内容紹介
最新の結果に基づいた宇宙論の教科書。内容の深さ、エレガントさで、他の追随を許さない。 ワインバーグ(ノーベル物理学賞受賞)による、最新の観測結果に基づく宇宙論の教科書。
上巻は、ゆらぎのない、一様宇宙を扱う。下巻では、ゆらぎのある非一様宇宙を扱う。
2008年に出版されたスティーブン・ワインバーグ博士の「Cosmology: Steven Weinberg」の邦訳版が出ているのを先日紀伊國屋書店で見かけてかなり驚いた。
この手の専門書の日本語版でこれほど早く出版されたものはごく限られている。それほど待ち望まれていて、読む価値がある本なのだ。まさかこの本が翻訳されるとはなー、という感じである。
中学から大学にかけて天文学がずっと好きで勉強してきたのだが、僕の関心事はもっぱら太陽系内のことに偏っていて、恒星や銀河系、そして宇宙論にはそれほど興味を持っていなかった。特に宇宙論の話はとりとめがなく「大ざっぱで何でもあり」のような印象を持っていたからだ。
太陽系から脱出したくなかったのは、もともと僕が実生活でも、空想の世界でも「遠出をしたがらない性格」だからかもしれない。
ところが物理学の勉強が進むにつれて、現代物理学と現代宇宙論の密接な結びつきを知り、これまで持っていた印象ががらりと変わってしまった。特にこの本は物理学徒なら必ず知っているワインバーグ博士、素粒子の標準模型の解明でノーベル物理学賞を受賞された超一流物理学者によって書かれた本である。昨年の夏、先生の有名な「場の量子論の教科書」に挑んだこともあり、僕の興味はむくむくと膨らんだ。
おまけに翻訳をされたのはテキサス大学物理学科教授の小松英一郎先生。つまり翻訳者はワインバーグ博士の同僚で一流の物理学者だ。
現代天文学最前線!宇宙創成とその未来に迫る(小松英一郎先生へのインタビュー)
http://ip-science.thomsonreuters.jp/interview/komatsu/
意外だったのは本書の装丁。まるで一般向けの本のような印象だ。帯にはいかにもとっつきやすい宣伝文句が書かれている。一般向けの本だと勘違いして買う人もでてくるかもしれない。(これは冗談。)
上巻の帯
下巻の帯
本書は数式がたくさんでてくる専門書。物理学や天文学を専攻する大学院生レベルの人が読む本だ。内容と目次は出版社のページで確認してほしい。
ワインバーグの宇宙論(上): ビッグバン宇宙の進化
http://www.nippyo.co.jp/book/6106.html
ワインバーグの宇宙論(下): ゆらぎの形成と進化
http://www.nippyo.co.jp/book/6107.html
アマゾンのレビューはまだ投稿されていないので、米国アマゾンのサイトで確認できる。(レビューはここをクリックして確認。)
上巻は5月に出版され、下巻は7月4日に発売された。お買い求めはこちらからどうぞ。
「ワインバーグの宇宙論(上): ビッグバン宇宙の進化」
「ワインバーグの宇宙論(下): ゆらぎの形成と進化」
翻訳の元となった英語版はこちらである。
「Cosmology: Steven Weinberg」
1冊の英語版が日本語版では2巻に分けられている。アベノミクスによる円安傾向のせいか日本語版は上下巻を合わせても英語版より安い。躊躇してしまう値段には違いないが、翻訳のコストや想定読者数(∝ 印刷冊数)を考えると日本語版の価格設定は良心的だと思う。
英語版がでてから5年経っているとはいえ内容は最新だ。ぜひ一度書店でお手にとってみてほしい。
宇宙論系の本を読みたくてもこの本は自分のレベルを超えていると思う方には次の本がお勧め。量子力学をきちんと学び終えた方なら読めると思う。
「明解量子宇宙論入門:吉田伸夫」
数式はまったく受け付けない。でも宇宙論を学んでみたいという一般の方にお勧めなのが次の2冊。天文学の発展史を学びながら、読者を最新の宇宙論へと導いてくれる好書だ。
「眠れなくなる宇宙のはなし:佐藤勝彦」
「ますます眠れなくなる宇宙のはなし:佐藤勝彦」
参考ページ:
宇宙論:オリジナルテキスト(松原先生によるページ)
http://tmcosmos.org/cosmology/cosmology-web/
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最新の結果に基づいた宇宙論の教科書。内容の深さ、エレガントさで、他の追随を許さない。 ワインバーグ(ノーベル物理学賞受賞)による、最新の観測結果に基づく宇宙論の教科書。
上巻は、ゆらぎのない、一様宇宙を扱う。下巻では、ゆらぎのある非一様宇宙を扱う。
2008年に出版されたスティーブン・ワインバーグ博士の「Cosmology: Steven Weinberg」の邦訳版が出ているのを先日紀伊國屋書店で見かけてかなり驚いた。
この手の専門書の日本語版でこれほど早く出版されたものはごく限られている。それほど待ち望まれていて、読む価値がある本なのだ。まさかこの本が翻訳されるとはなー、という感じである。
中学から大学にかけて天文学がずっと好きで勉強してきたのだが、僕の関心事はもっぱら太陽系内のことに偏っていて、恒星や銀河系、そして宇宙論にはそれほど興味を持っていなかった。特に宇宙論の話はとりとめがなく「大ざっぱで何でもあり」のような印象を持っていたからだ。
太陽系から脱出したくなかったのは、もともと僕が実生活でも、空想の世界でも「遠出をしたがらない性格」だからかもしれない。
ところが物理学の勉強が進むにつれて、現代物理学と現代宇宙論の密接な結びつきを知り、これまで持っていた印象ががらりと変わってしまった。特にこの本は物理学徒なら必ず知っているワインバーグ博士、素粒子の標準模型の解明でノーベル物理学賞を受賞された超一流物理学者によって書かれた本である。昨年の夏、先生の有名な「場の量子論の教科書」に挑んだこともあり、僕の興味はむくむくと膨らんだ。
おまけに翻訳をされたのはテキサス大学物理学科教授の小松英一郎先生。つまり翻訳者はワインバーグ博士の同僚で一流の物理学者だ。
現代天文学最前線!宇宙創成とその未来に迫る(小松英一郎先生へのインタビュー)
http://ip-science.thomsonreuters.jp/interview/komatsu/
意外だったのは本書の装丁。まるで一般向けの本のような印象だ。帯にはいかにもとっつきやすい宣伝文句が書かれている。一般向けの本だと勘違いして買う人もでてくるかもしれない。(これは冗談。)
上巻の帯
下巻の帯
本書は数式がたくさんでてくる専門書。物理学や天文学を専攻する大学院生レベルの人が読む本だ。内容と目次は出版社のページで確認してほしい。
ワインバーグの宇宙論(上): ビッグバン宇宙の進化
http://www.nippyo.co.jp/book/6106.html
ワインバーグの宇宙論(下): ゆらぎの形成と進化
http://www.nippyo.co.jp/book/6107.html
アマゾンのレビューはまだ投稿されていないので、米国アマゾンのサイトで確認できる。(レビューはここをクリックして確認。)
上巻は5月に出版され、下巻は7月4日に発売された。お買い求めはこちらからどうぞ。
「ワインバーグの宇宙論(上): ビッグバン宇宙の進化」
「ワインバーグの宇宙論(下): ゆらぎの形成と進化」
翻訳の元となった英語版はこちらである。
「Cosmology: Steven Weinberg」
1冊の英語版が日本語版では2巻に分けられている。アベノミクスによる円安傾向のせいか日本語版は上下巻を合わせても英語版より安い。躊躇してしまう値段には違いないが、翻訳のコストや想定読者数(∝ 印刷冊数)を考えると日本語版の価格設定は良心的だと思う。
英語版がでてから5年経っているとはいえ内容は最新だ。ぜひ一度書店でお手にとってみてほしい。
宇宙論系の本を読みたくてもこの本は自分のレベルを超えていると思う方には次の本がお勧め。量子力学をきちんと学び終えた方なら読めると思う。
「明解量子宇宙論入門:吉田伸夫」
数式はまったく受け付けない。でも宇宙論を学んでみたいという一般の方にお勧めなのが次の2冊。天文学の発展史を学びながら、読者を最新の宇宙論へと導いてくれる好書だ。
「眠れなくなる宇宙のはなし:佐藤勝彦」
「ますます眠れなくなる宇宙のはなし:佐藤勝彦」
参考ページ:
宇宙論:オリジナルテキスト(松原先生によるページ)
http://tmcosmos.org/cosmology/cosmology-web/
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