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喪中につき

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喪中につき年末年始のご挨拶を遠慮させて頂きます

新年のご挨拶を申し上げるべきところではございますが
亡き妹の喪中につき失礼させていただきます
本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますとともに
明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます

平成28年12月
とね日記


本年11月に妹が死去いたしましたが、その後2度ほど妹の夢を見ました。2度目の夢は次のようにとてもリアルなものでした。


部屋でくつろいでいたところベランダ側のサッシが開いたので、ふと見ると妹が入ってきました。それは10年ほど前、病気になる前の元気な姿で、いつものモスグリーンのジャンパーを着てニコニコ笑っています。

「いったいどうしたの!死ななくてすんだの??」と僕。
「うん、そうなんだって。どうしてかわかんないんだけど、神様に許してもらったからまた生きられるみたい。」
「じゃ、死んだのは覚えてる?葬式もやったんだよ。」
「覚えてるよ。みんな来てくれてたし。でもすごい豪華な葬式だったよね。お金大丈夫だったのかな?」と主婦らしいことを言いました。

「不思議なことがあるもんだね。で、いまは幽霊なわけ?それとも生き返ったわけ?」
「ふつうに生きているような気がするけど。」と妹は両手をバイバイのように振って見せました。

でも、それって生きていることの証明になるのかなと思いましたが、妹らしいやり方なのと他によい方法を思いつかなかったので、とりあえず納得しました。

「10月クールのテレビドラマも目ぼしいのは録画してあるから見たいのがあったら連絡して。」妹は生前「砂の塔」と「逃げ恥」、「ドクターX」が面白そうだと言っていたのを思い出しました。
「うん、あとでメールする。どれも最初のほうしか見れてないから。」

「あ、そうそう。渡さなきゃと思っていたものあるからちょっと待ってて。」

僕は妹へのクリスマスプレゼントがあったことを思い出し、別の部屋に取りに行きました。

妹はピンク色の物が好きでした。だからクリスマスにこのピンクの腕時計を渡して「この時計が動いている間は、絶対に生き続けるんだぞ。」と約束してもらうつもりでした。電波ソーラーだから半永久的に止まらないはずです。でも結局、渡すことができずそのまま持っていました。

詳細は写真をクリック


やっと渡すことができたのでひと安心。

「お兄ちゃん、こんなのもらっていいの?でも可愛いやつだね。」

妹はさっそく腕につけていました。病気も治っているようだから何も言わずに、ただ渡すだけにしておこう。

そして妹は何か思い出したらしく、部屋から出てベランダを歩いていき視界から見えなくなりました。どこへ行ったのだろう?

ベランダに出てみると、あたりには水面が広がっています。まるで家が厳島神社になってしまったかのようです。そして水面の向こう、ベランダの端から20メートルほど離れたところにお寺の本堂が建っていて、嫁ぎ先の親戚らしき人と話している妹の姿が見えました。「ああ、これは現実ではないぞ。」と思ったとき、僕は夢から覚めていつもの朝を迎えたわけです。

今日は妹の四十九日です。ピンクの腕時計は妹が生きるはずだった時を刻み続けます。


妹の死をきっかけに般若心経を覚え始めました。仏間にはほとんど行きませんが、自分の部屋でときどき諳んじています。

般若心経 - 唱えてみよう!



般若心経はNHKの「100分de名著:般若心経」として放送されました。講師は「真理の探究 仏教と宇宙物理学の対話」で大栗博司先生と対談された佐々木閑先生です。

100分de名著「般若心経 最強の262文字」:テキスト:「NHK「100分de名著」ブックス 般若心経




皆様にはよいお年をお迎え下さいますようお祈りいたします。


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宮沢賢治童話集(岩波書店、1963年)
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