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地デジのブロックノイズ問題が解決

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昨日この問題が解決したので、経過を書いておこう。

3月くらいから我が家の地デジでEテレの画面にブロックノイズが入るようになった。その後、Eテレは全く映らなくなり、4月に入ると同じことが他のチャンネルでもおきるようになってきた。「Missデビル 人事の悪魔・椿眞子」の菜々緒さんもこのような有様である。



ドラマ好きの僕には致命的だが、TVerを見ればなんとか見れるし、Fire TV stickで他の番組を見れば事足りる。しかし両親にとっては大問題だ。

まず疑ったのは強風で屋根の上のUHFアンテナの向きがずれてしまったこと。でもこれは考えにくい。問題は一部のテレビ局のみででていたからだ。

次に疑ったのはアンテナやブースターの障害、寿命である。風雨にさらされるアンテナの寿命は10年ほどだと言われている。しかしこれも考えにくい。どちらも5年前に取り換えたばかりだから。

5月になって近所の電気屋に行って説明したら、原因は我が家ではなく中野通り沿いで1キロメートルほど離れたビルの建設現場であることがわかった。資材を吊り上げる大型クレーンが東京スカイツリーから出ている電波を反射して、我が家のあるエリアで電波障害を引き起こしているそうなのだ。その日、帰宅してから撮った現場の写真がこれ。同じような建設現場が中野通り沿いにもう一か所ある。



電気屋さんの説明によると、東京スカイツリーから地デジの電波がでているわけだが、テレビ局(チャンネル)によって電波が出される位置(高さ)や電波強度は違うのだそうだ。放送局によってブロックノイズの影響が出たり出なかったりするのは、そのためだそうである。

原因がわかったのだから、アンテナを調整しに来ていただけますかと依頼したところ無理だという。これには2つの理由があった。

1)アンテナは日々動くから、電波を微調整するのは無理。一度合わせても翌日には狂ってしまう。

2)近所の老人ホームのエアコンの総取り替えをしなくてはならないので人手が足りず、6月15日までは伺うことができない。

最悪のタイミングである。クレーンが取り外されるまでテレビが見れないのか。。。その後、5月末までに地デジはどの局も見れなくなっていた。両親にはBS放送だけで我慢してもらうしかない。幸い母が好きな「西郷どん」は「早どん」として日曜午後6時からBSプレミアムでも放送されている。

J-COMのケーブルテレビの契約も考えてみた。でもうちにはテレビが3台、録画機が2台ある。テレビはともかく録画機の機能を使って予約したりできなくなりそうだし、すべてをケーブルテレビ化するには機材をどれだけ買い足せばよいのだろう?考えるだけでストレスがたまる。

電気屋さんで聞いたところ、NHKに相談すると原因特定のために電波強度を測定するための装置が送られてくるそうで、これもなかなか面倒そうだ。クレーンが日々動くからである。そして2つある建設現場のどちらが原因かもわからない。

ここまできて、ギブアップ。両親とはビル建設が終わるまで待つことにしようと話した。釈然としないが、仕方がない。


ところが昨日帰宅したら、父がなんだか嬉しそう。テレビがちゃんと映るようになったという。

「え!なぜ??」と僕。

父の話によると、昼間に建設現場の1つに行って事情を話したそうである。そうしたら現場の担当者が提案によりクレーンを動かしてテレビの映りを調べることになった。父はいったん帰宅し、現場担当者と電話で話しながらテレビの映りを確認する。クレーンをいろいろ動かし、父はチャンネルをひとつづつ確認して映り具合を現場担当者に連絡するのだ。

そのようにして、いちばん映り具合のよいクレーンのポジションを決めることができた。それはこのように横倒しにする形。



平日の昼間、クレーンを動かしている間は仕方がないが、夕方作業を終えるときにクレーンをこの位置にして業務を終えるということで話がついた。土日は作業しないからこの位置のままである。

たまたま父が最初に行った現場が問題を起こしていたのが幸いだった。原因がもうひとつの現場だったら、解決がもっと難しくなっていたのだから。

ともあれ、めでたしめでたしである。


この話を聞いた僕はきわめて(前期)昭和的な解決方法だと思った。父は昭和前期世代である。昭和後期世代の僕でも思いつかないやり方だ。「問題がおきたら、まず当事者どうしで話をしてみる。」という単純なことを思いつけなかったのだ。NHKに相談したらとか、現場にクレームを言いに行くというのと、「とりあえず話をしてみる」というのは大違いである。

真っすぐに立ったクレーンが電波障害を引き起こすくらいのことは、理系だからよくわかる。では「横に倒してみたらどうか?」というシンプルなことを思いつかなかった。使わないときクレーンは真っすぐに立てておくものだと思い込んでいたからである。そのほうがクレーンに余計な負荷がかからない。でも、クレーンは重い物を吊り上げる機械なのだから、横倒しで放置したとしても何も問題ないはずだ。

後になってみれば「クレーンを横倒しにしさえすればよい」のだとわかる。しかし、これがなかなか思いつけなかったのだ。


平成も終わりになって「規則だから」とか「~はこうあるべき」、「責任範囲を明確に」という風潮がますます強くなっている。戦前の世代には生きにくい社会だ。戦前戦中は社会基盤や行政的なルールが未整備で、そのような社会で融通を利かせながら人々が生活していたからだ。

このようにすがすがしい感じで我が家のテレビ問題が解決したのは、父の前期昭和的な発想と行動と「なんとしてもテレビを見たい」という父の熱意、現場担当者の機転のおかげである。

今週末からEテレで「サイエンスZERO」が見れる。明日の放送は「量子コンピューターでも解読不可能!?新しい暗号誕生なるか」である。楽しみだ。


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