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印刷博物館、企画展「天文学と印刷」(凸版印刷株式会社)

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僕がニュートン著『プリンキピア(自然哲学の数学的原理)』の初版(1687年)と初対面したのは今年の9月に開催された「[世界を変えた書物]展(上野の森美術館)」でのこと。よもや同じ年にもう一度対面することになるとは思っていなかった。

今日は午後から文京区にある凸版印刷株式会社の地下1階で開催されている企画展「天文学と印刷」を見てきた。[世界を変えた書物]展と同じように15世紀から19世紀にかけて印刷された貴重な科学書が展示されているほか、印刷技術の発展史も展示されている。さらに言えば、中国や日本の科学書や印刷技術の発展史も展示されている貴重な機会だ。

印刷博物館、企画展「天文学と印刷」
https://www.toppan.co.jp/news/2018/10/newsrelease181004.html

開催概要
会期:2018年10月20日(土)-2019年1月20日(日)
会場:印刷博物館
   〒112-8531 東京都文京区水道1-3-3 トッパン小石川ビルB1F
開館時間:10:00-18:00(入場は17:30まで)
休館日:毎週月曜日(ただし12月24日、1月14日は開館)
    12月25日(火)、12月29日(土)~1月3日(木)、1月15日(火)は休館
入場料:一般800円、学生500円、中高生300円
    ※小学生以下、65歳以上の方、身体障害者手帳等お持ちの方とその付き添いの方は無料
    ※20名以上の団体は各50円引き
    ※11月3日(土・祝)文化の日は入場無料
WEB:https://www.printing-museum.org/exhibition/temporary/181020/
主催:凸版印刷株式会社 印刷博物館
協力:バイエルン州立図書館、ゲルマン国立博物館、金沢工業大学ライブラリーセンター、国立天文台、千葉市立郷土博物館、広島経済大学図書館、明星大学図書館

ただし、今回の展示は撮影だけでなくメモを取ることも禁じられていたので、ここに紹介することができない。以下の記事に写真付きで紹介されているので、雰囲気はこちらで知ることができる。

印刷博物館「天文学と印刷 新たな世界像を求めて」
https://www.museum.or.jp/modules/im/index.php?content_id=1222

印刷博物館の公式な紹介動画はこちら。ただしこの動画は今回の企画展の紹介ではなく、印刷技術に関する展示の紹介である。

印刷博物館 Printing Museum, Tokyo



展示されている書物種類と多さは「[世界を変えた書物]展(上野の森美術館)」に引けをとっていない。コペルニクス、ケプラー、ガリレイ、ニュートンだけでなくチコ・ブラーエの書いた書物も展示されていた。天文学書が多く、数学書は若干少なかった。

あいにく僕は老眼が進んでいて、現地ではじっくり見れなかったのが悔しいわけだが、それだけに物販コーナーで販売されている3000円の写真集がすごくありがたい。

ということで写真で紹介できるのは、ビルの外側と物販コーナーだけとなる。ご容赦を!

凸版印刷株式会社のビル


ビルに入ってすぐ左の看板


企画展の写真集。アマゾンや書店では販売されていないとレジの女性が言っていた。









先日紹介した「図説 世界を変えた書物 科学知の系譜:竺 覚暁」も物販コーナーで販売されていた。

図説 世界を変えた書物 科学知の系譜:竺 覚暁」(紹介記事


展示資料

第1部 新たな世界の胎動
古代ギリシャの哲学者アリストテレスやアレキサンドリアの天文学者プトレマイオスによって唱えられた天動説は、千年以上もの間ヨーロッパの人々に受容され続けてきた世界観でした。活版印刷術が登場した時代は古典復興の最中にあり、両者の書は多数印刷されていました。一方で、書物の普及は学問を行う場所や志す人を旧来の大学から活動の場を広げていき、新たな世界像が模索されていきました。

第2部 出版都市ニュルンベルク・地動説発信の地
ヨーロッパに衝撃をもたらしたコペルニクス『天球の回転について』は、1543年にニュルンベルクのヨハン・ペトレイウスによって出版されました。コペルニクスが住んでいたのはフロンボルクですが、そこから遠く離れたこの地にてなぜ印刷が行われたのでしょうか。出版都市ニュルンベルクを築きあげた天文学者兼印刷者らの活躍を紹介します。

第3部 1540s・図版がひらいた新たな学問
コペルニクスの書『天球の回転について』が1543年に出版されるのとほぼ時を同じくして、植物学、解剖学、地理学といった様々な分野でエポックメイキングな書物が出版されていきます。グーテンベルクの活版印刷術からおよそ100年を経た1540年代、変革の原動力となったのは、木版や銅版によって印刷された図版でした。図版を複製することで登場した新たな学問を紹介します。

第4部 コペルニクスの後継者たち
コペルニクスの地動説をさらに推し進め、太陽を中心とした天体理論を完成させたのはヨハネス・ケプラーでした。師であるティコ・ブラーエ、望遠鏡の観測によってケプラーの理論を支えたガリレオなど16世紀後半から17世紀の学者は、自説をどのように出版するのかを念頭に入れ、研究に取り組んでいます。自然科学の研究において印刷が欠かせないものとなった時代の到来をご紹介します。

第5部 日本における天文学と印刷
日本に目を向けてみると日本における天文学は、暦の改定に集約されます。中国の唐からもたらされ800年以上続いた宣命暦を日本独自の暦に改定したのは、江戸時代の天文学者・渋川春海でした。以降、江戸幕府によって暦を司るために設立された天文方は、西洋天文学の知見を印刷物を通して取り入れていきます。江戸時代に行われた暦の改定を軸に、日本の天文学のあゆみをご紹介します。


企画展を見終えた後、友達と映画『ボヘミアン・ラプソディ(2018)』を観る約束をしていたので、飯田橋から新宿に向かった。今回観るのは3回目、IMAXシアターでの上映である。


アイザック・ニュートンの『プリンキピア(自然哲学の数学的原理)』の初版(1687年)をネタに、これまでに書いた記事は次のとおりである。

- 日本語版「プリンキピア」が背負った不幸
- Kindle版で復刊: 日本語版プリンキピア(自然哲学の数学的原理):アイザック・ニュートン
- Googleで「プリンキピア」や「Principia」を検索すると...
- 英国王立協会、ニュートンが4次元時空の着想を得ていたことを発表
- 例の画像で遊んでみた。
- ニュートン著『プリンキピア』: eBayで買った?そんなわけないだろ。


また、次のような書物についても、これまで記事を書いている。

- 天体の回転について:コペルニクス著、矢島祐利訳
- 宇宙の神秘 新装版:ヨハネス・ケプラー
- 新天文学:ヨハネス・ケプラー
- 全5巻完結!:ラプラスの天体力学論(日本語版)
- 無料で読めるラプラスの『天体力学』のフランス語版と英語版
- 熱の解析的理論:ジョゼフ・フーリエ著、ガストン・ダルブー編纂
- 運動物体の電気力学について(アインシュタイン選集1)
- 一般相対性理論の基礎(アインシュタイン選集2)


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