拡大
学生時代の思い出の映画のうちの1つ。日本で公開されていたのは1984年の3月から5月のようだから、僕が観たのは34年前のことだ。
上智大学でフランス語を専攻していた女の子に誘われて、たびたびこのようなミニシアター系の映画を観に行っていた。
携帯やインターネットがなかった当時の若者の情報源は『ぴあ』をはじめとする情報誌だった。映画やコンサート、演劇の情報満載で、デートのときの必須アイテムである。
1984年10月号
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雑誌の『ぴあ』の発行は2011年7月までに終了してしまったが、1999年にチケット販売専用のWebサイト「チケットぴあ」を開始していたし、今年の8月にはスマホアプリ版の「ぴあ」がリリースされている。
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今ならどこに住んでいてもAmazon Prime Videoなどで、『ノスタルジア』のようなミニシアター系映画をいつでも、どこでも観れるわけだが、当時は東京をはじめ、限られた大都市に住んでいないと無理だった。カルチャー・デバイドがあったのだと、あらためて気づかされた。
僕が大学を卒業したのは1987年。社会人になると、映画や演劇に関心がある友達が周りにいなくなり、このような映画を観に行くこともなくなった。社会人になると、映画や演劇に関心がある友達が周りにいなくなり、この映画館に行くこともなくなった。理系の大学に通いながら、文系の友達とお付き合いしていた学生時代は、今になって思うと貴重な時間だった。一緒に映画を観に行ける友達は大切だ。
シネヴィヴァン六本木
この映画は六本木WAVEにあったシネヴィヴァン六本木という映画館で上映されていた。当時としては斬新なビルで、オープンしたのは1983年11月18日。1980年代~90年代、最先端の文化を好む若い客層をひきつけていた。最後の映画が上映されたのは1999年12月だった。
取り壊されたビルの跡地は、その後整備されて今では六本木ヒルズが建っている。思い出の場所は痕跡すらも残っていない。
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ビルの外側や館内の写真、上映されていた映画(一覧)などは、次のサイトにまとめられている。
シネヴィヴァン六本木に捧げる
鎮魂歌<レクイエム>
http://www28.tok2.com/home/sammy/cinevivant.html
大森さわこ:ミニシアター再訪 第4回 六本木からのNew Wave - 1
http://www.gei-shin.co.jp/comunity/18/act5.html
大森さわこ:ミニシアター再訪 第4回 六本木からのNew Wave - 2
http://www.gei-shin.co.jp/comunity/18/act6.html
ノスタルジア(1983)
少なくとも若者のデート向きではないこの映画が日本で公開されたのは1984年の3月のこと。初めてシネヴィヴァン六本木を訪れた。
【ストーリー】
自殺したロシアの作曲家の取材のためにモスクワからイタリアに旅行に来ている作家アンドレイ・ゴルチャコフは、温泉の街バーニョ・ヴィニョーニで老人ドメニコに出会う。
ドメニコは世界の終末を信じ、7年間にもわたって家族を幽閉したため周囲からは奇異な目で見られていた。
彼はアンドレイに「ロウソクに火を灯し、それを消すことなく温泉の広場の端から端まで渡れたら、世界が救済される」と言い残し、ローマに発つ。
マルクス・アウレリウス像の下で人々に目を覚ませとアジテーションを行ったドメニコは人々の見守る中で焼身自殺。
その頃、アンドレイはドメニコの言葉通り、ロウソクに火を灯し温泉を歩き出していた……。
ということだが、これでは何のことかわからない。34年前に観たときも、ストーリーがあって無いような芸術作品に戸惑った。イタリアを訪れている中年のロシア人作家が主人公だ。故郷ロシアの生まれ育った家や家族が、ときどき白黒の心象映像として映される。静寂と沈黙の中でゆっくりと流れる時間の中、思い出と現在が交錯し、望郷の念を強めていく。
Blu-ray&DVD『ノスタルジア』CM「故郷」篇
Blu-ray&DVD『ノスタルジア』CM「ロウソク」篇
水が奏でる音と美しい映像が印象に残る映画だ。意味や解釈は観る人それぞれに委ねられている。ネタバレのあらすじを読んでも、わけがわからないはずだ。いったいどのような結末を迎えるのか。
始まりから終わりまで故郷や家族へのノスタルジーに満ちたこの映画は、次のような映像で締めくくられる。
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僕にとってはデートの思い出と重なるノスタルジアな映画だ。一緒に観た上智大の女の子は今ごろ、どうしているだろうか。
ご覧になりたい方は、DVD、Blu-ray、のほかAmazon Prime Video、YouTube映画でどうぞ。
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DVD、Blu-ray: Amazonで開く
Prime Video: Amazonで開く
YouTube映画: 開く
「ノスタルジア」あらすじネタバレ結末と感想
https://mihocinema.com/nostalghia-19122
ミツバチのささやき(1973)、エル・スール(1983)
シネヴィヴァン六本木で観た映画では、次の2本も忘れられない。どちらも1985年の前半に上映された。近いうちに観てから紹介することにしよう。
『ミツバチのささやき』 予告編
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DVD、Blu-ray: Amazonで開く
Prime Video: Amazonで開く
YouTube映画: 開く
「ミツバチのささやき」あらすじネタバレ結末と感想
https://mihocinema.com/mitubati-sasayaki-15485
エル・スール(字幕版)
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DVD、Blu-ray: Amazonで開く
Prime Video: Amazonで開く
YouTube映画: 開く
「エル・スール」のネタバレあらすじ結末と感想
https://mihocinema.com/el-sur-16602
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上智大学でフランス語を専攻していた女の子に誘われて、たびたびこのようなミニシアター系の映画を観に行っていた。
携帯やインターネットがなかった当時の若者の情報源は『ぴあ』をはじめとする情報誌だった。映画やコンサート、演劇の情報満載で、デートのときの必須アイテムである。
1984年10月号
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雑誌の『ぴあ』の発行は2011年7月までに終了してしまったが、1999年にチケット販売専用のWebサイト「チケットぴあ」を開始していたし、今年の8月にはスマホアプリ版の「ぴあ」がリリースされている。
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今ならどこに住んでいてもAmazon Prime Videoなどで、『ノスタルジア』のようなミニシアター系映画をいつでも、どこでも観れるわけだが、当時は東京をはじめ、限られた大都市に住んでいないと無理だった。カルチャー・デバイドがあったのだと、あらためて気づかされた。
僕が大学を卒業したのは1987年。社会人になると、映画や演劇に関心がある友達が周りにいなくなり、このような映画を観に行くこともなくなった。社会人になると、映画や演劇に関心がある友達が周りにいなくなり、この映画館に行くこともなくなった。理系の大学に通いながら、文系の友達とお付き合いしていた学生時代は、今になって思うと貴重な時間だった。一緒に映画を観に行ける友達は大切だ。
シネヴィヴァン六本木
この映画は六本木WAVEにあったシネヴィヴァン六本木という映画館で上映されていた。当時としては斬新なビルで、オープンしたのは1983年11月18日。1980年代~90年代、最先端の文化を好む若い客層をひきつけていた。最後の映画が上映されたのは1999年12月だった。
取り壊されたビルの跡地は、その後整備されて今では六本木ヒルズが建っている。思い出の場所は痕跡すらも残っていない。
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ビルの外側や館内の写真、上映されていた映画(一覧)などは、次のサイトにまとめられている。
シネヴィヴァン六本木に捧げる
鎮魂歌<レクイエム>
http://www28.tok2.com/home/sammy/cinevivant.html
大森さわこ:ミニシアター再訪 第4回 六本木からのNew Wave - 1
http://www.gei-shin.co.jp/comunity/18/act5.html
大森さわこ:ミニシアター再訪 第4回 六本木からのNew Wave - 2
http://www.gei-shin.co.jp/comunity/18/act6.html
ノスタルジア(1983)
少なくとも若者のデート向きではないこの映画が日本で公開されたのは1984年の3月のこと。初めてシネヴィヴァン六本木を訪れた。
【ストーリー】
自殺したロシアの作曲家の取材のためにモスクワからイタリアに旅行に来ている作家アンドレイ・ゴルチャコフは、温泉の街バーニョ・ヴィニョーニで老人ドメニコに出会う。
ドメニコは世界の終末を信じ、7年間にもわたって家族を幽閉したため周囲からは奇異な目で見られていた。
彼はアンドレイに「ロウソクに火を灯し、それを消すことなく温泉の広場の端から端まで渡れたら、世界が救済される」と言い残し、ローマに発つ。
マルクス・アウレリウス像の下で人々に目を覚ませとアジテーションを行ったドメニコは人々の見守る中で焼身自殺。
その頃、アンドレイはドメニコの言葉通り、ロウソクに火を灯し温泉を歩き出していた……。
ということだが、これでは何のことかわからない。34年前に観たときも、ストーリーがあって無いような芸術作品に戸惑った。イタリアを訪れている中年のロシア人作家が主人公だ。故郷ロシアの生まれ育った家や家族が、ときどき白黒の心象映像として映される。静寂と沈黙の中でゆっくりと流れる時間の中、思い出と現在が交錯し、望郷の念を強めていく。
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水が奏でる音と美しい映像が印象に残る映画だ。意味や解釈は観る人それぞれに委ねられている。ネタバレのあらすじを読んでも、わけがわからないはずだ。いったいどのような結末を迎えるのか。
始まりから終わりまで故郷や家族へのノスタルジーに満ちたこの映画は、次のような映像で締めくくられる。
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「ノスタルジア」あらすじネタバレ結末と感想
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ミツバチのささやき(1973)、エル・スール(1983)
シネヴィヴァン六本木で観た映画では、次の2本も忘れられない。どちらも1985年の前半に上映された。近いうちに観てから紹介することにしよう。
『ミツバチのささやき』 予告編
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「ミツバチのささやき」あらすじネタバレ結末と感想
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エル・スール(字幕版)
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「エル・スール」のネタバレあらすじ結末と感想
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