「マチネの終わりに: 平野 啓一郎」(Kindle版)
内容:
天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。
深く愛し合いながら一緒になることが許されない二人が、再び巡り逢う日はやってくるのか――。
出会った瞬間から強く惹かれ合った蒔野と洋子。しかし、洋子には婚約者がいた。
スランプに陥りもがく蒔野。人知れず体の不調に苦しむ洋子。
やがて、蒔野と洋子の間にすれ違いが生じ、ついに二人の関係は途絶えてしまうが……。
芥川賞作家が贈る、至高の恋愛小説。
結婚した相手は、人生最愛の人ですか?ただ愛する人と一緒にいたかった。なぜ別れなければならなかったのか。恋の仕方を忘れた大人に贈る恋愛小説。
2016年4月刊行、416ページ。
著者について:
平野 啓一郎(ひらの・けいいちろう)
1975年愛知県蒲郡市生。北九州市出身。京都大学法学部卒。1999年在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』により第120回芥川賞を受賞。著書は小説、『葬送』『滴り落ちる時計たちの波紋』『決壊』(芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞)『ドーン』(ドゥマゴ文学賞受賞)『かたちだけの愛』『空白を満たしなさい』、『透明な迷宮』、エッセイ・対談集に『私とは何か 「個人」から「分人」へ』『「生命力」の行方~変わりゆく世界と分人主義』等がある。 2014年、フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。
平野啓一郎さんの著書: Amazonで検索
最後に恋愛感情にとらわれたのはいつだったろう?たまには切ない気持に浸ってみたいものだ。恋愛小説でも読んでみようかと、ツイッターで話題になっていたこの本を読んでみた。自分より10歳以上若い世代の作家だが、芥川賞を受賞しているようだからとKindle版をダウンロードした。
天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)というハイソな男女が主人公。洋子はサダム・フセインの支配が終わり、新政権発足後のバグダッド勤務である。極めて不安定な情勢下で取材を続け、ときどき東京に戻ってくる生活をしている。ギタリストの蒔野との「再会」も東京でのコンサートのことだった。
平野啓一郎さんのファンであれば、のめり込めるのだろう。でも、僕には無理だった。2人の男女が繰り広げる行きつ戻りつの恋愛感情は、しょせん他人事であり、引き込まれるきっかけがなかなかつかめなかった。
若者どうしの猪突猛進の恋愛とは違い、互いの仕事や人間関係のしがらみで会える機会は少ない。相手の気持ちを推し量ったり尊重しようとするあまり、好きだという感情はなかなか結び付くことがない。じれったいには違いないのだけど、そのもどかしさは切ない気持ではなく、冗長な小説だという感情しかもてなかった。相手の感情を推し量るあたりはまるで告白するのを躊躇する中学生、高校生のようである。
中盤あたりで二人の間に邪魔が入り、互いに誤解して決別することになる。この意図的なストーリー設定を僕は受け入れられなかった。その後、別れた2人のそれぞれの生活が描かれ、結末で再び出会うことになる。
文章力はあるのだけど、そしてこの本以外の作品はよいのだろうと思うのだけど、期待して読んだだけに少々残念なことになった。ただ、根強いファンは多いようだから読者を選ぶ作家なのだろう。もう1冊くらいは読んでみようと思う。好みは人それぞれである。
「マチネの終わりに: 平野 啓一郎」(Kindle版)
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小説のタイアップCDもでている。小説にでてくる曲のクラシック・ギターによる演奏だ。Amazon Prime Musicのほか、CD、MP3で聴くことができる。
「マチネの終わりに: 福田進一」
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【収録曲】
第1章:出会いの長い夜
1. ロドリーゴ:アランフェス協奏曲より II. アダージョ
2. レノン&マッカートニー/武満徹編:イエスタデイ
第3章:《ヴェニスに死す》症候群
3. J.S.バッハ/福田進一編:無伴奏チェロ組曲第3番BWV1009より I. プレリュード*
第4章:再会
4. F.ソル:幻想曲 Op.54 bis より II. アレグロ**
第5章:洋子の決断
5. バリオス:大聖堂
6. ヴィラ=ロボス:ガヴォット・ショーロ*
7. アームストロング/鈴木大介編この素晴らしき世界*
8. 林そよか:幸福の硬貨*
第8章:真相
9. ピアソラ:タンゴ組曲より II. アンダンテ、10. III. アレグロ
第9章:マチネの終わりに
11. ブローウェル:黒いデカメロンより I. 戦士のハープ、12. III. 恋する乙女のバラード*
13. ブローウェル:ギター・ソナタ より III. パスキーニによるトッカータ
ボーナストラック
14. 林そよか:幸福の硬貨 ~洋子に捧ぐ*
福田進一(ギター)
飯森範親指揮 ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団 (1)
オスカー・ギリア(ギター)(4)
エドゥアルド・フェルナンデス(ギター)(9、10)
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天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。
深く愛し合いながら一緒になることが許されない二人が、再び巡り逢う日はやってくるのか――。
出会った瞬間から強く惹かれ合った蒔野と洋子。しかし、洋子には婚約者がいた。
スランプに陥りもがく蒔野。人知れず体の不調に苦しむ洋子。
やがて、蒔野と洋子の間にすれ違いが生じ、ついに二人の関係は途絶えてしまうが……。
芥川賞作家が贈る、至高の恋愛小説。
結婚した相手は、人生最愛の人ですか?ただ愛する人と一緒にいたかった。なぜ別れなければならなかったのか。恋の仕方を忘れた大人に贈る恋愛小説。
2016年4月刊行、416ページ。
著者について:
平野 啓一郎(ひらの・けいいちろう)
1975年愛知県蒲郡市生。北九州市出身。京都大学法学部卒。1999年在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』により第120回芥川賞を受賞。著書は小説、『葬送』『滴り落ちる時計たちの波紋』『決壊』(芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞)『ドーン』(ドゥマゴ文学賞受賞)『かたちだけの愛』『空白を満たしなさい』、『透明な迷宮』、エッセイ・対談集に『私とは何か 「個人」から「分人」へ』『「生命力」の行方~変わりゆく世界と分人主義』等がある。 2014年、フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。
平野啓一郎さんの著書: Amazonで検索
最後に恋愛感情にとらわれたのはいつだったろう?たまには切ない気持に浸ってみたいものだ。恋愛小説でも読んでみようかと、ツイッターで話題になっていたこの本を読んでみた。自分より10歳以上若い世代の作家だが、芥川賞を受賞しているようだからとKindle版をダウンロードした。
天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)というハイソな男女が主人公。洋子はサダム・フセインの支配が終わり、新政権発足後のバグダッド勤務である。極めて不安定な情勢下で取材を続け、ときどき東京に戻ってくる生活をしている。ギタリストの蒔野との「再会」も東京でのコンサートのことだった。
平野啓一郎さんのファンであれば、のめり込めるのだろう。でも、僕には無理だった。2人の男女が繰り広げる行きつ戻りつの恋愛感情は、しょせん他人事であり、引き込まれるきっかけがなかなかつかめなかった。
若者どうしの猪突猛進の恋愛とは違い、互いの仕事や人間関係のしがらみで会える機会は少ない。相手の気持ちを推し量ったり尊重しようとするあまり、好きだという感情はなかなか結び付くことがない。じれったいには違いないのだけど、そのもどかしさは切ない気持ではなく、冗長な小説だという感情しかもてなかった。相手の感情を推し量るあたりはまるで告白するのを躊躇する中学生、高校生のようである。
中盤あたりで二人の間に邪魔が入り、互いに誤解して決別することになる。この意図的なストーリー設定を僕は受け入れられなかった。その後、別れた2人のそれぞれの生活が描かれ、結末で再び出会うことになる。
文章力はあるのだけど、そしてこの本以外の作品はよいのだろうと思うのだけど、期待して読んだだけに少々残念なことになった。ただ、根強いファンは多いようだから読者を選ぶ作家なのだろう。もう1冊くらいは読んでみようと思う。好みは人それぞれである。
「マチネの終わりに: 平野 啓一郎」(Kindle版)
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「マチネの終わりに: 福田進一」
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【収録曲】
第1章:出会いの長い夜
1. ロドリーゴ:アランフェス協奏曲より II. アダージョ
2. レノン&マッカートニー/武満徹編:イエスタデイ
第3章:《ヴェニスに死す》症候群
3. J.S.バッハ/福田進一編:無伴奏チェロ組曲第3番BWV1009より I. プレリュード*
第4章:再会
4. F.ソル:幻想曲 Op.54 bis より II. アレグロ**
第5章:洋子の決断
5. バリオス:大聖堂
6. ヴィラ=ロボス:ガヴォット・ショーロ*
7. アームストロング/鈴木大介編この素晴らしき世界*
8. 林そよか:幸福の硬貨*
第8章:真相
9. ピアソラ:タンゴ組曲より II. アンダンテ、10. III. アレグロ
第9章:マチネの終わりに
11. ブローウェル:黒いデカメロンより I. 戦士のハープ、12. III. 恋する乙女のバラード*
13. ブローウェル:ギター・ソナタ より III. パスキーニによるトッカータ
ボーナストラック
14. 林そよか:幸福の硬貨 ~洋子に捧ぐ*
福田進一(ギター)
飯森範親指揮 ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団 (1)
オスカー・ギリア(ギター)(4)
エドゥアルド・フェルナンデス(ギター)(9、10)
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