「核兵器: 多田将」
内容紹介:
核兵器──圧倒的な破壊力のため、誕生した年に二度使用されただけで、その後70年間、実戦で使われていない。しかしその間も改良が重ねられ、凄まじいレベルにまでその威力を高めていた──。
原子核の分裂と融合が、なぜこれほどのエネルギーを生み出すのか。 またそのエネルギーを、一瞬で消費し尽くすための設計とは。天然の鉱石から「燃料」に加工するまでの、気の遠くなるような濃縮の工程。核分裂兵器(原爆)から核融合兵器(水爆)へ──そして究極の核兵器W88の誕生。
20世紀初頭に異常発達した物理学の総決算であり、人類が元来持っている闘争心と、飽くなき知への欲求が結実した究極の産物──その複雑で精緻なメカニズムを、政治的、倫理的な話は抜きに、純粋に物理学の側面から解明していく。
著者自ら作成したグラフやCAD図をはじめ、本書でしか見られない図版を多数収録。数式や表、さまざまなデータを駆使しながら、緻密に、定量的に、その実体に迫っていく。専門書としての魅力、資料的価値を最大限高めながらも、ユーモラスな喩えやイラストなどを織り交ぜることで、理系ではない読者にも読み進められる「限りなく専門書に近い一般書」を実現。
多田将のライフワーク、ついに誕生。
2018年12月17日刊行、440ページ。
著者について:
多田将(ただ しょう): ウィキペディアの記事
京都大学理学研究科博士課程修了。理学博士。高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所、准教授。著書に『すごい実験』『すごい宇宙講義』『宇宙のはじまり』『ミリタリーテクノロジーの物理学<核兵器>』『ニュートリノ』(以上イースト・プレス)、『放射線について考えよう。』(明幸堂)がある。
多田先生の著書: Amazonで検索
理数系書籍のレビュー記事は本書で396冊目。
この本は発売されたばかりの昨年12月に購入し、はやく読みたいと思っていた。読んでいる最中に核保有国のインドとパキスタンの戦争が始まりつつあり、おまけに米朝首脳会談が決裂したのはたまたまである。先月アメリカは、INF全廃条約破棄をロシアに正式通告、半年後に失効するそうで、核兵器全廃への道のりはさらに遠くなった。
本書は、ミリタリーオタク系の人も読むのだろうが、実際のところは「物理学書」である。ルート記号を含んだ簡単な数式を使って解説しているので、対象読者は理系の高校生以上というところ。立派な特設ページで紹介されている。
核兵器: 多田将 特設ページ
http://shotada.com/
豊富なイラスト、図版、表、写真のほか多田先生がCADを使って描かれたグラフを使いながら解説をしている。実に丁寧で時間と手間をかけて執筆されたことが一見してよくわかる。本の装丁が派手過ぎで最初は違和感を覚えたが、内容の充実度を思うと「これもまたアリだな。」と納得させられた。
多田先生のこだわりは文章だけでなく用語の表記にもうかがえる。一般的には使われない次のようなカタカナ表記は、英語で発音に忠実でありたいとうお考えからなのだろう。
例:メイカー(メーカー)、デイタ(データ)、ブレイキ(ブレーキ)、テイブル(テーブル)、ヴォルト(ボルト)、ケイス(ケース)、ロウズヴェルト大統領(ルーズベルト大統領)、ゲイム理論(ゲーム理論)
またソビエト連邦やロシアの核施設や戦闘機、兵器の名前は、ロシア語で正しく表記している。
素粒子物理学はひととおり初歩を学んでいたけれど、原発や核兵器に使われるいわゆる「原子核物理学」や「高エネルギー物理学」の領域は手薄だった。福島の原発事故以来、放射線や原発のしくみに関しては何冊かの教養書で学んだが、核心的なところは学べていない気がしていた。
本書はそのような「欠如していた知識」をきっちり埋めてくれる本なのだ。それも教養書と専門書の中間レベルのスタイルで書かれているから好都合である。章立ては次のとおり。
第1章 原子核
第2章 放射線
第3章 核分裂と核融合
第4章 連鎖反応
第5章 核燃料
第6章 核分裂兵器
第7章 核融合兵器
箱から取り出すと金文字が目立つ。イラストは親しみやすい感じだ。
拡大
拡大
原子核の構造から始まり、放射線に関する知識、核分裂と核融合のしくみなど原発と核兵器で共通する解説が繰り広げられる。そして重要になるのが原発と核兵器で大きく異なる「連鎖反応」についてだ。原発ではそれをいかに制御するかが問題になる。
原発や核兵器に使われる放射性物質も多種多様だ。それら核燃料をどのようにして抽出するか、各国でどれくらいの核物質が精製され、保有されているかなど、世界中のありとあらゆるデータを参照して紹介している。(おそらく調査には執筆の10倍以上の時間をお使いになったのだと想像している。)
3年前に「原子爆弾 1938~1950年: ジム・バゴット」を読んでいたが、知らないことばかりであることを多田先生の本を読んで痛感した。
最後の2章は実際の核兵器のしくみである。核分裂兵器、いわゆる原子爆弾のことが第6章にあてられ、核融合兵器、いわゆる水素爆弾のことが第7章にあてられている。しかし本書では「原子爆弾」や「水素爆弾」という表記は使われていない。あと第7章では中性子爆弾や、小型化された現代の核兵器についても解説している。
本書は純粋に学術書であるから、放射線による実際の被害統計や被害者が受けた苦しみなど、核兵器の非人道的な側面、政治的な側面に関しての記述はほとんどない。(もちろん核兵器の非人道的側面を多田先生はじゅうぶん承知していらっしゃるのだ。)
INF全廃条約破棄や米朝首脳会談が決裂したことを報道で知り、多田先生が本書巻末にお書きになっている次のお言葉が心にしみた。
『著者は、核兵器が所謂「非人道的な兵器」だとは思っておりません。何故なら、それはまるで、「人道的な兵器」というものが存在するかのような言い方だからです。人を殺すのに、「人道的な殺し方」など、あろうはずがありません。
そしてまた、兵器がなくなれば平和が訪れるわけでもありません。兵器が人に戦いを行わせているわけではありません。人類が誕生したときから持ち続けてきた闘争心が、相手をより効率的に打ちのめすために兵器を生み出したのであって、その逆ではないからです。もし仮に今存在する全ての兵器を取り上げたとしたら、人類は、その辺りに転がっている棒切れを拾って、また殺し合いを続けることでしょう。それは全く本末転倒なのであって、本来は、平和が訪れたときに、人々が本当に平和を求めたときに、自然と、人々の手は兵器を離すのです。』
僕は核兵器をその破壊力と無差別殺人性から「絶対悪」だととらえているので多少違和感を感じるが、今回は「正しく知り、理解しておくことの大切さ」を教えてくれる読書になった。
関連記事:
原子爆弾 1938~1950年: ジム・バゴット
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/0d741fd4e77316eaf05aef8daf865cd6
原子・原子核・原子力―わたしが講義で伝えたかったこと:山本義隆
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/605f519af238e6b41871e81829f46e43
部分と全体: W.K. ハイゼンベルク
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b6e7d8da99e4b9e76f5cd9f7dbf7f959
知ろうとすること。(新潮文庫): 早野龍五、糸井重里
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a4ef77bfa321388003c87214d7367b3d
1つずつ応援クリックをお願いします。
「核兵器: 多田将」
序
第1章 原子核
1.1 その男は、東海村からやって来た
1.2 原子力施設の熔接技術によってつくられた戦車
1.3 原子の構造
1.4 原子核の構造
1.5 同位体
1.6 安定核
1.7 ウラン
1.8 ポロニウム
1.9 強い力
第2章 放射線
2.1 不安定核の粒子の放出
2.2 不安定核のエネルギーの放出
2.3 放射線は何故危険か
2.4 エネルギーの単位
2.5 X線
2.6 中性子
2.7 放射性同位体と放射能
2.8 半減期
2.9 放射線の影響
2.10 半導体への影響
2.11 吸収線量
2.12 等価線量
2.13 α線と β線の特徴
2.14 γ線と X線の特徴
2.15 中性子の特徴
2.16 人体への影響
2.17 急性障害
2.18 晩成障害
2.19 遺伝的障害
2.20 外部被曝と内部被曝
2.21 放射線加重係数
2.22 実効線量
2.23 自然放射線
2.24 医療被曝
2.25 被曝の許容量
2.26 外部被曝の低減
2.27 内部被曝の低減
2.28 放射線の測定
2.29 放射線の利用
第3章 核分裂と核融合
3.1 不安定核の分裂
3.2 核分裂断面積
3.3 マクロ断面積
3.4 核分裂反応に於ける質量欠損
3.5 望ましい核分裂物質
3.6 核融合反応
3.7 核融合反応に於ける質量欠損
3.8 核融合断面積
3.9 分裂か融合か
第4章 連鎖反応
4.1 温度
4.2 核分裂の連鎖反応
4.3 核分裂の連鎖反応にかかる時間
4.4 原子炉
4.5 チェルノブイリ原子力発電所事故
4.6 冷却材
4.7 減速材
4.8 核燃料
4.9 臨界量
4.10 反射体
4.11 密度と臨界量
4.12 核分裂物質の安全性
4.13 核融合の連鎖反応
4.14 ローソン条件
4.15 慣性閉じ込め
第5章 核燃料
5.1 ウランの採掘
5.2 ウランの精錬
5.3 ウランの転換
5.4 ウランの濃縮
5.5 ガス拡散法
5.6 遠心分離法
5.7 エアロダイナミクス法
5.8 電磁分離法
5.9 レイザー法
5.10 化学法
5.11 ウランの再転換
5.12 プルトニウムの製造
5.13 兵器級プルトニウム
5.14 高速増殖炉
5.15 プルトニウムの抽出
5.16 プルトニウムの同素体
5.17 廃棄物問題
5.18 核分裂物質の備蓄量
5.19 デューテリウムの濃縮
5.20 トリチウムの製造
5.21 リチウムの精製と濃縮
5.22 重水素化リチウム
第6章 核分裂兵器
6.1 マンハッタン計画
6.2 砲身型核分裂兵器
6.3 爆縮型核分裂兵器
6.4 ソヴィエト連邦に於ける核分裂兵器の開発
6.5 中性子発生管
6.6 ブースター
6.7 タンパーの材質の選定
6.8 EFI
6.9 2点点火式爆縮レンズ
第7章 核融合兵器
7.1 テラー゠ウラム型熱核兵器
7.2 3F兵器
7.3 特殊な核兵器
7.4 リチウム7の効果
7.5 核兵器が与える影響
7.6 核融合兵器の近代化
7.7 究極の核兵器
巻末図表
跋
カラー図
索引
内容紹介:
核兵器──圧倒的な破壊力のため、誕生した年に二度使用されただけで、その後70年間、実戦で使われていない。しかしその間も改良が重ねられ、凄まじいレベルにまでその威力を高めていた──。
原子核の分裂と融合が、なぜこれほどのエネルギーを生み出すのか。 またそのエネルギーを、一瞬で消費し尽くすための設計とは。天然の鉱石から「燃料」に加工するまでの、気の遠くなるような濃縮の工程。核分裂兵器(原爆)から核融合兵器(水爆)へ──そして究極の核兵器W88の誕生。
20世紀初頭に異常発達した物理学の総決算であり、人類が元来持っている闘争心と、飽くなき知への欲求が結実した究極の産物──その複雑で精緻なメカニズムを、政治的、倫理的な話は抜きに、純粋に物理学の側面から解明していく。
著者自ら作成したグラフやCAD図をはじめ、本書でしか見られない図版を多数収録。数式や表、さまざまなデータを駆使しながら、緻密に、定量的に、その実体に迫っていく。専門書としての魅力、資料的価値を最大限高めながらも、ユーモラスな喩えやイラストなどを織り交ぜることで、理系ではない読者にも読み進められる「限りなく専門書に近い一般書」を実現。
多田将のライフワーク、ついに誕生。
2018年12月17日刊行、440ページ。
著者について:
多田将(ただ しょう): ウィキペディアの記事
京都大学理学研究科博士課程修了。理学博士。高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所、准教授。著書に『すごい実験』『すごい宇宙講義』『宇宙のはじまり』『ミリタリーテクノロジーの物理学<核兵器>』『ニュートリノ』(以上イースト・プレス)、『放射線について考えよう。』(明幸堂)がある。
多田先生の著書: Amazonで検索
理数系書籍のレビュー記事は本書で396冊目。
この本は発売されたばかりの昨年12月に購入し、はやく読みたいと思っていた。読んでいる最中に核保有国のインドとパキスタンの戦争が始まりつつあり、おまけに米朝首脳会談が決裂したのはたまたまである。先月アメリカは、INF全廃条約破棄をロシアに正式通告、半年後に失効するそうで、核兵器全廃への道のりはさらに遠くなった。
本書は、ミリタリーオタク系の人も読むのだろうが、実際のところは「物理学書」である。ルート記号を含んだ簡単な数式を使って解説しているので、対象読者は理系の高校生以上というところ。立派な特設ページで紹介されている。
核兵器: 多田将 特設ページ
http://shotada.com/
豊富なイラスト、図版、表、写真のほか多田先生がCADを使って描かれたグラフを使いながら解説をしている。実に丁寧で時間と手間をかけて執筆されたことが一見してよくわかる。本の装丁が派手過ぎで最初は違和感を覚えたが、内容の充実度を思うと「これもまたアリだな。」と納得させられた。
多田先生のこだわりは文章だけでなく用語の表記にもうかがえる。一般的には使われない次のようなカタカナ表記は、英語で発音に忠実でありたいとうお考えからなのだろう。
例:メイカー(メーカー)、デイタ(データ)、ブレイキ(ブレーキ)、テイブル(テーブル)、ヴォルト(ボルト)、ケイス(ケース)、ロウズヴェルト大統領(ルーズベルト大統領)、ゲイム理論(ゲーム理論)
またソビエト連邦やロシアの核施設や戦闘機、兵器の名前は、ロシア語で正しく表記している。
素粒子物理学はひととおり初歩を学んでいたけれど、原発や核兵器に使われるいわゆる「原子核物理学」や「高エネルギー物理学」の領域は手薄だった。福島の原発事故以来、放射線や原発のしくみに関しては何冊かの教養書で学んだが、核心的なところは学べていない気がしていた。
本書はそのような「欠如していた知識」をきっちり埋めてくれる本なのだ。それも教養書と専門書の中間レベルのスタイルで書かれているから好都合である。章立ては次のとおり。
第1章 原子核
第2章 放射線
第3章 核分裂と核融合
第4章 連鎖反応
第5章 核燃料
第6章 核分裂兵器
第7章 核融合兵器
箱から取り出すと金文字が目立つ。イラストは親しみやすい感じだ。
拡大
拡大
原子核の構造から始まり、放射線に関する知識、核分裂と核融合のしくみなど原発と核兵器で共通する解説が繰り広げられる。そして重要になるのが原発と核兵器で大きく異なる「連鎖反応」についてだ。原発ではそれをいかに制御するかが問題になる。
原発や核兵器に使われる放射性物質も多種多様だ。それら核燃料をどのようにして抽出するか、各国でどれくらいの核物質が精製され、保有されているかなど、世界中のありとあらゆるデータを参照して紹介している。(おそらく調査には執筆の10倍以上の時間をお使いになったのだと想像している。)
3年前に「原子爆弾 1938~1950年: ジム・バゴット」を読んでいたが、知らないことばかりであることを多田先生の本を読んで痛感した。
最後の2章は実際の核兵器のしくみである。核分裂兵器、いわゆる原子爆弾のことが第6章にあてられ、核融合兵器、いわゆる水素爆弾のことが第7章にあてられている。しかし本書では「原子爆弾」や「水素爆弾」という表記は使われていない。あと第7章では中性子爆弾や、小型化された現代の核兵器についても解説している。
本書は純粋に学術書であるから、放射線による実際の被害統計や被害者が受けた苦しみなど、核兵器の非人道的な側面、政治的な側面に関しての記述はほとんどない。(もちろん核兵器の非人道的側面を多田先生はじゅうぶん承知していらっしゃるのだ。)
INF全廃条約破棄や米朝首脳会談が決裂したことを報道で知り、多田先生が本書巻末にお書きになっている次のお言葉が心にしみた。
『著者は、核兵器が所謂「非人道的な兵器」だとは思っておりません。何故なら、それはまるで、「人道的な兵器」というものが存在するかのような言い方だからです。人を殺すのに、「人道的な殺し方」など、あろうはずがありません。
そしてまた、兵器がなくなれば平和が訪れるわけでもありません。兵器が人に戦いを行わせているわけではありません。人類が誕生したときから持ち続けてきた闘争心が、相手をより効率的に打ちのめすために兵器を生み出したのであって、その逆ではないからです。もし仮に今存在する全ての兵器を取り上げたとしたら、人類は、その辺りに転がっている棒切れを拾って、また殺し合いを続けることでしょう。それは全く本末転倒なのであって、本来は、平和が訪れたときに、人々が本当に平和を求めたときに、自然と、人々の手は兵器を離すのです。』
僕は核兵器をその破壊力と無差別殺人性から「絶対悪」だととらえているので多少違和感を感じるが、今回は「正しく知り、理解しておくことの大切さ」を教えてくれる読書になった。
関連記事:
原子爆弾 1938~1950年: ジム・バゴット
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/0d741fd4e77316eaf05aef8daf865cd6
原子・原子核・原子力―わたしが講義で伝えたかったこと:山本義隆
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/605f519af238e6b41871e81829f46e43
部分と全体: W.K. ハイゼンベルク
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b6e7d8da99e4b9e76f5cd9f7dbf7f959
知ろうとすること。(新潮文庫): 早野龍五、糸井重里
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a4ef77bfa321388003c87214d7367b3d
1つずつ応援クリックをお願いします。
「核兵器: 多田将」
序
第1章 原子核
1.1 その男は、東海村からやって来た
1.2 原子力施設の熔接技術によってつくられた戦車
1.3 原子の構造
1.4 原子核の構造
1.5 同位体
1.6 安定核
1.7 ウラン
1.8 ポロニウム
1.9 強い力
第2章 放射線
2.1 不安定核の粒子の放出
2.2 不安定核のエネルギーの放出
2.3 放射線は何故危険か
2.4 エネルギーの単位
2.5 X線
2.6 中性子
2.7 放射性同位体と放射能
2.8 半減期
2.9 放射線の影響
2.10 半導体への影響
2.11 吸収線量
2.12 等価線量
2.13 α線と β線の特徴
2.14 γ線と X線の特徴
2.15 中性子の特徴
2.16 人体への影響
2.17 急性障害
2.18 晩成障害
2.19 遺伝的障害
2.20 外部被曝と内部被曝
2.21 放射線加重係数
2.22 実効線量
2.23 自然放射線
2.24 医療被曝
2.25 被曝の許容量
2.26 外部被曝の低減
2.27 内部被曝の低減
2.28 放射線の測定
2.29 放射線の利用
第3章 核分裂と核融合
3.1 不安定核の分裂
3.2 核分裂断面積
3.3 マクロ断面積
3.4 核分裂反応に於ける質量欠損
3.5 望ましい核分裂物質
3.6 核融合反応
3.7 核融合反応に於ける質量欠損
3.8 核融合断面積
3.9 分裂か融合か
第4章 連鎖反応
4.1 温度
4.2 核分裂の連鎖反応
4.3 核分裂の連鎖反応にかかる時間
4.4 原子炉
4.5 チェルノブイリ原子力発電所事故
4.6 冷却材
4.7 減速材
4.8 核燃料
4.9 臨界量
4.10 反射体
4.11 密度と臨界量
4.12 核分裂物質の安全性
4.13 核融合の連鎖反応
4.14 ローソン条件
4.15 慣性閉じ込め
第5章 核燃料
5.1 ウランの採掘
5.2 ウランの精錬
5.3 ウランの転換
5.4 ウランの濃縮
5.5 ガス拡散法
5.6 遠心分離法
5.7 エアロダイナミクス法
5.8 電磁分離法
5.9 レイザー法
5.10 化学法
5.11 ウランの再転換
5.12 プルトニウムの製造
5.13 兵器級プルトニウム
5.14 高速増殖炉
5.15 プルトニウムの抽出
5.16 プルトニウムの同素体
5.17 廃棄物問題
5.18 核分裂物質の備蓄量
5.19 デューテリウムの濃縮
5.20 トリチウムの製造
5.21 リチウムの精製と濃縮
5.22 重水素化リチウム
第6章 核分裂兵器
6.1 マンハッタン計画
6.2 砲身型核分裂兵器
6.3 爆縮型核分裂兵器
6.4 ソヴィエト連邦に於ける核分裂兵器の開発
6.5 中性子発生管
6.6 ブースター
6.7 タンパーの材質の選定
6.8 EFI
6.9 2点点火式爆縮レンズ
第7章 核融合兵器
7.1 テラー゠ウラム型熱核兵器
7.2 3F兵器
7.3 特殊な核兵器
7.4 リチウム7の効果
7.5 核兵器が与える影響
7.6 核融合兵器の近代化
7.7 究極の核兵器
巻末図表
跋
カラー図
索引