「コロボックル物語6 コロボックルむかしむかし」
内容紹介:
「コロボックル―日本伝説の小人」の世界でも、人間世界と同じように、むかし話やおとぎ話が語り継がれている。コロボックル版の桃太郎や一寸法師、そして神話など。そこから、コロボックルの魅力や真の姿が明らかとなる。いわば、エピソード・ゼロの物語。
1959年初版、2010年~2012年に文庫化。
著者について:
佐藤さとる(さとう さとる): ホームページ
1928年、神奈川県生まれ。『だれも知らない小さな国』で毎日出版文化賞・国際アンデルセン賞国内賞などを、『おばあさんのひこうき』で児童福祉文化賞・野間児童文芸賞を受賞。日本ファンタジー作家の第一人者で作品も多い。
村上 勉(むらかみ つとむ): ホームページ
1943年、兵庫県生まれ。1965年、『だれも知らない小さな国』(佐藤さとる作・講談社)の挿絵でデビュー。以来、挿絵、絵本、装幀など、出版美術界と深く関わってきた。主な作品に『おばあさんのひこうき』(小学館絵画賞受賞)、『おおきなきがほしい』、『きつね三吉』、『旅猫リポート』、「コロボックル」シリーズ他多数。
有川浩さんの「だれもが知ってる小さな国」を読んだのがきっかけで、小学生の時に読んだ佐藤さとる先生のコロボックル物語シリーズを第1巻の「だれも知らない小さな国: 佐藤さとる、村上勉」から読み直している。今回紹介するのはその最終巻。
この第6巻はコロボックル国に言い伝えられている昔話を集めた本だ。第1巻の「だれも知らない小さな国」でせいたかさんが彼らと出会うはるか昔から、コロボックルは日本で暮らしていたことが知られていた。それはどれくらい昔のことだったのだろう。
フィクションなのだから真面目に考えても意味はないわけだが、物語のファンになってしまうとそういうディテールが気になってくる。
言い伝えによればなんと「上古の時代」にまでさかのぼることができるそうなのだ。日本史では、大化の改新まで、あるいは大和時代(古墳時代・飛鳥時代)ということになる。
その後、コロボックルたちは人間社会と関わりをずっと持ち続けて現在に至るわけである。本書では歴史の順に従って物語が9話紹介されている。実際にあっただろう話もあれば、桃太郎のパロディのような話もある。
第1話:スクナヒコとオオクルヌシ(上古の時代)
第2話:水あらそいとヒコ(奈良時代)
第3話:アシナガのいましめ(平安時代末期)
第4話:虫づくし(平安時代から室町時代)
第5話:長者さまの姉むすめ(鎌倉時代)
第6話:モモノヒコ=タロウ(室町時代初期)
第7話:虫守りのムシコヒメ(室町時代末、戦国時代)
第8話:ふたりの名人(江戸時代初期)
第9話:藤助の伝記(江戸時代中期、元禄時代)
シリーズを読み終えてしまうのは寂しい気もするが、そんなときは第1巻を読み直してみるのがよいだろう。そして、これから出版されるかもしれない有川版の続編(2冊目)が刊行されることを僕は期待している。
以下、本書に描かれている挿絵を4つだけ紹介しておく。
第1話「スクナヒコとオオクルヌシ」- 上古の時代
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第3話「アシナガのいましめ」- 平安時代末期
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第5話「長者さまの姉むすめ」- 鎌倉時代
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第8話「ふたりの名人」- 江戸時代初期
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佐藤さとる版は僕が小学生の頃までに4巻まで、大学生の頃に第5巻と第6巻が単行本として刊行されていた。だから僕は第5巻と第6巻は読んでいなかった。
1959年:コロボックル物語1『だれも知らない小さな国』刊行
1962年:コロボックル物語2『豆つぶほどの小さないぬ』刊行
1965年:コロボックル物語3『星からおちた小さな人』刊行
1971年:コロボックル物語4『ふしぎな目をした男の子』刊行
1983年:コロボックル物語5『小さな国のつづきの話』刊行
1987年:コロボックル物語6『コロボックルむかしむかし』刊行
コロボックル物語特設ページ(講談社)
http://kodanshabunko.com/colobockle.html
講談社文庫版:佐藤さとる、村上勉:2010年から2012年に刊行
「コロボックル物語1 だれも知らない小さな国」(紹介記事)
「コロボックル物語2 豆つぶほどの小さないぬ」(紹介記事)
「コロボックル物語3 星からおちた小さな人」(紹介記事)
「コロボックル物語4 ふしぎな目をした男の子」(紹介記事)
「コロボックル物語5 小さな国のつづきの話」(紹介記事)
「コロボックル物語6 コロボックルむかしむかし」
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青い鳥文庫版は1980年から2005年に刊行された。
講談社青い鳥文庫版: Amazonで検索
単行本も新品で買うことができる。購入される方はここまたはここをクリックしていただきたい。
新イラスト版:佐藤さとる、村上勉:2015年に刊行
新イラスト版は第3巻までしかでていない。今後、続きが出るのかもしれないが。新イラスト版の判型は有川版と同じだ。
「コロボックル物語1 だれも知らない小さな国」
「コロボックル物語2 豆つぶほどの小さないぬ」
「コロボックル物語3 星からおちた小さな人」
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「コロボックル物語6 コロボックルむかしむかし」
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まえがき
きっかけの話
第1話:スクナヒコとオオクルヌシ
第2話:水あらそいとヒコ
第3話:アシナガのいましめ
第4話:虫づくし
第5話:長者さまの姉むすめ
第6話:モモノヒコ=タロウ
第7話:虫守りのムシコヒメ
第8話:ふたりの名人
第9話:藤助の伝記
ツムジイのあとがき
コロボックル物語余話
青い鳥文庫版あとがき
復刊文庫版あとがき
解説:上橋菜穂子
以下は文庫版(佐藤さとる作)の帯に書かれたコロボックル物語ファンのメッセージ
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有川版についている帯
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