2018年9月8日午後2時5分、僕はついにあの偉大な書物と対面することができた。アイザック・ニュートンの『プリンキピア(自然哲学の数学的原理)』の初版(1687年)である。
9月8日から24日まで上野の森美術館で開催されている[世界を変えた書物]展に行ってきた。
[世界を変えた書物]展: 入場無料
http://www.kanazawa-it.ac.jp/shomotu/
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科学史に偉大な足跡を残した書物ばかりが、同じ場所に集められているのは極めて異例のことだ。これを見逃したら一生後悔する。ドキドキしながら上野に向かった。
なんと会場はフラッシュを焚かない限り写真撮影が許可されている。そして受付で確認したのだが、他の来場者が写っていないように注意するのであれば、撮った写真をSNSにアップしてもよいという。どんどん宣伝してほしいということだった。
初日だから混雑してるかと覚悟していたが、このとおり。ちょうどよい混み具合である。(写真はぼかしておく。)
以下、僕が特に見たかった本の写真を載せておく。展示されていた書物のうちのごく一部だ。中身も見たいだろうからオンライン・アーカイブへのリンクを「閲覧」として貼っておく。
本棚の本は全部本物だ。
拡大: アインシュタインの手書き原稿
拡大: 『アルマゲスト(1496年初版)』
閲覧 ウィキペディア 解説 日本語版
拡大: コペルニクス『天球の回転について(1543年初版)』
閲覧 ウィキペディア 解説 日本語版 日本語完訳版
拡大: ガリレイ『星界の報告(1610年初版)』
閲覧 ウィキペディア 日本語版
拡大: ケプラー『新天文学(1609年初版)』
閲覧 ウィキペディア 日本語版
拡大: ケプラー『世界の調和(1619年初版)』
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拡大: ニュートン『自然哲学の数学的原理(プリンキピア、1687年初版)』
閲覧 ウィキペディア 解説 日本語版
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拡大: オイラー『無限解析入門(1748年初版)』
閲覧 解説 日本語版
拡大: デカルト『方法序説(1637年初版)』
閲覧 ウィキペディア 解説 日本語版
書物はガラスケースに収められているし、ラテン語やギリシャ語は読めないから、書物を鑑賞しに行ったようなものだ。感動したというより、むしろ圧倒された。ひとりの人間が成せることの大きさに畏怖さえ感じた。ヨハネス・グーテンベルクが活版印刷術を発明したのは1445年頃だから、一部の書物は手書きである。それぞれの書物にどれだけの知力と心血が注がれたことだろう。このように貴重な書物の価値が理解できるようになれて、本当によかったと思う。
今夜は余韻にひたりながら、先日紹介した「図説 世界を変えた書物 科学知の系譜:竺 覚暁」を楽しむことにしよう。
「図説 世界を変えた書物 科学知の系譜:竺 覚暁」
アイザック・ニュートンの『プリンキピア(自然哲学の数学的原理)』の初版(1687年)をネタに、これまでに書いた記事は次のとおりである。
- 日本語版「プリンキピア」が背負った不幸
- Kindle版で復刊: 日本語版プリンキピア(自然哲学の数学的原理):アイザック・ニュートン
- Googleで「プリンキピア」や「Principia」を検索すると...
- 英国王立協会、ニュートンが4次元時空の着想を得ていたことを発表
- 例の画像で遊んでみた。
- ニュートン著『プリンキピア』: eBayで買った?そんなわけないだろ。
また、次のような書物についても、これまで記事を書いている。
- 天体の回転について:コペルニクス著、矢島祐利訳
- 宇宙の神秘 新装版:ヨハネス・ケプラー
- 新天文学:ヨハネス・ケプラー
- 全5巻完結!:ラプラスの天体力学論(日本語版)
- 無料で読めるラプラスの『天体力学』のフランス語版と英語版
- 熱の解析的理論:ジョゼフ・フーリエ著、ガストン・ダルブー編纂
- 運動物体の電気力学について(アインシュタイン選集1)
- 一般相対性理論の基礎(アインシュタイン選集2)
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