数式で表現できます。(もちろん難し過ぎるからここでは紹介しません。)

ガウスさんが住んでいる2次元の曲面の幾何学はU、Vの2方向に伸びる空間の中であらわされます。これが内在幾何の座標システムで、その中にあるすべての場所は(u, v)の座標で示すことができます。ガウスさんはこの(u, v)座標であらわされる世界を、このように真っすぐな方眼紙の世界のようにとらえています。横方向を u、縦方向が v としておきましょう。



そして私たちの3次元世界からガウスさんの(u, v)の座標であらわされる世界を見ると、たとえば球に貼り付けた方眼紙のように次のように曲がった座標システムに見えるのです。




ここからがガウスさんのすごいところです。それは2次元の世界にいながら「もしかしたら私のいる2次元世界は曲がっているのではないか?」と気が付いたことです。そして気が付いただけでなく、その曲面の形を数式であらわすことに成功したのです。考えてみてください。ガウスさんが使える座標は u と v の2つだけですよ。

彼がたどり着いた曲面をあらわす数式は次の2つでした。

第一基本形式


第二基本形式


x, y, zではなく u, v だけであらわされていることがおわかりになると思います。より正確に言えば u, v ではなく du, dv となっていますが、これは u と v の方向に伸びている無限小の長さの線素(線分)の意味で、微分形式といいます。無限小の線素が u, v の2方向に無数つながり編目のようになることで曲面が作られていきます。そして du, dv のような微分形式であらわされた幾何学のことを微分幾何学と呼んでいます。



意味はともかく、そのことだけわかれば十分です。詳しい説明はウィキペディアの「驚異の定理」に書いてあります。名前が示すとおり、これはすごい発見だったのです。

なぜすごいかというと、この2つの数式はどのような形の曲面もあらわせることです。ふつう私たちが球面や放物面を3次元の x, y, z を使って数式にすると面の形が違うのだから数式も違ってきますよね? でもガウスさんが導いたこの数式は、どのように曲がった曲面でもあらわすことができる「曲面の数式の一般形」、万能な数式なのです。

2つの数式は文字の違いを除けばまったく同じ形をしています。けれども2つの数式の意味は違うのです。

詳しい説明はウィキペディアの「驚異の定理」に書かれていますが、第一基本形式の中のE, F, Gは曲面の中にある長さや角度だけを使って計算される値です。

そして第二基本形式の中のL, M, Nは曲面に内在する幾何学が曲面の外に在る(外在する)幾何学(空間)にどのように埋め込まれているかをあらわしている値です。つまり第一基本形式だけ(内在幾何学)だけで曲面の曲がり方を完全に決められるということが重要なのです。

言い換えれば第一基本形式はガウスさんが住んでいる2次元世界の幾何学、第二基本形式はガウスさんが住んでいる2次元世界の幾何学と私たちが住んでいる3次元の幾何学との結びつき方を示したものということになります。

また第一基本形式は du, dv だけであらわされるわけですから周囲の3次元の空間がなくても2次元の曲面は存在できるということを主張しているのです。ここが2つめにすごいところです。内在幾何の威力ですね。

1つめの驚異:第一基本形式と第二基本形式は、ともにあらゆる曲面を表現している。
2つめの驚異:第一基本形式であらわされる曲面は、その周囲の3次元空間がなくても存在できる。

ということです。曲面を取り囲む3次元空間はあってもなくても構わないのです。



でも考えてみてください。机の上に置いた下敷きの端を持ち上げて反らせると曲面ができますよね。たとえ机の上に3次元の空間がなくても下敷きを反らすことができるのだというのが2つめの脅威が意味していることです。これはすごいことですよ。

そうです。内在幾何を使うだけで外から見なくても宇宙の形がわかるのです。ガウスさんは曲面の性質を研究しているうちにそのことに気が付き、数式で証明したのです。


大数学者ガウスの曲面の研究とは、このように高校数学のレベルをはるかに超えたものであることがおわかりになるでしょう。

難しくなってきたので、ついてこれなくなった方がいると思います。次回の記事では、もっと具体的に、そしてやさしく解説しますのでご安心ください。ガウスの曲面論を使って第1回の記事で提起した「宇宙の形は宇宙の外に出なくてもわかるのか?」を解き明かすことにいたしましょう。

第3回の記事に続きます。


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宇宙の形、ガウスの曲面論と内在幾何(第3回)

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宇宙の形はわかるのでしょうか?

「宇宙の形は宇宙の外に出なくてもわかるのか?」という問いに答えるために、第2回の記事では外在幾何と内在幾何の違い、ガウスが曲面の研究を進めて発見した曲面についての第一基本形式と第二基本形式を学びました。

今回はもっと具体的な例で話を進めますので、第一基本形式と第二基本形式のことは忘れてしまって構いません。

説明をやさしくするために、今回は球面の世界に住んでいる2次元ガウスさんに登場いただきましょう。このようなガウスさんです。



球面に対してガウスさんがあまりにも大きいので、球面を地球くらいに大きくした世界に住んでもらうことにします。するとガウスさんはほとんど平らな体になってしまいます。




球面の世界には平面の世界には見られない不思議な状況が生まれます。なんと「二角形」が存在できるのです。次の画像の中の図形は2辺の長さや2つの頂点のところの内角が90度なので「正二角形」です。この正二角形の1辺は赤道の半分を回り、もう1辺は赤道から直角に北極点へ進み、再び赤道の反対側に伸びています。そしてこの正二角形は地球全体の4分の1の面積を占めています。



地球の外にいる私たちから見るとこれらの辺は大円ですが、球面の世界しか知らないガウスさんにとっては直線ですよね?わからない方は前回の記事の前半を確認してください。ガウスさんには2つの同じ長さの直線で囲まれ、2つの頂点で2辺のなす内角が90度ですから「正二角形」だと判断するわけです。

次の画像の中の図形も正二角形です。でもこちらは2つの頂点で2辺のなす角度は同じですが、90度より小さいですよね。不思議ですよね。2辺の長さは同じですから正二角形に違いありません。一方の辺は赤道を半周していますが、もう一方の辺は赤道から45度の角度で伸び、北緯45度あたりまで北上してから南下し始め、赤道の反対側に及んでいます。この正二角形の内角の和は90度で、面積は球面全体の8分の1です。



この2つの正二角形は頂点のところの角度が違いますから相似ではありません。平面の世界では頂点の数が同じ正多角形どうしは相似ですから、これも球面の世界でしかあらわれない状況です。


さて、ガウス先生は小さな正三角形の板を持っています。これは私たちの世界の正三角形と同じです。3つの頂点のところで2辺のなす内角は60度で、3つの内角の和は180度になります。



私たちの3次元の世界では、3辺の長さを真っすぐ伸ばすことで、いくらでも大きな正三角形を作ることができます。けれども、ガウスさんの球面の世界ではそうならないのです。3か所の内角を60度に保ったまま辺を真っすぐ延長すると正三角形ではなくなってしまうのです。

じゅうぶんに辺を伸ばし、1辺が地球の北極から赤道に伸びるようにすると、正三角形はこの画像のような状態で存在できることがわかります。



辺ABは北極から赤道まで大円に沿って南下し、辺BCは赤道上を東向きに赤道1周の4分の1だけ進み、そして辺CAは赤道から北極点に向かって大円に沿うルートで北上します。そして頂点で辺と辺のなす内角は3つとも90度ですから、内角の和は270度になります。

ですからガウスさんが小さい正三角形を大きくしていくためには、辺をまっすぐ延長しながら少しずつ内角のほうも大きくしていかなければならないのです。平面の世界で三角形の内角の和はいつも180度です。けれども球面の世界では内角の和は三角形を拡大していくにつれて180度からだんだん大きくなっていきます。

また馬の鞍の形をした曲面(双曲面)の世界の三角形だと内角の和は180度より小さくなります。曲がり方が違う3つの世界について図示した画像はこちらです。上から球面、双曲面、平面です。



辺の長さや辺と辺のなす角度は曲面の世界のガウスさんにも測れる量ですよね。つまりガウスさんの世界で辺の長さや角度など内在幾何の量を測れば、世界の外に出なくても形がわかるのです。具体的には大きな三角形を作って内角の和を計算すれば球面のように曲がっているか、双曲面のように曲がっているか、あるいは平面なのかを知ることができるわけです。


理解を深めていただくために、ちょっと寄り道させてください。ガウスさんの球面の世界を私たちの世界から見たらどうなっているかという話です。

高校の数学で球面の方程式を学びます。半径を1とすれば、それはこのように書きあらわされます。3次元の直交座標での方程式ですね。



私たちの世界のあらゆる場所は(x, y, z)という3つの数字の組み合わせであらわすことができます。けれども球面上の点はそのうちのほんの一部にすぎません。ですからガウスさんにとって、この球面の方程式はまったく別世界のものなので実用には向きません。

私たちの世界には円や球などの座標をあらわすために、極座標と呼ばれるもうひとつの座標システムがあります。地球儀を例にとれば緯度と経度、地球の中心からの距離の3つの情報で位置を示す方法です。



数学っぽく描けばこのような図になります。地球の表面だけでなく私たちの世界のあらゆる場所は(r,θ,ψ)の3つの数字の組み合わせであらわすことができ、地球を例にとればこの3つは順に(地球の中心からの距離, 90度-緯度, 経度)に対応します。



直交座標系(x, y, z)の座標システムはガウスさんには使えません。またガウスさんは経度と緯度については使えるものの、地球の中心からの距離が一定の球面の世界に住んでいますから、rが変化する世界を理解することができません。ですから極座標システム(r,θ,ψ)も外の世界の座標系なので使うことができないのです。私たちの直交座標系(x, y, z)と極座標系システム(r,θ,ψ)はガウスさんにとっては外在幾何であるわけです。(3次元空間の私たちにとってこの2つの座標システムは内在幾何です。)

寄り道はここまでにしておきましょう。


ここまでの話は2次元の曲面についてのことでした。2次元世界が曲がるのならば、3次元世界だって曲がることがあると考えるのが自然です。事実、昨年発表された「重力波の初観測」は非常にわずかな量の空間のゆがみを観測したわけですし、重力によって時空が歪むというアインシュタインの一般相対論の予言で空間が変形することによって生じる「重力レンズ効果」や「地球の自転による時空の引きずり現象」を始めとするいくつかの例で検証されています。けれどもこれらは宇宙の限られた領域で見られる3次元空間のゆがみです。

宇宙全体の形を知るために、ずっと広い範囲での空間の曲がりについてはどうでしょうか?実をいうとすでに検証されているのです。そのためには観測された「宇宙マイクロ波背景放射」を分析するという手法が使われました。

生まれて間もない高温の宇宙で発せられた光の残照、それが宇宙マイクロ波背景放射です。宇宙誕生の瞬間を見ることは不可能です。けれども誕生から30万年後の姿は見ることができるのです。宇宙マイクロ波背景放射の精密な観測(COBE、WMAP、Plank 2013)が行われ、宇宙誕生時のプランクスケール(超ミクロなスケール)での量子力学的な不確定性原理による揺らぎが全方向について確認されました。これは宇宙誕生時にインフレーション(劇的な膨張)がマクロな世界でも見れるほど揺らぎを拡大させたことを意味しているわけです。次の画像はWMAPで観測された宇宙マイクロ波背景放射です。



宇宙誕生から30万年後の世界は地球から137億光年ほど先にあります。宇宙が膨張するにつれて初期宇宙ではプランクスケールほどの小さなものだった揺らぎが、地球から観測できるほど大きなサイズに拡大しているわけです。画像を見て揺らぎが見えていることがおわかりでしょう。

理論的な計算によると、宇宙が平坦(曲がっていない)場合は揺らぎの平均サイズは地球から見たときの角度が1度くらい、球のように曲率が正の値で曲がっている場合は揺らぎの平均サイズは1度より大きくなり、曲率が負の値で曲がっている場合の揺らぎの平均サイズは1度よりも小さくなるそうです。揺らぎのサイズを全天くまなく測定することによって、それぞれの方向で宇宙がどれくらい曲がっているのかがわかるのです。



なぜ揺らぎのサイズで宇宙の形を知ることができるかおわかりでしょうか?そう、内在幾何を使っているのです。球面に貼り付けた正三角形の内角を測定するのと理屈は同じです。

ただし、この場合は正三角形ではなく二等辺三角形です。それもとてつもなく背の高い二等辺三角形で考えるのです。三角形の上の頂点を観測衛星(ほぼ地球の位置に等しい)とし、底辺は137億光年離れた揺らぎの位置に設定します。頂点で揺らぎのサイズを測れば頂点の場所での角度が求まります。球面に貼り付けた正三角形の内角が180度以上でしたから、各辺の内角は60度以上になっていました。宇宙が球のように曲がれば、この二等辺三角形でも宇宙が平坦のときに1度だった頂点での内角が1度より大きくなるわけです。

実際に揺らぎのサイズを測定したところ、宇宙は平坦であるという結果が得られました。



「なーんだ、これだけ曲がった空間について勉強してきたのにつまらない。」という声が聞こえてきます。

けれどもまだわかりません。これからもっと精密な観測が行われ、ある特定の方向だけで宇宙の曲がりが観測される可能性もあります。宇宙が平坦なほうがよいのか、曲がっていたほうがよいのか僕にはわかりませんが、予想を裏切る何かが発見されるとワクワクしてきますよね。科学の研究もより拍車がかかることでしょう。


宇宙マイクロ波背景放射を使った宇宙の形を知る試みは始まったばかりです。今後の動向に注意することにしましょう。観測や分析についての詳細は、次の科学教養書をお読みになるとよいと思います。

宇宙が始まる前には何があったのか?: ローレンス・クラウス
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b6f36e8eedba5ee63a4f919d30a2cb20


曲面というテーマでは、次のような記事を書いたことがあります。あわせてお読みください。

ストッキングを使った極小曲面、最小面積曲面の実験
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/3f12c54ce6f853263433c39c8ed7a2b0

ガウスの曲面論、曲面の微分幾何学を学びたい方には、この教科書がお勧めです。理数系の大学学部生向けの本です。

曲線と曲面の微分幾何(増補版): 小林昭七著
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e741d67cb5480cbddc816c1cb17c1d18


ガウスの弟子にベルンハルト・リーマン(1826-1866)という大数学者がいました。師匠のガウスより49歳も年下でした。正確な表現方法ではありませんが、曲がった3次元空間にいるリーマンさんの画像を作ってみました。



リーマンはガウスの曲面の理論を多次元に一般化することに成功し、ガウスを大いに喜ばせました。3次元、4次元をはじめn次元の曲がった空間やその空間に存在する直線の方程式を導くことに成功したのです。曲面の周りには3次元空間は必ずしも必要でないという「驚異の定理」が示している状況も、曲がった3次元以上の空間へ継承されることもわかりました。

微分幾何学は多様体の理論へと発展していきました。いわゆる「リーマン幾何学」のことです。このうち4次元の曲がった空間の幾何学はアインシュタインの4次元時空の理論(一般相対論)の誕生に不可欠なものとなりました。リーマン幾何学について知りたい方は次の本をお勧めします。科学教養書と専門書の中間ぐらいの難易度ですが、数式ができなくても読める箇所が多いです。

幾何学の基礎をなす仮説について:ベルンハルト・リーマン
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/22be602fe4cee385a9939c0869c511eb

多様体への入門書は、こちらがお勧めです。「すごくやさしく書かれた専門書」という位置づけです。

現代数学への招待:多様体とは何か:志賀浩二
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/7aade4e043ef0b93de491bf674c734f3


連載記事はこれで終わりだと思っている方が多いことでしょう。けれども、そうは問屋が卸しません

第4回の記事に続きます。


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ブログサービスを提供している会社の方へのお願い: モバイル表示でのalt属性機能追加

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画像に対してalt属性で代替テキストを指定している例

ブログサービスを提供している会社の方へのお願い

視覚障碍者の多くがiPhoneのVoiceOverという読み上げ機能を利用しています。

ホームページやブログに利用されているHTMLタグで画像を表示する箇所については「alt属性」で代替テキストを指定することにより、VoiceOver機能は代替テキストを読み上げる仕様になっています。

各社から提供されているブログサービスの多くで「モバイル表示」がサポートされるようになりましたが、ブログ記事に埋め込まれている画像についてはVoiceOverによる読み上げ機能が動作せず、画像のURLが読み上げられてしまいます。通常、画像のURLはとても長い英数字ですので視覚障碍者が記事を読む上での妨げとなっています。

「PC版表示」に切り替えるとVoiceOver機能は正常に働くようになります。しかしながら「PC版に表示」のボタンはページの最下部に表示されていることが多く、視覚障碍者には表示モードの切り替えが困難な状況です。

またいくつかのブログでは記事トップに指定する画像について、HTMLタグへの属性追加ができない仕様になっているので「PC版表示」に切り替えても問題は解決しません。


つきましては、視覚障碍者のブログの可読性の向上、アクセシビリティ向上のために、御社のブログサービスに対して次の機能強化を要望させてください。

- iPhoneのモバイル表示における画像の箇所でのalt属性のサポート
- 「PC版表示」、「モバイル版表示」の切り替えボタンを表示されるページ上部へ移動
- 記事トップ画像についてのalt属性指定のサポート

もしくは

- 「モバイル表示」、「PC表示」から「テキスト表示」への切り替えをサポート


たまたま私はgooのブログサービスを利用していますが、他のブログサービスで試したところ多くのブログサービスで同様の状況でした。従いまして各社に対し、一括して要望させていただきます。

ちなみに、私のブログの次の記事にはalt属性を使った代替テキストを使用しております。機能のご確認にご使用ください。

宇宙の形、ガウスの曲面論と内在幾何(第1回)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/80515a1627564b9d4f52883a270dc738


関連記事:

視覚障害者が読める理数系書籍や学習環境について(リンク集)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/4eff04be772bb5d20f62a886c2502a5f


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開平と開立(第4回): オリジナル算盤

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上から「パチパチはん」、「開平はん」、「開立はん」拡大

第3回の記事で紹介したように心強い味方ができたこともあり、相変わらず時間を見つけては計算練習を続けている。とうとう専用の算盤まで注文してしまった。

3つの算盤はどれも「株式会社DAIICHI(ダイイチ)」という会社に注文したものだ。創業100年を越える老舗播州そろばん屋さんである。

この会社はNHKの朝ドラ「あさが来た」で使われた算盤を作ったメーカーである。

あさが来たのポスター

番組で使われた中国算盤(天2珠、地5珠)は「びっくりぽんそろばん」として商品化され3万5千円で発売されたが、好評につきに売り切れ。現在入荷待ち状態である。

廉価版の「パチパチはんそろばん」が同時発売されていたので、発売と同時に購入していた。もともと算盤にはそれほど興味はなかったのだけど、せっかく買ったのだから加減乗除の手順くらいは覚えておこうと、ひそかに練習していた。

この連載記事を書くようになって、開平・開立の計算には桁が足りないことがわかってきたので、いっそのこと専用の算盤を注文したらと思ったわけだ。

では算盤3兄弟を紹介しよう。


パチパチはん(12桁)

赤い枠の算盤

こちらは前から使っていたもので、開平・開立の計算の途中で行う四則計算に使えばよい。「あさが来た」のロゴ付き。この算盤は「パチパチはんそろばん」として販売されている。


開平はん(15桁)

青い枠の算盤

平方根(開平)の計算専用の算盤である。開平は2桁ずつ区切って行う。これに合わせて珠の色を変えてみた。「ネットでマイそろばん(9・12・15桁)」という商品で、珠の色をひとつずつ指定でき、枠と左右ツマの色も選ぶことができる。


開立はん(23桁)

黒い枠の算盤

立方根(開立)の計算専用の算盤である。開立は3桁ずつ区切って行う。これに合わせて珠の色を変えてみた。「ネットでマイそろばん(23桁)」という商品で、左右のツマと珠の色はひとつずつ指定でき、上下の枠は黒で固定。開立のほうがより桁数が必要なので23桁のものにした。


2つとも安っぽくなく、落ち着いた感じに仕上がっていて大満足。楽しく練習できるようになりそうだ。ついそれぞれ名前まで付けてしまった。とりあえず準備完了!

第5回の記事から具体的に計算手順の解説を始めよう。


関連記事:

武士の家計簿:磯田道史
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/38e15f47cba2eaed5f1787c30b09eb7c

計算尺ノスタルジア (コンサイス計算尺、ヘンミ計算尺)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b91ae7814c1830a9aaf7da77aadf88a8

アポロに搭載された計算尺(Pickett N600-ES)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/3898318d7f4b3e84900d9ae2cb80d816

機械式計算機ノスタルジア(タイガー計算器)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/226dd92e17d66ac624b7279776aa77f6

五桁ノ 對數表 及 三角函數表:えふ.げい.がうす著
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/8d90de27b13365139c25bbffd9c4f04b


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開平と開立(第5回): ファインマン先生に立方根計算の雪辱を果たそう

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開立はん」に1729.03を置いたところ拡大

今日のテーマは「ファインマン先生 v.s. 算盤の達人」である。



物理学者のリチャード・ファインマンは1949年に初めてブラジルを訪れた際に日本人の算盤の達人(算盤のセールスマン)と計算のスピードを競い合ったことがある。先生が31歳のときでこのエピソードは自伝の「ご冗談でしょう、ファインマンさん」の中の「ラッキー・ナンバー」という小話で紹介している。

加算、減算、乗算では算盤の達人に負けたが、複雑な除算では引き分け、立方根の問題ではファインマン先生が圧勝した。これは幸運にも立方根を求めるよう選ばれた数字が 1729.03 であり、1立方フィートが1728立方インチであることおよび誤差をどのように概算すべきかをファインマンが知っていたためだ。

Feynman vs. The Abacus
http://www.ee.ryerson.ca/~Elf/abacus/feynman.html

An Interesting Number (Feynman: 1729, 1729.03)
http://www.cut-the-knot.org/blue/InterestingStory.shtml

Feynman 氏の計算
http://www.math.u-ryukyu.ac.jp/~suga/ssh3/node6.html


この1729.03という数字は12の3乗の1728に近いため、ファインマン先生にかなり有利な例だ。小話のタイトルが「ラッキー・ナンバー」となっているのはそういう意味だ。

ファインマン先生やこの自伝本は大好きなのだが、このエピソードだけは好きになれなかった。日本人や算盤が馬鹿にされたということもあるし、他の数字を選んでいたらファインマン先生が負けていたのではないかと思えたからだ。結局この話の中で、日本人セールスマンは正解に至っていなかった。

算盤でこれを計算するのはどれくらい大変なのだろう?
負けてしまった日本人セールスマンの雪辱を68年ぶりに果たすことはできるのだろうか?


今回はこの1729.03の立方根を算盤で計算する手順の紹介である。本邦初公開!というよりネットを検索しても見当たらないから、おそらく世界初公開だと思う。

とはいっても、手順は第3回の記事で紹介した算盤の達人、青葉計算アカデミーを主宰している大関さんによるもので、僕は相変わらず他力本願である。教えていただいた計算手順を僕にも理解できるくらい詳しく書き直している。

この段階で読者のみなさんが理解できるとは思えない。この手順を理解することをこの連載記事の最終目標として、次回からはずっとやさしい「開平」の計算手順の解説を始める予定だ。


算盤による1729.03の3乗根の解法

さて計算手順を説明しよう。使っているのは3根法(3商法)と近似法だ。立方根計算専用の「開立はん」を購入したが、写真を撮るのが大変なのでExcel上に「バーチャル開立はん」を作ってスクリーンショットを撮ることにした。数字を入力すると珠が動くしくみになっている。(「せっかく買ったのに実物はいつ使うの?」という声が聞こえてくるが、無視させていただこう。)

フォーカスすべき桁は赤い文字にしておいた。最後のほうは近似計算を用いている。


手順1: 1729.03を置く。


手順2: Bに初根1を立てる。(1^3=1≦1)


手順3: Fの1から初根1を引く。


手順4: 729にフォーカスする。


手順5: 729を初根の3倍で割る。24余り9を置く。


手順6: Cに次根2を立てる。(2^3=8≦24)


手順7: EFの24から12x2を引く。


手順8: Iの9から次根2^3=8を引き、次根2を決定。


手順9: IJKLの1030にフォーカスする。


手順10: 1030を3x12で割る。


手順11: HIJKLの28611にフォーカスする。


手順12: そこまでの根、12で割る。第5根2をFに置く。(2^3=8≦28)


手順13: 28611から2x12002を引き、答4607を置く。


手順14: IJKLMNの460711にフォーカスする。


手順15: 460711を36(3x12)で掛け戻す。


手順16: 第5根2の3乗(=8)を引き、第5根を決定。つまり12.002時点で余りが0.165855992ということ。


手順17: 3x12002=36006で割る。


手順18: そこまでの根、12002で割る。第6根3を立て、3x120023を引く。


手順19: 余った100565を36006(3x12002)で掛け戻す。


手順20:第6根3の3乗(=27)を引き、第6根を決定。この時点での余り0.036209547833 3x120023=360069で割る。


手順21: この頃になると、誤差はほぼなくなっていると見込まれる。盤面の1005628000999800を、そこまでの根120023割り続ける。


手順22: 答12.002383786274


最終状態: 答12.002383786274(赤い文字のところまで正解と一致)


iPhoneを横向きにして表示される関数電卓で確認すると正確な数値は12.00238378569172である。算盤の結果は赤い文字の桁まで一致していることがわかる。最後の近似計算が小数点以下6桁から9桁までを計算するのに威力を発揮していることもわかる。


珠の状態変化を表にすると次のようになる。(クリックで拡大)



ファインマン先生がどれくらい時間をかけたのかはわからないが、この対決で小数点以下5桁の12.0023まで計算したそうだ。算盤だと手順18で小数点以下第5桁(第6根)の3を立てるが、決定されるのは手順20である。

たしかに1729.03はファインマン先生にとってラッキー・ナンバーだったのだ。でも他の数字だったとしたら算盤の達人が勝っていたことは想像にかたくない。


「ライウス、クビクス!」について

ところで、立方根対決を思いついたとき算盤の達人は「ライウス、クビクス!」と叫んだと「ご冗談でしょう、ファインマンさん」に書いてある。原書を見ると「Raios cubicos!」となっている。

ファイマン先生はブラジルでポルトガル語をマスターしたそうだが、どうも怪しい。ポルトガル語で立方根は「Raizes cúbicas(複数形)」で「ハイーセス・クビカス」と発音する。Raiosの単数形「Raio(発音はハイオ)」は光、線、半径、範囲などと訳され、球の体積「3分の4πr^3」を「4 pi raios cúbicos sobre 3」のように表記することもあるようだ。(「sobre」は「on」の意味。参考ページ。)

だから「Raios cubicos!」というのは「Cube radius!(立方半径!)」と言っているようなものなので、算盤の達人が間違えたのかファインマン先生が間違えたのかは判然としないのだが、明らかに「ライウス、クビクス!」は「立方根!」ではないのである。


第6回の記事は開平計算のしくみである。


関連記事:

武士の家計簿:磯田道史
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/38e15f47cba2eaed5f1787c30b09eb7c

計算尺ノスタルジア (コンサイス計算尺、ヘンミ計算尺)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b91ae7814c1830a9aaf7da77aadf88a8

アポロに搭載された計算尺(Pickett N600-ES)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/3898318d7f4b3e84900d9ae2cb80d816

機械式計算機ノスタルジア(タイガー計算器)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/226dd92e17d66ac624b7279776aa77f6

五桁ノ 對數表 及 三角函數表:えふ.げい.がうす著
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/8d90de27b13365139c25bbffd9c4f04b


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夜のウォーキング、その後8(累積7000Km)

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2013年4月7日から今日までに歩いた累積距離

2013年3月8日に始めた夜のウォーキング。ナイキのランニングアプリで歩いた距離を記録始めたのは300Km歩いた1か月後からだった。今日、累積メーターが7000Kmを超えたので記事として記録しておこう。

累積メータが6000Kmに到達したのは昨年の7月15日なので1000Km歩くのに6カ月半かかっている。月あたり154Kmのペース。

この数年は脂肪燃焼というより、むしろ健康維持のためという目的に切り替えている。もちろんサボる日もたくさんあるが、継続するのが何より大事だ。

ちなみにこの半年の間に距離計測に使っているNikeのアプリがApple Watch対応になったのをきっかけにデザインが変わった。記事トップの画像のデザインが変わったのも、そのためである。


関連記事:

1日人間ドック(2010年)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/78d08050074f97baefb45084b0e936e2

ウォーキングと夜桜(2013年3月):
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/055b88c503e142d7b9559e5965de5550

夜のウォーキング、三軒茶屋へ(2013年3月27日)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/cfd8a6fb66f8d236da95531fd108d8cf

夜のウォーキングのその後(2013年6月6日)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/65eb0d670f88ee2225670772ad03793e

夜のウォーキング、その後2(2013年7月1日)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a64b260d065375c77a79c2839dc414be

夜のウォーキング、その後3(2013年8月27日)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/7da6bbf0006e187662cf2cf1822b82fe

1日人間ドックとウォーキング(2014年4月2日)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/630184969180751eecfdfcfeb6ff54c0

夜のウォーキング、その後4(累積3000Km): 2014年11月15日
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/6e55742ebae984371eed25cc70de75bb

夜のウォーキング、その後5(累積4000Km): 2015年5月27日
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/31b8bd0070d5d2853a7515efc7ac0e2e

夜のウォーキング、その後6(累積5000Km): 2016年2月1日
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/20cde6adec555ae73da5ab19156ae257

夜のウォーキング、その後7(累積6000Km): 2016年7月15日
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1c78ee3fbdf5077b17b69596746ebe63


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How to solve Cube root of 1729.03 using abacus? (Feynman v.s. Abacus man)

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[Set 1729.03 on Mr. Cube root]Zoom
[Japanese]

Today's topic is "Feynman vs. The Abacus man"



One afternoon in Rio de Janeiro in 1949, the Nobel Prize winning physicist Richard Feynman accepted a mathematical challenge from a Japanese abacus salesman. Feynman was 31 years old. This story is introduced as "Lucky Numbers" in the Feynman's biography - "Surely You're Joking, Mr Feynman! (Adventures of a Curious Character)".

Feynman is hopelessly beaten by the abacus in addition and subtraction. However he ties at multiplication and is ahead of the abacus man with some long division. Finally the Japanese man shouts out "Raios cubicos!" (which he thinks translates to "Cube roots" in Portugese). Feynman remarks in telling this story, "Cube roots! It's hard to think of a more fundamentally difficult problem in arithmetic. It must have been this guy's most impressive trick on the abacus.”

However, fortune smiles on Feynman because the number chosen to calculate the cube root is 1729.03. Feynman knew that one cubic foot is 1728 cubic inches, and therefore the cube root of 1728 is 12. With this knowledge he was able to calculate 12.002 while the man with the abacus had only got as far as calculating 12-something. This is how Feynman beat the abacus salesman.

Feynman vs. The Abacus
http://www.ee.ryerson.ca/~Elf/abacus/feynman.html

Can someone elucidate for me the arithmetical methodology used by Richard Feynman?
https://www.quora.com/Can-someone-elucidate-for-me-this-arithmetical-methodology-used-by-Richard-Feynman-1

Feynman's calculation (Japanese)
http://www.math.u-ryukyu.ac.jp/~suga/ssh3/node6.html

The number, 1729.03 is close to 1728 (=12^3), it is lucky for Feynman and this is why the anecdote is named as "Lucky Numbers".

I like Feynman and his books, however I felt a disappointment when I read the story.
One reason perhaps because the abacus man is Japanese and the second reason because the abacus man might not have lost if he had kept his composure. Anyway, he felt rushed and could not calculate the correct answer.

How difficult is it to solve cube root of 1729.03 using abacus?
Can we help the abacus man take revenge on Feynman for the first time in 68 years?


Following is the abacus operational steps to solve the cube root of 1729.03. As we cannot find the solution on the Internet, this is probably the first example open to the public.

The abacus operational steps were given by Mr. Ohzeki. He is my friend and the franchiser of the Aoba Keisan Academy (Aoba Calculation Academy - Abacus & Mental calculation school) in Yokohama city. Mr. Ohzeki was the winner of abacus and mental calculation championship several times in Japan. I understood the steps and inserted some detail steps for your better understanding.

In general, you can study abacus operation for Square root and Cube root on the following page.

ADVANCED ABACUS TECHNIQUES JAPANESE SOROBAN & CHINESE SUAN PAN
http://webhome.idirect.com/~totton/soroban/


Abacus steps to solve Cube root of 1729.03

We use the 3-kon method (3-roots method) and approximation method at the end. My special abacus - "Mr. Cube root" is hard to photograph. I use virtual abacus - the [Mr. Cube root] on Excel.


Step 1: Set 1729.03 on F to K.


Step 2: Set the 1st root 1 on B. (1^3=1 which is equal to 1 on F)


Step 3: Subtract 1 (on F) from 1 (1st root).


Step 4: Focus on 729.


Step 5: Divide 729 by 3x1 (1st root). Set answer 24 leaving 9.


Step 6: Set 2nd root 2 (on C). (2^3=8 is smaller than 24)


Step 7: Subtract 12x2 from 24 (on EF).


Step 8: Subtract 2nd root 2^3=8 from 9 (on I). Commit 2nd root as 2.


Step 9: Focus on 1030 (on IJKL).


Step 10: Divide 1030 by 3x12.


Step 11: Focus on 28611 (on HIJKL).


Step 12: Divide by 12 which is committed root. Set 5th root 2 on F. (2^3=8 is smaller than 28)


Step 13: Subtract 2x12002 from 28611. Set answer 4607.


Step 14: Focus on 460711 on IJKLMN.


Step 15: Wound up multiplying 460711x36 (3x12).


Step 16: Subtract 5th root 2^3 (=8) and commit 5th root. It means the remainder is 0.165855992 at the root=12.002


Step 17: Divide by 3x12002=36006.


Step 18 Divide by the root 12002. Set the 6th root 3 and subtract 3x120023.


Step 19: Wound up multiplying 100565x36006 (3x12002).


Step 20: Subtract 6th root 3^3 and commit 6th root. Remainder is 0.036209547833. Divide by 3x120023=360069.


Step 21: Estimating error is small at this stage. Continue dividing 1005628000999800 by the given root 120023.


Step 22: Answer is 12.002383786274


Final state: Answer 12.002383786274 (Digits in red mach the real answer.)

We can confirm the answer by iPhone scientific calculator. Correct value is 12.00238378569172 and the result by abacus maches until 8th decimal place. The approximation method is effective to calculate from 5th to 8th decimal place numbers.



Abacus state transition. (Click to Zoom)



We are not sure how much time Feynman took for the calculation. The book says he calculated 5th decimal place (6th root number) - 12.0023 at the end. In the abacus steps, we get the 6th root number at Step 18 and commit it at Step 20.

The abacus man lost by losing mental control and couldn't reach to the 12.002. If he could keep the best condition, I think the calculation battle field might have been 12.00238 or 12.002383. (7 or 8 digits precision)

This is why 1729.03 is the lucky number for Feynman. If the abacus man chose another number, Feynman might have lost the game.


By the way, you can study Square and Cube roots by mental calculation in this page.


About "Raios cubicos!"

In the Feynman's book "Surely You're Joking, Mr Feynman!", the abacus man shouted "Raios cubicos!" when he wants to do cube roots by arithmetic.

Also this story is complicated by the question of how well had Feynman mastered the Portuguese language?

Because Cube Roots in Portugese is "Raizes cubicas" (Pronunciation: haiises kubikas) not "Raios cubicos". The word "Rio (Pronunciation: haio)" (singular form of "Rios") is ray, line, radius, range in English. Volume of a sphere is notated as "4 pi raios cubicos sobre 3" in Portuguese. (sobre="on" in English. Refer to this page.)

So "Raios cubicos!" is somewhat like "Cube radius!" in English. I am not sure the mistake was by Feynman or by abacus man, but we can say "Raios cubicos" is not Cube roots.


29 years have passed since Dr. Feynman's death in 1988. I felt like being with him when I wrote about his calculation match in my blog.


Related articles in Japanese:

Bushi no Kakeibo (Soroban Bushi story in Edo period) - book and movie
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/38e15f47cba2eaed5f1787c30b09eb7c

Slide Rules nostalgia (Concise Slide Rules, Hemmi Slide Rules)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b91ae7814c1830a9aaf7da77aadf88a8

Slide rule in Apollo rocket (Pickett N600-ES)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/3898318d7f4b3e84900d9ae2cb80d816

Mechanical Calculator (Tiger Calculator)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/226dd92e17d66ac624b7279776aa77f6

Logarithm and Trigonometric function table book 110 years ago.
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/8d90de27b13365139c25bbffd9c4f04b


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ファインマン v.s. 算盤の達人: そろばんを使った解法

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開立はん」に1729.03を置いたところ拡大

ご冗談でしょう、ファインマンさん」で紹介されている「ファインマン v.s. 算盤の達人」のエピソードは、先日の記事で紹介させていただいた。検索に引っかかりやすくするために、記事タイトルを変えて投稿させていただくことにした。

記事の本編は以下の記事でお読みください。

開平と開立(第5回): ファインマン先生に立方根計算の雪辱を果たそう
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/89a0b907577f03ef6132cf9664bdcddb


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四千万歩の男(二): 井上ひさし

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四千万歩の男(二): 井上ひさし」(Kindle版

内容:
1800年6月、忠敬が渡った蝦夷は外にロシア、内に公儀・松前家・アイヌが策略を重ね、だまし合いの地だった。陰謀家の間宮林蔵、変な剣客平山行蔵ら、敵か味方か。アイヌ青年と仲良くなった忠敬に起る、事件につぐ事件、喘息をかこつ忠敬の愚直な一歩は、血みどろ泥まみれの闘いだった。全五巻。全5巻。(講談社文庫)
1992年刊行、634ページ。

著者について:
井上ひさし: 公式サイト: http://www.inouehisashi.jp/
1934年-2010年。山形県生れ。上智大学文学部卒業。浅草フランス座で文芸部進行係を務めた後に放送作家としてスタートする。以後『道元の冒険』(岸田戯曲賞、芸術選奨新人賞)、『手鎖心中』(直木賞)、『吉里吉里人』(読売文学賞、日本SF大賞)、『東京セブンローズ』など戯曲、小説、エッセイ等に幅広く活躍している。’84年に劇団「こまつ座」を結成し、座付き作者として自作の上演活動を行う。こまつ座は現在、次女の井上麻矢さんが社長を務めている。


第1巻は忠敬は蝦夷地へ渡る直前で終わったのだが、第2巻から蝦夷地に踏み入れた後の話が始まる。この地で忠敬は数々の事件に巻き込まれるわけだが、600ページを超える本だから、ここにひとつひとつ紹介することはできない。


1800年当時、蝦夷地は松前藩が統治していた。渡島国津軽郡(現在の北海道松前郡松前町)に居所を置いた藩である。赤蝦夷と呼ばれていたロシアはたびたび蝦夷地沿岸へ偵察に来ていたし、現在の国後島にも上陸して自国の領土であることを示す標識を建てたりしていた。

ロシアの侵攻を危惧する江戸幕府には蝦夷地を腐敗しきった松前藩による統治から幕府直轄統治に切り替えたいという思惑がある。そのために蝦夷の地図を作ることが急務だった。表向き幕府から委任された形で測量を行っている忠敬は、松前藩にとっては邪魔者だったのである。しかしお上の命を受けた忠敬を表向きはぞんざいに扱うことができない。

ところで蝦夷地はもともとアイヌ人の土地である。松前藩という支配する側、アイヌという支配される側の間でつらく悲しい歴史が続いていた。第2巻でクローズアップされるのはアイヌ人への差別が江戸時代にどのように行われていたかという点だ。

蝦夷地で測量を始めた忠敬は、ほどなくアイヌ人の悲しい現実を目の当たりにする。統治する和人の役人に妻を略奪され性奴隷にされる男の話、不平等極まりない物々交換、幾度となく繰り返されるアイヌ人の反乱、謀略や暗殺がたびたび起きていた。

正義を重んじる忠敬は、和人による非人道的なアイヌ人に対する扱いに反感を抱き、アイヌ人の助けになろうとする。その結果、松前藩からは怪しい人物として常に監視下におかれることになる。松前藩にとっては幕府の差し金、密偵ではないだろうかという疑いをかけられ、そしてアイヌ人びいきの人物として二つの意味で要注意人物にされてしまうのだ。そのような中で忠敬一行は測量をしながら旅を続ける。

幕府にとっても忠敬は「捨て駒」だった。松前藩ゆかりの者が忠敬に危害を加えることを非公式に望んでいたのだ。そして「お上の命を受けた者に危害を加えた」という口実で松前藩を窮地に追い込み、蝦夷地の運営を幕府が直轄するために取り上げようとしていたからだ。事件はでっち上げればいい。忠敬に対して刺客が差し向けられる。それほどまでにロシアに対する警備を松前藩に任せておくわけにはいかなかったのである。このように忠敬は松前藩と幕府の両方から狙われておかしくない危険な立場に置かれていた。


現在でこそ北海道民は完全に日本人になっており、差別を受けることはない。アイヌ民族はごく少数いるとはいえ差別を受けているというニュースはほとんど聞かなくなった。アイヌは文化や文化財の保存、継承という文脈で取り上げられることがほとんどだ。

アイヌ民族博物館
http://www.ainu-museum.or.jp/

けれどもこの本を読み、つい最近までアイヌ差別問題がニュースで取り上げていたことを思い出した。国会議員に萱野茂(かやのしげる)さんというアイヌ民族の人がいて在任中には、「日本にも大和民族以外の民族がいることを知って欲しい」という理由で、委員会において史上初のアイヌ語による質問を行ったことで知られている。アイヌ文化、およびアイヌ語の保存・継承のために活動を続けた。萱野さんは2006年にお亡くなりになっている。


アイヌの歴史はどこまで遡れるのだろう?和人による支配、差別の歴史が始まったのはいつからなのだろう?と思ってウィキペディアで「アイヌの歴史」や「アイヌ」を読むと次のようなことが書かれている。

- アイヌは形質人類学的には縄文時代の日本列島人と近く、本州以南が弥生時代に入った後も縄文文化を保持した人々の末裔であると考えられている。

- アイヌの歴史はアイヌ文化の成立を嚆矢とする。アイヌ文化はアイヌモシリ(北海道・樺太)で13世紀に成立。

- 13世紀 - 安藤太が蝦夷代官職になる。1268年 - 津軽でエゾの蜂起があり、安藤氏が討たれる。

- 15世紀 - 蝦夷管領・安東氏被官である渡党(後に松前藩の母体となる)が蝦夷地南部12箇所(道南十二館)に勢力を張る。

- 1457年 - コシャマインの戦い。和人鍛冶職人とアイヌ青年の争いを発端としてアイヌの首長コシャマインが起こした蜂起。

- 1593年(または1598年) - 慶広、秀吉から全蝦夷地(樺太、北海道)の支配権を与えられる。

- 1604年 - 慶広、江戸幕府からアイヌとの交易独占を認められる。以後、和人(本州)との交易窓口が一本化されて必需品輸入の生命線を握られたため、アイヌの松前藩への従属が強まり、不平等な交易によるアイヌの不満が、和人に対するアイヌ蜂起の一因ともなった。

- 1700年 - 松前藩は蝦夷地(十州島、唐太、千島列島、勘察加)の地名を記した松前島郷帳を作成し、幕府に提出。

- 1711年 - ロシア人アンツィフェーロフとコズイレフスキー、千島最北端の占守島(シュムシュ島)と幌筵島(パラムシル島)に上陸。住民にサヤーク(毛皮税)の献納を求めるが拒絶される。

- 1721年 - 中部千島の新知島(シムシル島)にロシア人上陸(ロシア人、新知郡まで南下)。

- 1766年 - イワン・チョールヌイが国後場所に侵入。ロシア人として初めて得撫島(ウルップ島、後の得撫郡)以南に到達。周辺のアイヌから毛皮の取り立てや過酷な労働を課し、ウルップ島で多数の女性を集めてハーレムを作る(1769年まで)。

- 1772年 - ウルップ島の千島アイヌが蜂起し、ロシア人20名が殺害され残りはカムチャッカ半島へ撤退。

- 1789年 - 労働条件や国後場所請負人・飛騨屋との商取引に不満を持った蝦夷(アイヌ)が蜂起したクナシリ・メナシの戦い勃発。この戦いに破れて以降、アイヌによる大規模な蜂起は見られなくなった。

- 1790年 - 樺太南端の白主に松前藩が商場を設置、幕府は勤番所を置く。

- 1798年 - 近藤重蔵が東蝦夷を探検、択捉島に「大日本恵土呂布」の標柱を立てる。

- 1800年 - 伊能忠敬が蝦夷を測量。

忠敬が蝦夷地を測量するまでの歴史をいくつかピックアップしたが、その後も現在に至るまで江戸幕府(後に明治政府)、アイヌ、ロシアの間で「ごたごた」が繰り返されてきたのだ。北方領土問題の根は深いと思わずにはいられなかった。

- 1899年 - 北海道旧土人保護法。(ウィキペディア

明治時代にはこのような法律が制定されたのだが、アイヌ人のことを「土人」と呼ぶのが当たり前だったわけである。

アイヌ民族の歴史年表 - ものすごく詳しいのでご一読を!
http://www10.plala.or.jp/shosuzki/japan/ainu.htm

樺太(サハリン)の年表
http://www10.plala.or.jp/shosuzki/japan/karahuto.htm

アイヌの歴史と文化 1-1 歴史 - アイヌ民族博物館
http://www.ainu-museum.or.jp/nyumon/rekishibunka/

NHK高校講座 | 日本史 | 第31回 第4章 近代国家の形成と国民文化の発展(沖縄と北海道の歴史)
https://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/nihonshi/archive/resume031.html

北海道の地名は日本の他の地域の地名とずいぶん違うのも、もともとアイヌ語の地名に漢字を当てたからだということも思い出した。本書ではまだ漢字が当てられずにカタカナ表記されている地名も多い。


忠敬以前の地図がきわめて不正確であることはご存知だろうが、それは正確にする必要がなかったからでもある。各土地や町の位置関係だけわかればよく、海岸線などはいい加減に書かれていても全く問題がなかった。複数の地図をつなぎあわせて1つの地図にするようなことも普通に行われていた。

参考:1644年、江戸幕府が「正保御国絵図」を作成。樺太が北海道の北の大きな島として記載されている。東には千島列島が描かれる。北海道の形はまったく不正確だ。(クリックで拡大)


しかし忠敬はこの旅の途中で、精密な地図がとても大切であることに気が付くことになる。ひょんなことから見せてもらったイギリス商人による蝦夷地のとある港湾の地図である。精密に海岸線が描かれ、経線が引かれているその地図を見て忠敬は度肝を抜かれる。子午線1度の長さを求めるために緯度には注意を払っていた忠敬だが、経度の重要性に気が付くのだ。そしてこれまでにない精密な蝦夷地の地図を目標とすべきだという決意をする。さらに日本全体の地図の作成を思い描くのだが、50歳半ばの自分に日本中をくまなく歩いて測量できるのかどうかと思案するのである。

ちなみに経度を精確に測るためには異なる2つの地点での「同時」を知らなければならない。そのためには「江戸で物理学を説く: ニュートン力学 (其之弐)」という記事で紹介した「クロノメーター」という揺れる場所や傾いた場所でも狂わない精確な時計が必要になるのだ。


このように第2巻は、現代にも通じる「差別」や「強要」、「迫害」、「領土問題」、「平等な交易の在り方」などを否応なしに思い起こされる読書となった。浮き彫りにされているテーマは重たいが、忠敬に降りかかる数々の事件、物語を存分に楽しめる本である。

引き続き第3巻に進もう。


四千万歩の男(二): 井上ひさし」(Kindle版

Amazonで: 文庫版一括検索 Kindle版一括検索



伊能忠敬関連の本: Amazonで検索


関連ページ:

【 あの人の人生を知ろう~伊能忠敬編 】
http://kajipon.sakura.ne.jp/kt/tadataka.html

伊能忠敬e資料館
https://www.inopedia.tokyo/

日本国地図の歴史的変遷?やっぱ伊能忠敬って天才だわ。凄すぎる・・・
https://matome.naver.jp/odai/2136439442534894801

伊能大図彩色図の閲覧
http://www.gsi.go.jp/MAP/KOTIZU/sisak/ino-main.html


関連記事:

吉里吉里人:井上ひさし
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/7830d542844bf6f4f6b702e081aa3be7

追悼:井上ひさしさん
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/8b68249f7d2070726183c6f9e8fb71dd


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発売情報:カシオ電子辞書 XD-G7200(2017年フランス語モデル)

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今年もカシオ電子辞書 XD-G7200(2017年フランス語モデル)が発表された。(2月10日に発売された。)ここ数年、毎年2月に新しいモデルがリリースされている。

フランス語学習者はもちろん、LHCから発表されるニュース・リリースをフランス語で読んだり、将来この研究所に勤務するようなことになるのだったらコンパクトな電子辞書は持っていたほうがよい。(記事内容を無理やり物理学に関連付けてしまった。)さらに、老眼が始まった方にもお勧めだ。


これまで8年間のモデルの詳細は次のリンクで確認できる。

2017年モデル
http://casio.jp/exword/products/XD-G7200/

2016年モデル
http://casio.jp/exword/products/XD-Y7200/

2015年モデル
http://casio.jp/exword/products/XD-K7200/

2014年モデル
http://casio.jp/exword/products/XD-U7200/

2013年モデル
http://casio.jp/exword/products/XD-N7200/

2012年モデル
http://casio.jp/exword/products/XD-D7200/

2011年モデル
http://casio.jp/exword/products/XD-B7200/

2010年モデル(「ロワイヤル仏和中辞典 第2版」、カラー液晶画面が搭載された最初のモデル)
http://casio.jp/exword/products/XD-A7200/


最新モデルを買うに越したことはないが、旧モデルでも安いのが見つかればそれはそれでよいと思う。フランス語にかかわる人にとってポイントになる大まかな変更点は次のようなものだ。

2010年->2011年
- フランス語コンテンツ1つ追加(文法中心ゼロから始めるフランス語、ネイティブ発音)
- オックスフォード現代英英辞典が第7版から第8版になった
- ツインカラー液晶搭載
- 新画像検索機能
- 本体メモリー容量が50MBから100MBになった
- ボディカラーがブラック+シルバーからホワイトに変更

2011年->2012年
- フランス語コンテンツ1つ追加(プチ・ロワイヤル仏和辞典 第3版、ネイティブ発音)
- スクロールパッドや縦書きのブックスタイル表示機能を搭載
- ダブルカードスロットになった(追加コンテンツ用)
- ボディカラーがホワイトからシルバー+ブラック+ホワイト(外側)に変更

2012年->2013年
- プチ・ロワイヤル仏和辞典が第4版になった
- プチ・ロワイヤル和仏辞典が第3版になった
- 1981年の発売以来定評のある角川類語新辞典が収録された他、国語系コンテンツの見直しが行われた
- ジーニアス和英辞典 第3版が収録された
- タッチパネル式の操作ができるようになった。
- アイコンタイプのメニューデザインが採用された
- 0.9mm薄くなり、約310g->約290gに軽量化

2013年->2014年(フランス語系コンテンツの変更なし)
- 0.1mm薄くなり、約290g->約280gに軽量化

2014年->2015年(フランス語系コンテンツの変更なし)
- カラー液晶(サブパネル)が無くなった。そのぶんキーが大きくなり入力しやすくなった。
- 約280g->約265gに軽量化
- しゃべって身につく 英会話スキット・トレーニング[電子増補版]が追加された。
- TOEICテスト新公式問題集 Vol. 3, 4が追加された。
- デジタル単語帳通信機能が追加された。
- 電池寿命が延びた:単3形アルカリ乾電池LR6(AM3)の場合:約130時間から約180時間になった。※(英和辞典の訳画面で連続表示時)

2015年->2016年(フランス語系コンテンツの変更なし)
- 日本大百科全書(ニッポニカ)が追加された
- ジーニアス英和辞典 第4版 -> 第5版
- オックスフォード 現代英英辞典(第8版)->(第9版)
- 日本文学1,000作品 -> 2,000作品

2016年->2017年(フランス語系辞書とコンテンツ、英語系辞書の変更なし)
- ハードウェアの仕様変更なし、デザインが少し変わった
- TOEICテストが新形式に対応した

2016年モデルのコンテンツ
TOEICテスト新公式問題集
TOEICテスト新公式問題集 Vol. 2
TOEICテスト新公式問題集 Vol. 3
TOEICテスト新公式問題集 Vol. 4
TOEICテスト ボキャブラリー730

2017年モデルのコンテンツ
TOEICテストスコアアップ 新形式問題付き
TOEICテストハイパー模試 5訂版 新形式問題対応
英語名演説・名せりふ集 Ver.4

- 2016年モデルの日経の以下のコンテンツが2017年モデルでなくなった
日経ビジネス 経済・経営用語辞典
増補版 論点解説 日経TEST ―あなたの経済知力を磨く―
日経TEST 公式練習問題集 「経済知力」を問う精選200問

- 生活・実用のコンテンツが大幅に増えた


どのモデルも紙辞書だと分厚い「ロワイヤル仏和中辞典 第2版」が使えるのはありがたい。また巨大な紙辞書の王様として今だに君臨している「小学館ロベール仏和大辞典」に至っては絶対に持ち運べないし、新品は3万円もするから電子辞書のほうが絶対にお買い得だ。ただし、この辞典はiPhone/iPad用のアプリが物書堂から2013年に発売された。(参考記事

2012年モデルまでに搭載されていたプチ・ロワイヤル仏和、プチ・ロワイヤル和仏はともに最新の紙辞書の版に2013年のモデルで追いついている。

これら2つの辞書は物書堂から販売されている「プチ・ロワイヤル仏和辞典(第4版)・和仏辞典(第3版)」を購入すればiPhone/iPadで使うこともできる。


「LE PETIT ROBERT仏仏辞典」については搭載されているのがこの7年間ずっと2009年版の辞書だ。フランスのアマゾンサイトAmazon.frでは昨年5月から2017年版が発売されている。(2017年製本版

日本のAmazon.co.jpで「Le Petit Robert仏仏辞典」を: 検索する

発売情報: Le Petit Robert 仏仏辞典 2017年版
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/3e26912b99683e9158557cccfab8c177


また、アプリ版も何種類かでている。(日本から買えるのはこのうちの一部。)

Le Robert (Tablette et smartphone)
http://www.lerobert.com/espace-numerique/tablette-et-smartphone.html

Le Petit Robert 仏仏辞典 2017年版がiPhone/iPadアプリとして発売!
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/c639abc6cfe45e1675d0a72181116e86


版が古い辞書はいずれ「フランス語辞典追加コンテンツ」として購入できるようになるのだと考えれば許容範囲だとも言える。PETIT ROBERT仏仏辞典は2009年版が追加コンテンツとして発売されている。


完全に満足できる品揃え、買い時というのはいつまでたってもおとずれないのかもしれない。けれども今年こそ購入に踏み切ろうという方は、以下の画像をクリックしてお求めいただきたい。

カシオ電子辞書 XD-G7200(2017年フランス語モデル)



カシオ電子辞書 第二外国語モデル XD-Y7000シリーズ(2016年モデル)



カシオ電子辞書 第二外国語モデル XD-K7000シリーズ(2015年モデル)



カシオ電子辞書 XD-U7200(2014年フランス語モデル)



カシオ電子辞書 XD-N7200(2013年フランス語モデル)



カシオ電子辞書 XD-D7200(2012年フランス語モデル)
お安いほうのをどうぞ。

 

カシオ電子辞書 XD-B7200(2011年フランス語モデル)



カシオ電子辞書 XD-A7200(2010年フランス語モデル)




関連記事:

ロワイヤル仏和中辞典(辞書談義)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/aed33d08239da123dcc66c5ec08f0bc7

無料のオンライン仏和・和仏辞典を発見!
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b3cae83cd882dd93d5efb788c1ac1498

ファインマン物理学: 英語版とフランス語版
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1dbcd1e1b02616ef1363ced99a912072


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ラジオ談義2: Radikoolによるラジオ放送の予約録音など

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昨年9月に「ラジオ談義」という記事で語学学習にラジオ放送を活用していることを紹介したが、今回はその続き。

ラジオのリスニング環境を大幅に改善したので紹介させていただくことにした。ウォーキングしながら語学学習したり、家で音楽やトーク番組を聴いたり、ラジオのよさを再認識しているところ。


Radikoolによるラジオ放送の予約録音

ツイッターで相互フォローさせていただいている方から教えてもらった無料ソフト。この手のソフトがあるのは知っていたがあまり評判がよくなかったので関心をもっていなかった。でもこのソフトを使ってみたところ、まったく問題がない。有料版に切り替えると地方局の放送も聴けるようになるそうだ。

つけっぱなしにしてよいWinodowsパソコンをお持ちの方にはぜひお勧めしたい。使わなくなった古いパソコンを活用するのもよいだろう。

Radikool(使い方
https://www.radikool.com/

NHKと民放放送の両方とも聴け、録音できる


番組表から予約は簡単にできる


録音したファイルの保存先のフォルダをDropboxなどでスマートフォンと共有すれば、スマートフォンからいつでも聴ける。(ただし、そのフォルダを一般公開するのは違法なのでしないこと。)


使わなくなったMDコンポとスマホの活用

20年以上前に使っていたMDコンポはCDとラジオチューナー、カセットデッキが故障したのでまったく使えなくなっていた。これを収納から引っ張り出して室内でのラジオ出力用として使うことにした。外部からの音声入力機能だけ使うのだ。

そして、これまた使わなくなった古いAndroidスマホにラジオアプリを入れて再利用。ヘッドホン端子から音声ケーブルでミニアンプにつなぎ、増幅した音声をMDコンポの音声入力端子へ接続。このミニアンプも10年以上前に部屋でカラオケを楽しむために使っていたものだ。

2005年3月に撮影(いちばん上のがミニアンプ)


廃品3つで立派な室内ラジオ環境が出来上がった。Radikoolで録音した放送もクリアな音で楽しめる。めでたし、めでたし。


関連記事:

ラジオ談義
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/5196ea330c001a2b803f632a0d1f8456

関連ページ:

ラジオ番組表: AM FM 
ラジオドラマ: NHK FMのオーディオドラマ
お勧め: 地下鉄のアリス(1978年放送のFMラジオドラマ、脚本は別役実

NHKゴガク: https://www2.nhk.or.jp/gogaku/
NHK高校講座(保健体育): http://www.nhk.or.jp/kokokoza/radio/r2_hoken/
壇蜜の耳蜜: http://radioweb.jp/?action=program&st=QRR&type=p&nd=&tm=20161114193000


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図解入門最新金属の基本がわかる事典: 田中和明

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図解入門最新金属の基本がわかる事典: 田中和明

内容紹介:
基礎から生産・処理技術まで『金属の基本と仕組み』大増補改訂!金属の全体像をやさしく図解!
建築物、自動車、テレビ、スマートフォンなど、私たちの生活を支える様々な製品が金属でできています。本書は、専門知識のない学生からエンジニアまで幅広い層を対象に、金属の総合的な入門書を目指しました。金属の性質、加工、生産、表面処理、鉄鋼やアルミニウム、レアメタルといった素材ごとの特徴、ナノ構造制御などの最新トピックまで網羅しています。また、コラムではリチウム、ベリリウムなど全金属のエピソードを紹介します。
2015年5月刊行、648ページ。

著者について:
田中和明(たなか かずあき): ホームページ: http://www.geocities.jp/kaztecjp1/
1956年、大阪生まれ。1982年、京都大学大学院工学研究科卒業。新日本製鐵君津製鉄所に勤務、1996年に金属部門の技術士を取得。鉄鋼協会、環境資源工学会所属。著書に、『「金属」のキホン』(ソフトバンク クリエイティブ)、『図解入門 よくわかる最新金属の基本と仕組み』『図解入門 よくわかる最新レアメタルの基本と仕組み』『図解入門 よくわかる最新金属加工の基本と仕組み』(秀和システム)など多数。ホームページ「KAZTECJP」で金属に関する情報を発信。風呂敷、機械時計、太陽光発電と電気自動車の導入、自主停電とエアコンレス・灯油レスを工夫してエコ生活を楽しむ。趣味はロードレース、旅行、映画、音楽会と、金属関係の古書収集。


理数系書籍のレビュー記事は本書で325冊目。

650ページもある本書を読み終えたとき「読了!!いや~、長かった。。」と思わずツイートした。読み始めて1か月以上かかっている。とりあえず「通読できる事典」だということを証明したといったところだろう。


本書を読んだきっかけ

こんな分厚い本を読もうと思ったきっかけは2つある。

ひとつは一昨年「固体物理の基礎:アシュクロフト、マーミン(全4冊)」という有名な物性物理の理論書を読んだが、それだけでは現実の金属のほんの一部の側面しか理解できないことがわかり、金属工学の視点から広く学んでみたいと思ったことだ。

2つめは、いつも読書に利用しているカフェで金属工学がご専門の先生と数年前に知り合い、懇意にさせていただいていること。先生はご趣味の真空管アンプのことやときどき金属の話や、いまどきの学生のことを楽しそうにお話してくださる。アンプや真空管の話はついていけるのだが、ご専門の金属工学の話になると僕にはちんぷんかんぷん。せっかく貴重なお話を聞けるのだから、基礎知識を頭に入れておこうと思ったわけだ。

その先生というのが東工大名誉教授の松尾孝先生のことだ。ご専門は金属の熱処理である。平成26年から同大の金属同窓会の会長をされている。このページで会長就任のときの挨拶文をお読みいただける。

松尾先生は長年就職指導を担当されていたので、教え子には金属関連企業の社長や重役がたくさんいる。今でも教え子たちの相談に乗ったり、セミナーで教えていらっしゃったりしている。先生はオーディオマニアでもあり、真空管アンプを自作され、知り合いのオーディオマニアに作ってあげたりして楽しまれている。先生が真空管やアンプの話を始めると終わらない。(僕はオーディオマニアではなく、どちらかというとラジオマニアなのでアンプではなく真空管ラジオが欲しいのだけど。)

真空管アンプ: ヤフオクで検索
真空管ラジオ: ヤフオクで検索

ちなみに松尾先生はイラストを描くのがお好きで、次の本の挿絵は松尾先生がお描きになったものだ。

はじめて学ぶ熱処理技術(日本熱処理技術協会)」(詳細




線形代数学入門のための教科書談義」という記事の中に書いた「1965年に東京工業大学工学部金属工学科では授業の中で行列式が教えられていた。」ということを教えてくださったのも松尾先生である。先生が入学した1960年代半ばあたりから日本の大学で行列式や線形代数が教え始められていた。

根っからの実験家でいらっしゃる松尾先生は、数学が大嫌いだったそうで行列式の授業を受けていたときは「あまりにも嫌だったので大学をやめてしまおうか。」と思ったそうである。

僕は数学専攻だったので「数学も面白いんですよ。」と、東工大の加藤文元先生がお書きになった「数学する精神―正しさの創造、美しさの発見」を松尾先生にプレゼントした。余計なお節介をしてしまう僕の習性は変わらない。

田中和明先生がお書きになった本書を松尾先生にお見せしたところ「この人、よく知ってるなぁ。」とお褒めになっていた。「よし、この本を読むことにしよう!」と読み始めたのがひと月前のことだ。


本書の紹介

秀和システムででている同シリーズの中で、本書は圧巻のボリュームだ。著者の田中先生がこれまで秀和システムでお書きになっていた金属関連の数冊の本を1冊にまとめた集大成本である。(田中先生の著書:Amazonで検索

とにかく情報量が多い。そして田中先生は「筋金入りの金属オタク」だ。この記事のいちばん下に載せた詳細目次を見てわかるように「金属歌謡集」というものを作っていらっしゃる。もしや?と思ってYouTubeで探してみたら、あったあった!

金属歌謡を12曲順番に再生:



すべての金属元素についてプライベートの思い出を盛り込んだエピソードを紹介したコラムもお書きになっている。元素それぞれに思い出がある人って、そうざらにはいない。さらに先生の自家用車(電気自動車)のナンバーは「鉄の原子量55.85」に合わせた「55-85」である。

最初から最後まで、650ページを通じて著者の熱意と伝える喜びがみなぎっている。読むほうはこれほど大変なのだから、書くほうはさぞ大変だったろうな。図版もとにかく多いわけだし。著者の熱意がこもっているからこれだけの分量でも飽きずに読むことができる。

章立てはこのとおりである。(詳細目次は本記事のいちばん下)

Ⅰ 金属基礎篇

第1章 金属の全体像
第2章 金属の構造
第3章 金属の性質
第4章 金属材料の基礎
第5章 金属材料の破壊
第6章 試験・調査技術

Ⅱ 金属加工技術篇

第7章 金属素材の製造
第8章 切断と接合
第9章 金属の型創成
第10章 金属熱処理
第11章 表面技術

Ⅲ 金属素材篇

第12章 鉄鋼の基本
第13章 アルミニウムの基本
第14章 非鉄金属

Ⅳ 新技術・資源篇

第15章 ナノ構造制御とヘテロ構造制御
第16章 金属資源

小コラム
各金属元素についてのコラム

大コラム
金属歌謡集1~16


本書を読んで感じたこと

僕が小学生の頃の「金属体験」は他の子供たちより恵まれていた。平成のはじめに96歳で他界した祖父は現役の頃は東京電力の社員で、現場で電気工事を担当していた。祖父は職人肌で仕事はすべて身体で覚えた人だった。今でいうDIY(Do It Yourself: 日曜大工)のようなことが好きで、町工場へ行ってはいろいろな廃材をもらってきては自分で加工して家財道具を組み立てていた。僕はそのような環境で個人でできるレベルの木材加工や金属加工を祖父から教えてもらいながら育った。ブリキとトタンの違いも質感として知っていたし、鉄板や銅板、真鍮、鉛などの金属も色や重さ、触感、強度や加工のしやすさなどを身をもって体験することができた。

元素や原子のことなど知らないから、僕はそれらの金属が合金だとは知らず、それぞれブリキやトタン、真鍮という名前の物質だと思っていた。鉄と鋼鉄の成分が違うことも知らなかった。鋼鉄は単に「硬い鉄」のことだ思っていたわけだ。

金属の種類一覧:
http://ichiranya.com/technology/324-metal_kind.php

本書を読み進むうちに、知らないことがほとんどであり、幼少期に見たり触ったりしていた金属がこんなにすごいものだったのかと50年という年月を経て再発見したようなものだ。鉄の焼き入れや焼き戻しで、なぜ性質が変わるのかということは理論物理としての物性物理の教科書ではほとんど知ることができない。やはり実験と経験が第一の世界なのだということがよくわかった。

そもそも金属の性質が科学的に理解され始めたのは量子力学が始まった20世紀以降のことに過ぎない。人類が金属を使い始めたのは数千年前のことであり、科学史よりも技術史のほうが圧倒的に長い。学問になる以前からさまざまな金属を発見し、利用しやすい形に製錬、加工してきた先人の知恵と経験の素晴らしさを思わずにはいられなかった。

刀剣類について言えば、日本では独自に青銅製の刀剣類が生産されていたが、古墳時代以前にはすでに鉄製の刀剣類の生産が始まっていた。青銅で作られた銅鐸は弥生時代から作られていたものだ。

日本刀の歴史:
http://touken.or.jp/history/index.html
http://www.kajita-token.com/history.html

本書ではあらゆる金属や合金について学ぶことができる。とはいっても現代においても金属の全生産量の96パーセントは「鉄」なのだ。熱処理をすることでさまざまな性質があらわれる鉄の不思議を理解することが大切なことがよくわかった。

とにかく情報満載の本である。一度通読したところでとても覚えられるものではない。けれども金属工学で使われている用語の意味は押さえることができたので、松尾先生のお話が聞きやすくなるし、熱処理についての本も読みやすくなったので、とりあえず満足である。

本書は「事典」なのだから、これからも必要な時に参照することだろう。この情報量で2700円はお買い得である。


関連記事:

ゴム弾性(初版復刻版):久保亮五
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/c3b0c788cdcdd1087798179f3dfed0f8

ゴムはなぜ伸びる?:伊藤眞義
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ff057de12aeb576f1d62a75f0fdbc538

すごい! 磁石: 宝野和博、本丸諒
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ffe9d9d77da4e012ea23ec5fce37e32a

基礎の固体物理学: 斯波弘行
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/d2287a9fdbc66eac443fe0888d835602

物性物理30講(物理学30講シリーズ):戸田盛和
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/00d399f545bc69dfa213015f153a312a

固体物理の基礎 上・1 固体電子論概論: アシュクロフト、マーミン
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/af3b66dbda3564a4c49f5d7f722ad777

固体物理の基礎 上・2 固体のバンド理論: アシュクロフト、マーミン
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/8c12399f0dd9b78de128a9793502c3f3

固体物理の基礎 下・1 固体フォノンの諸問題: アシュクロフト、マーミン
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a60d3f080472a8472c462a02484743da

固体物理の基礎 下・2 固体の物性各論: アシュクロフト、マーミン
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/16c5344f47d2da648e2efabf8c020303


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図解入門最新金属の基本がわかる事典: 田中和明



Ⅰ 金属基礎篇

第1章 金属の全体像
1-1 本書の位置付け
1-2 日進月歩の材料科学・材料工学
1-3 金属を学ぶときの4つのカテゴリー
1-4 周期表における金属
1-5 周期表と電子軌道
1-6 素材としての金属
1-7 金属の存在比率
1-8 金属の分類

第2章 金属の構造
2-1 金属の構造論
2-2 原子の構造と結合
2-3 原子の電子軌道
2-4 金属と合金の構造
2-5 金属の結晶構造
2-6 金属の合金構造
2-7 合金の時効析出

第3章 金属の性質
3-1 金属の特徴
3-2 金属の重さ(密度)
3-3 金属の硬さ
3-4 金属の強さ
3-5 原子核の結合の強さ
3-6 金属の変形
3-7 弾性と塑性
3-8 電気物性と熱物性
3-9 磁性
3-10 酸化・還元
3-11 金属の色と炎色反応

第4章 金属材料の基礎
4-1 金属材料の構成
4-2 相変態と合金の構造
4-3 格子欠陥
4-4 鉄-炭素系平衡状態図と組織
4-5 拡散
4-6 変態
4-7 金属の強化機構
4-8 加工硬化・回復・再結晶
4-9 時効と析出
4-10 金属の比強度
4-11 金属の降伏
4-12 r値とn値

第5章 金属材料の破壊
5-1 金属材料の破壊の全体像
5-2 破壊のメカニズム
5-3 塑性変形による破壊~応力による破壊(1)
5-4 疲労破壊~応力による破壊(2)
5-5 クリープ破壊~応力による破壊(3)
5-6 延性破壊と脆性破壊
5-7 腐食による破壊
5-8 応力腐食割れ
5-9 水素による破壊
5-10 遅れ破壊
5-11 鋼の熱処理に伴う脆性

第6章 試験・調査技術
6-1 試験方法と調査技術
6-2 機械試験法
6-3 組織調査
6-4 非破壊検査
6-5 分光分析の基礎
6-6 分子分光分析
6-7 原子分光分析
6-8 物質の構造を計測する技術
6-9 質量分析技術

Ⅱ 金属加工技術篇

第7章 金属素材の製造
7-1 金属加工の全体像
7-2 製錬・精錬
7-3 リサイクル精錬法
7-4 凝固
7-5 鋳型鋳造技術
7-6 粉末成形
7-7 熱間成形

第8章 切断と接合
8-1 切断加工
8-2 熱源による切断加工
8-3 金属の除去加工技術
8-4 切断面の品質
8-5 切削と研磨
8-6 バリ取り
8-7 ブランク加工
8-8 板金切断
8-9 接合加工の方法
8-10 溶接の方法
8-11 サブマージドアーク溶接
8-12 固相接合
8-13 機械的接合
8-14 ろうつけ加工

第9章 金属の型創成
9-1 型成形概要~塑性加工(1)
9-2 押し出し成形~塑性加工(2)
9-3 引き抜き成形~塑性加工(3)
9-4 鍛造加工~塑性加工(4)
9-5 プレス加工概論~プレス加工(1)
9-6 絞り加工~プレス加工(2)
9-7 張り出し成形~プレス加工(3)
9-8 フランジ加工~プレス加工(4)
9-9 曲げ加工~プレス加工(5)
9-10 機械加工概要~除去加工(1)
9-11 切削理論と工具~除去加工(2)
9-12 旋盤加工~除去加工(3)
9-13 ボール盤加工~除去加工(4)
9-14 フライス盤加工~除去加工(5)
9-15 エンドミル加工~除去加工(6)
9-16 中ぐり加工と歯切り加工~除去加工(7)
9-17 研削加工~除去加工(8)

第10章 金属熱処理
10-1 鋼材の熱処理体系
10-2 鋼材の熱処理の基礎
10-3 鋼材の焼入れ
10-4 鋼材の焼もどし
10-5 鋼材の焼なまし
10-6 鋼材の焼ならし
10-7 表面熱処理
10-8 表面焼入れ
10-9 浸炭焼入れ
10-10 窒化

第11章 表面技術
11-1 金属の表面技術体系
11-2 金属表面~金属界面(1)
11-3 さびとスケール~金属界面(2)
11-4 水溶液中の電位とpH~金属界面(3)
11-5 金属防食の技術
11-6 金属表面処理技術~金属表面処理(1)
11-7 金属表面の前処理~金属表面処理(2)
11-8 金属被覆~金属表面処理(3)
11-9 化成処理~金属表面処理(4)
11-10 電気防食

Ⅲ 金属素材篇

第12章 鉄鋼の基本
12-1 鉄の基本性質~数字で見る鉄(1)
12-2 鉄の存在量~数字で見る鉄(2)
12-3 鉄の生産量~数字で見る鉄(3)
12-4 鉄の特徴~鉄の性質(1)
12-5 鋼材の性質~鉄の性質(2)
12-6 鋼材のミニ知識~鋼材の種類(1)
12-7 鋼材の分類法~鋼材の種類(2)
12-8 鉄鋼製品~鋼材の作り方(1)
12-9 製銑工程~鋼材の作り方(2)
12-10 製鋼工程~鋼材の作り方(3)
12-11 圧延工程~鋼材の作り方(4)
12-12 超の時代

第13章 アルミニウムの基本
13-1 アルミニウムの全体像
13-2 アルミニウムの性質
13-3 アルミニウム精錬概要
13-4 日本におけるアルミニウム原料史
13-5 戦後アルミニウム原価史
13-6 アルミニウム精錬衰退史
13-7 アルミニウムのリサイクルの科学

第14章 非鉄金属
14-1 金属の分類
14-2 主要非鉄金属の製錬・精錬
14-3 銅と銅合金の性質
14-4 マグネシウムとマグネシウム合金の性質
14-5 チタンとチタン合金の性質
14-6 貴金属の用途
14-7 新機能合金
14-8 金属代替技術

Ⅳ 新技術・資源篇

第15章 ナノ構造制御とヘテロ構造制御
15-1 金属学の新しい潮流
15-2 ナノ金属とは
15-3 ナノ金属特有の材質
15-4 ナノ金属の視点であらためて従来金属技術を読み解く
15-5 ナノ金属が拓く技術分野
15-6 ナノ金属組織製造法
15-7 新元素戦略と構造材料ヘテロ構造制御

第16章 金属資源
16-1 金属資源
16-2 金属資源リスク
16-3 コモンメタルの資源課題
16-4 レアメタルの資源課題
16-5 陸上資源開発
16-6 海底資源
16-7 リサイクル資源
16-8 資源価格高騰問題
16-9 エコロジカル・リュックサック

小コラム

リチウム(Li 原子量6.94 密度0.535)
美味しそうなリチウムイオン電池が決め手の電気自動車

ベリリウム(Be 原子量9.01 密度1.848)
戯曲『素晴らしい合金』の持つ毒に軽さと強さを忘れそう

ホウ素(B 原子量10.81 密度2.340)
スライムの原料にして超硬派のニューハーフボロン見参

ナトリウム(Na 原子量22.99 密度0.968)
生きる糧、恩にも仇にもなる塩の物語

マグネシウム(Mg 原子量24.305 密度1.738)
電磁波で粉になる妄想の末に燃え上がる目映い光

アルミニウム(Al 原子量26.982 密度2.700)
筆者的には注目度マックスの金属。密かに送るラブコール

ケイ素(Si 原子量28.086 密度2.330)
シリカとシリコンで引っ張って、透明談義に華が咲く

カリウム(K 原子量39.098 密度0.856)
閃いた! 菜食主義レジスタンスの屁理屈を。今晩は焼肉だ

カルシウム(Ca 原子量40.078 密度1.550)
人体構造に新説か。妄想癖が紡ぐ奇説珍説を語ろう

スカンジウム(Sc 原子量44.956 密度2.985)
自転車、飛行機、屋外ランプ。軽さも材質も優れている

チタン(Ti 原子量47.867 密度4.507)
軽くてさびない金属は海に空にお寺にお似合い

バナジウム(V 原子量50.942 密度6.110)
富士山系の地下水に潜む北欧の神

クロム(Cr 原子量51.996 密度7.150)
なめし皮に秘めたるクロムの物語は脅威か? 安心か?

マンガン(Mn 原子量54.938 密度7.470)
海の底に眠る団塊に想いをはせたあの頃……

鉄(Fe 原子量55.845 密度7.874)
タイヤの破片に命の恩人だとつぶやいた、高速道路での運命の出来事

コバルト(Co 原子量58.933 密度8.900)
アトムと文庫が爆弾で、工具の電池とコンゴの色彩は海底で

ニッケル(Ni 原子量58.963 密度8.908)
ある時は悪魔、あるいは硬貨、その実はアレルギーの首謀者?

銅(Cu 原子量63.546 密度8.94)
NASA探査機放出の銅製衝突体、第1彗星核に命中

亜鉛(Zn 原子量65.409 密度7.140)
しじみより舐めてみたいな真鍮とトタン

ガリウム(Ga 原子量69.723 密度5.904)
スキープレーヤーとノーベル賞に大活躍の体温融解金属

ゲルマニウム(Ge 原子量72.63 密度5.323)
広告によるとゲルマニウムパワーはすごいらしい

ヒ素(As 原子量74.922 密度5.727)
毒殺の歴史に君臨し続けるエース級のヒ素は半導体の優等生

ルビジウム(Rb 原子量85.468 密度1.532)
ルビー色に光る発信機には謎の固有周波数が示されている

ストロンチウム(Sr 原子量87.62 密度2.630)
降ってきて楽しくもあり悲しくもある灰の起源

イットリウム(Y 原子量88.906 密度4.472)
ヤング? ヤグ? レーザーで大活躍のレアアースメタル

ジルコニウム(Zr 原子量91.224 密度6.511)
古い友人が実は爆発しやすいやつだなんて知らなかった

ニオブ(Nb 原子量92.906 密度8.570)
反物質製造工場でもちあげた超伝導磁石に使われている金属は重かった

モリブデン(Mo 原子量95.96 密度10.280)
合金鋼の世界では超有名のセレブなスーパースター金属

テクネチウム(Tc 原子量97.907 密度11.500)
人工金属とはいえ自然界で全然存在しないわけではない天然元素

ルテニウム(Ru 原子量101.07 密度12.370)
ノーベル賞に使われて、ハードディスクで役に立つ内気な金属

銀(Ag 原子量107.868 密度10.490)
江戸時代、金を減らして混ぜられて、秘伝の表面処理でまるで金に仕上げた

ロジウム(Rh 原子量102.906 密度12.450)
使われなくなることが話題として取り上げられる超セレブ金属

パラジウム(Pd 原子量106.42 密度12.023)
水素を吸い、貴重だと言われても、価格が低くて肩身が狭い言われ方

カドミウム(Cd 原子量112.411 密度8.650)
黄色鮮やかな、有用で迷惑な元素は、公害病で一躍有名

インジウム(In 原子量114.818 密度7.310)
かっこいいタイトル、かっこいい金属、かっこいいパフォーマンス

錫(Sn 原子量118.71 密度7.310)
青銅にも使われた古(いにしえ)の金属を歴史の教科書で見てみよう

テルル(Te 原子量127.6 密度6.240)
地球の神様が映画を何度でも録画する不思議な性質

アンチモン(Sb 原子量121.76 密度6.697)
ギリシア時代の話をネットー先生が英語口述、筆記ノートを野呂が翻訳

セシウム(Cs 原子量132.905 密度1.879)
目立ちたくないのに目立っちゃう金属は、映画の題名に少女と共演

バリウム(Ba 原子量137.33 密度3.51)
飲むと嬉しく、飲むと安心、どっしり感が好ましい検査試薬

ランタン(La 原子量138.905 密度6.146)
一家の名付け親の兄い金属は、人目を避けても目立つ存在

セリウム(Ce 原子量140.116 密度6.689)
レーヴィの周期表で名を馳せた金属は、削減代替でも超有名金属

プラセオジム(Pr 原子量140.908 密度6.640)
希土類がジジミウムと呼ばれた時代の生き証人

ネオジム(Nd 原子量144.24 密度6.800)
世界最強の磁力を持つ、さびと温度に弱い孤高のチャンピオン金属

プロメチウム(Pm 原子量145 密度7.26)
999とのだめと神話が交錯する蛍光が綺麗なお気に入り

サマリウム(Sm 原子量144.913 密度7.353)
ウォークマンのシャカシャカ音はサラダ記念日のおかげです

ユウロピウム(Eu 原子量151.946 密度5.224)
鮮やかな赤色に日本テレビ界のこだわりを見た

ガドリニウム(Gd 原子量157.25 密度7.904)
最強磁性金属は電子の数にもこだわっている

テルビウム(Tb 原子量158.925 密度8.219)
磁歪や蛍光やと、聞いたことの無い金属の聞いたことのない名前

ジスプロシウム(Dy 原子量162.5 密度8.551)
およばざるがごとし、クレームをつけ過ぎると代替が進む金属

ホルミウム(Ho 原子量164.93 密度8.800)
外科治療で大活躍の体に優しいレーザー光源

エルビウム(Er 原子量167.259 密度9.066)
通信の歴史が語るどうでもいい光ファイバー秘話

ツリウム(Tm 原子量168.934 密度9.321)
最北生まれの光ファイバー添加元素は放射線バッチにも使われる

イッテルビウム(Yb 原子量173.04 密度6.57)
イッテルビー4兄弟が分かち合ったよく似た名前

ルテチウム(Lu 原子量174.97 密度9.841)
「まれ」で盛り上がるさいはてのまれな金属の言い分

ハフニウム(Hf 原子量178.49 密度13.31)
正反対の相方とコンビを組んで原発で働いてまーす

タンタル(Ta 原子量180.948 密度16.650)
本人と関係ないところであだ名をつけられたり、進路を決められたり

タングステン(W 原子量183.84 密度19.250)
「何を話してんの?」と戸惑う元素を尻目に力が入るニセモノ談義

レニウム(Re 原子量186.207 密度21.020)
日本に成り損なったライン川の異名を持つラスト発見天然元素

オスミウム(Os 原子量190.23 密度22.61)
筆者好みの下劣な話にまきこまれた重い金属の臭い実態

白金(Pt 原子量195.084 密度21.45)
もっと大切にしよう、モノとカチ。カイロとカードの談義に華が咲く

イリジウム(Ir 原子量192.217 密度22.65)
地球防衛隊で知った、地球の不思議な過去を語る小松センセイ

金(Au 原子量196.967 密度19.300)
入っていれば有難や、根強い健康神話に使われたチャンピオン金属とは?

水銀(Hg 原子量200.59 密度13.579)
カリオストロ伯爵の手品につかわれた賢者の石の正体とは?

タリウム(Tl 原子量204.383 密度11.850)
地味な金属の地味な使い方を時々驚きの報道で思い出す

鉛(Pb 原子量207.2 密度11.340)
ネットー先生が名講義。大昔から使われてきた使いやすい金属

ビスマス(Bi 原子量208.98 密度9.780)
いろんな用途に使われる低融点金属は、見かけは危険だがいいやつだ

ポロニウム(Po 原子量208.982 密度9.196)
煮詰めて濾過して、煮詰めて濾過、煮詰めて濾過して、煮詰める元素

フランシウム(Fr 原子量(223) 密度1.87)
地球上で何個くらい存在するのだろうかと考えてしまう元素

ラジウム(Ra 原子量(226) 密度5.000)
こんな会話があったのかな? 作業の手を抜かない主婦の鏡マリーさん

アクチニウム(Ac 原子量(227) 密度10.070)
執念の尾鉱探しの末に掘り当てた大金星の天然放射性元素

トリウム(Th 原子量232.038 密度11.724)
宇宙の年齢くらいたってもまだ半分残っている古い天然放射性元素

閑話休題
青銅と黄銅の欠点は歴史遺産や戦場でも露呈

プロトアクチニウム(Pa 原子量231.036 密度15.37)
体に溜まったヘリウム(ガス)をぶうっと吐き出す元素

ウラン(U 原子量238.029 密度19.052)
良くも悪くも使う人次第。大きな能力を秘めた元素を扱う倫理の話だな

ネプツニウム(Np 原子量237.048 密度20.25)
人工に作られたものは崩壊する。命名方法が軽いが重い元素

プルトニウム(Pu 原子量243.061 密度19.84)
ボイジャーが積んで行った、初めて作った人工元素の原子力電池

トチノネーミリウム
その手があったか。土地の名前なら無数に名付けられる

ダイガクネーミリウム
おらが大学、おらが研究所。冷戦時代の元素競争

ヒトノネーミリウム
先生! 尊敬しています。大流行の人の名前元素シリーズ

一石仙人
敵も味方もリモコン次第。鉄人世代には良くわかる仙人の悩み

大コラム

金属歌謡集1
<歌謡1 接合情話>
<歌謡2 プレス行進曲>
<歌謡3 金属ラプソディ>

金属歌謡集2
<歌謡4 魅惑の熱処理>
<歌謡5 鋼戦隊JISレンジャー>
<歌謡6 腐食のタンゴ>
<歌謡7 錬金アラベスク>

金属歌謡集3
<歌謡8 せん断!切断!バリ取り加工!>
<歌謡9 これが鉄の生きる道>
<歌謡10 欠陥サンバ>

金属歌謡集4
<歌謡11 あまたの合金になって>
<歌謡12 金のネックレス>

金属歌謡集5
<歌謡13 鉄の星 地球>
<歌謡14 めぐる周期律>
<歌謡15 延ばし仁義>

金属歌謡集6
<歌謡16 周期表いえるかな?>
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