「分子運動30講(物理学30講シリーズ):戸田盛和」
内容紹介
分子運動の非平衡状態の熱力学の基本的事柄であるオンサーガーの相反定理、ゆらぎの相関関数と輸送係数との関係、いわゆる線形応答の理論、あるいは揺動散逸の定理などについて述べた。1996年刊行、210ページ。
著者略歴
戸田盛和: ウィキペディアの記事
日本の物理学者。1917年生-2010年没。東京教育大学名誉教授。専門は統計力学、凝縮系物理学、数理物理学。特に戸田が導入した格子模型は完全可積分系の典型として有名で、「戸田格子」の名を得ている。著書多数。(戸田先生の著書を検索する。)
理数系書籍のレビュー記事は本書で262冊目。
今年の読書は数学書に偏っていたので駆け込みで物理学書を読んでみることにした。この「分子運動30講(物理学30講シリーズ):戸田盛和」は、今月初めに神保町の古本まつりで買ったもので、戸田盛和先生の「物理学30講シリーズ」のうちの1冊だ。
このシリーズは「大学で物理学を新たに学ぶ学生にその全体像を体系的に理解してもらうために著者自身が語りかけるような文体で解説する全10巻。」という触れ込みなのだが、ざっと立ち読みしたところ入門書として使える本とそうでない本に分かれている印象を持った。この分子運動30講は明らか後者である。ひととおり他の入門書で統計力学を学んでから読むのがよいと思う。物理学30講シリーズで統計力学はむしろ「熱現象30講」のほうに盛り込まれている。
ひととおり基礎物理学を学んでいる僕としては、このシリーズをすべて読む必要はない。未習の分野だけ選んで買ってみたのがこの「分子運動30講(物理学30講シリーズ):戸田盛和」と「物性物理30講(物理学30講シリーズ):戸田盛和」だった。
基礎物理学の精神は還元主義だ。それはあらゆる物理現象をこの世界を構成している究極の微粒子(素粒子)で成り立つ物理法則によって説明しようとする立場である。ファインマン物理学の第1巻「力学」に図1-1として掲載されている水分子の図が、このことを端的に象徴している。
高校で学んだニュートン力学の法則から化学で学んだ理想気体の状態方程式(PV=nRT)や定積比熱や定圧比熱を導き出すのを目の当たりにし、温度さえも古典力学から導き出されることに驚くのが大学の物理学で最初に経験する高揚感だと僕は思っている。
本書の第1講から第8項がまさにそうのような高揚感の再現なのである。だから最初の8講がいちばん面白かった。これらの章では気体によるエネルギーの輸送や気体の粘性、熱伝導、熱拡散などが古典物理学的な取り扱いによって導出されている。流体力学や伝熱学で学んだように、このような物理量は実験でしか得られないのだと僕は思っていた。つまり次のような本をこれまで読み、基礎物理学だけでは導出できない物理量が使われていても仕方がないのだと僕はあきらめていた。
流体力学(物理テキストシリーズ):今井功著
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a9eaf9ce3242c3f3df0dfc623e176d2b
伝熱工学(東京大学機械工学):庄司正弘
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/cdbbfe5c89a57b812d43448297966fcc
伝熱工学 (JSMEテキストシリーズ):日本機械学会
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/bfd58adf704e39cb64ca95224c7262b5
ところが古典物理学の理論だけで、これら工学書で実験値として紹介されていた気体の物理量がかなりの精度で導出されるということが、僕には新鮮な驚きだった。これを系統立てて解説する本書の第1講から第8講は次のような章立てだ。
1. 気体の分子運動
2. 気体の輸送現象
3. 初等的理論への反省
4. ボルツマン方程式
5. H定理
6. 気体の粘性
7. マクスウェル分子
8. 拡散と熱拡散
そして第9講から「電子」の理論が始まる。つまり金属の中を流れる自由電子が熱伝導に与える影響が解説される。これは物性物理入門のための手始めということになるのだろう。特に種類の違う2つの導体を接続したときに生じるトムソン熱、ペルティエ効果(冷却効果)やゼーベック効果(熱電対)という現象は僕にとって目新しいものだった。
9. 電気伝導と熱伝導
10. 熱電効果
11. 相反定理
12. 振動電場に対する応答
13. クラマース-クローニッヒの関係式
第14講と第15講では液体の理論が解説される。液体に照射されるX線が分子によってどのように散乱されるか、表面張力はどのように生じるかなどが導出される。
14. 動径分布関数
15. 表面張力
第16講から第18講は単発的なテーマで、戸田先生がなぜこれらの講を設けたのか僕にはよく理解できなかった。第16講は気体によるレイリー散乱の解説だ。
16. 光の散乱
17. 流体力学の方程式
18. 強電解質溶液
第19講以降は僕にとっては既習の分野だった。ブラウン運動やランダムウォークの理論は確率論、確率過程論の教科書で、また拡散方程式についても他の物理学書で学んでいたのですらすら読めた。ただ、本書の記述だけだと入門者にとってはわかりにくいだろうというのが正直な感想だ。第19講以降は急ぎ足のような印象を受けた。
19. ガウスの正規分布
20. 1次元格子の振動
21. 重い原子の運動
22. ブラウン運動
23. 拡散方程式
24. 拡散率と易動度
25. 経路積分
26. ランジュバン方程式
27. ガウス過程
28. 揺動散逸定理
29. 線形応答
30. ウィナー-ヒンチンの定理
31. 索引
アマゾンでの本書の評価は低い。それはレビューを投稿した方が体系的に書かれた入門書的な教科書を期待していたからだと僕は思う。また210ページにこれだけたくさんのテーマを盛り込んだので、論理的なつながりが犠牲になっている部分も散見される。本書はひととおり基礎物理学を学んだ人が、知識の整理として復習するための本と割り切ってお読みになるのがよいだろう。
「物理学30講シリーズ」とよく対比されるのが志賀浩二先生の「数学30講シリーズ」だ。こちらはどれも大学入学したての学生に最適な入門書ばかりである。(もしくは授業や教科書についていけなかった大学生用。)
「とね書店」にも「物理学30講シリーズ」と「数学30講シリーズ」の売り場を設けておいたのでご活用いただきたい。
戸田盛和「物理学30講シリーズ」コーナー
http://astore.amazon.co.jp/tonejiten-22?_encoding=UTF8&node=60
志賀浩二「数学30講シリーズ」コーナー
http://astore.amazon.co.jp/tonejiten-22?_encoding=UTF8&node=59
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「分子運動30講(物理学30講シリーズ):戸田盛和」
1. 気体の分子運動
- 気体の圧力
- 分子の速度分布
- 平均自由行路
- Tea Time: 平均値と分布
2. 気体の輸送現象
- 輸送現象
- 気体の粘性
- 気体の熱伝導
- 気体の熱拡散
- 分子の速さ、大きさと数
- Tea Time: 気体の粘性
3. 初等的理論への反省
- 次元
- 気体の輸送現象
- ボルツマン方程式
- 分布関数の緩和
- 粘性率
- Tea Time: 平均寿命
4. ボルツマン方程式
- ボルツマン方程式
- 分子衝突
- Tea Time: 感激屋のボルツマン
5. H定理
- H定理
- 平衡状態のH関数とエントロピー
- ボルツマンの原理
- Tea Time: J.C.マクスウェル
6. 気体の粘性
- ボルツマン方程式
- 衝突項
- まとめ
- Tea Time: マクスウェル分子
7. マクスウェル分子
- 分子衝突の相対運動
- マクスウェル分子
- 一般の分子の場合
- 粘性率
- 熱伝導率
- 剛体分子の場合
- Tea Time: マクスウェルのデモン
8. 拡散と熱拡散
- 濃度勾配と温度勾配
- 拡散率
- 熱拡散
- 拡散率と熱拡散率の値
- Tea Time: ウランの分離
9. 電気伝導と熱伝導
- 初等的理論
- Tea Time: 電流の電子の平均速度
10. 熱電効果
- 電場と温度勾配
- トムソン熱
- ペルティエ効果(冷却効果)
- ゼーベック効果(熱電対)
- Tea Time: 1乗と2乗
11. 相反定理
- ゆらぎ
- 電気伝導と熱伝導
- Tea Time: 相反定理の例
12. 振動電場に対する応答
- 電気伝導
- 電気双極の配向
- 誘電率の分散
- Tea Time: 鐘を指でゆらす
13. クラマース-クローニッヒの関係式
- 電気伝導度の分散
- クラマース-クローニッヒの関係式
- 因果律との関係
- Tea Time: 実部と虚部
14. 動径分布関数
- 分子の分布
- X線回折
- 動径分布関数
- Tea Time: 最隣接分子数
15. 表面張力
- 実験式
- 熱力学的関係式
- 分子の分布関数
- 近似式
- Tea Time: 水に浮く1円玉
16. 光の散乱
- レイリー散乱
- 臨界点付近のゆらぎ
- Tea Time: 空の青・日の出・日の入り
17. 流体力学の方程式
- 流体
- 連続方程式
- 運動方程式
- 粘性率
- Tea Time: 水という不思議な物質
18. 強電解質溶液
- イオン雰囲気
- 熱力学ポテンシャル
- 浸透圧
- 電子ガスの状態方程式
- Tea Time: 砂糖と塩
19. ガウスの正規分布
- 線形格子
- 誤差の和の確率分布
- 特性関係
- Tea Time: 試験の成績分布
20. 1次元格子の振動
- 剛体球の気体
- 指数格子
- Tea Time: 金平糖
21. 重い原子の運動
- 格子振動
- 1個の重い原子のある1次元格子
- Tea Time: 防波堤のパラドックス
22. ブラウン運動
- ブラウン運動
- 1次元のランダムウォーク
- 分布確率
- 3次元の場合
- 平均到達距離
- Tea Time: ジャン・ペランと分子
23. 拡散方程式
- ランダムウォークの確率密度
- 拡散方程式
- 3次元の場合
- Tea Time: 分子を数える
24. 拡散率と易動度
- 外力がはたらく場合の拡散
- アインシュタインの関係式
- 流れのある拡散
- Tea Time: 浸透圧
25. 経路積分
- スモルコフスイキー方程式
- 経路積分
- 拡散方程式
- 拡張
- Tea Time: 波の干渉
26. ランジュバン方程式
- 慣性を無視できる粒子の運動
- ランジュバン方程式
- Tea Time: ランジュバン
27. ガウス過程
- 確率分布
- マクスウェル分布への近接
- 位置の分布
- Tea Time: キツネが化かす
28. 揺動散逸定理
- 電場のゆらぎ
- 電流
- 揺動散逸定理
- Tea Time: 心のゆらぎと創造
29. 線形応答
- リゥヴィル方程式
- 自然運動
- 応答関数
- 振動する外力
- Tea Time: ランダム
30. ウィナー-ヒンチンの定理
- パワースペクトル
- 相関関数
- ナイキストの定理
- Tea Time: 白いスペクトル
31. 索引
内容紹介
分子運動の非平衡状態の熱力学の基本的事柄であるオンサーガーの相反定理、ゆらぎの相関関数と輸送係数との関係、いわゆる線形応答の理論、あるいは揺動散逸の定理などについて述べた。1996年刊行、210ページ。
著者略歴
戸田盛和: ウィキペディアの記事
日本の物理学者。1917年生-2010年没。東京教育大学名誉教授。専門は統計力学、凝縮系物理学、数理物理学。特に戸田が導入した格子模型は完全可積分系の典型として有名で、「戸田格子」の名を得ている。著書多数。(戸田先生の著書を検索する。)
理数系書籍のレビュー記事は本書で262冊目。
今年の読書は数学書に偏っていたので駆け込みで物理学書を読んでみることにした。この「分子運動30講(物理学30講シリーズ):戸田盛和」は、今月初めに神保町の古本まつりで買ったもので、戸田盛和先生の「物理学30講シリーズ」のうちの1冊だ。
このシリーズは「大学で物理学を新たに学ぶ学生にその全体像を体系的に理解してもらうために著者自身が語りかけるような文体で解説する全10巻。」という触れ込みなのだが、ざっと立ち読みしたところ入門書として使える本とそうでない本に分かれている印象を持った。この分子運動30講は明らか後者である。ひととおり他の入門書で統計力学を学んでから読むのがよいと思う。物理学30講シリーズで統計力学はむしろ「熱現象30講」のほうに盛り込まれている。
ひととおり基礎物理学を学んでいる僕としては、このシリーズをすべて読む必要はない。未習の分野だけ選んで買ってみたのがこの「分子運動30講(物理学30講シリーズ):戸田盛和」と「物性物理30講(物理学30講シリーズ):戸田盛和」だった。
基礎物理学の精神は還元主義だ。それはあらゆる物理現象をこの世界を構成している究極の微粒子(素粒子)で成り立つ物理法則によって説明しようとする立場である。ファインマン物理学の第1巻「力学」に図1-1として掲載されている水分子の図が、このことを端的に象徴している。
高校で学んだニュートン力学の法則から化学で学んだ理想気体の状態方程式(PV=nRT)や定積比熱や定圧比熱を導き出すのを目の当たりにし、温度さえも古典力学から導き出されることに驚くのが大学の物理学で最初に経験する高揚感だと僕は思っている。
本書の第1講から第8項がまさにそうのような高揚感の再現なのである。だから最初の8講がいちばん面白かった。これらの章では気体によるエネルギーの輸送や気体の粘性、熱伝導、熱拡散などが古典物理学的な取り扱いによって導出されている。流体力学や伝熱学で学んだように、このような物理量は実験でしか得られないのだと僕は思っていた。つまり次のような本をこれまで読み、基礎物理学だけでは導出できない物理量が使われていても仕方がないのだと僕はあきらめていた。
流体力学(物理テキストシリーズ):今井功著
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a9eaf9ce3242c3f3df0dfc623e176d2b
伝熱工学(東京大学機械工学):庄司正弘
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/cdbbfe5c89a57b812d43448297966fcc
伝熱工学 (JSMEテキストシリーズ):日本機械学会
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/bfd58adf704e39cb64ca95224c7262b5
ところが古典物理学の理論だけで、これら工学書で実験値として紹介されていた気体の物理量がかなりの精度で導出されるということが、僕には新鮮な驚きだった。これを系統立てて解説する本書の第1講から第8講は次のような章立てだ。
1. 気体の分子運動
2. 気体の輸送現象
3. 初等的理論への反省
4. ボルツマン方程式
5. H定理
6. 気体の粘性
7. マクスウェル分子
8. 拡散と熱拡散
そして第9講から「電子」の理論が始まる。つまり金属の中を流れる自由電子が熱伝導に与える影響が解説される。これは物性物理入門のための手始めということになるのだろう。特に種類の違う2つの導体を接続したときに生じるトムソン熱、ペルティエ効果(冷却効果)やゼーベック効果(熱電対)という現象は僕にとって目新しいものだった。
9. 電気伝導と熱伝導
10. 熱電効果
11. 相反定理
12. 振動電場に対する応答
13. クラマース-クローニッヒの関係式
第14講と第15講では液体の理論が解説される。液体に照射されるX線が分子によってどのように散乱されるか、表面張力はどのように生じるかなどが導出される。
14. 動径分布関数
15. 表面張力
第16講から第18講は単発的なテーマで、戸田先生がなぜこれらの講を設けたのか僕にはよく理解できなかった。第16講は気体によるレイリー散乱の解説だ。
16. 光の散乱
17. 流体力学の方程式
18. 強電解質溶液
第19講以降は僕にとっては既習の分野だった。ブラウン運動やランダムウォークの理論は確率論、確率過程論の教科書で、また拡散方程式についても他の物理学書で学んでいたのですらすら読めた。ただ、本書の記述だけだと入門者にとってはわかりにくいだろうというのが正直な感想だ。第19講以降は急ぎ足のような印象を受けた。
19. ガウスの正規分布
20. 1次元格子の振動
21. 重い原子の運動
22. ブラウン運動
23. 拡散方程式
24. 拡散率と易動度
25. 経路積分
26. ランジュバン方程式
27. ガウス過程
28. 揺動散逸定理
29. 線形応答
30. ウィナー-ヒンチンの定理
31. 索引
アマゾンでの本書の評価は低い。それはレビューを投稿した方が体系的に書かれた入門書的な教科書を期待していたからだと僕は思う。また210ページにこれだけたくさんのテーマを盛り込んだので、論理的なつながりが犠牲になっている部分も散見される。本書はひととおり基礎物理学を学んだ人が、知識の整理として復習するための本と割り切ってお読みになるのがよいだろう。
「物理学30講シリーズ」とよく対比されるのが志賀浩二先生の「数学30講シリーズ」だ。こちらはどれも大学入学したての学生に最適な入門書ばかりである。(もしくは授業や教科書についていけなかった大学生用。)
「とね書店」にも「物理学30講シリーズ」と「数学30講シリーズ」の売り場を設けておいたのでご活用いただきたい。
戸田盛和「物理学30講シリーズ」コーナー
http://astore.amazon.co.jp/tonejiten-22?_encoding=UTF8&node=60
志賀浩二「数学30講シリーズ」コーナー
http://astore.amazon.co.jp/tonejiten-22?_encoding=UTF8&node=59
応援クリックをお願いします!
「分子運動30講(物理学30講シリーズ):戸田盛和」
1. 気体の分子運動
- 気体の圧力
- 分子の速度分布
- 平均自由行路
- Tea Time: 平均値と分布
2. 気体の輸送現象
- 輸送現象
- 気体の粘性
- 気体の熱伝導
- 気体の熱拡散
- 分子の速さ、大きさと数
- Tea Time: 気体の粘性
3. 初等的理論への反省
- 次元
- 気体の輸送現象
- ボルツマン方程式
- 分布関数の緩和
- 粘性率
- Tea Time: 平均寿命
4. ボルツマン方程式
- ボルツマン方程式
- 分子衝突
- Tea Time: 感激屋のボルツマン
5. H定理
- H定理
- 平衡状態のH関数とエントロピー
- ボルツマンの原理
- Tea Time: J.C.マクスウェル
6. 気体の粘性
- ボルツマン方程式
- 衝突項
- まとめ
- Tea Time: マクスウェル分子
7. マクスウェル分子
- 分子衝突の相対運動
- マクスウェル分子
- 一般の分子の場合
- 粘性率
- 熱伝導率
- 剛体分子の場合
- Tea Time: マクスウェルのデモン
8. 拡散と熱拡散
- 濃度勾配と温度勾配
- 拡散率
- 熱拡散
- 拡散率と熱拡散率の値
- Tea Time: ウランの分離
9. 電気伝導と熱伝導
- 初等的理論
- Tea Time: 電流の電子の平均速度
10. 熱電効果
- 電場と温度勾配
- トムソン熱
- ペルティエ効果(冷却効果)
- ゼーベック効果(熱電対)
- Tea Time: 1乗と2乗
11. 相反定理
- ゆらぎ
- 電気伝導と熱伝導
- Tea Time: 相反定理の例
12. 振動電場に対する応答
- 電気伝導
- 電気双極の配向
- 誘電率の分散
- Tea Time: 鐘を指でゆらす
13. クラマース-クローニッヒの関係式
- 電気伝導度の分散
- クラマース-クローニッヒの関係式
- 因果律との関係
- Tea Time: 実部と虚部
14. 動径分布関数
- 分子の分布
- X線回折
- 動径分布関数
- Tea Time: 最隣接分子数
15. 表面張力
- 実験式
- 熱力学的関係式
- 分子の分布関数
- 近似式
- Tea Time: 水に浮く1円玉
16. 光の散乱
- レイリー散乱
- 臨界点付近のゆらぎ
- Tea Time: 空の青・日の出・日の入り
17. 流体力学の方程式
- 流体
- 連続方程式
- 運動方程式
- 粘性率
- Tea Time: 水という不思議な物質
18. 強電解質溶液
- イオン雰囲気
- 熱力学ポテンシャル
- 浸透圧
- 電子ガスの状態方程式
- Tea Time: 砂糖と塩
19. ガウスの正規分布
- 線形格子
- 誤差の和の確率分布
- 特性関係
- Tea Time: 試験の成績分布
20. 1次元格子の振動
- 剛体球の気体
- 指数格子
- Tea Time: 金平糖
21. 重い原子の運動
- 格子振動
- 1個の重い原子のある1次元格子
- Tea Time: 防波堤のパラドックス
22. ブラウン運動
- ブラウン運動
- 1次元のランダムウォーク
- 分布確率
- 3次元の場合
- 平均到達距離
- Tea Time: ジャン・ペランと分子
23. 拡散方程式
- ランダムウォークの確率密度
- 拡散方程式
- 3次元の場合
- Tea Time: 分子を数える
24. 拡散率と易動度
- 外力がはたらく場合の拡散
- アインシュタインの関係式
- 流れのある拡散
- Tea Time: 浸透圧
25. 経路積分
- スモルコフスイキー方程式
- 経路積分
- 拡散方程式
- 拡張
- Tea Time: 波の干渉
26. ランジュバン方程式
- 慣性を無視できる粒子の運動
- ランジュバン方程式
- Tea Time: ランジュバン
27. ガウス過程
- 確率分布
- マクスウェル分布への近接
- 位置の分布
- Tea Time: キツネが化かす
28. 揺動散逸定理
- 電場のゆらぎ
- 電流
- 揺動散逸定理
- Tea Time: 心のゆらぎと創造
29. 線形応答
- リゥヴィル方程式
- 自然運動
- 応答関数
- 振動する外力
- Tea Time: ランダム
30. ウィナー-ヒンチンの定理
- パワースペクトル
- 相関関数
- ナイキストの定理
- Tea Time: 白いスペクトル
31. 索引