はじめてこのブログをお読みになる方のための紹介記事です。ブログの自己紹介欄には次のように書きました。
「原子のレベルではテレポーテーションの実験が成功していることに衝撃を受けたのがきっかけで、大学卒業後20年ぶりに趣味で物理学と数学の勉強をはじめました。 」
普通の会社員が市販されている本だけを読んで物理学や数学をどこまで理解できるのか?最先端の理論までたどり着くことができるのか?そのような気持ちで楽しみながら読書を続けている日々を綴ったブログです。
いつか相対性理論や量子力学、超弦理論を理解してみたい。学生時代に物理学を専攻していなくてもそのように思っている人はたくさんいるはずです。かくいう僕も大学時代は数学を専攻していて物理学の知識はほとんどありませんでした。(数学にしても大学3年のときに落ちこぼれていました。)
アイザック・ニュートンが著書『プリンキピア』で万有引力の法則を発表したのは1687年で江戸時代前期のことです。そしてジェームズ・クラーク・マクスウェルが電磁気学の法則(マクスウェル方程式)を完成させたのは1864年の幕末です。理数系を選択していても高校までの物理で計算方法を学べるのはそのあたりまでです。(原子や素粒子のことも高校で学びますが、ほんのさわり程度で計算方法は学べません。)
数学にいたっては数学IIIまで履修したとしても、学べるのは大ざっぱに言って18世紀初頭(江戸時代中期)までに研究された内容にすぎません。
物理学にしても数学にしても、それ以降に見つかったことは大学に入ってからしか学ぶことができないわけです。さまざまな電気製品、交通機関や移動手段が利用可能になり生活スタイルは大きく変わりましたが、ほとんどの人の自然の理解のレベルは江戸時代や明治時代の人と大差ないのです。現代人のほとんどは相対性理論や量子力学というのがあるのを知っているだけで理解しているわけではありません。
これだけ長い年月をかけて数千人(数万人?)の天才たちが苦労して発見し、私たちに残してくれた貴重な知的資産を理解せずに一生を終えてしまうのは実にもったいないとは思いませんでしょうか?
小説を読んだり、音楽を聴いたりすることも人生を豊かにしてくれます。僕もそれらを楽しむのは大好きです。けれどもそれらはしょせん一人の小説家や音楽家の限られた頭の中で創作されたものにすぎません。物理学や数学のように先人の知恵や成果をもとに積み上げられていくものではないからです。
相対性理論や量子力学も理解したいですし、できれば超弦理論も理解したいものです。けれどもそれ以前にどれほどの人が身の回りのことをちゃんと理解できているでしょうか?
- 目の前のガラスのコップはなぜ透明に見えるのでしょうか?
- 物や自分自身は原子でできていると教えられていても、見たことのないそれはなぜあると言えるのでしょうか?
- テレビなど電気製品に使うリモコンはなぜ赤外線を使うのでしょうか?
- スマートホンを使うと充電した電気(電子)はどこかに消えてなくなってしまうのでしょうか?
など、世の中はきちんと学ばないとわからないことだらけです。これらは高校までの授業では学ぶことができません。
空間や時間、原子や電子、光子(そしてそのほかの素粒子)、そしてそれらの間に働く力やエネルギーの振る舞いを学んでいくうちに、これらの疑問は少しずつ解決していくのです。私たちの目にはそれぞれ違って見えるこの世界の出来事も、もとを正せば自然界を構成するこれらの要素の働きによるものです。
いずれ相対性理論やテレポーテーション、超弦理論を理解したいと読書を続けていくうちに僕はこのように身近かな自然現象を理解することの面白さにも気が付きはじめました。
本を1冊読んでは感想記事を書くというようなことを11年続けています。始めてから6年後には感想記事が200冊ぶんに達しました。そこまでの経験は「200冊の理数系書籍を読んで得られたこと」という記事にまとめてあります。200冊ぶんの書名は「最初に読んだ理数系書籍200冊の書名一覧」でご覧いただけます。
それから4年後には感想記事が300冊に達しました。201冊めから300冊めについては「300冊の理数系書籍を読んで得られたこと」という記事にまとめてあります。
超弦理論まで時間を無駄にすることなく学んでみたいという方のためには「超弦理論への最短ルート: 40冊の物理学、数学書籍」や「超弦理論に至る100冊の物理学、数学書籍」という記事にまとめておきました。
このほか高校生や大学1、2年生向けには「高校生にお勧めする30冊の物理学、数学書籍」や「大学で学ぶ数学とは(概要編)」がお勧めです。
地道な読書を続けた結果、始めてから1年後には相対性理論と量子力学を、6年後には量子テレポーテーションをかろうじて理解でき、7年後には超弦理論の入門書を読み始めることができました。それぞれ「時空の幾何学:特殊および一般相対論の数学的基礎」、「量子光学と量子情報科学:古澤明」、「初級講座弦理論 基礎編:B.ツヴィーバッハ」、「初級講座弦理論 発展編:B.ツヴィーバッハ」という記事にまとめてあります。そして最初の10年間のことは「祝: とね日記はおかげさまで10周年!」でお読みいただけます。
分野別に記事を探したい方は「記事一覧(分野別)」からお入りください。
このようなわけで、ほとんどは本の感想記事なので物理学や数学を学べるわけではありません。けれどもそれらの面白さを高校生レベルの読者に伝えることはできないだろうかという観点から、いくつか記事を書いています。お勧めは次のような記事です。
数学:
- 因数分解って何の役に立つの?
- 高次元空間の隙間の大きさ
- キス数
- "5" で現れる不思議な形 (フェルマー点の話)
- 多次元空間へのお誘い(連載記事)
- 虚数は私たちの世界観を変えてしまった。
- 虚数や複素数に大小がないのはなぜ?
物理学:
- 「理科復活プロジェクト」始動!
- 地球を8000万個に分割してみた - 重心と質点の話
- 半地球の重力場を描いてみた - 重心と質点の話
- ストッキングを使った極小曲面、最小面積曲面の実験
- 鉛筆はどれくらいの時間立っていられるか?
とね日記はこのようなブログです。しかし、これを続けていてもノーベル賞候補になれるわけではありません。研究をしているわけではありませんし、論文も書いていないわけですから。それなら自分で賞を作ってみてはどうだろうかと思って2010年に始めたのが「とね日記賞」です。その年に読んだ本のうち特に素晴らしいと思った本に賞をあげてしまおうというわけです。
ブログの紹介をしながら、リンクでたくさんの入口をつけてみました。10年以上続けていますからブログの中は迷宮のようになっています。ぜひ興味のある入口からお入りください。
読書や勉強から得られる知識や発見はお金では買うことのできない価値のひとつです。
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