「知識ゼロからの異常気象入門:斉田季実治」(Kindle版)
内容紹介:
昔と天気が変わった? 災害が増えている? 天気のギモンを人気気象キャスターが解説!
最近のテレビでは、天気予報はもちろん、ニュースのなかでも天気を扱うことが多くなっています。
これは、「昔と天気が変わってきた」「災害が増えている」と感じている人が多いためだと思いますが、それは本当でしょうか?
この本では、私たちの生活に大きくかかわる天気に、いま何が起きているのか、今後どうなると予想されているのかを、NHK気象キャスターとして「気象情報1958」「NEWS WEB」でおなじみの斉田季実治さんが解説。
40℃を超える猛暑、都市機能をマヒさせる大雪、爆弾低気圧、竜巻、ゲリラ豪雨…全世界で続発する気象現象は、何が原因か?身近な災害から、いかに身を守るか?豊富なイラストや図解で、親しみやすい一冊となっています。2015年5月刊行、143ページ。
著者について:
斉田季実治(さいたきみはる):ウィキペディアの記事
1975年、東京都生まれ。北海道大学で海洋気象学を専攻し、在学中に気象予報士資格を取得。北海道文化放送の報道記者、民間の気象会社などを経て、2006年からNHK気象キャスター。現在は「首都圏ニュース845」「NEWS WEB」に出演中。
公式ウェブサイト: http://www.tenki-saita.com/
理数系書籍のレビュー記事は本書で284冊目。
茨城県常総市で鬼怒川の堤防が決壊したのは先月9日の夜から10日にかけてのことだ。千葉県で突風被害がおきたのはその3日前である。このところ過ごしやすい秋晴れの日が続いているので忘れかけていた。
子供の頃と今では天気の様子が全く違う気がする。僕の世代の方は、みなさんそう実感していることだろう。気温にしても降雨量にしても平均すれば昔とそれほど違わないのかもしれないが、突発的な気候変化、天候悪化は確実に増えていると思うのだ。
大地震や火山噴火も心配だが、異常気象による災害のほうがずっと頻繁に起きている。大雪、大雨、集中豪雨、巨大台風、竜巻、猛暑、大寒波など想定外の気象現象から災害が起こるたび、被害を受けた方のことを思って気の毒になっている昨今。
これから先、この傾向はますます悪化していくのだろうか?
地球全体が異常気象の時期に入ったと言い切ってよいのだろうか?
地球温暖化が異常気象の原因だと言われているが、それは本当だろうか?
温暖化は人類が排出する二酸化炭素が原因だと言われているが、それは本当だろうか?
日常感じるこのような疑問を整理して解説してくれるのが本書である。今年の5月に刊行されたばかりなので、最近私たちが耳にした気象災害までカバーしているのがお勧めな点だ。
中学時代は天体観測が趣味だったので、天気のことはいつも気になっていた。観測条件は天気だけでなく大気の透明度や気流の状態にも左右される。天気予報から得られる情報だけで足りないところは自分の経験を頼りにして予測するしかない。
中学1年(1975年)、天体観測を始めたばかりの頃の観測ノート(自分で天気予報をしていたことが読み取れる。)
拡大
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中学2年の秋には月面の地形に興味をもっていたようだ。大気の気流や透明度について書いていることが読み取れる。(この年の夏と秋にバイキング1号と2号が相次いで火星に着陸して史上初の火星表面のカラー写真を送ってきた。)
スケッチ1 スケッチ2 スケッチ3
新聞の天気図は切り抜いて観測ノートに貼っていたし、気象通報を聞いて天気図を何枚も書いていた。また気象についての解説本や観天望気の本も何冊か読んでいたから、ひととおりの知識は持っていた。(気象通報は今でも毎日1回午後4時からラジオ第2で放送されているし、天気図用紙も購入可能だ。)
Let's観天望気
http://freedom.mitene.or.jp/~tsune/
雲から天気を予測しよう
http://www.geocities.jp/fly_diary/framepage31.html
突ちゃんのコツコツ気象通報データ
http://y2kuda.blog45.fc2.com/
天気図用紙: Amazonで検索
でも僕が自分で天気予報をしていたのは1970年代のこと。季節は規則正しく移り変わり、災害に結びつくような異常気象はあまりなかった時代だ。だから気象について学ぶのは災害とは無縁の楽しい時間だった。
あれから40年が経ち、気象に関する本を久しぶりに読んだわけだ。気象が変化する基本的なしくみは昔と変わっていないし台風や大雪は昔からあったのだけれど、異常気象の解説の部分は目新しかった。僕にとって気象を学ぶ意味や目的が大きく変化していることに気が付いた。
気象衛星による観測や数値予報も格段に進歩している。しかしゲリラ豪雨や爆弾低気圧などという言葉が使われだしたのはいつ頃からだろう。想定外の気象現象が突発的に起こるようになったものだから、実感として観測や予報の精度が向上が追いついていない気もする。実際のところはどうなのだろう?
本書の章立ては次のとおり。
1章 天気がおかしい!
2章 「異常気象」とは何か
3章 何が天気を狂わせる?
4章 すっかり変わった? 日本の天気
5章 おかしな天気から身を守れ!
6章 知っておきたい天気の知識
著者は「NEWS WEB」でおなじみの斉田季実治さん。長年気象の仕事に携わり、視聴者に予報を伝えるだけでなく災害についての注意喚起や解説をされている。天候の状況によっては最悪の場合、生活基盤や生命を失うこともあるわけだから「伝え方」はとても大切だ。気象予報士という仕事に対する斉田さんの熱意が伝わってくる一冊だ。
長年の仕事の中で斉田さんが培われてきた知識や経験が本書の構成や内容に反映されている。さまざまなタイプの異常気象がなぜ起きているのか、どのような点に注意すべきなのかが書かれている。筋道を立てて理解することで日ごろの防災に大いに役に立つ本だと思った。もちろん新しいタイプの気象現象やしくみが理解できるので知的好奇心も満たされる。
理数系書籍として紹介したが、理系文系を問わず読んておいたほうがよい本だと思った。
2013年に斉田さんは次の本もお書きになっている。あわせてお読みになるとよいだろう。
「いのちを守る気象情報:斉田季実治」(Kindle版)
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「知識ゼロからの異常気象入門:斉田季実治」(Kindle版)
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1章 天気がおかしい!
- 夏がおかしい! ~人命をも奪いかねない強烈な熱波~
- 冬がおかしい! ~温暖化なのに大豪雪?~
- 雨がおかしい! ~降りすぎる! 降らなすぎる!~
- 台風がおかしい! ~強大化する熱帯低気圧~
斉田気象予報士の気象コラム1:天気予報は日進月歩
2章 「異常気象」とは何か
- 何と比べて「異常」なのか
- 「異常」か、単なる「変動」か
- 「地球温暖化」とは何か
- 何が地球を熱くする?
- 温暖化すると何が困る?
- CO2だけが悪者か
- 本当は地球は冷えている?
- 国際協力で何をすべきか
斉田気象予報士の気象コラム2:どんどん精密になる観測
3章 何が天気を狂わせる?
- 海が変われば空も変わる
- ペルー沖の海水温に注意!
- つながっている「ここ」と「よそ」
- 地球規模で吹き続ける風
- 西風は揺れ動く
- 閉じ込められた気圧配置
- 氷の融解が止まらない
- 気候変動は天文現象?
- 地球を冷やす灰のベール
- 台風は今後どうなるか
斉田気象予報士の気象コラム3:「ハイエイタス」という現象
4章 すっかり変わった? 日本の天気
- 暑いぞ、ニッポン!
- 便利な暮らしが気温をあげる
- 風通しがよくない東京
- 雨雲は都会を目指す
- 「経験したことのない大雨」の多発
- 天空を駆け抜ける「大型爆弾」
- 想定外の大雪で首都圏混乱
- 空から弾丸が降ってくる?
- もう竜巻は珍しくない?
- 虫たちは北を目指す?
斉田気象予報士の気象コラム4:災害に備えるということ
5章 おかしな天気から身を守れ!
- 土砂災害の恐怖
- 川の水は「時間差」で襲う
- 都市の浸水は一気に増える
- 台風の知識は全国民必須
- 落雷から身を守る
- 雪は降ったあとが怖い
- 熱中症を甘くみるな!
- 竜巻は不意打ちをする
- 情報収集が身を守る
- 万一に備えろ!とにかく逃げろ!
斉田気象予報士の気象コラム5:いまいる場所はどんな場所?
6章 知っておきたい天気の知識
- 「空気の重さ」が天気をつくる
- 低気圧と台風は何が違う?
- 雲はどうしてできるのか
- 雨を降らせるのはどんな雲?
- 「不安定な大気」とはどういう状態?
- 「前線」とは何だ?
- 天気が西から変わる理由
- 台風は日本ばかりを狙う?
- 四季折々の気圧配置
- 天気図が読めれば明日がわかる
斉田気象予報士の気象コラム6:気象予報士になる!
資料
索引
気象の情報サイトと携帯アプリ
内容紹介:
昔と天気が変わった? 災害が増えている? 天気のギモンを人気気象キャスターが解説!
最近のテレビでは、天気予報はもちろん、ニュースのなかでも天気を扱うことが多くなっています。
これは、「昔と天気が変わってきた」「災害が増えている」と感じている人が多いためだと思いますが、それは本当でしょうか?
この本では、私たちの生活に大きくかかわる天気に、いま何が起きているのか、今後どうなると予想されているのかを、NHK気象キャスターとして「気象情報1958」「NEWS WEB」でおなじみの斉田季実治さんが解説。
40℃を超える猛暑、都市機能をマヒさせる大雪、爆弾低気圧、竜巻、ゲリラ豪雨…全世界で続発する気象現象は、何が原因か?身近な災害から、いかに身を守るか?豊富なイラストや図解で、親しみやすい一冊となっています。2015年5月刊行、143ページ。
著者について:
斉田季実治(さいたきみはる):ウィキペディアの記事
1975年、東京都生まれ。北海道大学で海洋気象学を専攻し、在学中に気象予報士資格を取得。北海道文化放送の報道記者、民間の気象会社などを経て、2006年からNHK気象キャスター。現在は「首都圏ニュース845」「NEWS WEB」に出演中。
公式ウェブサイト: http://www.tenki-saita.com/
理数系書籍のレビュー記事は本書で284冊目。
茨城県常総市で鬼怒川の堤防が決壊したのは先月9日の夜から10日にかけてのことだ。千葉県で突風被害がおきたのはその3日前である。このところ過ごしやすい秋晴れの日が続いているので忘れかけていた。
子供の頃と今では天気の様子が全く違う気がする。僕の世代の方は、みなさんそう実感していることだろう。気温にしても降雨量にしても平均すれば昔とそれほど違わないのかもしれないが、突発的な気候変化、天候悪化は確実に増えていると思うのだ。
大地震や火山噴火も心配だが、異常気象による災害のほうがずっと頻繁に起きている。大雪、大雨、集中豪雨、巨大台風、竜巻、猛暑、大寒波など想定外の気象現象から災害が起こるたび、被害を受けた方のことを思って気の毒になっている昨今。
これから先、この傾向はますます悪化していくのだろうか?
地球全体が異常気象の時期に入ったと言い切ってよいのだろうか?
地球温暖化が異常気象の原因だと言われているが、それは本当だろうか?
温暖化は人類が排出する二酸化炭素が原因だと言われているが、それは本当だろうか?
日常感じるこのような疑問を整理して解説してくれるのが本書である。今年の5月に刊行されたばかりなので、最近私たちが耳にした気象災害までカバーしているのがお勧めな点だ。
中学時代は天体観測が趣味だったので、天気のことはいつも気になっていた。観測条件は天気だけでなく大気の透明度や気流の状態にも左右される。天気予報から得られる情報だけで足りないところは自分の経験を頼りにして予測するしかない。
中学1年(1975年)、天体観測を始めたばかりの頃の観測ノート(自分で天気予報をしていたことが読み取れる。)
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中学2年の秋には月面の地形に興味をもっていたようだ。大気の気流や透明度について書いていることが読み取れる。(この年の夏と秋にバイキング1号と2号が相次いで火星に着陸して史上初の火星表面のカラー写真を送ってきた。)
スケッチ1 スケッチ2 スケッチ3
新聞の天気図は切り抜いて観測ノートに貼っていたし、気象通報を聞いて天気図を何枚も書いていた。また気象についての解説本や観天望気の本も何冊か読んでいたから、ひととおりの知識は持っていた。(気象通報は今でも毎日1回午後4時からラジオ第2で放送されているし、天気図用紙も購入可能だ。)
Let's観天望気
http://freedom.mitene.or.jp/~tsune/
雲から天気を予測しよう
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でも僕が自分で天気予報をしていたのは1970年代のこと。季節は規則正しく移り変わり、災害に結びつくような異常気象はあまりなかった時代だ。だから気象について学ぶのは災害とは無縁の楽しい時間だった。
あれから40年が経ち、気象に関する本を久しぶりに読んだわけだ。気象が変化する基本的なしくみは昔と変わっていないし台風や大雪は昔からあったのだけれど、異常気象の解説の部分は目新しかった。僕にとって気象を学ぶ意味や目的が大きく変化していることに気が付いた。
気象衛星による観測や数値予報も格段に進歩している。しかしゲリラ豪雨や爆弾低気圧などという言葉が使われだしたのはいつ頃からだろう。想定外の気象現象が突発的に起こるようになったものだから、実感として観測や予報の精度が向上が追いついていない気もする。実際のところはどうなのだろう?
本書の章立ては次のとおり。
1章 天気がおかしい!
2章 「異常気象」とは何か
3章 何が天気を狂わせる?
4章 すっかり変わった? 日本の天気
5章 おかしな天気から身を守れ!
6章 知っておきたい天気の知識
著者は「NEWS WEB」でおなじみの斉田季実治さん。長年気象の仕事に携わり、視聴者に予報を伝えるだけでなく災害についての注意喚起や解説をされている。天候の状況によっては最悪の場合、生活基盤や生命を失うこともあるわけだから「伝え方」はとても大切だ。気象予報士という仕事に対する斉田さんの熱意が伝わってくる一冊だ。
長年の仕事の中で斉田さんが培われてきた知識や経験が本書の構成や内容に反映されている。さまざまなタイプの異常気象がなぜ起きているのか、どのような点に注意すべきなのかが書かれている。筋道を立てて理解することで日ごろの防災に大いに役に立つ本だと思った。もちろん新しいタイプの気象現象やしくみが理解できるので知的好奇心も満たされる。
理数系書籍として紹介したが、理系文系を問わず読んておいたほうがよい本だと思った。
2013年に斉田さんは次の本もお書きになっている。あわせてお読みになるとよいだろう。
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1章 天気がおかしい!
- 夏がおかしい! ~人命をも奪いかねない強烈な熱波~
- 冬がおかしい! ~温暖化なのに大豪雪?~
- 雨がおかしい! ~降りすぎる! 降らなすぎる!~
- 台風がおかしい! ~強大化する熱帯低気圧~
斉田気象予報士の気象コラム1:天気予報は日進月歩
2章 「異常気象」とは何か
- 何と比べて「異常」なのか
- 「異常」か、単なる「変動」か
- 「地球温暖化」とは何か
- 何が地球を熱くする?
- 温暖化すると何が困る?
- CO2だけが悪者か
- 本当は地球は冷えている?
- 国際協力で何をすべきか
斉田気象予報士の気象コラム2:どんどん精密になる観測
3章 何が天気を狂わせる?
- 海が変われば空も変わる
- ペルー沖の海水温に注意!
- つながっている「ここ」と「よそ」
- 地球規模で吹き続ける風
- 西風は揺れ動く
- 閉じ込められた気圧配置
- 氷の融解が止まらない
- 気候変動は天文現象?
- 地球を冷やす灰のベール
- 台風は今後どうなるか
斉田気象予報士の気象コラム3:「ハイエイタス」という現象
4章 すっかり変わった? 日本の天気
- 暑いぞ、ニッポン!
- 便利な暮らしが気温をあげる
- 風通しがよくない東京
- 雨雲は都会を目指す
- 「経験したことのない大雨」の多発
- 天空を駆け抜ける「大型爆弾」
- 想定外の大雪で首都圏混乱
- 空から弾丸が降ってくる?
- もう竜巻は珍しくない?
- 虫たちは北を目指す?
斉田気象予報士の気象コラム4:災害に備えるということ
5章 おかしな天気から身を守れ!
- 土砂災害の恐怖
- 川の水は「時間差」で襲う
- 都市の浸水は一気に増える
- 台風の知識は全国民必須
- 落雷から身を守る
- 雪は降ったあとが怖い
- 熱中症を甘くみるな!
- 竜巻は不意打ちをする
- 情報収集が身を守る
- 万一に備えろ!とにかく逃げろ!
斉田気象予報士の気象コラム5:いまいる場所はどんな場所?
6章 知っておきたい天気の知識
- 「空気の重さ」が天気をつくる
- 低気圧と台風は何が違う?
- 雲はどうしてできるのか
- 雨を降らせるのはどんな雲?
- 「不安定な大気」とはどういう状態?
- 「前線」とは何だ?
- 天気が西から変わる理由
- 台風は日本ばかりを狙う?
- 四季折々の気圧配置
- 天気図が読めれば明日がわかる
斉田気象予報士の気象コラム6:気象予報士になる!
資料
索引
気象の情報サイトと携帯アプリ