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木星の衛星エウロパ、表面で水噴出か 高さ200キロ(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASJ9W2FLTJ9WUHBI00C.html?iref=comtop_8_02
というニュースがNASAから発表されたが、僕はエウロパの写真に写っている「筋」のほうが気になってしまい、次のようなツイートをした。この複雑な筋が人工的な構造物だと思っているわけではないが、見れば見るほど興味深い。みなさんはどのようにお感じになるだろうか?
以下、ツイートした順に紹介する。
- エウロパ表面に見える「筋」は何だろう? 川や「流れ」はこのように交差しないから、それ以外のものだと思う。人間の血管のX線写真に似てる。(「流れ」が交差しない理由)
エウロパの表面
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網膜の血管
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- 「筋」は表面の「色の濃い地域どうし」を結んでいるように見える。しかも最短距離(大円)にかなり近いと思う。
- 「筋どうしのつながり方」や「筋の曲がり方」から判断すると細くて薄い筋のほうが濃くて太い筋よりも古い時代に形成されたのだと思う。
- 自転軸はやはり上下方向なのだろうな。 上のほうのまっすぐ伸びた筋と真ん中あたりのごちゃごちゃした筋とは何らかの「意味の違い」を感じる。
エウロパの表面
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- 「間欠泉」のある方向に伸びている筋は無いように見える。(7時の方向に噴出しているのが「間欠泉」とみられている。)
エウロパの表面と間欠泉
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エウロパの表面は探査機ガリレオによるとこのようになっているそうだ。筋はほとんど「道路地図」に見えるし、細い筋は2重かつ平行に伸びているものが多い。縦横無尽に伸びていることから潮汐力が原因の場合、自転軸がコマの首振り運動のように長い間に回転したことをうかがわせる。そして太い筋は幹線道路のように見える。このような模様が本当に潮汐力による歪みの繰り返しによってできたのだろうか?
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エウロパに生命が存在する?カオス地形からわかる、塩類を含む海の存在
http://sciencejournal.livedoor.biz/archives/3692473.html
エウロパ表面の筋模様は海塩かもしれない
http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/356_europa
エウロパの表面地形と内部構造・進化 - 東京大学地震研究所(PDF)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110003320329
エウロパの自転周期は3.55日。イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストの4つをガリレオ衛星と呼んでいる。イオの公転周期:エウロパの公転周期:ガニメデの公転周期 ≒ 1:2:4 という関係が成り立っているが、これは軌道共鳴という天体力学のメカニズムにより説明されている。またいずれも自転周期は公転と同期している。潮汐力が複雑な地形を作るのも、このような力学的条件の特殊性によるものかもしれない。
次のアニメーションは木星(JUPITER)の3つの衛星、イオ(IO)、エウロパ(EUROPA)、ガニメデ(GANYMEDE)間にはラプラス共鳴が存在することをあらわしている。図の数字はイオの周期を1としたときの、それぞれの周期の割合だ。
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なお、ウィキペディアの「エウロパ(衛星)」の項目には次の記載がある。(Googleでエウロパの画像を検索する。)
表面は少なくとも厚さ3km以上の氷で覆われており、所々にひび割れが走っている。イオの次に木星に近く、公転周期がイオの2倍、ガニメデの半分という軌道共鳴の状態にあるため、強い潮汐力の変動に晒されている。その潮汐力で発生する熱によって表面の固い氷層の下は深さ数十から百数十kmにわたって氷が融け、シャーベット状で液体の海になっており、地球の海洋深部にあるような熱水噴出孔も存在すると考えられている。生命が存在する可能性も示唆されている。
内部海の存在は、内部の熱的状態に関する理論的計算によって1970年代には既にそれを予想する説が出されていた。1990年代に行われたガリレオ探査機による調査では、エウロパの表面に氷が一度割れて再び固まったような地形が発見され、海の存在を強く想起させるものとして注目を集めた。
エウロパの表面を覆う氷は、潮汐力によるエウロパ自体の歪みのために裂け目が出来たり塞がったりを繰り返しており、「リネア(Lineae, 線状地形)」や「マキュラ(白斑)」のような独特の地形が多い。一方でクレーターは少なく、古いクレーターは侵食などによって消滅したと考えられている。
最後に今年5月にお亡くなりになった冨田勲さんのホルストの組曲「惑星(1977)」を紹介しておこう。
冨田勲さんのCD: Amazonで検索
取り急ぎ、昼食時間を使って投稿させていただいた。
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木星の衛星エウロパ、表面で水噴出か 高さ200キロ(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASJ9W2FLTJ9WUHBI00C.html?iref=comtop_8_02
というニュースがNASAから発表されたが、僕はエウロパの写真に写っている「筋」のほうが気になってしまい、次のようなツイートをした。この複雑な筋が人工的な構造物だと思っているわけではないが、見れば見るほど興味深い。みなさんはどのようにお感じになるだろうか?
以下、ツイートした順に紹介する。
- エウロパ表面に見える「筋」は何だろう? 川や「流れ」はこのように交差しないから、それ以外のものだと思う。人間の血管のX線写真に似てる。(「流れ」が交差しない理由)
エウロパの表面
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網膜の血管
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- 「筋」は表面の「色の濃い地域どうし」を結んでいるように見える。しかも最短距離(大円)にかなり近いと思う。
- 「筋どうしのつながり方」や「筋の曲がり方」から判断すると細くて薄い筋のほうが濃くて太い筋よりも古い時代に形成されたのだと思う。
- 自転軸はやはり上下方向なのだろうな。 上のほうのまっすぐ伸びた筋と真ん中あたりのごちゃごちゃした筋とは何らかの「意味の違い」を感じる。
エウロパの表面
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- 「間欠泉」のある方向に伸びている筋は無いように見える。(7時の方向に噴出しているのが「間欠泉」とみられている。)
エウロパの表面と間欠泉
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エウロパの表面は探査機ガリレオによるとこのようになっているそうだ。筋はほとんど「道路地図」に見えるし、細い筋は2重かつ平行に伸びているものが多い。縦横無尽に伸びていることから潮汐力が原因の場合、自転軸がコマの首振り運動のように長い間に回転したことをうかがわせる。そして太い筋は幹線道路のように見える。このような模様が本当に潮汐力による歪みの繰り返しによってできたのだろうか?
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エウロパに生命が存在する?カオス地形からわかる、塩類を含む海の存在
http://sciencejournal.livedoor.biz/archives/3692473.html
エウロパ表面の筋模様は海塩かもしれない
http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/356_europa
エウロパの表面地形と内部構造・進化 - 東京大学地震研究所(PDF)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110003320329
エウロパの自転周期は3.55日。イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストの4つをガリレオ衛星と呼んでいる。イオの公転周期:エウロパの公転周期:ガニメデの公転周期 ≒ 1:2:4 という関係が成り立っているが、これは軌道共鳴という天体力学のメカニズムにより説明されている。またいずれも自転周期は公転と同期している。潮汐力が複雑な地形を作るのも、このような力学的条件の特殊性によるものかもしれない。
次のアニメーションは木星(JUPITER)の3つの衛星、イオ(IO)、エウロパ(EUROPA)、ガニメデ(GANYMEDE)間にはラプラス共鳴が存在することをあらわしている。図の数字はイオの周期を1としたときの、それぞれの周期の割合だ。
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なお、ウィキペディアの「エウロパ(衛星)」の項目には次の記載がある。(Googleでエウロパの画像を検索する。)
表面は少なくとも厚さ3km以上の氷で覆われており、所々にひび割れが走っている。イオの次に木星に近く、公転周期がイオの2倍、ガニメデの半分という軌道共鳴の状態にあるため、強い潮汐力の変動に晒されている。その潮汐力で発生する熱によって表面の固い氷層の下は深さ数十から百数十kmにわたって氷が融け、シャーベット状で液体の海になっており、地球の海洋深部にあるような熱水噴出孔も存在すると考えられている。生命が存在する可能性も示唆されている。
内部海の存在は、内部の熱的状態に関する理論的計算によって1970年代には既にそれを予想する説が出されていた。1990年代に行われたガリレオ探査機による調査では、エウロパの表面に氷が一度割れて再び固まったような地形が発見され、海の存在を強く想起させるものとして注目を集めた。
エウロパの表面を覆う氷は、潮汐力によるエウロパ自体の歪みのために裂け目が出来たり塞がったりを繰り返しており、「リネア(Lineae, 線状地形)」や「マキュラ(白斑)」のような独特の地形が多い。一方でクレーターは少なく、古いクレーターは侵食などによって消滅したと考えられている。
最後に今年5月にお亡くなりになった冨田勲さんのホルストの組曲「惑星(1977)」を紹介しておこう。
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取り急ぎ、昼食時間を使って投稿させていただいた。
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「FC2自然科学ブログランキング」:不正の例1 例2(クリックしてからTwitterアプリで開くと画像は鮮明に見れます。)
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