「高校生からわかる複素解析: 涌井良幸」
内容紹介:
“複素数”とは高校で学ぶものですが、「2乗して-1になる数iを用いてa+biと書ける数」のことです。“i”は虚数単位です。本書のテーマである複素解析とは、一言でいうと、「変数が複素数である関数の、微分法・積分法を扱う数学」のことです。中学・高校で学んだ関数は“実関数”といって、変数xは実数ですが、複素関数の変数zは複素数です。実関数と複素関数には天と地ほどの差があります。本書は、量子力学や電磁気学、流体力学などの理学・工学分野で活躍し、さらに経済学などの社会科学でも広く使われている複素解析を、高校生からでもわかるよう、丁寧に解説していきます。
2018年9月刊行、285ページ。
著者について:
涌井良幸(わくい よしゆき)
1950年、東京都生まれ。東京教育大学(現・筑波大学)数学科を卒業後、高等学校の教職に就く。現在はコンピューターを活用した教育法や統計学の研究を行なっている。 【著書】『多変量解析がわかった』、『道具としてのベイズ統計』(日本実業出版社)、『統計学図鑑』(技術評論社)、『「数学」の公式・定理・決まりごとがまとめてわかる事典』『高校生からわかるベクトル解析』(ベレ出版)ほか。
涌井先生の著書: Amazonで検索
理数系書籍のレビュー記事は本書で385冊目。
本書のことは「多変数関数論 (数学のかんどころ 21):若林功」の紹介記事を書いたときに、「1変数の複素関数論でお勧め本がでました。」と紹介した。僕の場合いまさら読む必要はないわけであるが、せっかく買ったのだから読まないともったいない。図版がきれいだし、涌井先生がお書きになってきた副読本にはこれまで好感をもっていたから好奇心に抗うことができなかった。
いまの大学生は恵まれていると思う。先日紹介した「ブラックホールと時空の方程式:15歳からの一般相対論:小林晋平」や直前で紹介した「よくわかる初等力学: 前野昌弘」のように、親切でわかりやすい教科書、副読本は僕が大学生の頃にはほとんどなかった。かの伝説の書、理工系学生の救世主、目から鱗が落ちまくりの「物理数学の直観的方法〈普及版〉 (ブルーバックス):長沼伸一郎」(出版経緯の紹介記事)の初版が発売されたのは、卒業してから半年たった1987年10月のことだから、僕はその恩恵にあずかっていない。このようなお助け本、親切本は遅くとも最終学年になるまでに読んでおきたいものだ。
「物理数学の直観的方法〈普及版〉 (ブルーバックス):長沼伸一郎」でも1章が割かれているように「複素関数論」は理工系学生が卒業までにぶち当たる難所のひとつである。このような学生に向いている。
- 背伸びをして大学物理の世界を覗いてみたい高校生
- 指定の教科書が簡潔すぎて、とっかかりがつかめない大学生
- 何を学んでいるのか、さっぱりわからず途方に暮れている大学生
昨今は「これを学ぶと、何の役に立つのですか?」と問う若者が多い。それは数学専攻の学生でも変わらなくなっているのが、僕の学生時代との違いだと思う。無論本書は高校生からでも読めるように配慮した本だから、プロローグでまず「複素解析とは何か」と「複素解析を学ぶ効用」を紹介している。それは次のようなことだ。
- 複素関数と実関数は「天と地」の違い
- 高所から広い視野で数学を見ることができる
- 理学や工学は複素解析が活躍する世界(量子力学、電磁気学、流体力学)
- 複素関数を使って実数の世界では困難な問題を解決できる
- 理工学でよく使われるフーリエ変換、ラプラス変換は複素関数が前提
- その他にもまだまだある
本書の章立てはこのとおり。
プロローグ 複素解析を学ぶ前に
第1章 複素数と複素関数
第2章 いろいろな複素関数
第3章 実関数の微分・積分
第4章 複素関数の微分
第5章 複素関数の積分
第6章 複素関数の級数展開
エピローグ 橋渡しの最後に
複素間数論は複素解析と呼ばれたり、関数論と省略して呼ばれたりもする。複素数を変数とする関数やその微分、積分に成り立つ法則を学ぶ。高校数学までの実数関数やその微積分には見られない強力な定理、一見不思議で美しい法則が花開いているのが複素関数論の世界だ。特に留数、一致の定理、解析接続、リーマン面などは実数関数の世界には存在しない概念である。
留数定理(EMANの物理数学)
http://eman-physics.net/math/imaginary11.html
一致の定理、解析接続(EMANの物理数学)
http://eman-physics.net/math/imaginary07.html
余談:複素関数論は主にコーシーの業績であるが、彼がこの研究をしていたのは24歳だった1825年頃のことである。そして留数の定義は1826年に発表された。(参考ページ)ライプニッツが実数関数の微積分記号を発案してからおよそ140年後のことである。(ライプニッツは1684年に「極大と極小に関する新しい方法」を出版して、その中で微分法を発表し、ついで1686年に「深遠な幾何学」を出版して積分法を発表した。)
実をいうと本書は「物理数学の直観的方法〈普及版〉 (ブルーバックス):長沼伸一郎」とすこぶる相性がよい。この本は複素関数論に1章を割いているほか、「高校生からわかる複素解析: 涌井良幸」で取り上げられている次のようなテーマについても、直観的な解説をしているからだ。
- 第1章 線積分、面積分、全微分
- 第2章 テイラー展開
- 第4章 e^iπ=-1の直観的イメージ
- 第7章 フーリエ級数・フーリエ変換
- 第8章 複素関数・複素積分
長沼先生の本を読んでから涌井先生の本をお読みになるか、涌井先生の本を読みながら、必要に応じて長沼先生の本をお読みになるとよいだろう。
本書には姉妹本がある。「物理数学の直観的方法〈普及版〉 (ブルーバックス):長沼伸一郎」で1章を割いている「ベクトル解析」についても、涌井先生は本をお書きになった。こちらも合わせてお読みになるとよい。
「高校生からわかる複素解析: 涌井良幸」(図版サンプル)(正誤表)
「高校生からわかるベクトル解析: 涌井良幸」(正誤表)
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本書で留数定理や解析接続まで複素解析(複素関数論)の基礎をひととおり理解したら、一般的な教科書はかなり読みやすくなるはずだ。これまでに紹介したこの分野の副読本、教科書の紹介記事を易しい順に列挙して、今回の記事を締めくくろう。
関連記事:
なっとくする複素関数:小野寺嘉孝 ← この副読本もお勧め!
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/de4d9ea37c56d434505002d35e0132bf
定本 解析概論:高木貞治
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/cf579e91cb873cda1126e70a6bd3def2
ヴィジュアル複素解析
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/2f47e7b748d4ca7022dc53305388a00b
解析学入門のための教科書談義
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/22c325e49cfd7c721679dbc2896b86a4
複素解析: 小平邦彦
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f2d66f57d8e7e4bc971fedc5b204f5e9
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「高校生からわかる複素解析: 涌井良幸」
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はじめに
本書の使い方
ギリシャ文字と数学の記号
プロローグ 複素解析を学ぶ前に
- 複素解析って、なんだ?
第1章 複素数と複素関数
- 複素数とは何か
- i は虚しい数か
- 複素数を図示した複素平面
- 複素数の+、-、×、÷
- 複素数の極形式
- ド・モアブルの定理
- 平面図形の複素数表示
- 複素関数とは
- 複素関数のグラフ
- 一価関数と多価関数
第2章 いろいろな複素関数
- 多項式と有理関数
- オイラーの公式
- 指数関数 e^z の定義
- 指数関数 e^z の性質
- 指数関数 e^z の振る舞い
- 三角関数 cos(z) の定義
- 三角関数 cos(z) の性質
- 三角関数 cos(z) の振る舞い
- 対数関数 log_e(z)の定義
- 対数関数 log_e(z)の性質
- 対数関数 log_e(z)の振る舞い
- ベキ関数 z^a の定義
- ベキ関数 z^a の性質
- ベキ関数 z^a の振る舞い
第3章 実関数の微分・積分
- 関数の連続
- 微分可能
- 導関数
- 合成関数の微分法
- 逆関数の微分法
- 偏微分
- よく使われる偏導関数の性質
- 積分の定義
- 置換積分法
第4章 複素関数の微分
- 複素関数の連続
- 複素関数の微分可能
- 複素関数の導関数
- 微分可能(正則)とコーシー・リーマンの方程式
- 複素関数の微分の公式
- いろいろな複素関数の導関数
第5章 複素関数の積分
- 実関数の線積分
- 複素関数の積分
- 複素積分の基本計算
- 閉曲線と領域
- コーシーの積分定理
- 積分路の変更
- 多重連結領域と周回積分
- 不定積分を用いた定積分の計算
- コーシーの積分公式
- グルサの公式
第6章 複素関数の級数展開
- ベキ級数と収束域
- 正則関数のベキ級数展開
- 特異点を中心としたローラン展開
- 留数と留数定理
- 関数の拡張と解析接続
エピローグ 橋渡しの最後に
- 専門数学への橋渡し
付録
- なぜ e^(iθ) = cos(θ) + i sin(θ) なのか
- リーマン積分
- コーシー・リーマンの方程式の逆
- 全微分
- 極形式で表わされたコーシー・リーマンの方程式
- W(z, z^~)判定法
- 平面におけるグリーンの定理
- 2重積分
- ML不等式
- 実関数のテイラーの定理・マクローリンの定理
- 1次分数関数と反転
- 多価関数とリーマン面
索引
内容紹介:
“複素数”とは高校で学ぶものですが、「2乗して-1になる数iを用いてa+biと書ける数」のことです。“i”は虚数単位です。本書のテーマである複素解析とは、一言でいうと、「変数が複素数である関数の、微分法・積分法を扱う数学」のことです。中学・高校で学んだ関数は“実関数”といって、変数xは実数ですが、複素関数の変数zは複素数です。実関数と複素関数には天と地ほどの差があります。本書は、量子力学や電磁気学、流体力学などの理学・工学分野で活躍し、さらに経済学などの社会科学でも広く使われている複素解析を、高校生からでもわかるよう、丁寧に解説していきます。
2018年9月刊行、285ページ。
著者について:
涌井良幸(わくい よしゆき)
1950年、東京都生まれ。東京教育大学(現・筑波大学)数学科を卒業後、高等学校の教職に就く。現在はコンピューターを活用した教育法や統計学の研究を行なっている。 【著書】『多変量解析がわかった』、『道具としてのベイズ統計』(日本実業出版社)、『統計学図鑑』(技術評論社)、『「数学」の公式・定理・決まりごとがまとめてわかる事典』『高校生からわかるベクトル解析』(ベレ出版)ほか。
涌井先生の著書: Amazonで検索
理数系書籍のレビュー記事は本書で385冊目。
本書のことは「多変数関数論 (数学のかんどころ 21):若林功」の紹介記事を書いたときに、「1変数の複素関数論でお勧め本がでました。」と紹介した。僕の場合いまさら読む必要はないわけであるが、せっかく買ったのだから読まないともったいない。図版がきれいだし、涌井先生がお書きになってきた副読本にはこれまで好感をもっていたから好奇心に抗うことができなかった。
いまの大学生は恵まれていると思う。先日紹介した「ブラックホールと時空の方程式:15歳からの一般相対論:小林晋平」や直前で紹介した「よくわかる初等力学: 前野昌弘」のように、親切でわかりやすい教科書、副読本は僕が大学生の頃にはほとんどなかった。かの伝説の書、理工系学生の救世主、目から鱗が落ちまくりの「物理数学の直観的方法〈普及版〉 (ブルーバックス):長沼伸一郎」(出版経緯の紹介記事)の初版が発売されたのは、卒業してから半年たった1987年10月のことだから、僕はその恩恵にあずかっていない。このようなお助け本、親切本は遅くとも最終学年になるまでに読んでおきたいものだ。
「物理数学の直観的方法〈普及版〉 (ブルーバックス):長沼伸一郎」でも1章が割かれているように「複素関数論」は理工系学生が卒業までにぶち当たる難所のひとつである。このような学生に向いている。
- 背伸びをして大学物理の世界を覗いてみたい高校生
- 指定の教科書が簡潔すぎて、とっかかりがつかめない大学生
- 何を学んでいるのか、さっぱりわからず途方に暮れている大学生
昨今は「これを学ぶと、何の役に立つのですか?」と問う若者が多い。それは数学専攻の学生でも変わらなくなっているのが、僕の学生時代との違いだと思う。無論本書は高校生からでも読めるように配慮した本だから、プロローグでまず「複素解析とは何か」と「複素解析を学ぶ効用」を紹介している。それは次のようなことだ。
- 複素関数と実関数は「天と地」の違い
- 高所から広い視野で数学を見ることができる
- 理学や工学は複素解析が活躍する世界(量子力学、電磁気学、流体力学)
- 複素関数を使って実数の世界では困難な問題を解決できる
- 理工学でよく使われるフーリエ変換、ラプラス変換は複素関数が前提
- その他にもまだまだある
本書の章立てはこのとおり。
プロローグ 複素解析を学ぶ前に
第1章 複素数と複素関数
第2章 いろいろな複素関数
第3章 実関数の微分・積分
第4章 複素関数の微分
第5章 複素関数の積分
第6章 複素関数の級数展開
エピローグ 橋渡しの最後に
複素間数論は複素解析と呼ばれたり、関数論と省略して呼ばれたりもする。複素数を変数とする関数やその微分、積分に成り立つ法則を学ぶ。高校数学までの実数関数やその微積分には見られない強力な定理、一見不思議で美しい法則が花開いているのが複素関数論の世界だ。特に留数、一致の定理、解析接続、リーマン面などは実数関数の世界には存在しない概念である。
留数定理(EMANの物理数学)
http://eman-physics.net/math/imaginary11.html
一致の定理、解析接続(EMANの物理数学)
http://eman-physics.net/math/imaginary07.html
余談:複素関数論は主にコーシーの業績であるが、彼がこの研究をしていたのは24歳だった1825年頃のことである。そして留数の定義は1826年に発表された。(参考ページ)ライプニッツが実数関数の微積分記号を発案してからおよそ140年後のことである。(ライプニッツは1684年に「極大と極小に関する新しい方法」を出版して、その中で微分法を発表し、ついで1686年に「深遠な幾何学」を出版して積分法を発表した。)
実をいうと本書は「物理数学の直観的方法〈普及版〉 (ブルーバックス):長沼伸一郎」とすこぶる相性がよい。この本は複素関数論に1章を割いているほか、「高校生からわかる複素解析: 涌井良幸」で取り上げられている次のようなテーマについても、直観的な解説をしているからだ。
- 第1章 線積分、面積分、全微分
- 第2章 テイラー展開
- 第4章 e^iπ=-1の直観的イメージ
- 第7章 フーリエ級数・フーリエ変換
- 第8章 複素関数・複素積分
長沼先生の本を読んでから涌井先生の本をお読みになるか、涌井先生の本を読みながら、必要に応じて長沼先生の本をお読みになるとよいだろう。
本書には姉妹本がある。「物理数学の直観的方法〈普及版〉 (ブルーバックス):長沼伸一郎」で1章を割いている「ベクトル解析」についても、涌井先生は本をお書きになった。こちらも合わせてお読みになるとよい。
「高校生からわかる複素解析: 涌井良幸」(図版サンプル)(正誤表)
「高校生からわかるベクトル解析: 涌井良幸」(正誤表)
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本書で留数定理や解析接続まで複素解析(複素関数論)の基礎をひととおり理解したら、一般的な教科書はかなり読みやすくなるはずだ。これまでに紹介したこの分野の副読本、教科書の紹介記事を易しい順に列挙して、今回の記事を締めくくろう。
関連記事:
なっとくする複素関数:小野寺嘉孝 ← この副読本もお勧め!
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定本 解析概論:高木貞治
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/cf579e91cb873cda1126e70a6bd3def2
ヴィジュアル複素解析
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/2f47e7b748d4ca7022dc53305388a00b
解析学入門のための教科書談義
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/22c325e49cfd7c721679dbc2896b86a4
複素解析: 小平邦彦
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「高校生からわかる複素解析: 涌井良幸」
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はじめに
本書の使い方
ギリシャ文字と数学の記号
プロローグ 複素解析を学ぶ前に
- 複素解析って、なんだ?
第1章 複素数と複素関数
- 複素数とは何か
- i は虚しい数か
- 複素数を図示した複素平面
- 複素数の+、-、×、÷
- 複素数の極形式
- ド・モアブルの定理
- 平面図形の複素数表示
- 複素関数とは
- 複素関数のグラフ
- 一価関数と多価関数
第2章 いろいろな複素関数
- 多項式と有理関数
- オイラーの公式
- 指数関数 e^z の定義
- 指数関数 e^z の性質
- 指数関数 e^z の振る舞い
- 三角関数 cos(z) の定義
- 三角関数 cos(z) の性質
- 三角関数 cos(z) の振る舞い
- 対数関数 log_e(z)の定義
- 対数関数 log_e(z)の性質
- 対数関数 log_e(z)の振る舞い
- ベキ関数 z^a の定義
- ベキ関数 z^a の性質
- ベキ関数 z^a の振る舞い
第3章 実関数の微分・積分
- 関数の連続
- 微分可能
- 導関数
- 合成関数の微分法
- 逆関数の微分法
- 偏微分
- よく使われる偏導関数の性質
- 積分の定義
- 置換積分法
第4章 複素関数の微分
- 複素関数の連続
- 複素関数の微分可能
- 複素関数の導関数
- 微分可能(正則)とコーシー・リーマンの方程式
- 複素関数の微分の公式
- いろいろな複素関数の導関数
第5章 複素関数の積分
- 実関数の線積分
- 複素関数の積分
- 複素積分の基本計算
- 閉曲線と領域
- コーシーの積分定理
- 積分路の変更
- 多重連結領域と周回積分
- 不定積分を用いた定積分の計算
- コーシーの積分公式
- グルサの公式
第6章 複素関数の級数展開
- ベキ級数と収束域
- 正則関数のベキ級数展開
- 特異点を中心としたローラン展開
- 留数と留数定理
- 関数の拡張と解析接続
エピローグ 橋渡しの最後に
- 専門数学への橋渡し
付録
- なぜ e^(iθ) = cos(θ) + i sin(θ) なのか
- リーマン積分
- コーシー・リーマンの方程式の逆
- 全微分
- 極形式で表わされたコーシー・リーマンの方程式
- W(z, z^~)判定法
- 平面におけるグリーンの定理
- 2重積分
- ML不等式
- 実関数のテイラーの定理・マクローリンの定理
- 1次分数関数と反転
- 多価関数とリーマン面
索引