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「フォック空間と量子場 [上] 増補改訂版 : 新井朝雄」
「フォック空間と量子場 [下] 増補改訂版 : 新井朝雄」
内容:
有限自由度の量子力学の数学的基礎を学んだ人を対象に、無限自由度系である場の量子論の構成的方法を解説する。場の量子論の公理論的方法に関する入門書は優れたものがすでにいくつか出版されている。だが、構成的方法については、有限自由度の(非相対論的)量子力学の数学理論の標準的な部分を学んだ人が、それほど難なく、引き続いて読むことができ、かつ現在進行中の研究へ入ってゆくことが可能であるように組織だてて書かれた入門書はまだないように見える。本書はそのような書物のひとつたらんことを目指すものである。上巻では、数学的に重要なフォック空間の理論を述べる。この巻だけでも、数学的な解説として完結している。第5章に新たな節を追加し説明を補った。
下巻では、上巻の理論の応用編としての量子場の理論を叙述する。公理論的方法の短い叙述である7章を除いて、量子場の個々のモデルを構成し、その基本的性質を論じる。8章から11章にわたって、自由場のクラスに属する量子場を全部で4種類構成する。自由場は相互作用をする素粒子を記述するものではない。相互作用を記述するモデルの論述は12章、13章でなされる。12章では、van Hoveモデルとよばれるモデルを扱う。これは、相互作用をもつ量子場の雛形として、多くの研究者によって、すでによく解析されているモデルである。しかし、本書では、このモデルを抽象的な形で論じ、モデルの普遍的構造を明るみに出した。さらに、質量0の素粒子に関わる赤外発散の問題を詳しく論じた。13章は、複数の非相対論的量子的粒子と量子場が相互作用をする系のモデルの構成と解析に関するものである。ここでは、この分野の最新の研究に直結する内容が論じられている。
著者について:
新井朝雄(あらいあさお): ウィキペディアの記事
1954年埼玉県に生まれる。1976年千葉大学理学部物理学科卒業。1980年東京大学大学院理学系研究科博士課程中退。現在、北海道大学名誉教授、特任教授。理学博士。専門は数理物理学、数学。
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初版が出版されてから16年経った本書は増補改訂版として全面改訂された。この16年間の研究の進展の反映、および説明や証明の不十分な箇所を書き改め、誤植の訂正も行なわれている。
本書の「増補改訂版にあたって」には主な改訂部分と追加部分が12項目に分けて説明されている。
1) 序章を初版よりやや詳しく書き直した。
2) テンソル積ヒルベルト空間の元とベクトルとの縮約の概念を導入した(定理1-5)。これを使うとボソンフォック空間およびフェルミオンフォック空間における消滅作用素の一般的作用を簡潔に表示できる。
3) 2つの稠密に定義された可閉作用素に関する相対的有界性の不等式は、そのまま、それらのテンソル積拡大に対しても成立する、という事実を定理として追加し、証明をあたえた(2-2節)。この定理は、テンソル積ヒルベルト空間上の作用素論を展開する上で基礎となる定理の1つである。
4) 第4章における正準交換関係(CCR)の表現論を書き改め、節の立て方も変更した。初版では扱わなかった新しい例として、量子場のスケール変換を取り上げ、これがCCRのフォック表現と非同値になることの証明をあたえた(4-13節)。これはCCRの非同値表現と物理との関連を示す重要な例の1つである。CCRの非同値表現は特徴的な物理と関連している場合があり、このような関連を探求することは、包括的な自然哲学の観点からも重要である。
5) フェルミオンフォック空間上の第2量子化作用素のスペクトルに関する節を新しく設けた(5-5節)。
6) 正準反交換関係(CAR)の表現に関する節を追加した(5-6節)。CARの表現はCCRの表現と対をなすものであり、CCRの表現の場合と同様、CARの非同値表現と物理との照応を探求することは重要である。
7) ミンコフスキー空間とLorentz変換について、補足的な説明を加えた(7-4-1節)。
8) 第7章への補足として、量子場に関する散乱の一般論(7-7節)を追加した。この理論は、純数学的には、第2量子化作用素の摂動として定義される自己共役作用素のスペクトル解析に応用されうる。
9) 8-4節と8-5節を書き換えた。特に、凝縮系物理学(物性物理学)への応用を念頭において、有界空間上での量子de Broglie場の理論を新たに書き下ろした。
10) 荷電スカラー量子場に関する記述(9-9節)を改訂した。
11) 量子場の相互作用モデルの数学的研究について、本書の初版が出版された2000年以降の進展に関する概観を叙述した(第13章のノートに追加)。
12) 参考文献を上巻と下巻のそれぞれに分けて付した。
以下、目次レベルで初版から改訂された箇所を青字で示すが、黒字の箇所についても多くの改訂が行われているのでご注意いただきたい。
上巻:
数理物理シリーズの刊行にあたって
まえがき
増補改訂版にあたって
記号表
第0章 序:量子場とはどういうものか---スケッチ
- はじめに
- 正準量子化の方法---ハミルトン形式
- 汎関数積分の方法---Feynmanの経路積分法
- 汎関数微分方程式による解法---Schwinger方程式
- ノート
- 演習問題
第1章 ヒルベルト空間のテンソル積
- 共役双線形形式とテンソル積
- L^2空間のテンソル積
- ヒルベルト空間値のL^2関数の空間とテンソル積
- 置換作用素、対称テンソル積、反対称テンソル積
- ノート
- 演習問題
第2章 線形作用素のテンソル積
- 基本的な定義と性質
- 相対的有界性
- スペクトルと自己共役作用素---復習
- 強可換な自己共役作用素の解析
- 自己共役作用素のテンソル積の本質的自己共役性とスペクトル
- 指数型作用素
- ノート
- 演習問題
第3章 全フォック空間と第2量子化作用素
- 無限直和ヒルベルト空間上の線形作用素
- 全フォック空間
- 第2量子化作用素
- 第2量子化作用素の交換特性
- ノート
- 演習問題
第4章 ボソンフォック空間
- はじめに---物理的背景
- ボソンフォック空間
- 消滅作用素と生成作用素
- 線型作用素の簡約
- ボソン的第2量子化作用素
- 生成・消滅作用素と第2量子化作用素との関係
- Segal場
- 直和ヒルベルト空間上のボソンフォック空間
- CCRの表現
- CCRの表現に同伴する第2量子化作用素
- ボゴリューボフ変換
- Heisenberg型CCRの表現
- 場のスケール変換とHeisenberg型CCRの非同値表現
- CCRの表現とHeisenberg型CCRの表現との関係
- CCRのWeyl表現
- ノート
- 演習問題
第5章 フェルミオンフォック空間
- 定義と基本的性質
- 消滅作用素と生成作用素
- 第2量子化作用素
- 第2量子化作用素と生成・消滅作用素の関係
- 第2量子化作用素のスペクトル
- CARの表現
- ノート
- 演習問題
第6章 ボソン-フェルミオンフォック空間と無限次元Dirac型作用素
- ボソン-フェルミオンフォック空間の基本的構造
- 双対境界作用素と境界作用素
- Laplace-Beltrami作用素
- コホモロジー群
- 作用素ΔS,pの核とコホモロジー群H~p_sの次元
- 無限次元Dirac作用素
- 抽象的Dirac作用素
- Dirac作用素Q_sのフレドホルム性と指数
- ノート
- 演習問題
付録A ベクトル列の弱収束と有界作用素列の強収束
付録B 自己共役作用素に関するいくつかの基本的事実
- よく使われる不等式
- 絶対連続スペクトルと特異スペクトル
- 強レゾルヴェント収束
付録C 直和ヒルベルト空間上の作用素
付録D 緩増加超関数
- 急減少関数の空間と緩増加超関数
- 緩増加超関数の位相
- シュワルツの核定理
- 緩増加超関数の微分
- 関数と緩増加超関数の積
- フーリエ変換
- 合成積
参考文献
索引
下巻:
まえがき
第7章 量子場の一般論
- はじめに
- 数学的準備---作用素値超関数
- 量子場の一般概念
- 相対論的量子場
- ユークリッド的量子場
- 抽象的な量子場の概念
- 散乱理論とスペクトル解析
- ノート
- 演習問題
第8章 de Broglie場の量子論
- de Broglie場の形式論
- ボソンフォック空間上での構成---ボソン的量子de Broglie場
- 消滅作用素の作用素値超関数核
- ψ(x)から定まる準双線形形式
- 量子de Broglie場の自己相互作用を定義する際の困難
- フェルミオンフォック空間de Broglie場
- 有界空間上の量子場
- ノート
- 演習問題
第9章 自由なKlein-Gordon場の量子論
- はじめに---基本的アイディア
- 自由な量子KG場
- 作用素値汎関数φ(f)の基本的性質
- フォック空間の巡回性
- ハミルトニアンと運動量作用素
- エネルギー・運動量スペクトル
- Poincare共変性
- 場の交換関係とLorentz不変な超関数
- 真空期待値
- 正準共役場と鋭時刻場
- 運動量切断の入った点様の場
- 量子荷電スカラー場
- ノート
- 演習問題
第10章 電磁場の量子論
- 電磁場の古典論
- 量子輻射場
- 鋭時刻場
- ハミルトニアンと運動量作用素
- 運動量切断をもつ点様の量子輻射場
- 同値な表現---自然な同型対応
- ノート
- 演習問題
第11章 自由なDirac場の量子論
- 自由なDirac場の古典論
- 自由なDirac場の平面波展開
- 量子Dirac場の構成
- 量子場のハミルトニアン、運動量作用素、全電荷作用素
- 量子Dirac場のPoincare共変性
- ノート
- 演習問題
第12章 van Hoveモデル
- はじめに
- 抽象的van Hoveモデルの基本的性質
- スペクトル特性(I)---g ∈ D(T^(-1))の場合
- スペクトル特性(II)---g not∈ D(T^(-1))の場合
- 基底状態の非存在の物理的対応---赤外カタストローフ
- 一般的van Hove-宮武現象
- van Hove-宮武現象とCCRの非同値表現
- ハイゼンベルク場と物理的真空期待値
- フォック表現と異なる、CCRの表現を用いる構成法
- 散乱理論
- 具象的van Hoveモデルへの応用
- ノート
- 演習問題
第13章 粒子と量子場の相互作用モデル
- はじめに
- 準備---定ファイバー直積分
- ある一般的なクラスのハミルトニアンの自己共役性とスペクトル
- Nelsonモデル
- 非相対論的量子電磁力学---Pauli-Fierzモデル
- 一般化されたスピン-ボソンモデル
- ノート
- 演習問題
付録E ヒルベルト空間値関数の積分
参考文献
索引
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「フォック空間と量子場 [下] 増補改訂版 : 新井朝雄」
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関連記事:
量子力学の数学的基礎: J.v.ノイマン
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/09b65f36119894f5b852bbf38421af45
ヒルベルト空間と量子力学:新井朝雄
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/fa4d9da634afbdb8a9dfc1ac162f7afe
発売情報: ヒルベルト空間と量子力学 改訂増補版:新井朝雄
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/84313bfed4331fe0c1343a55a531809a
量子力学の数学的構造 I:新井朝雄、江沢洋
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/196b59dc50fca361ba523036e7eeb908
量子力学の数学的構造 II:新井朝雄、江沢洋
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a4ef01e94a8c0384cec353ebe4d542e4
量子現象の数理:新井朝雄
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/37fca42e04d118e5cb5c129b0edf2d93
発売情報:量子プログラミングの基礎: イン・ミンシェン
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/27e4d9a10982d4d69c0029fc4c801708
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内容:
有限自由度の量子力学の数学的基礎を学んだ人を対象に、無限自由度系である場の量子論の構成的方法を解説する。場の量子論の公理論的方法に関する入門書は優れたものがすでにいくつか出版されている。だが、構成的方法については、有限自由度の(非相対論的)量子力学の数学理論の標準的な部分を学んだ人が、それほど難なく、引き続いて読むことができ、かつ現在進行中の研究へ入ってゆくことが可能であるように組織だてて書かれた入門書はまだないように見える。本書はそのような書物のひとつたらんことを目指すものである。上巻では、数学的に重要なフォック空間の理論を述べる。この巻だけでも、数学的な解説として完結している。第5章に新たな節を追加し説明を補った。
下巻では、上巻の理論の応用編としての量子場の理論を叙述する。公理論的方法の短い叙述である7章を除いて、量子場の個々のモデルを構成し、その基本的性質を論じる。8章から11章にわたって、自由場のクラスに属する量子場を全部で4種類構成する。自由場は相互作用をする素粒子を記述するものではない。相互作用を記述するモデルの論述は12章、13章でなされる。12章では、van Hoveモデルとよばれるモデルを扱う。これは、相互作用をもつ量子場の雛形として、多くの研究者によって、すでによく解析されているモデルである。しかし、本書では、このモデルを抽象的な形で論じ、モデルの普遍的構造を明るみに出した。さらに、質量0の素粒子に関わる赤外発散の問題を詳しく論じた。13章は、複数の非相対論的量子的粒子と量子場が相互作用をする系のモデルの構成と解析に関するものである。ここでは、この分野の最新の研究に直結する内容が論じられている。
著者について:
新井朝雄(あらいあさお): ウィキペディアの記事
1954年埼玉県に生まれる。1976年千葉大学理学部物理学科卒業。1980年東京大学大学院理学系研究科博士課程中退。現在、北海道大学名誉教授、特任教授。理学博士。専門は数理物理学、数学。
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初版が出版されてから16年経った本書は増補改訂版として全面改訂された。この16年間の研究の進展の反映、および説明や証明の不十分な箇所を書き改め、誤植の訂正も行なわれている。
本書の「増補改訂版にあたって」には主な改訂部分と追加部分が12項目に分けて説明されている。
1) 序章を初版よりやや詳しく書き直した。
2) テンソル積ヒルベルト空間の元とベクトルとの縮約の概念を導入した(定理1-5)。これを使うとボソンフォック空間およびフェルミオンフォック空間における消滅作用素の一般的作用を簡潔に表示できる。
3) 2つの稠密に定義された可閉作用素に関する相対的有界性の不等式は、そのまま、それらのテンソル積拡大に対しても成立する、という事実を定理として追加し、証明をあたえた(2-2節)。この定理は、テンソル積ヒルベルト空間上の作用素論を展開する上で基礎となる定理の1つである。
4) 第4章における正準交換関係(CCR)の表現論を書き改め、節の立て方も変更した。初版では扱わなかった新しい例として、量子場のスケール変換を取り上げ、これがCCRのフォック表現と非同値になることの証明をあたえた(4-13節)。これはCCRの非同値表現と物理との関連を示す重要な例の1つである。CCRの非同値表現は特徴的な物理と関連している場合があり、このような関連を探求することは、包括的な自然哲学の観点からも重要である。
5) フェルミオンフォック空間上の第2量子化作用素のスペクトルに関する節を新しく設けた(5-5節)。
6) 正準反交換関係(CAR)の表現に関する節を追加した(5-6節)。CARの表現はCCRの表現と対をなすものであり、CCRの表現の場合と同様、CARの非同値表現と物理との照応を探求することは重要である。
7) ミンコフスキー空間とLorentz変換について、補足的な説明を加えた(7-4-1節)。
8) 第7章への補足として、量子場に関する散乱の一般論(7-7節)を追加した。この理論は、純数学的には、第2量子化作用素の摂動として定義される自己共役作用素のスペクトル解析に応用されうる。
9) 8-4節と8-5節を書き換えた。特に、凝縮系物理学(物性物理学)への応用を念頭において、有界空間上での量子de Broglie場の理論を新たに書き下ろした。
10) 荷電スカラー量子場に関する記述(9-9節)を改訂した。
11) 量子場の相互作用モデルの数学的研究について、本書の初版が出版された2000年以降の進展に関する概観を叙述した(第13章のノートに追加)。
12) 参考文献を上巻と下巻のそれぞれに分けて付した。
以下、目次レベルで初版から改訂された箇所を青字で示すが、黒字の箇所についても多くの改訂が行われているのでご注意いただきたい。
上巻:
数理物理シリーズの刊行にあたって
まえがき
増補改訂版にあたって
記号表
第0章 序:量子場とはどういうものか---スケッチ
- はじめに
- 正準量子化の方法---ハミルトン形式
- 汎関数積分の方法---Feynmanの経路積分法
- 汎関数微分方程式による解法---Schwinger方程式
- ノート
- 演習問題
第1章 ヒルベルト空間のテンソル積
- 共役双線形形式とテンソル積
- L^2空間のテンソル積
- ヒルベルト空間値のL^2関数の空間とテンソル積
- 置換作用素、対称テンソル積、反対称テンソル積
- ノート
- 演習問題
第2章 線形作用素のテンソル積
- 基本的な定義と性質
- 相対的有界性
- スペクトルと自己共役作用素---復習
- 強可換な自己共役作用素の解析
- 自己共役作用素のテンソル積の本質的自己共役性とスペクトル
- 指数型作用素
- ノート
- 演習問題
第3章 全フォック空間と第2量子化作用素
- 無限直和ヒルベルト空間上の線形作用素
- 全フォック空間
- 第2量子化作用素
- 第2量子化作用素の交換特性
- ノート
- 演習問題
第4章 ボソンフォック空間
- はじめに---物理的背景
- ボソンフォック空間
- 消滅作用素と生成作用素
- 線型作用素の簡約
- ボソン的第2量子化作用素
- 生成・消滅作用素と第2量子化作用素との関係
- Segal場
- 直和ヒルベルト空間上のボソンフォック空間
- CCRの表現
- CCRの表現に同伴する第2量子化作用素
- ボゴリューボフ変換
- Heisenberg型CCRの表現
- 場のスケール変換とHeisenberg型CCRの非同値表現
- CCRの表現とHeisenberg型CCRの表現との関係
- CCRのWeyl表現
- ノート
- 演習問題
第5章 フェルミオンフォック空間
- 定義と基本的性質
- 消滅作用素と生成作用素
- 第2量子化作用素
- 第2量子化作用素と生成・消滅作用素の関係
- 第2量子化作用素のスペクトル
- CARの表現
- ノート
- 演習問題
第6章 ボソン-フェルミオンフォック空間と無限次元Dirac型作用素
- ボソン-フェルミオンフォック空間の基本的構造
- 双対境界作用素と境界作用素
- Laplace-Beltrami作用素
- コホモロジー群
- 作用素ΔS,pの核とコホモロジー群H~p_sの次元
- 無限次元Dirac作用素
- 抽象的Dirac作用素
- Dirac作用素Q_sのフレドホルム性と指数
- ノート
- 演習問題
付録A ベクトル列の弱収束と有界作用素列の強収束
付録B 自己共役作用素に関するいくつかの基本的事実
- よく使われる不等式
- 絶対連続スペクトルと特異スペクトル
- 強レゾルヴェント収束
付録C 直和ヒルベルト空間上の作用素
付録D 緩増加超関数
- 急減少関数の空間と緩増加超関数
- 緩増加超関数の位相
- シュワルツの核定理
- 緩増加超関数の微分
- 関数と緩増加超関数の積
- フーリエ変換
- 合成積
参考文献
索引
下巻:
まえがき
第7章 量子場の一般論
- はじめに
- 数学的準備---作用素値超関数
- 量子場の一般概念
- 相対論的量子場
- ユークリッド的量子場
- 抽象的な量子場の概念
- 散乱理論とスペクトル解析
- ノート
- 演習問題
第8章 de Broglie場の量子論
- de Broglie場の形式論
- ボソンフォック空間上での構成---ボソン的量子de Broglie場
- 消滅作用素の作用素値超関数核
- ψ(x)から定まる準双線形形式
- 量子de Broglie場の自己相互作用を定義する際の困難
- フェルミオンフォック空間de Broglie場
- 有界空間上の量子場
- ノート
- 演習問題
第9章 自由なKlein-Gordon場の量子論
- はじめに---基本的アイディア
- 自由な量子KG場
- 作用素値汎関数φ(f)の基本的性質
- フォック空間の巡回性
- ハミルトニアンと運動量作用素
- エネルギー・運動量スペクトル
- Poincare共変性
- 場の交換関係とLorentz不変な超関数
- 真空期待値
- 正準共役場と鋭時刻場
- 運動量切断の入った点様の場
- 量子荷電スカラー場
- ノート
- 演習問題
第10章 電磁場の量子論
- 電磁場の古典論
- 量子輻射場
- 鋭時刻場
- ハミルトニアンと運動量作用素
- 運動量切断をもつ点様の量子輻射場
- 同値な表現---自然な同型対応
- ノート
- 演習問題
第11章 自由なDirac場の量子論
- 自由なDirac場の古典論
- 自由なDirac場の平面波展開
- 量子Dirac場の構成
- 量子場のハミルトニアン、運動量作用素、全電荷作用素
- 量子Dirac場のPoincare共変性
- ノート
- 演習問題
第12章 van Hoveモデル
- はじめに
- 抽象的van Hoveモデルの基本的性質
- スペクトル特性(I)---g ∈ D(T^(-1))の場合
- スペクトル特性(II)---g not∈ D(T^(-1))の場合
- 基底状態の非存在の物理的対応---赤外カタストローフ
- 一般的van Hove-宮武現象
- van Hove-宮武現象とCCRの非同値表現
- ハイゼンベルク場と物理的真空期待値
- フォック表現と異なる、CCRの表現を用いる構成法
- 散乱理論
- 具象的van Hoveモデルへの応用
- ノート
- 演習問題
第13章 粒子と量子場の相互作用モデル
- はじめに
- 準備---定ファイバー直積分
- ある一般的なクラスのハミルトニアンの自己共役性とスペクトル
- Nelsonモデル
- 非相対論的量子電磁力学---Pauli-Fierzモデル
- 一般化されたスピン-ボソンモデル
- ノート
- 演習問題
付録E ヒルベルト空間値関数の積分
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