「趣味で量子力学2(Kindle版): 広江克彦」
内容紹介:
お待たせしました! 『趣味で量子力学』の続編です。
今回は電子書籍版のみの販売となっています。
・上級者はこの巻から読み始めることができます。
・前作の謎が次々と明らかになり、真の敵が登場します。
・前作では波として記述していた理論を行列を使って表現し直します。
・あのディラックのブラケット記法の使い方が丁寧に説明されています。
・バンド理論の基礎を理解できるようになります。
「電子は粒ではなく、結晶全体に広がる波として存在しているのだ」
「粒や波のような実体は存在せず状態のみが存在する」
「そういう認識をそろそろ世間一般にも広めていい頃ではないだろうか」
2017年5月1日刊行、182ページ。
著者について:
広江克彦
1972年生まれ。岐阜県出身。静岡大学理学部物理学科卒。同大学院修士課程修了。’00年より、物理学を解説するウェブサイト「EMANの物理学」の運営を開始。その内容が徐々に評価され、現在は農業に片足を置きつつ、執筆に励む。
理数系書籍のレビュー記事は本書で332冊目。
待望の量子力学編の第2弾が刊行された。量子コンピュータ、量子論系の本に没頭していたので紹介するタイミングとしてはちょうどよい。
前作ではシュレディンガーの波動方程式を主軸に置いて展開していたが、今回は行列によるアプローチ。昨今は波動と粒子の二重性による説明からの脱却が話題にされているので、広江さんは果たしてどのようにお書きになっているのだろうか? 前作も参照しながら今回の本を読んでみた。
本書の内容と感想
本書の解説のメインはブラケット記法、行列による量子力学の定式化と計算、量子の遷移確率や摂動論とバンド理論。量子力学の教科書では中級から上級レベルの内容だ。
このあたりのことは僕は次のような教科書で学んでいた。
- 現代の量子力学〈上〉J.J.サクライ: ブラケット記法
- 現代の量子力学〈下〉J.J.サクライ: 摂動論
- ヒルベルト空間と量子力学:新井朝雄: 行列による量子力学の定式化
- 量子力学の数学的構造 I:新井朝雄、江沢洋: 行列による量子力学の定式化
- 量子力学の数学的構造 II:新井朝雄、江沢洋: 行列による量子力学の定式化、摂動論
- よくわかる量子力学:前野昌弘: ブラケット記法、行列による量子力学の定式化
- 基礎の固体物理学: 斯波弘行: バンド理論
とはいえ、行列による定式化や摂動論を学んだのは8年前から6年前にかけてのこと。大まかには覚えているが、細かい計算は忘れてしまっている。今回の読書はよい復習になった。
本書の章立ては次のとおり。
第8章 量子力学の体系
第9章 ブラケット記法
第10章 演算子は行列だ
第11章 連続固有値の扱い方
第12章 遷移確率
第13章 摂動論
第14章 周期的境界条件
第15章 周期的ポテンシャル
広江さんの著書の特長は教科書では省略されがちな説明や「なぜ学ぶ必要があるのか?」、学生の心のつぶやき、本来は自分で手を動かして計算すべき数式がそのまま書かれていることだ。それに「教えてやるぞ」という上から目線でなく、読者は自然に引き込まれ、そのまま感情移入してしまうスタイルの文章である。
「よくわかる量子力学:前野昌弘」も学生に対して親切な教科書だが、広江さんの本は副読本系だから住み分けができている。
しかしながら、前野先生、広江さんのように手取り足取り書いてしまうと分厚くなってしまうのは明らか。前野先生の教科書はブラケット記法、エルミート演算子や状態ベクトルの解説はされているものの、380ページあるにもかかわらず摂動論や多粒子系の量子力学は含まれていない。
だから前作と同じレベルの丁寧さを保ちつつ、摂動論まで解説した今回の本は他に例がないのではないのではないだろうか。
特に次の2つが素晴らしいと思った。
1) 第11章 連続固有値の扱い方の「11.7 離散と連続の内積」で離散的状態と連続的状態が重なり合っている状態についての内積がどのようになるかを検証していること。そしてそれがブラケット記法として統一的に表記できることを述べていること。
2) 第13章 摂動論の「13.4 自由度の意味」で波動関数の位相が物理的意味に影響しないことを検証していること。
最後の2章はバンドギャップ、バンド理論の入門にあてられている。1次元ではあるが量子力学の固体物理学への応用例だ。前章までの内容を活かせるので、よい例を選んだものだと感心した。そしてこの例を通じて「電子は粒ではなく、結晶全体に広がる波として存在している」ことを導いているのが、後に述べる本書の意義に結びつけられている。
あと「よくわかる量子力学:前野昌弘」との比較をすると、前野先生の教科書は解析力学とのつながりを色濃く出しているのに対し、広江さんの本では前作、今回の本ともにこの分野について記述は見当たらない。もし解析力学と量子力学のつながりを含めていたら、全体の構成が複雑になり読みにくくなっていただろう。ページ数と話の流れを考慮すれば、広江さんは正しい選択をされたのだと思う。
無料で読める「EMANの量子力学」にも本書の内容が含まれているが、書籍化にあたり大幅に加筆されている。本書をお読みになるメリットはじゅうぶんにある。
「量子論はなぜわかりにくいか」との比較、物理的解釈
広江さんが本書のKindle書籍の登録依頼をしたのは4月末、「量子論はなぜわかりにくいのか「粒子と波動の二重性」の謎を解く: 吉田伸夫」が発売されたのは4月13日である。
脱稿前に広江さんが吉田先生の本をお読みになったかどうかは定かでないが、この2冊には次の共通点がある。
1) 量子に波と粒の二重性があるという見方から脱却したい
2) 量子力学の範囲では解決できず、場の量子論まで学んで解決することがある
1)について広江さんはバンド理論の解説から電子のもつ波動性を導いている。また光子については第13章 摂動論の「変動する電場による遷移確率」の最後で波動性にもとづく計算から「光電効果」の現象が説明できることを紹介している。アインシュタインにしても光は粒であると断定したのではなく「光は粒のように振る舞う」と言ったのだ。光の波動性を否定したわけではない。
2)について、吉田先生は著書で量子論、量子力学創成期に提唱された基礎原理に対する疑問や批判をした後に、量子論の奇妙さを取り除くためのアイデアとして場の量子論を使った理解の仕方を提案されている。
これに対し広江さんの著作は前作、今回ともに数式展開をしながら量子力学を学ぶための本だというのが大きな違いだ。基礎原理を否定してしまっては何も始めることができない。常に物理的な意味合いを意識するのが広江さんのスタイルではあるが、シュレディンガーの波動方程式、不確定性原理、状態の重ね合わせについては、通常の教科書どおり素直に受け入れて計算に使用している。ただし波束の収縮、波動関数の実在性、粒子としての電子の軌道や多世界解釈に対しては懐疑的、否定的な見解をお持ちのようだ。解釈論争については前作「趣味で量子力学:広江克彦」の第7章にも書かれている。
前作と本書には「量子場の理論(=場の量子論)を使って理解できることだ」という記述が散見する。これは「量子力学だけでは不十分」と広江さんがお考えになっている箇所だ。アインシュタインが「量子力学は不完全な理論だ」と言ったわけであるが、量子力学のほころびはいくつもありそうだ。
最後に広江さんが提唱していることを、もう一度書いておこう。
「電子は粒ではなく、結晶全体に広がる波として存在しているのだ」
「粒や波のような実体は存在せず状態のみが存在する」
「そういう認識をそろそろ世間一般にも広めていい頃ではないだろうか」
今回の本も、とても深い考察をすることができました。広江さん、ありがとうございました!量子力学編の第3巻も楽しみにしています。
関連記事:
趣味で物理学:広江克彦
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/7faaca22d6b525d82e45a5724fef9811
趣味で相対論:広江克彦
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/90aa60383b600ff4e4fd7bea6589deaa
趣味で量子力学:広江克彦
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/3023098b9c5204d626808aa57823c16f
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「趣味で量子力学2(Kindle版): 広江克彦」
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第8章 量子力学の体系
8.1 波動関数が粒子の状態を表す
8.2 期待値
8.3 エルミート演算子
8.4 演算子と固有値の関係
8.5 ハミルトニアン
8.6 重ね合わせの原理
8.7 運動量の固有関数
8.8 連続的な重ね合わせ
8.9 離散固有値と連続固有値
8.10 まとめ
第9章 ブラケット記法
9.1 関数の内積
9.2 関数はベクトルに似ている
9.3 完全な関数系
9.4 規格直交系
9.5 ブラとケット
9.6 正規直交基底のイメージ
9.7 係数の求め方
9.8 複素フーリエ級数の再調整
9.9 基底変換
第10章 演算子は行列だ
10.1 ベクトルの線形変換
10.2 行列の掛け算
10.3 エルミート共役
10.4 固有値と固有ベクトル
10.5 演算子行列の中身
10.6 ユニタリ変換
10.7 時間発展
10.8 ヒルベルト空間
第11章 連続固有値の扱い方
11.1 非可算無限個の固有状態
11.2 離散固有値の復習
11.3 連続固有値の復習
11.4 連続固有値のブラケット記法
11.5 座標表示
11.6 運動量表示
11.7 離散と連続の内積
11.8 運動量で検証
11.9 離散と連続の共存
第12章 遷移確率
12.1 遷移の本質
12.2 状況の変化にともなう遷移
12.3 測定にともなう遷移
12.4 交換関係と同時固有値
12.5 電子の状態遷移
第13章 摂動論
13.1 目的と問題設定
13.2 波動関数での計算
13.3 ベクトル表現での計算
13.4 自由度の意味
13.5 摂動論の適用限界
13.6 縮退がある場合
13.7 時間変化を含む摂動論
13.8 変動する電場による遷移確率
第14章 周期的境界条件
14.1 どんな場面で使われるのか
14.2 エルミート演算子の条件の再確認
14.3 複素フーリエ級数の復習
第15章 周期的ポテンシャル
15.1 前章との違い
15.2 ブロッホの定理の証明
15.3 クローニッヒ・ペニーのモデル
15.4 結晶運動量
15.5 バンドギャップが生じる理由
15.6 バンド構造
15.7 結晶中の電子の状態遷移
あとがき
参考図書
索引
内容紹介:
お待たせしました! 『趣味で量子力学』の続編です。
今回は電子書籍版のみの販売となっています。
・上級者はこの巻から読み始めることができます。
・前作の謎が次々と明らかになり、真の敵が登場します。
・前作では波として記述していた理論を行列を使って表現し直します。
・あのディラックのブラケット記法の使い方が丁寧に説明されています。
・バンド理論の基礎を理解できるようになります。
「電子は粒ではなく、結晶全体に広がる波として存在しているのだ」
「粒や波のような実体は存在せず状態のみが存在する」
「そういう認識をそろそろ世間一般にも広めていい頃ではないだろうか」
2017年5月1日刊行、182ページ。
著者について:
広江克彦
1972年生まれ。岐阜県出身。静岡大学理学部物理学科卒。同大学院修士課程修了。’00年より、物理学を解説するウェブサイト「EMANの物理学」の運営を開始。その内容が徐々に評価され、現在は農業に片足を置きつつ、執筆に励む。
理数系書籍のレビュー記事は本書で332冊目。
待望の量子力学編の第2弾が刊行された。量子コンピュータ、量子論系の本に没頭していたので紹介するタイミングとしてはちょうどよい。
前作ではシュレディンガーの波動方程式を主軸に置いて展開していたが、今回は行列によるアプローチ。昨今は波動と粒子の二重性による説明からの脱却が話題にされているので、広江さんは果たしてどのようにお書きになっているのだろうか? 前作も参照しながら今回の本を読んでみた。
本書の内容と感想
本書の解説のメインはブラケット記法、行列による量子力学の定式化と計算、量子の遷移確率や摂動論とバンド理論。量子力学の教科書では中級から上級レベルの内容だ。
このあたりのことは僕は次のような教科書で学んでいた。
- 現代の量子力学〈上〉J.J.サクライ: ブラケット記法
- 現代の量子力学〈下〉J.J.サクライ: 摂動論
- ヒルベルト空間と量子力学:新井朝雄: 行列による量子力学の定式化
- 量子力学の数学的構造 I:新井朝雄、江沢洋: 行列による量子力学の定式化
- 量子力学の数学的構造 II:新井朝雄、江沢洋: 行列による量子力学の定式化、摂動論
- よくわかる量子力学:前野昌弘: ブラケット記法、行列による量子力学の定式化
- 基礎の固体物理学: 斯波弘行: バンド理論
とはいえ、行列による定式化や摂動論を学んだのは8年前から6年前にかけてのこと。大まかには覚えているが、細かい計算は忘れてしまっている。今回の読書はよい復習になった。
本書の章立ては次のとおり。
第8章 量子力学の体系
第9章 ブラケット記法
第10章 演算子は行列だ
第11章 連続固有値の扱い方
第12章 遷移確率
第13章 摂動論
第14章 周期的境界条件
第15章 周期的ポテンシャル
広江さんの著書の特長は教科書では省略されがちな説明や「なぜ学ぶ必要があるのか?」、学生の心のつぶやき、本来は自分で手を動かして計算すべき数式がそのまま書かれていることだ。それに「教えてやるぞ」という上から目線でなく、読者は自然に引き込まれ、そのまま感情移入してしまうスタイルの文章である。
「よくわかる量子力学:前野昌弘」も学生に対して親切な教科書だが、広江さんの本は副読本系だから住み分けができている。
しかしながら、前野先生、広江さんのように手取り足取り書いてしまうと分厚くなってしまうのは明らか。前野先生の教科書はブラケット記法、エルミート演算子や状態ベクトルの解説はされているものの、380ページあるにもかかわらず摂動論や多粒子系の量子力学は含まれていない。
だから前作と同じレベルの丁寧さを保ちつつ、摂動論まで解説した今回の本は他に例がないのではないのではないだろうか。
特に次の2つが素晴らしいと思った。
1) 第11章 連続固有値の扱い方の「11.7 離散と連続の内積」で離散的状態と連続的状態が重なり合っている状態についての内積がどのようになるかを検証していること。そしてそれがブラケット記法として統一的に表記できることを述べていること。
2) 第13章 摂動論の「13.4 自由度の意味」で波動関数の位相が物理的意味に影響しないことを検証していること。
最後の2章はバンドギャップ、バンド理論の入門にあてられている。1次元ではあるが量子力学の固体物理学への応用例だ。前章までの内容を活かせるので、よい例を選んだものだと感心した。そしてこの例を通じて「電子は粒ではなく、結晶全体に広がる波として存在している」ことを導いているのが、後に述べる本書の意義に結びつけられている。
あと「よくわかる量子力学:前野昌弘」との比較をすると、前野先生の教科書は解析力学とのつながりを色濃く出しているのに対し、広江さんの本では前作、今回の本ともにこの分野について記述は見当たらない。もし解析力学と量子力学のつながりを含めていたら、全体の構成が複雑になり読みにくくなっていただろう。ページ数と話の流れを考慮すれば、広江さんは正しい選択をされたのだと思う。
無料で読める「EMANの量子力学」にも本書の内容が含まれているが、書籍化にあたり大幅に加筆されている。本書をお読みになるメリットはじゅうぶんにある。
「量子論はなぜわかりにくいか」との比較、物理的解釈
広江さんが本書のKindle書籍の登録依頼をしたのは4月末、「量子論はなぜわかりにくいのか「粒子と波動の二重性」の謎を解く: 吉田伸夫」が発売されたのは4月13日である。
脱稿前に広江さんが吉田先生の本をお読みになったかどうかは定かでないが、この2冊には次の共通点がある。
1) 量子に波と粒の二重性があるという見方から脱却したい
2) 量子力学の範囲では解決できず、場の量子論まで学んで解決することがある
1)について広江さんはバンド理論の解説から電子のもつ波動性を導いている。また光子については第13章 摂動論の「変動する電場による遷移確率」の最後で波動性にもとづく計算から「光電効果」の現象が説明できることを紹介している。アインシュタインにしても光は粒であると断定したのではなく「光は粒のように振る舞う」と言ったのだ。光の波動性を否定したわけではない。
2)について、吉田先生は著書で量子論、量子力学創成期に提唱された基礎原理に対する疑問や批判をした後に、量子論の奇妙さを取り除くためのアイデアとして場の量子論を使った理解の仕方を提案されている。
これに対し広江さんの著作は前作、今回ともに数式展開をしながら量子力学を学ぶための本だというのが大きな違いだ。基礎原理を否定してしまっては何も始めることができない。常に物理的な意味合いを意識するのが広江さんのスタイルではあるが、シュレディンガーの波動方程式、不確定性原理、状態の重ね合わせについては、通常の教科書どおり素直に受け入れて計算に使用している。ただし波束の収縮、波動関数の実在性、粒子としての電子の軌道や多世界解釈に対しては懐疑的、否定的な見解をお持ちのようだ。解釈論争については前作「趣味で量子力学:広江克彦」の第7章にも書かれている。
前作と本書には「量子場の理論(=場の量子論)を使って理解できることだ」という記述が散見する。これは「量子力学だけでは不十分」と広江さんがお考えになっている箇所だ。アインシュタインが「量子力学は不完全な理論だ」と言ったわけであるが、量子力学のほころびはいくつもありそうだ。
最後に広江さんが提唱していることを、もう一度書いておこう。
「電子は粒ではなく、結晶全体に広がる波として存在しているのだ」
「粒や波のような実体は存在せず状態のみが存在する」
「そういう認識をそろそろ世間一般にも広めていい頃ではないだろうか」
今回の本も、とても深い考察をすることができました。広江さん、ありがとうございました!量子力学編の第3巻も楽しみにしています。
関連記事:
趣味で物理学:広江克彦
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「趣味で量子力学2(Kindle版): 広江克彦」
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第8章 量子力学の体系
8.1 波動関数が粒子の状態を表す
8.2 期待値
8.3 エルミート演算子
8.4 演算子と固有値の関係
8.5 ハミルトニアン
8.6 重ね合わせの原理
8.7 運動量の固有関数
8.8 連続的な重ね合わせ
8.9 離散固有値と連続固有値
8.10 まとめ
第9章 ブラケット記法
9.1 関数の内積
9.2 関数はベクトルに似ている
9.3 完全な関数系
9.4 規格直交系
9.5 ブラとケット
9.6 正規直交基底のイメージ
9.7 係数の求め方
9.8 複素フーリエ級数の再調整
9.9 基底変換
第10章 演算子は行列だ
10.1 ベクトルの線形変換
10.2 行列の掛け算
10.3 エルミート共役
10.4 固有値と固有ベクトル
10.5 演算子行列の中身
10.6 ユニタリ変換
10.7 時間発展
10.8 ヒルベルト空間
第11章 連続固有値の扱い方
11.1 非可算無限個の固有状態
11.2 離散固有値の復習
11.3 連続固有値の復習
11.4 連続固有値のブラケット記法
11.5 座標表示
11.6 運動量表示
11.7 離散と連続の内積
11.8 運動量で検証
11.9 離散と連続の共存
第12章 遷移確率
12.1 遷移の本質
12.2 状況の変化にともなう遷移
12.3 測定にともなう遷移
12.4 交換関係と同時固有値
12.5 電子の状態遷移
第13章 摂動論
13.1 目的と問題設定
13.2 波動関数での計算
13.3 ベクトル表現での計算
13.4 自由度の意味
13.5 摂動論の適用限界
13.6 縮退がある場合
13.7 時間変化を含む摂動論
13.8 変動する電場による遷移確率
第14章 周期的境界条件
14.1 どんな場面で使われるのか
14.2 エルミート演算子の条件の再確認
14.3 複素フーリエ級数の復習
第15章 周期的ポテンシャル
15.1 前章との違い
15.2 ブロッホの定理の証明
15.3 クローニッヒ・ペニーのモデル
15.4 結晶運動量
15.5 バンドギャップが生じる理由
15.6 バンド構造
15.7 結晶中の電子の状態遷移
あとがき
参考図書
索引