「日本人が奴隷にならないために―絶対に知らなくてはならない言葉と知識―」
内容
戦争国家、憲法改正、国民監視、言論統制、グローバリズム(多国籍企業による植民地化)、巨大薬禍、原子力災害、財政破綻という重層の危機の中で、日本人が搾取され奴隷化するリアルを告発する衝撃の社会学書。
アメリカの公共事業としてのウクライナ戦争 / 犬を調教するように国民を調教する / 報道の自由の死滅が示す日本のナチ化 / 株価の動きを見れば戦争の目的が分かる / 「戦争の宣伝のプロ」が動員されている / 戦争のための制度調整の過渡期に入った / 日本のカネと若者をアメリカの軍事産業に捧げるのか / ペンタゴン・キャピタリズムが国民を奪い尽くす / 投資銀行が日本にミサイルを発射する / 売国奴が靖国に参拝したがる理由 / 日本から人権が消える日 / 「抵抗しない人民」を作るための言葉 / コロナ禍という地球規模のホワイトカラー犯罪 / 知られざる宗教とワクチンとの関係 / 上級国民が下級国民を食い物にする新しい資本主義 / スポーツに熱狂する大衆は政治を考えない / 財政の私物化が最悪の円安をもたらした / 「債務者監獄国家」の住人であることを自覚する / 人間を人間たらしめるものが崩壊した / ニホンという滅び行く国に生まれた子どもたち / 昆虫食が語る世界のディストピア化………
2023年4月28日刊行、248ページ
著者略歴
秋嶋亮(あきしまりょう)響堂雪乃より改名。
全国紙系媒体の編集長を退任し社会学作家に転向。ブログ・マガジン「独りファシズム Ver.0.3」http://alisonn.blog106.fc2.com/ を主宰し、グローバリゼーションをテーマに精力的な情報発信を続けている。主著として『独りファシズム―つまり生命は資本に翻弄され続けるのか?―』(ヒカルランド)、『略奪者のロジック―支配を構造化する210の言葉たち―』(三五館)、『終末社会学用語辞典』(共著、白馬社)、『植民地化する日本、帝国化する世界』(共著、ヒカルランド)、『ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ―15歳から始める生き残るための社会学』(白馬社)、『放射能が降る都市で叛逆もせず眠り続けるのか』(共著、白馬社)、『北朝鮮のミサイルはなぜ日本に落ちないのか―国民は両建構造(ヤラセ)に騙されている―』(白馬社)『続・ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ―16歳から始める思考者になるための社会学』(白馬社)、『略奪者のロジック 超集編―ディストピア化する日本を究明する201の言葉たち―』(白馬社)、『ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへOUTBREAK―17歳から始める反抗者になるための社会学』(白馬社)、『無思考国家―だからニホンは滅び行く国になった―』(白馬社)などがある。
秋嶋亮としての著作: Amazonで検索
響堂雪乃としての著作: Amazonで著作
SNSのTLでこの本を見る機会が増え、先月あたりから読んでみたいと思うようになった。もしかすると過激なトンデモ本、陰謀説に影響された本なのか、それともちゃんとした本なのかを見極めるにはAmazonの内容紹介だけで判断するのは無理だと思ったのだ。結局これは読んでみて正解。トンデモ本でも陰謀説本ではなかった。そして対話形式で書かれているから読みやすい。
物品や電気料金やガソリンの相次ぐ値上げ、消費税は10%どころかますます上がるらしい、社会保険料の増大、防衛費倍増、マイナンバーカードと健康保険証のひもづけ問題、少子高齢化、年金問題、実質賃金減少による貧困化、こどもの貧困化、派遣法の改悪、非正規社員の増加、奨学金問題、自殺率の増加、大学への補助金削減、教育内容や制度の悪化、過度な円安.... 生活は苦しくなり続け、改善する見込みはまったく見えてこない。おまけに政治家や企業は不正のやり放題である。
SNSのTLに流れるこれらのニュースやツイートを毎日見ていると暗澹たる気持ちになり鬱になる人も多いことだろう。ニュースを見ても暗くなる報道ばかりだ。もともと公共の場で政治的な発言をしないのが礼儀とされてきたのが日本社会の常識だったが、下がり続けている投票率を見る限りその傾向はますます強くなっている。
マスコミはこれらの問題のすべて報道していないということにも気がつかされる。報道したとしても、それは何が原因なのか、誰に責任があるかを示さない。本来、マスコミは政治の暴走を監視し、責任追及するのが重要な役割なのだが、ジャーナリズム精神ははるか昔に息絶え、政権の広報媒体と化している。
日本は民主主義国家のはずなのに、今ではまったく独裁国家のように思えてしまう。選挙制度は機能していないのだろうか?
あまりにも問題が多すぎて、全体を考えるともやもやとしてきて、焦点がぼやけてしまうのだ。与党や準与党の長年の政策が悪いとわかっていても、そこに問題の根源、本質があるのだろうか?政権交代すればすむ話なのだろうか?安倍元総理のしたことを批判すればよいのか?岸田総理がしている棄民政策を阻止すればよいのか?
30年、40年かかって積み重なった結果が現在なのだから解決するのが容易ではないことは想像にかたくない。でも希望を捨てるわけにはいかない。
本書は現代の日本が抱える数々の問題の原因の根っこが同じであること、そしてなぜこうなってしまったのかを対談形式で明快に解き明かしてくれる本である。テレビや新聞が報道しないことばかりで、SNS上では個別に知ることができることがらを体系的、整合的に私たちに提示する本なのだ。
本書第1章ではウクライナでの戦争について書かれているし、他の章ではコロナウィルスのワクチンの問題、憲法改正や緊急事態条項についても書かれている。それらがなぜ私たちの生活環境の悪化と関係しているか不思議に思う方がいるかもしれない。しかし、問題の根っこは同じなのだ。本書をお読みになるとよくわかる、
ちょっと危なげなこの本も、書店で平積みされるようになった。いずれ書店から撤去する圧力がかかるかもしれないので、今のうちにお買い求めになるとよいだろう。
章立ては次のとおり。詳細目次はこの記事のいちばん下に掲載した。
第1章:戦争の時代に突入した
第2章:金融が平和を解体する
第3章:カルトの支配は終わらない
第4章:理性が消失した日本の情景
第5章:無知による奴隷化というリアル
本書を読んでみて僕が事実と違うのではと思ったことがひとつだけある。それは「今の野党は与党と談合、迎合しているから期待できない」、「共産党は憲法9条を堅持することを主張するものの、自民党の改憲案に含まれる緊急事態条項に強く反対していない」、「立憲民主党も同様である」という記述だ。また本書にはれいわ新選組に関することは書かれていない。
あれ?共産党は改憲自体に反対しているし、立憲民主党も反対していると思うのだけど。と思ってググると次のページが見つかった。
憲法の根本原理を無視 赤嶺氏 緊急事態条項を批判(共産党)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik23/2023-05-12/2023051202_03_0.html
62、憲法(2022参院選/各分野の政策)│2022参議院選挙 (共産党)
https://www.jcp.or.jp/web_policy/2022/06/202207-bunya62.html
立憲の政策がまるごとわかる政策集(憲法)
https://cdp-japan.jp/visions/policies2022/28
野党4党 “緊急事態条項の創設といった改憲は不要”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230503/k10014056671000.html
れいわ新選組はどうかというと、次のとおりである。
憲法記念日 れいわ新選組山本太郎代表談話「緊急事態条項は絶対に阻止」
https://www.sankei.com/article/20220503-D5R5742BFBIEPLKRVWAOIXHVLE/
憲法についてのまとめ(山本太郎:全国比例・れいわ新選組)
https://reiwa-shinsengumi.com/kenpotaro/
野党が弱体化している事実は否めない。しかしこのまま憲法が緊急事態条項を含む自民党案のように改正されると、国民の基本的人権、表現の自由はなくなり、マイナンバーカードを通じて国民の金融資産、固定資産は実質的に政府の意のままに制限されてしまう。SNSやブログで政権批判をすることもできなくなる。そして国政選挙が行われなくなる。ナチス政権時のドイツと同じ状況になってしまうのだ。
とはいえ、ナチス政権時とは大きく異なる点はある。ドイツ国民は独裁者ヒトラーを熱狂的に支持していたが、今の日本の国民は総理大臣をまったく信用していない。たとえ徴用されても嫌々命令に従うだけだ。これは太平洋戦争時の日本兵の態度と比べても大きく違う。
しかし戦争に巻き込まれるのをどのように阻止したらよいのか。本書を読み、国民ひとりひとりが危機意識をもって考えるべきときだと僕は思う。
ちょうど今は8月で、先日「はだしのゲンの紹介記事」を書いたばかりだ。NHKでは太平洋戦争関連の番組をいくつも放送している。「同じ過ちを繰り返すな」という太平洋戦争で命を落とした方々、ご遺族の方々の声を真摯に聞くべき時期である。「歴史は繰り返す」を現実にしてはならない。
本書には2022年5月に刊行されたピンク色の表紙の姉妹書がある。今回は新しいほうの本から読んで紹介したわけだが、姉妹書のほうも読んで紹介したい。新しい黄色い本と重複があるのか、それとも黄色い本に書かれていないことが書かれているのかを確認する予定だ。ぜひ両方とも電子書籍化してほしいと思う。
「日本人が奴隷にならないために―絶対に知らなくてはならない言葉と知識―」
「無思考国家 だから二ホンは滅び行く国になった」
関連動画:
この本を刊行した白馬社(@hakubasha)の広報のまりなさん(@t2PrW6hArJWQR5S)による紹介動画を掲載しておく。
秋嶋亮の新刊『日本人が奴隷にならないために - 絶対に知らなくてはならない言葉と知識 - 』の紹介です。
『日本人が奴隷にならないために - 絶対に知らなくてはならい言葉と知識 - 』からウクライナ戦争の真相についての記述を紹介しています。
SNSに投稿された『日本人が奴隷にならないために - 絶対知らなくてはならない言葉と知識 - 』のレビューの朗読です。
関連記事:
映画『21世紀の資本(2019)』
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/6a153690ce7756a662544f87757f97e9
合本版 はだしのゲン①~⑦ (中公文庫コミック版)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/75d56406860e23915579530c53bdba59
日本国憲法を英語やフランス語で学ぼう
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/740faf3b23a33a02fb63557519a4e527
大日本帝国憲法を英語やフランス語で学ぼう
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f3145a53640f4e543ce42ad3a8fc49a0
玉音放送を英語やフランス語で学ぼう
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/28040da0e207e41001979b66f395838f
「日本人が奴隷にならないために―絶対に知らなくてはならない言葉と知識―」
まえがき
第1章:戦争の時代に突入した
アメリカの公共事業としてのウクライナ戦争
金融軍産複合体 VS プーチン政権という図式
グローバル資本がロシアを侵攻させた
「侵略犯罪」と「自衛戦争」をどう見分けるのか
「戦争になると真っ先に事実が死ぬ」という言葉の通り
犬を調教するように国民を調教する
報道の自由の死滅が示す日本のナチ化
改憲の最大の受益者は外国人投資家である
第2章:金融が平和を解体する
マスコミの詭弁が日本を弾圧国家にした
株価の動きを見れば戦争の目的が分かる
平和とは戦争と戦争の幕間
戦争のための制度調整の過渡期に入った
日本のカネと若者をアメリカの軍事産業に捧げるのか
ペンタゴン・キャピタリズムが国民を奪い尽くす
軍国化議論と安楽死議論がセットの恐怖
「戦争の宣伝のプロ」が動員されている
第3章:カルトの支配は終わらない
投資銀行が日本にミサイルを発射する
日本を破滅させた人物が殺されて英雄になった
ナチスが政権を固めた時代と酷似している
これを「聖職者ファシズム」と言う
売国奴が靖国に参拝したがる理由
選挙で政治が変わるという妄想を捨てられるか
カリスマの容姿と言葉に幻惑され現実が見えない
日本から人権が消える日
「抵抗しない人民」を作るための言葉
第4章:理性が消失した日本の情景
狂気の国の政治家の言葉は空気よりも軽い
コロナ禍という地球規模のホワイトカラー犯罪
知られざる宗教とワクチンとの関係
国家と政治ではなく企業と金融が世界を動かす
企業による企業のための企業の政治
人工知能が人間を採点し人権を調整する時代
上級国民が下級国民を食い物にする新しい資本主義
平凡な人間が収容所の看守のように残酷に振る舞う
スポーツに熱狂する大衆は政治を考えない
第5章:無知による奴隷化というリアル
財政の私物化が最悪の円安をもたらした
「国債を恐れよ!」という絶叫の意味
国債を礼賛するカルトに洗脳されないこと
「債務者監獄国家」の住人であることを自覚する
人間を人間たらしめるものが崩壊した
ニホンという滅び行く国に生まれた子どもたち
「科学に対する戦争」の勃発
文明とは人間を自己家畜化するシステム
現実と虚構の区分が破壊される
昆虫食が語る世界のディストピア化
あとがき
参考文献
内容
戦争国家、憲法改正、国民監視、言論統制、グローバリズム(多国籍企業による植民地化)、巨大薬禍、原子力災害、財政破綻という重層の危機の中で、日本人が搾取され奴隷化するリアルを告発する衝撃の社会学書。
アメリカの公共事業としてのウクライナ戦争 / 犬を調教するように国民を調教する / 報道の自由の死滅が示す日本のナチ化 / 株価の動きを見れば戦争の目的が分かる / 「戦争の宣伝のプロ」が動員されている / 戦争のための制度調整の過渡期に入った / 日本のカネと若者をアメリカの軍事産業に捧げるのか / ペンタゴン・キャピタリズムが国民を奪い尽くす / 投資銀行が日本にミサイルを発射する / 売国奴が靖国に参拝したがる理由 / 日本から人権が消える日 / 「抵抗しない人民」を作るための言葉 / コロナ禍という地球規模のホワイトカラー犯罪 / 知られざる宗教とワクチンとの関係 / 上級国民が下級国民を食い物にする新しい資本主義 / スポーツに熱狂する大衆は政治を考えない / 財政の私物化が最悪の円安をもたらした / 「債務者監獄国家」の住人であることを自覚する / 人間を人間たらしめるものが崩壊した / ニホンという滅び行く国に生まれた子どもたち / 昆虫食が語る世界のディストピア化………
2023年4月28日刊行、248ページ
著者略歴
秋嶋亮(あきしまりょう)響堂雪乃より改名。
全国紙系媒体の編集長を退任し社会学作家に転向。ブログ・マガジン「独りファシズム Ver.0.3」http://alisonn.blog106.fc2.com/ を主宰し、グローバリゼーションをテーマに精力的な情報発信を続けている。主著として『独りファシズム―つまり生命は資本に翻弄され続けるのか?―』(ヒカルランド)、『略奪者のロジック―支配を構造化する210の言葉たち―』(三五館)、『終末社会学用語辞典』(共著、白馬社)、『植民地化する日本、帝国化する世界』(共著、ヒカルランド)、『ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ―15歳から始める生き残るための社会学』(白馬社)、『放射能が降る都市で叛逆もせず眠り続けるのか』(共著、白馬社)、『北朝鮮のミサイルはなぜ日本に落ちないのか―国民は両建構造(ヤラセ)に騙されている―』(白馬社)『続・ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ―16歳から始める思考者になるための社会学』(白馬社)、『略奪者のロジック 超集編―ディストピア化する日本を究明する201の言葉たち―』(白馬社)、『ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへOUTBREAK―17歳から始める反抗者になるための社会学』(白馬社)、『無思考国家―だからニホンは滅び行く国になった―』(白馬社)などがある。
秋嶋亮としての著作: Amazonで検索
響堂雪乃としての著作: Amazonで著作
SNSのTLでこの本を見る機会が増え、先月あたりから読んでみたいと思うようになった。もしかすると過激なトンデモ本、陰謀説に影響された本なのか、それともちゃんとした本なのかを見極めるにはAmazonの内容紹介だけで判断するのは無理だと思ったのだ。結局これは読んでみて正解。トンデモ本でも陰謀説本ではなかった。そして対話形式で書かれているから読みやすい。
物品や電気料金やガソリンの相次ぐ値上げ、消費税は10%どころかますます上がるらしい、社会保険料の増大、防衛費倍増、マイナンバーカードと健康保険証のひもづけ問題、少子高齢化、年金問題、実質賃金減少による貧困化、こどもの貧困化、派遣法の改悪、非正規社員の増加、奨学金問題、自殺率の増加、大学への補助金削減、教育内容や制度の悪化、過度な円安.... 生活は苦しくなり続け、改善する見込みはまったく見えてこない。おまけに政治家や企業は不正のやり放題である。
SNSのTLに流れるこれらのニュースやツイートを毎日見ていると暗澹たる気持ちになり鬱になる人も多いことだろう。ニュースを見ても暗くなる報道ばかりだ。もともと公共の場で政治的な発言をしないのが礼儀とされてきたのが日本社会の常識だったが、下がり続けている投票率を見る限りその傾向はますます強くなっている。
マスコミはこれらの問題のすべて報道していないということにも気がつかされる。報道したとしても、それは何が原因なのか、誰に責任があるかを示さない。本来、マスコミは政治の暴走を監視し、責任追及するのが重要な役割なのだが、ジャーナリズム精神ははるか昔に息絶え、政権の広報媒体と化している。
日本は民主主義国家のはずなのに、今ではまったく独裁国家のように思えてしまう。選挙制度は機能していないのだろうか?
あまりにも問題が多すぎて、全体を考えるともやもやとしてきて、焦点がぼやけてしまうのだ。与党や準与党の長年の政策が悪いとわかっていても、そこに問題の根源、本質があるのだろうか?政権交代すればすむ話なのだろうか?安倍元総理のしたことを批判すればよいのか?岸田総理がしている棄民政策を阻止すればよいのか?
30年、40年かかって積み重なった結果が現在なのだから解決するのが容易ではないことは想像にかたくない。でも希望を捨てるわけにはいかない。
本書は現代の日本が抱える数々の問題の原因の根っこが同じであること、そしてなぜこうなってしまったのかを対談形式で明快に解き明かしてくれる本である。テレビや新聞が報道しないことばかりで、SNS上では個別に知ることができることがらを体系的、整合的に私たちに提示する本なのだ。
本書第1章ではウクライナでの戦争について書かれているし、他の章ではコロナウィルスのワクチンの問題、憲法改正や緊急事態条項についても書かれている。それらがなぜ私たちの生活環境の悪化と関係しているか不思議に思う方がいるかもしれない。しかし、問題の根っこは同じなのだ。本書をお読みになるとよくわかる、
ちょっと危なげなこの本も、書店で平積みされるようになった。いずれ書店から撤去する圧力がかかるかもしれないので、今のうちにお買い求めになるとよいだろう。
章立ては次のとおり。詳細目次はこの記事のいちばん下に掲載した。
第1章:戦争の時代に突入した
第2章:金融が平和を解体する
第3章:カルトの支配は終わらない
第4章:理性が消失した日本の情景
第5章:無知による奴隷化というリアル
本書を読んでみて僕が事実と違うのではと思ったことがひとつだけある。それは「今の野党は与党と談合、迎合しているから期待できない」、「共産党は憲法9条を堅持することを主張するものの、自民党の改憲案に含まれる緊急事態条項に強く反対していない」、「立憲民主党も同様である」という記述だ。また本書にはれいわ新選組に関することは書かれていない。
あれ?共産党は改憲自体に反対しているし、立憲民主党も反対していると思うのだけど。と思ってググると次のページが見つかった。
憲法の根本原理を無視 赤嶺氏 緊急事態条項を批判(共産党)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik23/2023-05-12/2023051202_03_0.html
62、憲法(2022参院選/各分野の政策)│2022参議院選挙 (共産党)
https://www.jcp.or.jp/web_policy/2022/06/202207-bunya62.html
立憲の政策がまるごとわかる政策集(憲法)
https://cdp-japan.jp/visions/policies2022/28
野党4党 “緊急事態条項の創設といった改憲は不要”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230503/k10014056671000.html
れいわ新選組はどうかというと、次のとおりである。
憲法記念日 れいわ新選組山本太郎代表談話「緊急事態条項は絶対に阻止」
https://www.sankei.com/article/20220503-D5R5742BFBIEPLKRVWAOIXHVLE/
憲法についてのまとめ(山本太郎:全国比例・れいわ新選組)
https://reiwa-shinsengumi.com/kenpotaro/
野党が弱体化している事実は否めない。しかしこのまま憲法が緊急事態条項を含む自民党案のように改正されると、国民の基本的人権、表現の自由はなくなり、マイナンバーカードを通じて国民の金融資産、固定資産は実質的に政府の意のままに制限されてしまう。SNSやブログで政権批判をすることもできなくなる。そして国政選挙が行われなくなる。ナチス政権時のドイツと同じ状況になってしまうのだ。
とはいえ、ナチス政権時とは大きく異なる点はある。ドイツ国民は独裁者ヒトラーを熱狂的に支持していたが、今の日本の国民は総理大臣をまったく信用していない。たとえ徴用されても嫌々命令に従うだけだ。これは太平洋戦争時の日本兵の態度と比べても大きく違う。
しかし戦争に巻き込まれるのをどのように阻止したらよいのか。本書を読み、国民ひとりひとりが危機意識をもって考えるべきときだと僕は思う。
ちょうど今は8月で、先日「はだしのゲンの紹介記事」を書いたばかりだ。NHKでは太平洋戦争関連の番組をいくつも放送している。「同じ過ちを繰り返すな」という太平洋戦争で命を落とした方々、ご遺族の方々の声を真摯に聞くべき時期である。「歴史は繰り返す」を現実にしてはならない。
本書には2022年5月に刊行されたピンク色の表紙の姉妹書がある。今回は新しいほうの本から読んで紹介したわけだが、姉妹書のほうも読んで紹介したい。新しい黄色い本と重複があるのか、それとも黄色い本に書かれていないことが書かれているのかを確認する予定だ。ぜひ両方とも電子書籍化してほしいと思う。
「日本人が奴隷にならないために―絶対に知らなくてはならない言葉と知識―」
「無思考国家 だから二ホンは滅び行く国になった」
関連動画:
この本を刊行した白馬社(@hakubasha)の広報のまりなさん(@t2PrW6hArJWQR5S)による紹介動画を掲載しておく。
秋嶋亮の新刊『日本人が奴隷にならないために - 絶対に知らなくてはならない言葉と知識 - 』の紹介です。
『日本人が奴隷にならないために - 絶対に知らなくてはならい言葉と知識 - 』からウクライナ戦争の真相についての記述を紹介しています。
SNSに投稿された『日本人が奴隷にならないために - 絶対知らなくてはならない言葉と知識 - 』のレビューの朗読です。
関連記事:
映画『21世紀の資本(2019)』
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/6a153690ce7756a662544f87757f97e9
合本版 はだしのゲン①~⑦ (中公文庫コミック版)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/75d56406860e23915579530c53bdba59
日本国憲法を英語やフランス語で学ぼう
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/740faf3b23a33a02fb63557519a4e527
大日本帝国憲法を英語やフランス語で学ぼう
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f3145a53640f4e543ce42ad3a8fc49a0
玉音放送を英語やフランス語で学ぼう
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/28040da0e207e41001979b66f395838f
「日本人が奴隷にならないために―絶対に知らなくてはならない言葉と知識―」
まえがき
第1章:戦争の時代に突入した
アメリカの公共事業としてのウクライナ戦争
金融軍産複合体 VS プーチン政権という図式
グローバル資本がロシアを侵攻させた
「侵略犯罪」と「自衛戦争」をどう見分けるのか
「戦争になると真っ先に事実が死ぬ」という言葉の通り
犬を調教するように国民を調教する
報道の自由の死滅が示す日本のナチ化
改憲の最大の受益者は外国人投資家である
第2章:金融が平和を解体する
マスコミの詭弁が日本を弾圧国家にした
株価の動きを見れば戦争の目的が分かる
平和とは戦争と戦争の幕間
戦争のための制度調整の過渡期に入った
日本のカネと若者をアメリカの軍事産業に捧げるのか
ペンタゴン・キャピタリズムが国民を奪い尽くす
軍国化議論と安楽死議論がセットの恐怖
「戦争の宣伝のプロ」が動員されている
第3章:カルトの支配は終わらない
投資銀行が日本にミサイルを発射する
日本を破滅させた人物が殺されて英雄になった
ナチスが政権を固めた時代と酷似している
これを「聖職者ファシズム」と言う
売国奴が靖国に参拝したがる理由
選挙で政治が変わるという妄想を捨てられるか
カリスマの容姿と言葉に幻惑され現実が見えない
日本から人権が消える日
「抵抗しない人民」を作るための言葉
第4章:理性が消失した日本の情景
狂気の国の政治家の言葉は空気よりも軽い
コロナ禍という地球規模のホワイトカラー犯罪
知られざる宗教とワクチンとの関係
国家と政治ではなく企業と金融が世界を動かす
企業による企業のための企業の政治
人工知能が人間を採点し人権を調整する時代
上級国民が下級国民を食い物にする新しい資本主義
平凡な人間が収容所の看守のように残酷に振る舞う
スポーツに熱狂する大衆は政治を考えない
第5章:無知による奴隷化というリアル
財政の私物化が最悪の円安をもたらした
「国債を恐れよ!」という絶叫の意味
国債を礼賛するカルトに洗脳されないこと
「債務者監獄国家」の住人であることを自覚する
人間を人間たらしめるものが崩壊した
ニホンという滅び行く国に生まれた子どもたち
「科学に対する戦争」の勃発
文明とは人間を自己家畜化するシステム
現実と虚構の区分が破壊される
昆虫食が語る世界のディストピア化
あとがき
参考文献