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今は樺沢宇紀先生が和訳された「半導体デバイスの基礎」の上巻を読んでいるところだが、そうこうしているうちに気になる本が次々とでてきたので、つい買ってしまった。
これまでにも何度か言っているが「本は読まなければただの紙」である。数学書や物理学書は「半導体デバイスの基礎」上中下巻の間のタイミングでそれぞれ読んでいくことにする。(積読の言い訳になっていないことは承知している。)
雪江先生の1冊を除き、どれも比較的読みやすい「準教科書」、「副読本」ばかりなので、順番に紹介しよう。
買ってしまった数学書
いま理系人の間で話題になっている本。集合や位相の重要性は大学数学をひととおり学んだ人ならよくわかっていると思うが、高校卒業したての人がその意義を感じるのはほぼ無理である。なぜ学ぶのかわかっていないと、モチベーションがなかなか上がらない。大学に入学したての新入生にお勧めしたい1冊だ。
「「集合と位相」をなぜ学ぶのか ― 数学の基礎として根づくまでの歴史」(Kindle版)
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内容:
抽象的でわかりづらいと評判のよくない因果な科目「集合と位相」。そもそもいったいなぜこんなことを学ぶの? 本書を読めば「集合と位相」に刻まれた数学者たちの創意工夫,そして数学の発展の過程がみるみる見えてきます。
2018年3月6日刊行、224ページ。
(こんな方におすすめ)
・「集合と位相」の授業でつらい思いをしている学生の方
・現代数学に興味がある一般の方
(目次)
第1章 フーリエ級数と「任意の関数」
第2章 積分の再定義
第3章 実数直線と点集合
第4章 平面と直線は同じ大きさ?
第5章 やっぱり平面と直線は違う
第6章 ボレルの測度とルベーグの積分
第7章 集合と位相はこうして数学の共通語になった
次はこれ。昨年秋に読んで紹介した「はじめて学ぶリー群: 井ノ口順一」の姉妹本である。これを読み終えてから「リー環の話:佐武一郎」や「復刊 リー環論:松島与三」あたりに進みたい。
「はじめて学ぶリー環―線型代数から始めよう」
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内容:
使えるリー環論のすすめ。本格的にリー群・リー環について学ぶための線型代数の本。
2018年2月1日刊行、280ページ。
そして先日読んだばかりの「天に向かって続く数: 加藤文元、中井保行」で知ったp進数に触発されて買ったのがこちら。雪江明彦先生の「整数論3部作」のうちの1冊目だ。今日紹介する本の中では、いちばん難しい。準教科書ではなく教科書である。
「整数論1: 初等整数論からp進数へ」
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内容:
全3巻の整数論の教科書。
古より人々を魅了し続けてきた整数の世界。現代では、群・環・体の理論や複素関数論などを用いて、いっそう深い結果が示されています。本シリーズでは、初等整数論から現代的な整数論の初歩に至るまで、さまざまな話題を一貫してやさしく解説します。親切な証明、数多くの具体例と練習問題、応用例や先の分野の案内を通じて、整数論の感動を届けます。第1巻では、初等整数論から始め、代数的整数とp進数の基礎までを学ぶ。群・環・体の初歩も丁寧に解説。
2013年8月2日刊行、371ページ。
近いうちに買ってしまうと思われる数学書
4月14日発売予定の数学ガール(難しめのシリーズ)の6冊目。これも買わずにはいられない。僕はKindle版で買うつもり。世界中の数学者が検証に何年もかかったポアンカレ予想の証明を、どのように素人の読者に紹介するのが、とても気になっている。現在予約受付中。
「数学ガール/ポアンカレ予想」
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内容:
数学ガール、ポアンカレ予想に挑む!!
《ポアンカレ予想》は、20世紀の初頭にフランスの数学者アンリ・ポアンカレが提示した位相幾何学の問題であり、2000年にクレイ数学研究所が発表した7つの数学の難問(賞金100万ドルのミレニアム問題)の一つです。百年間、誰も証明できなかったこの問題が、 21世紀の初めにロシアのグリーシャ・ペレルマンによって証明されました。
本書は、ポアンカレ予想をテーマに、トポロジー(位相幾何学)、基本群、非ユークリッド幾何学、微分方程式、多様体、フーリエ展開などの数学的題材を解き明かしていきます。大学受験を迎えた「僕」の苦悩と数学ガールたちとの交流も軽やかに描かれます。
2018年4月14日刊行、416ページ。
『数学ガール/ガロア理論』の刊行から6年。「数学ガール」ファンはもちろん、すべての数学愛好家に捧げる一冊です。
▼内容構成
あなたへ
プロローグ
第1章 ケーニヒスベルクの橋
第2章 メビウスの帯、クラインの壺
第3章 テトラちゃんの近くで
第4章 非ユークリッド幾何学
第5章 多様体に飛び込んで
第6章 見えない形を捕まえる
第7章 微分方程式のぬくもり
第8章 驚異の定理
第9章 ひらめきと腕力
第10章 ポアンカレ予想
エピローグ
あとがき
参考文献と読書案内
買ってしまった物理学書
「超ひも理論をパパに習ってみた: 橋本幸士」に続く「パパに習ってみた」シリーズの第2弾。これも見逃せない。「マンガ 超ひも理論をパパに習ってみた―天才物理学者・浪速阪教授の70分講義」を読もうと思っているうちに、新作が刊行されてしまった。僕はKindle版を買ったので、記事トップの掲載写真には写っていない。
「「宇宙のすべてを支配する数式」をパパに習ってみた 天才物理学者・浪速阪教授の70分講義」(Kindle版)
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内容:
パパが書いた一本の数式が、宇宙のすべてを支配してる!? 身近な現象から「ヒッグス粒子」「重力波」「暗黒物質」までの最先端理論を、物理学者のパパが娘たちに70分かけてガチ語り! 物理はやっぱりオモロいわ!
2018年3月25日刊行、173ページ。
【予習】 宇宙を支配するパパ
【第0講義】 この宇宙のすべてを記述する数式がある!
【第1講義】 数式は長いけど、たった一つ
【第2講義】 項の一つ一つは、天才物理学者たち
【第3講義】 式を読もう! その1 記号は、素粒子
【第4講義】 式を読もう! その2 項は素粒子の運動
【休憩】 科学者の議論をのぞいてみた
【第5講義】 式を読もう! その3 記号のかけ算は、力
【第6講義】 絶対あるはずの、足りない「暗黒」項
【第7講義】 宇宙の謎リストと未来の数式
【復習】 そもそも、なぜ、たった一つの式?
どれも興味をそそられる本ばかりである。専門書をもう少し読まなければと思っているが、魅力的な準教科書がこう頻繁に刊行されると、手を出さずにいられない状況は今年も続きそうだ。
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これまでにも何度か言っているが「本は読まなければただの紙」である。数学書や物理学書は「半導体デバイスの基礎」上中下巻の間のタイミングでそれぞれ読んでいくことにする。(積読の言い訳になっていないことは承知している。)
雪江先生の1冊を除き、どれも比較的読みやすい「準教科書」、「副読本」ばかりなので、順番に紹介しよう。
買ってしまった数学書
いま理系人の間で話題になっている本。集合や位相の重要性は大学数学をひととおり学んだ人ならよくわかっていると思うが、高校卒業したての人がその意義を感じるのはほぼ無理である。なぜ学ぶのかわかっていないと、モチベーションがなかなか上がらない。大学に入学したての新入生にお勧めしたい1冊だ。
「「集合と位相」をなぜ学ぶのか ― 数学の基礎として根づくまでの歴史」(Kindle版)
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内容:
抽象的でわかりづらいと評判のよくない因果な科目「集合と位相」。そもそもいったいなぜこんなことを学ぶの? 本書を読めば「集合と位相」に刻まれた数学者たちの創意工夫,そして数学の発展の過程がみるみる見えてきます。
2018年3月6日刊行、224ページ。
(こんな方におすすめ)
・「集合と位相」の授業でつらい思いをしている学生の方
・現代数学に興味がある一般の方
(目次)
第1章 フーリエ級数と「任意の関数」
第2章 積分の再定義
第3章 実数直線と点集合
第4章 平面と直線は同じ大きさ?
第5章 やっぱり平面と直線は違う
第6章 ボレルの測度とルベーグの積分
第7章 集合と位相はこうして数学の共通語になった
次はこれ。昨年秋に読んで紹介した「はじめて学ぶリー群: 井ノ口順一」の姉妹本である。これを読み終えてから「リー環の話:佐武一郎」や「復刊 リー環論:松島与三」あたりに進みたい。
「はじめて学ぶリー環―線型代数から始めよう」
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使えるリー環論のすすめ。本格的にリー群・リー環について学ぶための線型代数の本。
2018年2月1日刊行、280ページ。
そして先日読んだばかりの「天に向かって続く数: 加藤文元、中井保行」で知ったp進数に触発されて買ったのがこちら。雪江明彦先生の「整数論3部作」のうちの1冊目だ。今日紹介する本の中では、いちばん難しい。準教科書ではなく教科書である。
「整数論1: 初等整数論からp進数へ」
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全3巻の整数論の教科書。
古より人々を魅了し続けてきた整数の世界。現代では、群・環・体の理論や複素関数論などを用いて、いっそう深い結果が示されています。本シリーズでは、初等整数論から現代的な整数論の初歩に至るまで、さまざまな話題を一貫してやさしく解説します。親切な証明、数多くの具体例と練習問題、応用例や先の分野の案内を通じて、整数論の感動を届けます。第1巻では、初等整数論から始め、代数的整数とp進数の基礎までを学ぶ。群・環・体の初歩も丁寧に解説。
2013年8月2日刊行、371ページ。
近いうちに買ってしまうと思われる数学書
4月14日発売予定の数学ガール(難しめのシリーズ)の6冊目。これも買わずにはいられない。僕はKindle版で買うつもり。世界中の数学者が検証に何年もかかったポアンカレ予想の証明を、どのように素人の読者に紹介するのが、とても気になっている。現在予約受付中。
「数学ガール/ポアンカレ予想」
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数学ガール、ポアンカレ予想に挑む!!
《ポアンカレ予想》は、20世紀の初頭にフランスの数学者アンリ・ポアンカレが提示した位相幾何学の問題であり、2000年にクレイ数学研究所が発表した7つの数学の難問(賞金100万ドルのミレニアム問題)の一つです。百年間、誰も証明できなかったこの問題が、 21世紀の初めにロシアのグリーシャ・ペレルマンによって証明されました。
本書は、ポアンカレ予想をテーマに、トポロジー(位相幾何学)、基本群、非ユークリッド幾何学、微分方程式、多様体、フーリエ展開などの数学的題材を解き明かしていきます。大学受験を迎えた「僕」の苦悩と数学ガールたちとの交流も軽やかに描かれます。
2018年4月14日刊行、416ページ。
『数学ガール/ガロア理論』の刊行から6年。「数学ガール」ファンはもちろん、すべての数学愛好家に捧げる一冊です。
▼内容構成
あなたへ
プロローグ
第1章 ケーニヒスベルクの橋
第2章 メビウスの帯、クラインの壺
第3章 テトラちゃんの近くで
第4章 非ユークリッド幾何学
第5章 多様体に飛び込んで
第6章 見えない形を捕まえる
第7章 微分方程式のぬくもり
第8章 驚異の定理
第9章 ひらめきと腕力
第10章 ポアンカレ予想
エピローグ
あとがき
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買ってしまった物理学書
「超ひも理論をパパに習ってみた: 橋本幸士」に続く「パパに習ってみた」シリーズの第2弾。これも見逃せない。「マンガ 超ひも理論をパパに習ってみた―天才物理学者・浪速阪教授の70分講義」を読もうと思っているうちに、新作が刊行されてしまった。僕はKindle版を買ったので、記事トップの掲載写真には写っていない。
「「宇宙のすべてを支配する数式」をパパに習ってみた 天才物理学者・浪速阪教授の70分講義」(Kindle版)
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内容:
パパが書いた一本の数式が、宇宙のすべてを支配してる!? 身近な現象から「ヒッグス粒子」「重力波」「暗黒物質」までの最先端理論を、物理学者のパパが娘たちに70分かけてガチ語り! 物理はやっぱりオモロいわ!
2018年3月25日刊行、173ページ。
【予習】 宇宙を支配するパパ
【第0講義】 この宇宙のすべてを記述する数式がある!
【第1講義】 数式は長いけど、たった一つ
【第2講義】 項の一つ一つは、天才物理学者たち
【第3講義】 式を読もう! その1 記号は、素粒子
【第4講義】 式を読もう! その2 項は素粒子の運動
【休憩】 科学者の議論をのぞいてみた
【第5講義】 式を読もう! その3 記号のかけ算は、力
【第6講義】 絶対あるはずの、足りない「暗黒」項
【第7講義】 宇宙の謎リストと未来の数式
【復習】 そもそも、なぜ、たった一つの式?
どれも興味をそそられる本ばかりである。専門書をもう少し読まなければと思っているが、魅力的な準教科書がこう頻繁に刊行されると、手を出さずにいられない状況は今年も続きそうだ。
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