「基礎の固体物理学: 斯波弘行」
内容紹介:
量子力学・統計力学の初歩を前提に固体物理学の基礎事項を丁寧に解説した、学部学生~院生向きテキスト・参考書である。最近の研究成果の中から本書のレベルにふさわしい教材として、例えばグラファイトシートやカーボンナノチューブを取り上げている点や、絶縁体・半導体を「金属化」という観点を強調して解説している点など、オーソドックスな構成の中にも新鮮な内容が盛り込まれている。また、分かりやすさという点で、特に数式を抑えることはせず、むしろ式が意味する物理的内容を十分理解できることに意を尽くしている。固体一般の性質を一通り説明したのち、半導体、磁性、超伝導までの内容を、最新の知見をふまえ、またレベルを逸脱することなく、丁寧に解説している。2007年刊行、261ページ。
著者について:
斯波弘行(しばひろゆき)
1968年東京大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。大阪大学理学部助手。1973年東京大学物性研究所助教授。1984年同研究所教授。1989年東京工業大学理学部教授。2001年神戸大学理学部教授。東京工業大学および東京大学名誉教授。
理数系書籍のレビュー記事は本書で268冊目。
自分の周りを見渡すと机や椅子などの家具、キッチン用品、家電製品、パソコン、スマートフォンなどありとあらゆる物に囲まれて生活していることに気がつく。これまで物理学をずいぶん勉強していたつもりだが、僕はいったい何を知っているのだろう?物が原子でできていることは知っているけれども、考えてみるといちばん身近にあるのにほとんど理解していないことを思い知らされる。
- 金属って何だ?
- 絶縁体と導体の違いはなぜ生じるのだろう?
- 磁化する金属もあればしない金属もある。そもそも磁化って何?
- 透明な物質と不透明な物質の違いはなぜ生じるのだろう?
- 同じ光を当てても金属のように光沢があるものと光沢のない物質とでは何がどのように違うのだろう?
- 物の温まりやすさはどのようにして決まるのだろう?
- ゴムっていったい何なの?
- 電線に電流が流れるとどのようなからくりで熱が発生するのだろう?
等々、素朴な疑問は尽きることがない。
このような思いがこの数年いつも頭のどこかにあった。物性物理はいつかちゃんと勉強してみたい。相対性理論や量子力学、素粒子物理、超弦理論は確かに面白いけれど、それよりまず身の回りの当たり前のことがなぜそうなっているのかを知っておきたい。
とはいってもこの分野は広い。どちらかといえば物理学の中でも工学寄りだ。大学で物性物理を専攻する人はおそらく将来ナノテクノロジーや新素材の開発など先端技術の研究者を目指しているのだろう。学ぶ対象はとても広くそして深い。どこからとりかかればよいのか昨年秋頃から調べていた。
定番の教科書としてはキッテルの「固体物理学入門」やアシュクロフト&マーミンの「固体物理の基礎」などがある。前者は内容が新しいものの英語版、日本語版ともに評判があまりよくない。後者はとても詳しく親切な教科書だそうだが4冊もあっていきなり取り組むには少々気が重い。
ということでまず「神田古本まつり」で手に入れた戸田盛和先生の「物性物理30講」(紹介記事)を読んでみた。でもこの本はどちらかというと物性物理を学ぶための準備のような気がしていた。入門というより入り口にたどり着いたという感じ。つまり本書と戸田先生の本で重複する内容は少ししかないので両方読んでも無駄にはならない。
そこで手ごろな厚さでちゃんと入門できる本として選んだのが本書だったのだ。実をいうと本書は数年前に科学ブログをお書きになっていた方からコメント欄を通じてご紹介いただいた本なのである。
読み始めたのは1月20日頃のこと。正味240ページほどなのだがじっくり時間をかけて読んだ。やっと固体物理学に入門できたと感じた。本書は手ごろな分量なのにひととおりの基礎が網羅されている。グラファイトシートやカーボンナノチューブなど新素材の物性的な説明もある。章立ては次のとおりだ。
第1章:原子の中の電子
第2章:原子が集まってつくる固体
第3章:格子振動
第4章:自由電子モデル
第5章:結晶中の電子の状態
第6章:エネルギー・バンドから見た金属、絶縁体の区別
第7章:金属の伝導電子--その役割と実験的証拠
第8章:伝導電子の輸送現象--電流と熱流
第9章:半導体、絶縁体とキャリヤーの制御
第10章:固体の光学的性質
第11章:固体の磁性
第12章:超伝導
本書を読むための前提知識は古典力学(解析力学を含む)、電磁気学、熱力学、統計力学、量子力学だ。これらの復習に充てられるページ数は本書にはない。
最初から数式が遠慮なく使われていて、ハイペースで解説が進む。章を重ねるごとに効率よく新しい事柄が身につくように構成されている。理解に役立つ図版やグラフはふんだんに掲載されていることにも大いに助けられた。
僕にとって目新しかったのはさまざまな結晶格子の解説と、その違いによって生じる電子の状態だ。格子模型を見たのは大学受験のとき地学で鉱物を学んだとき以来だ。でも今回は電子状態を計算するのだから、当時とは学びの深さがまったく違う。
これまで意識することがなかった原子価の大きい原子やp軌道、d軌道、f軌道などの電子軌道にも慣れていないので「岩波 理化学辞典 第5版」や「世界で一番美しい元素図鑑」をiPadのアプリで確認しながら読み進んだ。この2つのアプリはとても役に立った。
岩波理化学辞典第5版(iPhone/iPad)
https://itunes.apple.com/jp/app/id319042883?mt=8
世界で一番美しい元素図鑑(iPhone/iPad)
https://itunes.apple.com/jp/app/yuan-su-tu-jian-zuo-theodore/id364147847?mt=8
金属、絶縁体の区別、電流の流れるしくみもよく理解できた。半導体のしくみは電子工学系の本で学んでいたが、数式導出を学んだのは初めてのことだ。
いちばん手こずったのは第11章の「固体の磁性」。この章だけは残念ながら半分も理解できなかった。他の本で学びなおせば理解できるかどうかも自信がない。
それでも最終章の「超伝導」は理解できたので元気を取り戻した。あと本書の付録はとても大切だ。読み落としてはならない。
物性物理は本書がほとんど1冊目なので他の教科書との比較ができない。そのかわりに巻末の「参考書」のところで著者が紹介していた同じ分野の教科書を書いておくことにした。
標準的レベルの教科書
キッテルの「固体物理学入門」: 標準的な教科書。版を重ねるたびに最新のトピックスを取り入れている。教科書としては第3版あたりが一番良いと思う。
アシュクロフト&マーミンの「固体物理の基礎」: キッテルの教科書と対照的。説明が詳しく、教科書としての評価は時間とともに高まっている。理論に興味のある人に向いている。
フック・ホールの「固体物理学入門〈上〉〈下〉」: イギリスの教科書で、基礎的な事柄を丁寧に説明している良書である。
ザイマンの「固体物性論の基礎」: 固体電子のバンド理論などが詳しい。理論を中心にした教科書
H. イバッハの「固体物理学―新世紀物質科学への基礎」: コラムを使って、標準的な事柄に加えて、最近の発展を入れている。
花村栄一の「固体物理学」: スタンダードな教科書。光学的性質の説明に特色がある。
家泰弘の「物性物理」: 電気伝導などの固体電子の性質を中心とした標準的な教科書だが、新しい問題も積極的に取り上げている。
岡崎誠の「固体物理学―工学のために」: 説明がわかりやすい。
上村洸、中尾憲司の「電子物性論―物性物理・物質科学のための」: 半導体、低次元物質について詳しい。
ややレベルの高い教科書
ウェルター A.ハリソンの「固体の電子構造と物性―化学結合の物理 (上巻) (下巻)」: 電子状態を物質に即して学びたい人に向いている本。極めて優れた教科書である。
キッテルの「固体の量子論」: 大学4年生から大学院レベルの理論中心の実践的な本である。
関連ページ:
ネットで学んでみたい方はこちらでどうぞ。
目で見て操作する「分子の世界」-そのミクロ構造と物性-
http://rikanet2.jst.go.jp/contents/cp0200a/start.html
物性物理学(筑波大学物理学系 小野田雅重先生のページ):取り上げられている項目は本書にかなり近いのでお勧め。
http://www.px.tsukuba.ac.jp/~onoda/cmp/cmp.html
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「基礎の固体物理学: 斯波弘行」
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第1章:原子の中の電子
- 水素原子の電子状態
- 電子を2つ以上もつ原子の電子状態と周期表の成り立ち
- p軌道、d軌道、f軌道
第2章:原子が集まってつくる固体
- 原子から固体をつくる力
- 結晶としての固体
- 固体の構造を決める実験的方法
第3章:格子振動
- 格子振動の簡単な例
- 固体の格子振動の一般的な特徴と例
- 格子振動の固体の性質への影響
- 格子振動による原子の位置の揺らぎと結晶の安定性
第4章:自由電子モデル
- 自由粒子の量子力学
- 自由電子系の基底状態とフェルミ面
- 状態密度
- 有限温度の性質
- 電子の比熱とスピン磁化率
第5章:結晶中の電子の状態
- ブロッホの定理
- ブリルアン・ゾーン
- ブロッホ関数とエネルギー・バンド
- ほとんど自由な電子
- 原子の波動関数による展開--強く束縛された電子の近似
第6章:エネルギー・バンドから見た金属、絶縁体の区別
- 金属と絶縁体の区別
- 金属のエネルギー・バンドの例
- 絶縁体のエネルギー・バンドの例
- 2次元グラファイトのエネルギー・バンド
- カーボン・ナノチューブの電子状態
第7章:金属の伝導電子--その役割と実験的証拠
- フェルミ面
- 伝導電子による比熱、スピン磁化率
- 金属の凝集エネルギー
- 電子の運動への電場、磁場の影響
- ド・ハース-ファン・アルフェン効果
第8章:伝導電子の輸送現象--電流と熱流
- 外場による電子の加速と散乱の簡単なモデル
- 磁場の影響--磁気抵抗効果とホール効果
- ボルツマン方程式
- 電気伝導度
- 熱電効果と熱伝導度
第9章:半導体、絶縁体とキャリヤーの制御
- 半導体(絶縁体)のキャリヤー
- モット絶縁体
- 半導体、絶縁体の金属化
第10章:固体の光学的性質
- 固体中の電磁波の伝播
- ローレンツ-ドルーデ・モデルの交流電場に対する応答
- 金属光沢の起源
- 分極率の一般的な表式と固体の電子状態
- 半導体における光吸収
第11章:固体の磁性
- 電子のスピンと磁気モーメントと軌道磁気モーメント
- 不完全殻とフントの規則
- 結晶場中の磁性イオンの電子状態
- 絶縁体におけるスピン間の相互作用
- 金属の強磁性
第12章:超伝導
- 現象から見た超伝導
- 超伝導になる物質とその特徴
- 超伝導はどうしておこるのか--超伝導のミクロな理論
付録
- 格子振動の量子論
- 固体電子のブロッホ関数とエネルギー・バンドの一般的な性質
- 固体中の電子の動力学
参考書
演習問題の略解
索引
内容紹介:
量子力学・統計力学の初歩を前提に固体物理学の基礎事項を丁寧に解説した、学部学生~院生向きテキスト・参考書である。最近の研究成果の中から本書のレベルにふさわしい教材として、例えばグラファイトシートやカーボンナノチューブを取り上げている点や、絶縁体・半導体を「金属化」という観点を強調して解説している点など、オーソドックスな構成の中にも新鮮な内容が盛り込まれている。また、分かりやすさという点で、特に数式を抑えることはせず、むしろ式が意味する物理的内容を十分理解できることに意を尽くしている。固体一般の性質を一通り説明したのち、半導体、磁性、超伝導までの内容を、最新の知見をふまえ、またレベルを逸脱することなく、丁寧に解説している。2007年刊行、261ページ。
著者について:
斯波弘行(しばひろゆき)
1968年東京大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。大阪大学理学部助手。1973年東京大学物性研究所助教授。1984年同研究所教授。1989年東京工業大学理学部教授。2001年神戸大学理学部教授。東京工業大学および東京大学名誉教授。
理数系書籍のレビュー記事は本書で268冊目。
自分の周りを見渡すと机や椅子などの家具、キッチン用品、家電製品、パソコン、スマートフォンなどありとあらゆる物に囲まれて生活していることに気がつく。これまで物理学をずいぶん勉強していたつもりだが、僕はいったい何を知っているのだろう?物が原子でできていることは知っているけれども、考えてみるといちばん身近にあるのにほとんど理解していないことを思い知らされる。
- 金属って何だ?
- 絶縁体と導体の違いはなぜ生じるのだろう?
- 磁化する金属もあればしない金属もある。そもそも磁化って何?
- 透明な物質と不透明な物質の違いはなぜ生じるのだろう?
- 同じ光を当てても金属のように光沢があるものと光沢のない物質とでは何がどのように違うのだろう?
- 物の温まりやすさはどのようにして決まるのだろう?
- ゴムっていったい何なの?
- 電線に電流が流れるとどのようなからくりで熱が発生するのだろう?
等々、素朴な疑問は尽きることがない。
このような思いがこの数年いつも頭のどこかにあった。物性物理はいつかちゃんと勉強してみたい。相対性理論や量子力学、素粒子物理、超弦理論は確かに面白いけれど、それよりまず身の回りの当たり前のことがなぜそうなっているのかを知っておきたい。
とはいってもこの分野は広い。どちらかといえば物理学の中でも工学寄りだ。大学で物性物理を専攻する人はおそらく将来ナノテクノロジーや新素材の開発など先端技術の研究者を目指しているのだろう。学ぶ対象はとても広くそして深い。どこからとりかかればよいのか昨年秋頃から調べていた。
定番の教科書としてはキッテルの「固体物理学入門」やアシュクロフト&マーミンの「固体物理の基礎」などがある。前者は内容が新しいものの英語版、日本語版ともに評判があまりよくない。後者はとても詳しく親切な教科書だそうだが4冊もあっていきなり取り組むには少々気が重い。
ということでまず「神田古本まつり」で手に入れた戸田盛和先生の「物性物理30講」(紹介記事)を読んでみた。でもこの本はどちらかというと物性物理を学ぶための準備のような気がしていた。入門というより入り口にたどり着いたという感じ。つまり本書と戸田先生の本で重複する内容は少ししかないので両方読んでも無駄にはならない。
そこで手ごろな厚さでちゃんと入門できる本として選んだのが本書だったのだ。実をいうと本書は数年前に科学ブログをお書きになっていた方からコメント欄を通じてご紹介いただいた本なのである。
読み始めたのは1月20日頃のこと。正味240ページほどなのだがじっくり時間をかけて読んだ。やっと固体物理学に入門できたと感じた。本書は手ごろな分量なのにひととおりの基礎が網羅されている。グラファイトシートやカーボンナノチューブなど新素材の物性的な説明もある。章立ては次のとおりだ。
第1章:原子の中の電子
第2章:原子が集まってつくる固体
第3章:格子振動
第4章:自由電子モデル
第5章:結晶中の電子の状態
第6章:エネルギー・バンドから見た金属、絶縁体の区別
第7章:金属の伝導電子--その役割と実験的証拠
第8章:伝導電子の輸送現象--電流と熱流
第9章:半導体、絶縁体とキャリヤーの制御
第10章:固体の光学的性質
第11章:固体の磁性
第12章:超伝導
本書を読むための前提知識は古典力学(解析力学を含む)、電磁気学、熱力学、統計力学、量子力学だ。これらの復習に充てられるページ数は本書にはない。
最初から数式が遠慮なく使われていて、ハイペースで解説が進む。章を重ねるごとに効率よく新しい事柄が身につくように構成されている。理解に役立つ図版やグラフはふんだんに掲載されていることにも大いに助けられた。
僕にとって目新しかったのはさまざまな結晶格子の解説と、その違いによって生じる電子の状態だ。格子模型を見たのは大学受験のとき地学で鉱物を学んだとき以来だ。でも今回は電子状態を計算するのだから、当時とは学びの深さがまったく違う。
これまで意識することがなかった原子価の大きい原子やp軌道、d軌道、f軌道などの電子軌道にも慣れていないので「岩波 理化学辞典 第5版」や「世界で一番美しい元素図鑑」をiPadのアプリで確認しながら読み進んだ。この2つのアプリはとても役に立った。
岩波理化学辞典第5版(iPhone/iPad)
https://itunes.apple.com/jp/app/id319042883?mt=8
世界で一番美しい元素図鑑(iPhone/iPad)
https://itunes.apple.com/jp/app/yuan-su-tu-jian-zuo-theodore/id364147847?mt=8
金属、絶縁体の区別、電流の流れるしくみもよく理解できた。半導体のしくみは電子工学系の本で学んでいたが、数式導出を学んだのは初めてのことだ。
いちばん手こずったのは第11章の「固体の磁性」。この章だけは残念ながら半分も理解できなかった。他の本で学びなおせば理解できるかどうかも自信がない。
それでも最終章の「超伝導」は理解できたので元気を取り戻した。あと本書の付録はとても大切だ。読み落としてはならない。
物性物理は本書がほとんど1冊目なので他の教科書との比較ができない。そのかわりに巻末の「参考書」のところで著者が紹介していた同じ分野の教科書を書いておくことにした。
標準的レベルの教科書
キッテルの「固体物理学入門」: 標準的な教科書。版を重ねるたびに最新のトピックスを取り入れている。教科書としては第3版あたりが一番良いと思う。
アシュクロフト&マーミンの「固体物理の基礎」: キッテルの教科書と対照的。説明が詳しく、教科書としての評価は時間とともに高まっている。理論に興味のある人に向いている。
フック・ホールの「固体物理学入門〈上〉〈下〉」: イギリスの教科書で、基礎的な事柄を丁寧に説明している良書である。
ザイマンの「固体物性論の基礎」: 固体電子のバンド理論などが詳しい。理論を中心にした教科書
H. イバッハの「固体物理学―新世紀物質科学への基礎」: コラムを使って、標準的な事柄に加えて、最近の発展を入れている。
花村栄一の「固体物理学」: スタンダードな教科書。光学的性質の説明に特色がある。
家泰弘の「物性物理」: 電気伝導などの固体電子の性質を中心とした標準的な教科書だが、新しい問題も積極的に取り上げている。
岡崎誠の「固体物理学―工学のために」: 説明がわかりやすい。
上村洸、中尾憲司の「電子物性論―物性物理・物質科学のための」: 半導体、低次元物質について詳しい。
ややレベルの高い教科書
ウェルター A.ハリソンの「固体の電子構造と物性―化学結合の物理 (上巻) (下巻)」: 電子状態を物質に即して学びたい人に向いている本。極めて優れた教科書である。
キッテルの「固体の量子論」: 大学4年生から大学院レベルの理論中心の実践的な本である。
関連ページ:
ネットで学んでみたい方はこちらでどうぞ。
目で見て操作する「分子の世界」-そのミクロ構造と物性-
http://rikanet2.jst.go.jp/contents/cp0200a/start.html
物性物理学(筑波大学物理学系 小野田雅重先生のページ):取り上げられている項目は本書にかなり近いのでお勧め。
http://www.px.tsukuba.ac.jp/~onoda/cmp/cmp.html
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第1章:原子の中の電子
- 水素原子の電子状態
- 電子を2つ以上もつ原子の電子状態と周期表の成り立ち
- p軌道、d軌道、f軌道
第2章:原子が集まってつくる固体
- 原子から固体をつくる力
- 結晶としての固体
- 固体の構造を決める実験的方法
第3章:格子振動
- 格子振動の簡単な例
- 固体の格子振動の一般的な特徴と例
- 格子振動の固体の性質への影響
- 格子振動による原子の位置の揺らぎと結晶の安定性
第4章:自由電子モデル
- 自由粒子の量子力学
- 自由電子系の基底状態とフェルミ面
- 状態密度
- 有限温度の性質
- 電子の比熱とスピン磁化率
第5章:結晶中の電子の状態
- ブロッホの定理
- ブリルアン・ゾーン
- ブロッホ関数とエネルギー・バンド
- ほとんど自由な電子
- 原子の波動関数による展開--強く束縛された電子の近似
第6章:エネルギー・バンドから見た金属、絶縁体の区別
- 金属と絶縁体の区別
- 金属のエネルギー・バンドの例
- 絶縁体のエネルギー・バンドの例
- 2次元グラファイトのエネルギー・バンド
- カーボン・ナノチューブの電子状態
第7章:金属の伝導電子--その役割と実験的証拠
- フェルミ面
- 伝導電子による比熱、スピン磁化率
- 金属の凝集エネルギー
- 電子の運動への電場、磁場の影響
- ド・ハース-ファン・アルフェン効果
第8章:伝導電子の輸送現象--電流と熱流
- 外場による電子の加速と散乱の簡単なモデル
- 磁場の影響--磁気抵抗効果とホール効果
- ボルツマン方程式
- 電気伝導度
- 熱電効果と熱伝導度
第9章:半導体、絶縁体とキャリヤーの制御
- 半導体(絶縁体)のキャリヤー
- モット絶縁体
- 半導体、絶縁体の金属化
第10章:固体の光学的性質
- 固体中の電磁波の伝播
- ローレンツ-ドルーデ・モデルの交流電場に対する応答
- 金属光沢の起源
- 分極率の一般的な表式と固体の電子状態
- 半導体における光吸収
第11章:固体の磁性
- 電子のスピンと磁気モーメントと軌道磁気モーメント
- 不完全殻とフントの規則
- 結晶場中の磁性イオンの電子状態
- 絶縁体におけるスピン間の相互作用
- 金属の強磁性
第12章:超伝導
- 現象から見た超伝導
- 超伝導になる物質とその特徴
- 超伝導はどうしておこるのか--超伝導のミクロな理論
付録
- 格子振動の量子論
- 固体電子のブロッホ関数とエネルギー・バンドの一般的な性質
- 固体中の電子の動力学
参考書
演習問題の略解
索引