今回の将棋ブームの立役者は史上初の29連勝を達成した藤井四段のほかにもうひとりいる。「ひふみん」こと加藤一二三九段だ。
先日NHKで放送されたETV特集「加藤一二三という男、ありけり。」を見て、加藤九段の不屈の精神に心を打たれた。「ひふみん」というゆるキャラっぽい姿と棋士としての凄さ、人生に賭ける意気込みが同居する不思議なキャラクターに現代の若者にも大きなインパクトを与えているに違いない。
将棋という地味なゲームがこれほど世間の注目を集めたのは初めてのことではないだろうか。
掲載写真のように加藤九段は将棋の研究にパソコンを使っていらっしゃらないようだ。でもなんだかとても嬉しそうである。
でも僕は違う。使えるのなら活用してみたい。スマホに「将皇」や「金沢将棋2」を入れてときどきCPU相手に対戦している。(そしていつも負けている。)
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竜王戦のライブ中継を見るようになり、棋譜の分析にも興味がでてきた。無料で使える将棋ソフトの威力が発揮される。できるなら使ってみたい。Windowsで動くソフトを調べてみた。
Bonanza 6.0とマイボナ
まずインストールしてみたのがBonanza 6.0だ。第16回・第21回世界コンピュータ将棋選手権でそれぞれ優勝・準優勝した将棋ソフトである。
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これってどれくらい強いのかなと思って調べると次のページに書かれていた。
将棋ソフトのの棋力表
http://adeslab.web.fc2.com/shogi-kiryoku.html
将棋ソフトの棋力&紹介
https://blogs.yahoo.co.jp/feyther2/31796759.html
え、順位戦C級、アマチュア七段だって!
そして「将皇」はアマチュア6級、「金沢将棋2」はアマチュア二段だという。この2つのアプリはどっちが強いのかなと思っていたけど金沢将棋2のほうがずっと強いわけか。でもBonanzaにはとてもかなわない。
アプリの将棋ソフトはその程度。それでも僕には十分役立つが、先日とらせていただいたアンケートによるとアマチュア有段者の方は7パーセントいる。スマホアプリだと物足りないことだろう。
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次に「マイボナ」をインストールした。Bonanza 6.0を使うためのGUIが美しくなるだけでなく、棋譜の読み込みや詰将棋が解けるようになったり、盤面の分析とかできるようになる。
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GPS将棋と将棋所
次に気になったのがBonanza 6.0と同じレベル、アマチュア七段の「GPS将棋」だ。世界コンピュータ将棋選手権では2009年,2012年に優勝経験があり、第2回将棋電王戦第五局で三浦八段(当時)と対局したソフトだ。こういう強い将棋ソフトが無料で使えるのは素晴らしい。
「GPS将棋」は将棋エンジンだけなので、これを起動するための「将棋所」というソフトもインストールしなければならない。将棋所はさまざまな将棋エンジンを使えるようにするためのソフトだ。次の画像はGPS将棋どうしで対戦させている画面。11手から14手先まで読んでいるようだ。
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Aperyと将棋所
次にインストールしてみたのが「Apery」である。これは第24回世界コンピュータ将棋選手権で優勝し将棋電王戦FINALに出場したコンピューター将棋ソフトでもある。
ちなみに藤井四段が自宅で使っているのは第25回世界コンピュータ将棋選手権に出場した『Apery WCSC25』である。「藤井聡太は自宅の将棋ソフトとほぼ互角!ではPonanzaと比較するとどちらが強いのか、調べてみた!」という記事にそのことが書かれている。この記事を読むとApery WCSC25がプロをはるかに上回る強さだということがおわかりいただけるだろう。
僕がインストールしたのは最新版、第26回世界コンピュータ将棋選手権に出場し、4位を獲得したバージョンだ。これも「将棋所」を使って起動する。
Bonanza 6.0も「将棋所」から使えるようにした。「Bonanzaを将棋所で使う方法」の手順に従えばよい。
Bonanza 6.0とAperyを対戦させてみた。Bonanzaどうしならサクサクと進むのだがAperyはとても計算時間がかかる。画像をクリックし拡大してみるとわかるように、Aperyの探索深さ(つまり何手先まで読むか)や探索局面数はBonanza 6.0よりもはるかに多いのだ。この点についてはGPS将棋もAperyと同じで非常に時間がかかる。(僕のPCは iCore7 4コア、8スレッドのCPUだ。)
1時間半たってもまだ27手目である。Bonanza 6.0は11手から14手先まで、Aperyは28手から29手先まで読んでいるようだ。
画像クリックで拡大
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今夜中に終わりそうもないので、YouTubeで見つけた動画を載せておこう。
【七番勝負 第一局 】 Bonanza VS Aprey 【4倍速】
世界選手権や電王戦に出場するソフトは、かなりハイスペックなPCが必要なので普通のPCだと実用的でないのかもしれない。しばらく3つを比べながら使ってみよう。
今日は3人の心強い将棋の師匠を得たようなものである。紹介した3つはオープンソースなので無料で使えるし、能力さえあればプログラムのソース・ファイルを修正して改良することもできる。なんともすごい時代になったものだ。
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