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新年おめでとうございます。

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2016 元旦
読者のみなさまへ

新年おめでとうございます。昨年は当ブログをお読みいただきありがとうございました。

数えてみたところ昨年は111本の記事を投稿していました。2014年は96本、2013年は100本の記事を投稿していましたから、年間100本ペースです。そして昨年はこのブログは10周年を迎えることができました。

祝: とね日記はおかげさまで10周年!
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b6227a305e06bc794b4cd9dd2dcc87f8


趣味として続けている理数系の読書ですから目標や計画を設定してしまうと仕事のように義務感がでてきてしまいます。時間は限られているので本をリストアップしてもすべて読めるはずがありませんし、減点法で自分を採点する悪循環に陥ってしまうのですね。本来楽しくあるべき趣味が本末転倒です。ですから目標や計画は立てません。


昨年はアシュクロフト&マーミンの教科書で物性物理の世界に本格的に入門できたのがよかったです。金属の物性だけでなく、ゴムの物性にも興味をもって2冊ほど読みました。ゴムの弾性は熱力学、高分子統計力学によって理解できる世界です。予定になかった分野として分子生物学、DNAの世界にも少しだけ足を踏み入れました。

今年も興味のおもむくままに本を選びますが、ブログの名前の下に「量子テレポーテーションや超弦理論の理解を目指して勉強を続けています!」と書いてあるように、この2つの
分野への関心も相変わらず強いですから、基礎物理学の本もなるべく取り入れていきたいです。

超弦理論に至る100冊の物理学、数学書籍
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/d37fe65a84df23cca2af7ecebb83cfc6


昨年の元日に「今年はこんな本を読んでみたい。」と書いた文面を今年用に書き換えてみました。これは計画でも目標でもなく、あくまで僕の「今年の関心ごと」というわけなのです。


* 物理学

- 物性物理学

昨年は「アシュクロフト&マーミンの固体物理学」、久保亮五先生の「ゴム弾性」の本を読みました。今年はキッテル固体物理学、そして工学系の金属物性、金属加工の本を読んでみたいですね。

- 量子力学

さしあたり新年最初の感想記事は広江克彦さんの「趣味で量子力学」になります。いま3分の2くらいのところを読み進んでいます。

- 場の量子論、素粒子物理学

昨年は「九後先生のゲージ場の量子論の教科書」、「クォークとレプトン」や「大学院素粒子物理学1、2」を読みたいと書きましたが、その後「量子力学選書」のシリーズが発売されました。今はどちらかというとこのシリーズを順番に読んでいきたいです。

- 量子化学

この分野は昨年まったく手つかずでした。ですので「分子軌道法」の教科書を読んで、物理学と化学の境界の世界を探求してみたい気持ちがそのまま続いています。

- 一般相対性理論

一般相対性理論に対しては少しモチベーションが下がってきました。何か大きなニュースがあったり、NHK白熱教室のような科学教養番組で取り上げられたら読むかもしれません。

- 超弦理論、M理論

ミチ・カク先生やポルチンスキー先生の教科書を読み始められればいいと思うのですが、今年も実現できるかどうかはまだわからないというところ。

販売状況:日本語の超弦理論・M理論の教科書
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/61e4dd2232d54cf4a5f3da1aeb83975a

- 解析力学、一般力学

ゴールドスタインの「新版 古典力学(上)(下)」、朝倉物理学体系の「解析力学 I、II」あたりが未読状態。特にゴールドスタインは読んでおきたいです。

- 山本義隆先生の本

昨年は「古典力学の形成―ニュートンからラグランジュへ:山本義隆」を読みました。「磁力と重力の発見(全3巻)」や「世界の見方の転換(全3巻)」はまだ読んでいません。ぜひ今年はどちらかでも読みたいですね。


* 数学

プリンストン数学大全」はいつも手元に置いて活用したいですね。

- 群論、代数学系

昨年は「ガロア理論の頂を踏む: 石井俊全」を読みました。今年は昨年と同様モンスター群に至る経緯を解説している科学教養書を読みたいと思っています。また名著ファン・デル・ヴェルデンの「現代代数学(全3巻)」など代数学の教科書も読みたいです。

勢い余って「圏論の技法:中岡宏行」を買ってしまいました。僕が理解できるレベルの本かどうかは今のところわかりません。

- トポロジー、多様体など幾何学系

昨年は「トポロジー入門: 松本幸夫」を読みました。今年は実多様体の教科書を読みたいと思います。

また昨年「多次元空間へのお誘い」という連作記事を書いたことがきっかけで高次元結び目理論に興味がでてきました。「曲面結び目理論:鎌田聖一」という本を買い置きしてあるので読んでみたいです。

- 解析学系

昨年の正月には「特殊関数や偏微分方程式の教科書を2冊ほど読めればと思うのです。」と書きましたが、今年はむしろもっと基礎的な解析学入門書を読みたいという気持が強くなってきました。高木貞治先生の「解析概論」や小平邦彦先生の教科書など。(参考:「解析学入門のための教科書談義」)

- 統計学

昨年はまったく手つかずの分野です。買い置きしてある本が数冊あるので今年こそ読み始めたいと思います。苦手意識を取り除きたいです。


* 電子工学

電子工学系はモチベーションが少し下がっています。昨年は次のような関心ごとを書きましたが、今年取り組むかどうかは不明です。

- Verilog HDL、FPGA、Verilog HDLによる四則電卓回路、電卓技術教科書、アナログ電子回路の本を読めればよいなと思っています。

エレクトロニクス技術としてはレトロですが、自分の幼少期から大学生頃まで日本の経済発展を担なってきた技術を電卓回路という切り口で知っておきたいという思いが強いのです。

参考記事:

電卓を作りたいという妄想
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/01cf6bc6669bf0956a792bce292f97f1

加減乗除と小数の計算手順を理解したい。
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/44687dc879c9a6642b59c49a0c7cc3b3

電卓技術教科書〈基礎編〉〈研究編〉:ラジオ技術社
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e639b30787954422bdcce0c6b17db2f0


* 天文学

モチベーションは依然強いのですが、なかなか取り組めていないのが天文学です。

人類にとっての科学遺産「ラプラスの天体力学(全5巻)」は相変わらず手付かずのまま。80年代に刊行された「天体の位置計算」や近年刊行された「日食計算の基礎」、「軌道決定の原理」も未読なのでなんとかしたいところです。

また、荒木俊馬先生が渾身を込めて書かれた「天体力学」には天王星の軌道のぶれ(摂動)から海王星の位置を計算する方法が載っているので理解したいのです。僕はこのようにクラシックな天文学が好きなわけです。

「天体力学」 荒木俊馬著の書評
http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/~sofue/papers/sofue_herald/19811112_shohyo_gal.pdf

海王星はどこか?
http://www.sci-museum.kita.osaka.jp/~kato/6astron/uranus2002.pdf

『現代天文学事典』誕生秘話 13/13
http://www.domenavi.com/ippin/2014/08_13.html



このように新年早々、大風呂敷を広げています。

楽しい正月をお過ごしください。みなさまの健康とご活躍を心より願っております。


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