「The Elegant Universe: Brian Greene」(Kindle版)(Audible版)
内容紹介:
この世界の物理法則はどのように決まったのか?宇宙はなぜ存在するのか?究極の問いに対する究極の答えを求めて、物理学者の探究はついに超ひも理論へとたどり着いた!
11次元のひもが宇宙をつくる!
この本は、物理学が味わった挫折からはじまる。
物理学の歴史のなかでも華々しい成果として語られることが多い、相対性理論と量子力学。現代物理学の柱とも言えるこの二つの理論が、実は両立しないということをご存じだろうか。この両方が完全に正しいということはあり得ないのである。これは、物理学が宇宙の本当の姿を映し出す根本の理論を手にしていないという証拠だった。
数多くの天才たちがこの対立を解消しようと試みたが、挫折した。そのため、物理学は半世紀もの間、この難問を抱えたまま前進しなければならなかったのである。
しかし、今や私たちには、超ひも理論がある。本書の主題である超ひも理論は、この物理学最大の難問を解決する。そればかりではない。宇宙の本当の姿を映し出し、万物を説明し尽くす根本の理論、究極の理論であると考えられている。
宇宙の本当の姿とは?第一線の研究者である筆者が、巧みな表現で描く超ひも理論の最新成果から、驚くべき宇宙の姿が明らかになる!
2010年10月11日刊行、448ページ。(ペーパーバック版)、初版は1999年。
著者について:
ブライアン・グリーン:
Twitter: @bgreene
ニューヨーク市生まれで、幼少の頃より数学の才能に秀でていた。12歳の頃には、高校レベルの数学をマスターし、コロンビア大学の数学教授の個人指導を受けていた(計算に強かったという)。
名門スタイヴェサント高校(英語版)を経て、1980年にハーバード大学に進み学士号を取得後、ローズ奨学生としてオックスフォード大学に留学、1987年に博士号を取得した。
コーネル大学教授を経て、1996年よりコロンビア大学物理学部教授を勤めている。同校では、Institute for Strings Cosmology and Astroparticle Physics(ISCAP)の共同ディレクターとして超弦理論の宇宙論への応用に関する研究プロジェクトを率いている。
学外での活動も精力的で、海外(25ヶ国)で講演したり、一般人向けの教育テレビ番組シリーズの進行役などを務めるなどマスメディアに頻繁に登場し、最先端の物理学を一般大衆にも分かり易く紹介する啓蒙活動を行っている。近著”The Elegant Universe(エレガントな宇宙)”は、この類の書籍としては珍しくベストセラーとなり、邦訳版も出版されている。2000年のアメリカ合衆国の映画『オーロラの彼方へ』では、物理学面の考証を担当している。
理数系書籍のレビュー記事は本書で471冊目。
先日「究極理論への道: 力・時空・物質の起源を求めて:米谷 民明」を読み、無性に超弦理論を復習したくなった。この本の後半が難しかったからだ。
初めて学ぶ人には「大栗先生の超弦理論入門:大栗博司」が良いのだが、すでに何度も読んでいる。
では、「エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する:ブライアン・グリーン」にしてみようか?読んだのは9年前だから、だいぶ忘れてしまっている。この本は日本語で初めてとても詳しく超弦理論を紹介した本で2001年12月に刊行された。(注意: 超弦理論の入門書は1989年に1冊、1990年に上下巻として講談社ブルーバックスから刊行されている。)いちばん詳しいから復習にはちょうどよい。しかし、残念なことに絶版になってしまっている。大型書店にも並んでいないから、この素晴らしい本を知らない人は多いのではないだろうか。英語の勉強がてらに原書を読み、ついでに日本語版を紹介するのにはよいタイミングだと思った。
原書をKindleで読んでもよいのだが、一昨年以来仕事が忙しくなって読書の時間がとれない。そして一日中パソコンとにらめっこして仕事をしているから目が疲れていて、読みだすとすぐ疲れてしまう。
そこで思いついたのがAudible版だ。朗読であれば目を使わなくてすむ。そして英語のリスニングの力をつけるにもよい。移動中や外食中に聴くことができる。毎日夕食は外で食べているし、その後スーパーで買い物をして帰るから、1日あたり1時間以上聴くことができる。試したところすこぶるよかった。スマホのバッテリーもそれほど減らない。一度ダウンロードすればよいので、聴くたびにデータ通信量がかかるわけではない。PCでも聴くことができ「Audibleのサイト」からログインして聴けばよい。
Audibleは視覚障碍者の読書の機会を大幅に広げてくれるだけでなく、目が見える人にとっても利用価値が大きいことを実感した。
今回はこのようなわけで、本よりもAudibleの宣伝記事になった。本の内容を知りたい方は、この記事のいちばん下に載せておいた「日本語版詳細目次」を読んで想像していただきたい。
お買い求めになる方は、こちらからどうぞ。日本語版、英語版、フランス語版へリンクさせておく。日本語版は絶版なので、下記リンクのほかヤフオクやメルカリでも検索してみるとよい。(検索してみる: ヤフオク メルカリ)
「エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する:ブライアン・グリーン」(紹介記事)
「The Elegant Universe: Brian Greene」(Kindle版)(Audible版)
「L'Univers élégant: Brian Greene」(Amazon.fr)
関連動画:
2003年に超弦理論を紹介するテレビ番組が放送された。本の内容とはだいぶ違うが、超弦理論以前の物理学と超弦理論のあらましを美しいCGで紹介している。この番組のホストが、今回紹介した本の著者のブライアン・グリーン博士だ。そしてこの番組の醍醐味は、現代物理学の大御所の先生方が何人も出演されていることだ。
日本語音声、英語音声の動画を載せておく。英語音声のほうはリスニングの練習用にお使いいただきたい。
美しき大宇宙 統一理論への道(吹き替え版) 1-1: 再生リスト
The Elegant Universe 1/3 - Einstein's Dreams(英語音声+英語字幕、中国語字幕): 再生リスト
次の動画では、ブライアン・グリーン博士が、この本をベースにした超弦理論を解説している。(英語音声)
Brian Greene lecture "The elegant universe", 2000-09-22: YouTubeで再生
関連記事:
エレガントな宇宙:ブライアン・グリーン
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/404c24b68f57609900bc3d7a030333d5
大栗先生の超弦理論入門:大栗博司
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/75dfba6307d01a5d522d174ea3e13863
超ひも理論をパパに習ってみた: 橋本幸士
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/05d22e7299a4b30b24efb05cf01176a2
究極理論への道: 力・時空・物質の起源を求めて:米谷 民明
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/5e9c6159bb4d23f2f87e73cefa6c04bb
販売状況:日本語の超弦理論・M理論の教科書
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/61e4dd2232d54cf4a5f3da1aeb83975a
「The Elegant Universe: Brian Greene」(Kindle版)(Audible版)
Preface
Part I. Edge of Knowledge
ch. 1. Tied up with string
Part II. Dilemma of space, time, and the quanta
ch. 2. Space, time, and the eye of the beholder
ch. 3. Of warps and ripples
ch. 4. Microscopic weirdness
ch. 5. Need for a new theory: general relativity vs. quantum mechanics
Part III. Cosmic symphony
ch. 6. Nothing but music: the essentials of superstring theory
ch. 7. "Super" in superstrings
ch. 8. More dimensions than meet the eye
ch. 9. Smoking gun: experimental signatures
Part IV. String theory and the fabric of spacetime
ch. 10. Quantum geometry
ch. 11. Tearing the fabric of space
ch. 12. Beyond strings: in search of m-theory
ch. 13. Black holes: a string/m-theory perspective
ch. 14. Reflections on cosmoology
Part V. Unification in the twenty-first century
ch. 15. Prospects.
Notes
Glossary of Scientific Terms
References and Suggestions for Further Reading
日本語版詳細目次
はじめに
第1部:私たちはどこまで知っているのか
第1章:なぜひも理論は重要なのか
- 現代物理学をつくった3つの衝突
- 物質の根源について私たちが知っていること
- 世界には4種類の力がある
- ひも理論の基本概念
- ひも理論はすべてを説明し尽くす?
- ひも理論の現状
第2部:相対性理論 vs 量子力学
第2章:空間、時間と特殊相対性理論
- 特殊相対性理論は直感のウソをあばく
- 特殊相対性理論の根拠その1--相対性原理
- 特殊相対性理論の根拠その2--光の速さ
- するとどういうことが起こるのか
- 時間への影響その1--同時性
- 時間への影響その2--時間の遅れ
- 速く動けば長生きできる?
- それにしても、どちらが動いているのか
- 運動している物体は短くなる
- 静止した物体は時間のなかを光速で進む
第3章:一般相対性理論によるゆがみと重力
- ニュートンの重力観とは?
- ニュートンの重力理論と特殊相対性理論は両立できない
- アインシュタインが考えついたこと
- 加速によって空間と時間はゆがむ
- 一般相対性理論の基本
- 警告をいくつか
- これでニュートン理論の矛盾は解決するのか
- 時間のゆがみ再考
- 一般相対性理論を実験で立証するには
- 一般相対性理論の予言--ブラックホールとビッグバン
- 一般相対性理論は本当に正しいか
第4章:量子力学は誰にも理解できない?
- 本当に量子力学を理解している人はいない
- 量子力学が生まれたきっかけ
- エネルギーには最小単位がある
- エネルギーがかたまりをなすとはどういうことか
- 光は波なのか、それとも粒子なのか
- 物質の粒子は波でもある
- 波とは何の波か
- もう一つの解釈--ファインマンの視点
- さらに奇怪なふるまい--不確定性原理
第5章:一般相対性理論 vs 量子力学
- ミクロの世界では粒子が発生と消滅をくり返す
- 重力以外の力の量子場理論
- 力を伝えているのはメッセンジャー粒子
- 重力の量子場理論だけ見つかっていない
- 一般相対性理論 vs 量子力学
第3部:ひも理論はすべてを説明し尽くすか
第6章:超ひも理論の本質
- ひも理論小史
- ひもは古代ギリシアのアトムか
- 粒子の性質はひもの振動のしかたで決まる
- ひもはとてもきつく張られている
- きつく張られたひもがもたらす3つの効果
- ひも理論は重力と量子力学の衝突を解決する
- 衝突の解決--大雑把な答え
- ひもは本当にひもなのか
第7章:超ひもの「超」の意味
- 物理法則の対称性とはどういうことか
- スピンとは何か
- 超対称性とは何か
- 超対称性の根拠--ひも理論以前
- ひも理論における超対称性
- 多ければいい、というわけではない
第8章:目に見えない次元がたくさんある
- この宇宙は本当に3次元か
- ホースの表面について考える
- ホース状宇宙の住人たち
- 次元がたくさんあれば力の理論が統一される
- その後のカルーザ-クライン理論
- ひも理論はさらに多くの次元を必要とする
- いくつかの素朴な疑問
- 新たな次元にはどのような物理的意味があるか
- 巻き上げられた次元はどんな姿をしているのか
第9章:ひも理論の証拠は実験でつかめるか
- ひも理論をめぐる批判の嵐
- ひも理論を実験で確証するには
- すべてのカラビ-ヤウ図形を検証する?
- スーパーパートナー粒子を探せ
- 分数の電荷を帯びた粒子が見つかれば
- 一発逆転でひも理論を確証する?
- 評価
第4部:超ひも理論と時空
第10章:宇宙をあらわす新しい幾何学
- 重力理論とリーマン幾何学の核心
- 宇宙が縮むとしたら何が起きるか
- ひもが空間に巻きつく
- 空間に巻きついたひもの物理学
- 見分けのつかない2つの宇宙
- 2つの答えをめぐる論争
- 3つの疑問
- 宇宙はおそろしく小さい?
- 宇宙はプランク長さより小さくはならない
- この結論はどれくらい一般的なのか
- 同じ物理を生み出すもの--鏡映対称性
- 鏡映対称性の物理学と数学
第11章:空間を裂く--ワームホールの可能性
- ワームホールをひも理論で考える
- 鏡映の視点から空間の引き裂きをながめる
- 証明に向けて少しずつ進む
- 戦略、現れる
- 最高の物理学者ウィッテンとの競争
- 半ダースのビールと週末の仕事
- 決定的瞬間をむかえる
- ウィッテンのアプローチ
- イエス、ワームホールは存在する
第12章:ひもを超えて--M理論を探す
- 第2次超ひも理論革命の要約
- 近似的方法とはどのようなものか
- 摂動論がいつもうまくいくとは限らない
- ひも理論への摂動的アプローチ
- 近似が近似になっているのか
- ひも理論の正確な方程式
- 双対性、現れる
- 対称性の威力
- ひも理論の双対性
- ここまでのまとめ
- 超重力理論にも双対性の兆候があった
- M理論のかすかな光
- M理論と相互関連の網
- 全体像を見わたす
- ひも以外の可能性--ブレンの民主主義
- これで、答えの出ていないひも理論の疑問が解決するのか
第13章:ブラックホールをひも/M理論で考える
- ブラックホールと素粒子は同じもの?
- ひも理論は前進を可能にするか?
- 確信をもって空間の織物を引き裂く
- Eメールの洪水
- ブラックホールと素粒子をふたたび考える
- 「溶ける」ブラックホール
- ブラックホール・エントロピー
- ブラックとはどのくらいブラックか
- ひも理論の登場
- ブラックホールをめぐる謎
第14章:宇宙論をひも/M理論で考える
- 標準宇宙モデルとはどのようなものか
- ビッグバンの証拠はあるのか
- プランク時間からビッグバンの100分の1秒後まで
- 標準宇宙モデルで説明できない謎--地平線問題
- インフレーション宇宙モデルの登場
- 超ひも理論が宇宙論にできること
- はじめにプランク・サイズのかたまりがあった
- なぜ3次元だけが拡がったのか
- ビッグバン直後、カラビ-ヤウ図形は激変した?
- はじまりの前?
- M理論があらゆる力を融合させる?
- 宇宙の存在理由--多宇宙、人間原理、そして究極理論
第5部:統一にむけて
第15章:ひも/M理論の未来
- ひも理論の根本原理は何か
- 空間、時間とは本当は何か、そして、なくてもすむのか
- ひも理論は量子力学の再定式化につながるか
- ひも理論は実験で検証できるか
- 説明に限界はあるのか
- 人間の梯子
訳者あとがき
推薦図書
原注
用語解説
索引
内容紹介:
この世界の物理法則はどのように決まったのか?宇宙はなぜ存在するのか?究極の問いに対する究極の答えを求めて、物理学者の探究はついに超ひも理論へとたどり着いた!
11次元のひもが宇宙をつくる!
この本は、物理学が味わった挫折からはじまる。
物理学の歴史のなかでも華々しい成果として語られることが多い、相対性理論と量子力学。現代物理学の柱とも言えるこの二つの理論が、実は両立しないということをご存じだろうか。この両方が完全に正しいということはあり得ないのである。これは、物理学が宇宙の本当の姿を映し出す根本の理論を手にしていないという証拠だった。
数多くの天才たちがこの対立を解消しようと試みたが、挫折した。そのため、物理学は半世紀もの間、この難問を抱えたまま前進しなければならなかったのである。
しかし、今や私たちには、超ひも理論がある。本書の主題である超ひも理論は、この物理学最大の難問を解決する。そればかりではない。宇宙の本当の姿を映し出し、万物を説明し尽くす根本の理論、究極の理論であると考えられている。
宇宙の本当の姿とは?第一線の研究者である筆者が、巧みな表現で描く超ひも理論の最新成果から、驚くべき宇宙の姿が明らかになる!
2010年10月11日刊行、448ページ。(ペーパーバック版)、初版は1999年。
著者について:
ブライアン・グリーン:
Twitter: @bgreene
ニューヨーク市生まれで、幼少の頃より数学の才能に秀でていた。12歳の頃には、高校レベルの数学をマスターし、コロンビア大学の数学教授の個人指導を受けていた(計算に強かったという)。
名門スタイヴェサント高校(英語版)を経て、1980年にハーバード大学に進み学士号を取得後、ローズ奨学生としてオックスフォード大学に留学、1987年に博士号を取得した。
コーネル大学教授を経て、1996年よりコロンビア大学物理学部教授を勤めている。同校では、Institute for Strings Cosmology and Astroparticle Physics(ISCAP)の共同ディレクターとして超弦理論の宇宙論への応用に関する研究プロジェクトを率いている。
学外での活動も精力的で、海外(25ヶ国)で講演したり、一般人向けの教育テレビ番組シリーズの進行役などを務めるなどマスメディアに頻繁に登場し、最先端の物理学を一般大衆にも分かり易く紹介する啓蒙活動を行っている。近著”The Elegant Universe(エレガントな宇宙)”は、この類の書籍としては珍しくベストセラーとなり、邦訳版も出版されている。2000年のアメリカ合衆国の映画『オーロラの彼方へ』では、物理学面の考証を担当している。
理数系書籍のレビュー記事は本書で471冊目。
先日「究極理論への道: 力・時空・物質の起源を求めて:米谷 民明」を読み、無性に超弦理論を復習したくなった。この本の後半が難しかったからだ。
初めて学ぶ人には「大栗先生の超弦理論入門:大栗博司」が良いのだが、すでに何度も読んでいる。
では、「エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する:ブライアン・グリーン」にしてみようか?読んだのは9年前だから、だいぶ忘れてしまっている。この本は日本語で初めてとても詳しく超弦理論を紹介した本で2001年12月に刊行された。(注意: 超弦理論の入門書は1989年に1冊、1990年に上下巻として講談社ブルーバックスから刊行されている。)いちばん詳しいから復習にはちょうどよい。しかし、残念なことに絶版になってしまっている。大型書店にも並んでいないから、この素晴らしい本を知らない人は多いのではないだろうか。英語の勉強がてらに原書を読み、ついでに日本語版を紹介するのにはよいタイミングだと思った。
原書をKindleで読んでもよいのだが、一昨年以来仕事が忙しくなって読書の時間がとれない。そして一日中パソコンとにらめっこして仕事をしているから目が疲れていて、読みだすとすぐ疲れてしまう。
そこで思いついたのがAudible版だ。朗読であれば目を使わなくてすむ。そして英語のリスニングの力をつけるにもよい。移動中や外食中に聴くことができる。毎日夕食は外で食べているし、その後スーパーで買い物をして帰るから、1日あたり1時間以上聴くことができる。試したところすこぶるよかった。スマホのバッテリーもそれほど減らない。一度ダウンロードすればよいので、聴くたびにデータ通信量がかかるわけではない。PCでも聴くことができ「Audibleのサイト」からログインして聴けばよい。
Audibleは視覚障碍者の読書の機会を大幅に広げてくれるだけでなく、目が見える人にとっても利用価値が大きいことを実感した。
今回はこのようなわけで、本よりもAudibleの宣伝記事になった。本の内容を知りたい方は、この記事のいちばん下に載せておいた「日本語版詳細目次」を読んで想像していただきたい。
お買い求めになる方は、こちらからどうぞ。日本語版、英語版、フランス語版へリンクさせておく。日本語版は絶版なので、下記リンクのほかヤフオクやメルカリでも検索してみるとよい。(検索してみる: ヤフオク メルカリ)
「エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する:ブライアン・グリーン」(紹介記事)
「The Elegant Universe: Brian Greene」(Kindle版)(Audible版)
「L'Univers élégant: Brian Greene」(Amazon.fr)
関連動画:
2003年に超弦理論を紹介するテレビ番組が放送された。本の内容とはだいぶ違うが、超弦理論以前の物理学と超弦理論のあらましを美しいCGで紹介している。この番組のホストが、今回紹介した本の著者のブライアン・グリーン博士だ。そしてこの番組の醍醐味は、現代物理学の大御所の先生方が何人も出演されていることだ。
日本語音声、英語音声の動画を載せておく。英語音声のほうはリスニングの練習用にお使いいただきたい。
美しき大宇宙 統一理論への道(吹き替え版) 1-1: 再生リスト
The Elegant Universe 1/3 - Einstein's Dreams(英語音声+英語字幕、中国語字幕): 再生リスト
次の動画では、ブライアン・グリーン博士が、この本をベースにした超弦理論を解説している。(英語音声)
Brian Greene lecture "The elegant universe", 2000-09-22: YouTubeで再生
関連記事:
エレガントな宇宙:ブライアン・グリーン
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/404c24b68f57609900bc3d7a030333d5
大栗先生の超弦理論入門:大栗博司
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/75dfba6307d01a5d522d174ea3e13863
超ひも理論をパパに習ってみた: 橋本幸士
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/05d22e7299a4b30b24efb05cf01176a2
究極理論への道: 力・時空・物質の起源を求めて:米谷 民明
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/5e9c6159bb4d23f2f87e73cefa6c04bb
販売状況:日本語の超弦理論・M理論の教科書
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/61e4dd2232d54cf4a5f3da1aeb83975a
「The Elegant Universe: Brian Greene」(Kindle版)(Audible版)
Preface
Part I. Edge of Knowledge
ch. 1. Tied up with string
Part II. Dilemma of space, time, and the quanta
ch. 2. Space, time, and the eye of the beholder
ch. 3. Of warps and ripples
ch. 4. Microscopic weirdness
ch. 5. Need for a new theory: general relativity vs. quantum mechanics
Part III. Cosmic symphony
ch. 6. Nothing but music: the essentials of superstring theory
ch. 7. "Super" in superstrings
ch. 8. More dimensions than meet the eye
ch. 9. Smoking gun: experimental signatures
Part IV. String theory and the fabric of spacetime
ch. 10. Quantum geometry
ch. 11. Tearing the fabric of space
ch. 12. Beyond strings: in search of m-theory
ch. 13. Black holes: a string/m-theory perspective
ch. 14. Reflections on cosmoology
Part V. Unification in the twenty-first century
ch. 15. Prospects.
Notes
Glossary of Scientific Terms
References and Suggestions for Further Reading
日本語版詳細目次
はじめに
第1部:私たちはどこまで知っているのか
第1章:なぜひも理論は重要なのか
- 現代物理学をつくった3つの衝突
- 物質の根源について私たちが知っていること
- 世界には4種類の力がある
- ひも理論の基本概念
- ひも理論はすべてを説明し尽くす?
- ひも理論の現状
第2部:相対性理論 vs 量子力学
第2章:空間、時間と特殊相対性理論
- 特殊相対性理論は直感のウソをあばく
- 特殊相対性理論の根拠その1--相対性原理
- 特殊相対性理論の根拠その2--光の速さ
- するとどういうことが起こるのか
- 時間への影響その1--同時性
- 時間への影響その2--時間の遅れ
- 速く動けば長生きできる?
- それにしても、どちらが動いているのか
- 運動している物体は短くなる
- 静止した物体は時間のなかを光速で進む
第3章:一般相対性理論によるゆがみと重力
- ニュートンの重力観とは?
- ニュートンの重力理論と特殊相対性理論は両立できない
- アインシュタインが考えついたこと
- 加速によって空間と時間はゆがむ
- 一般相対性理論の基本
- 警告をいくつか
- これでニュートン理論の矛盾は解決するのか
- 時間のゆがみ再考
- 一般相対性理論を実験で立証するには
- 一般相対性理論の予言--ブラックホールとビッグバン
- 一般相対性理論は本当に正しいか
第4章:量子力学は誰にも理解できない?
- 本当に量子力学を理解している人はいない
- 量子力学が生まれたきっかけ
- エネルギーには最小単位がある
- エネルギーがかたまりをなすとはどういうことか
- 光は波なのか、それとも粒子なのか
- 物質の粒子は波でもある
- 波とは何の波か
- もう一つの解釈--ファインマンの視点
- さらに奇怪なふるまい--不確定性原理
第5章:一般相対性理論 vs 量子力学
- ミクロの世界では粒子が発生と消滅をくり返す
- 重力以外の力の量子場理論
- 力を伝えているのはメッセンジャー粒子
- 重力の量子場理論だけ見つかっていない
- 一般相対性理論 vs 量子力学
第3部:ひも理論はすべてを説明し尽くすか
第6章:超ひも理論の本質
- ひも理論小史
- ひもは古代ギリシアのアトムか
- 粒子の性質はひもの振動のしかたで決まる
- ひもはとてもきつく張られている
- きつく張られたひもがもたらす3つの効果
- ひも理論は重力と量子力学の衝突を解決する
- 衝突の解決--大雑把な答え
- ひもは本当にひもなのか
第7章:超ひもの「超」の意味
- 物理法則の対称性とはどういうことか
- スピンとは何か
- 超対称性とは何か
- 超対称性の根拠--ひも理論以前
- ひも理論における超対称性
- 多ければいい、というわけではない
第8章:目に見えない次元がたくさんある
- この宇宙は本当に3次元か
- ホースの表面について考える
- ホース状宇宙の住人たち
- 次元がたくさんあれば力の理論が統一される
- その後のカルーザ-クライン理論
- ひも理論はさらに多くの次元を必要とする
- いくつかの素朴な疑問
- 新たな次元にはどのような物理的意味があるか
- 巻き上げられた次元はどんな姿をしているのか
第9章:ひも理論の証拠は実験でつかめるか
- ひも理論をめぐる批判の嵐
- ひも理論を実験で確証するには
- すべてのカラビ-ヤウ図形を検証する?
- スーパーパートナー粒子を探せ
- 分数の電荷を帯びた粒子が見つかれば
- 一発逆転でひも理論を確証する?
- 評価
第4部:超ひも理論と時空
第10章:宇宙をあらわす新しい幾何学
- 重力理論とリーマン幾何学の核心
- 宇宙が縮むとしたら何が起きるか
- ひもが空間に巻きつく
- 空間に巻きついたひもの物理学
- 見分けのつかない2つの宇宙
- 2つの答えをめぐる論争
- 3つの疑問
- 宇宙はおそろしく小さい?
- 宇宙はプランク長さより小さくはならない
- この結論はどれくらい一般的なのか
- 同じ物理を生み出すもの--鏡映対称性
- 鏡映対称性の物理学と数学
第11章:空間を裂く--ワームホールの可能性
- ワームホールをひも理論で考える
- 鏡映の視点から空間の引き裂きをながめる
- 証明に向けて少しずつ進む
- 戦略、現れる
- 最高の物理学者ウィッテンとの競争
- 半ダースのビールと週末の仕事
- 決定的瞬間をむかえる
- ウィッテンのアプローチ
- イエス、ワームホールは存在する
第12章:ひもを超えて--M理論を探す
- 第2次超ひも理論革命の要約
- 近似的方法とはどのようなものか
- 摂動論がいつもうまくいくとは限らない
- ひも理論への摂動的アプローチ
- 近似が近似になっているのか
- ひも理論の正確な方程式
- 双対性、現れる
- 対称性の威力
- ひも理論の双対性
- ここまでのまとめ
- 超重力理論にも双対性の兆候があった
- M理論のかすかな光
- M理論と相互関連の網
- 全体像を見わたす
- ひも以外の可能性--ブレンの民主主義
- これで、答えの出ていないひも理論の疑問が解決するのか
第13章:ブラックホールをひも/M理論で考える
- ブラックホールと素粒子は同じもの?
- ひも理論は前進を可能にするか?
- 確信をもって空間の織物を引き裂く
- Eメールの洪水
- ブラックホールと素粒子をふたたび考える
- 「溶ける」ブラックホール
- ブラックホール・エントロピー
- ブラックとはどのくらいブラックか
- ひも理論の登場
- ブラックホールをめぐる謎
第14章:宇宙論をひも/M理論で考える
- 標準宇宙モデルとはどのようなものか
- ビッグバンの証拠はあるのか
- プランク時間からビッグバンの100分の1秒後まで
- 標準宇宙モデルで説明できない謎--地平線問題
- インフレーション宇宙モデルの登場
- 超ひも理論が宇宙論にできること
- はじめにプランク・サイズのかたまりがあった
- なぜ3次元だけが拡がったのか
- ビッグバン直後、カラビ-ヤウ図形は激変した?
- はじまりの前?
- M理論があらゆる力を融合させる?
- 宇宙の存在理由--多宇宙、人間原理、そして究極理論
第5部:統一にむけて
第15章:ひも/M理論の未来
- ひも理論の根本原理は何か
- 空間、時間とは本当は何か、そして、なくてもすむのか
- ひも理論は量子力学の再定式化につながるか
- ひも理論は実験で検証できるか
- 説明に限界はあるのか
- 人間の梯子
訳者あとがき
推薦図書
原注
用語解説
索引