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酒の肴
懐かしい本をAmazonで見つけた。ページをパラパラめくり、学生時代を思い出しながら酒を飲むのにちょうどよい。僕にとっては酒の肴本である。
大学時代の計算機実習はFORTRAN。左の黄色い表紙の教科書を授業で使っていた。その後、培風館のこの本は改訂され、「FORTRAN77入門」となった。ページ数も318ページから424ページに増えている。
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ページをめくると、学生時代の記憶が蘇ってくる。(COBOLはやっていなかったので蘇ってこない。)
FORTRAN入門(クリックで拡大)
COBOL入門(クリックで拡大)
僕のように学生時代に思いをはせたいという方はこちらからどうぞ。
「FORTRAN入門: 浦 昭二」
「FORTRAN77入門: 浦 昭二」
「COBOL入門: 大駒 誠一」
学生時代の実習環境
計算機実習の授業で使われていたのは、日立製の大型計算機。年代を考えると「HITAC Mシリーズ」のうちのどれかだったのだろう。最上位のM-180でさえ、主記憶容量(メモリーサイズ)は1〜16MBだというから、隔世の感がある。
FORTRANはこの時代(僕が入学したのは1983年)にはFORTRAN77になっていたが「FORTRAN77入門」のほうはまだ刊行していなかった。このようなパンチカードで課題のプログラムを入力する。プログラム1行がカード1枚だ。(もしやと思いAmazonとヤフオクで検索してみたが、パンチカードはさすがに販売、出品されていなかった。)
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パンチカードは専用の穿孔機があり、4台くらいあるのを学生が順番に使う。ちょうど僕が使っていたのと同じ穿孔機が見つかった。IBM製だったことを今になって知ることになった。
穴を開けたパンチカードを束ねて輪ゴムでとめて、計算機センターの受付の人に渡すのだ。実行結果は翌日、プリンター用紙に出力されたものを受け取ることになる。間違えていたらやり直しだ。
FORTRAN、COBOLの歴史
>FORTRANは1954年にIBMのジョン・バッカスによって考案された。コンピューターにおいて広く使われた世界最初の高級言語である。主に数値計算用、科学計算用として使われた。また、>COBOLは1959年に事務処理用に開発されたプログラミング言語である。
世界初のコンピュータは第二次世界大戦中に弾道計算用として開発された真空管式のENIACであり、これは配線をつなぎかえることでプログラムをする必要があった。配線のつなぎかえが不要な汎用型で世界初のコンピュータは1949年に開発された真空管式のEDSACである。(参考記事:「真空管式コンピュータへのノスタルジア(EDSAC, 1949年)」
つまり民間の技術者が簡単にプログラミングできるようになったのは、FORTRANからであり、FORTRANが初めて使えるようになったのは1954年に開発されたメインフレーム・コンピュータIBM 704からである。これも真空管式だ。
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このコンピュータを紹介する貴重な動画がある。
COBOLはIBMが1959年に発表した科学技術計算用第二世代トランジスタ版メインフレーム・コンピュータ、IBM 7090上で動作した。(その他、FORTRAN、SORT/MERGE、MAPアセンブラなども使えた。)
この写真はNASAのマーキュリー計画で使われたデュアル構成のIBM 7090である。IBM 704からたった5年で、コンピュータはものすごい進化を遂げていることがおわかりになるだろう。
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その様子を紹介した動画がこちらだ。
IBM 7090メインフレーム・コンピュータは、現在公開中の映画「ドリーム」に登場する。(上映は11月16日まで。)
FORTRANは現役だ!
昔話、酒の肴としてFORTRANやCOBOLを紹介してきたが、数値計算向きのFORTRANはバリバリの現役で、スーパーコンピュータで科学計算をするために現在でも使われているのだ。このように進化している。なんと来年7月にはFORTRAN 2015がリリースされるのだ。(参考:「現在までのFORTRANの歴史」)
Fortran 66: 世界で初めてのプログラミング言語標準
Fortran 77: 固定形式、その後広く使われる
Fortran 90 - メジャーバージョンアップ: 自由形式、モジュールなど構造化言語へ
Fortran 95 - マイナーバージョンアップ: Fortran 90 の不具合修正、FORALL, PURE, ELEMENTAL 手続など
Fortran 2003 - メジャーバージョンアップ: オブジェクト指向、C 相互利用など
Fortran 2008 - モデレートバージョンアップ: 並列処理の標準化、BLOCK 構文、数学関数の増強など
Fortran 2015 (2018年7月) - モデレートバージョンアップ: IEEE 算術への準拠、並列機能の強化、C 相互利用の強化など
この言語を知るためには、こちらのサイトがよいと思う。
Fortran入門
http://www.nag-j.co.jp/fortran/index.html
(酒の肴としてではなく)じっくり数値計算を学びたいのであれば、この2冊がお勧めだ。
「数値計算のためのFortran90/95プログラミング入門」
「Fortran90入門-基礎から再帰手続きまで-」
FORTRANを実行するには
無料のFORTRANを実際に動かしてみたい方は、次のページを参考にするとよいだろう。
64bit の Windows 7 上でフリーの fortran コンパイラを導入して、簡単なプログラムを作成する
http://d.hatena.ne.jp/arakik10/20120214/1329167074
64bit の Windows10 上でフリーの fortran コンパイラを導入して、簡単なプログラムを作成する
http://d.hatena.ne.jp/arakik10/20160101/p1
関連ページ:
Fortran オセロプログラム
http://fortranothello.web.fc2.com/
Fortranでシミュレーションをしよう
http://www.ile.osaka-u.ac.jp/research/cmp/download/forte90-text-v1.pdf
Fortran90/95入門 前半
http://www.research.kobe-u.ac.jp/csi-viz/members/kageyama/lectures/H22_FY2010_former/ComputationalScience/2_1_f95a.html
Fortran90/95入門 後半
http://www.research.kobe-u.ac.jp/csi-viz/members/kageyama/lectures/H22_FY2010_former/ComputationalScience/2_2_f95b.html
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酒の肴
懐かしい本をAmazonで見つけた。ページをパラパラめくり、学生時代を思い出しながら酒を飲むのにちょうどよい。僕にとっては酒の肴本である。
大学時代の計算機実習はFORTRAN。左の黄色い表紙の教科書を授業で使っていた。その後、培風館のこの本は改訂され、「FORTRAN77入門」となった。ページ数も318ページから424ページに増えている。
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ページをめくると、学生時代の記憶が蘇ってくる。(COBOLはやっていなかったので蘇ってこない。)
FORTRAN入門(クリックで拡大)
COBOL入門(クリックで拡大)
僕のように学生時代に思いをはせたいという方はこちらからどうぞ。
「FORTRAN入門: 浦 昭二」
「FORTRAN77入門: 浦 昭二」
「COBOL入門: 大駒 誠一」
学生時代の実習環境
計算機実習の授業で使われていたのは、日立製の大型計算機。年代を考えると「HITAC Mシリーズ」のうちのどれかだったのだろう。最上位のM-180でさえ、主記憶容量(メモリーサイズ)は1〜16MBだというから、隔世の感がある。
FORTRANはこの時代(僕が入学したのは1983年)にはFORTRAN77になっていたが「FORTRAN77入門」のほうはまだ刊行していなかった。このようなパンチカードで課題のプログラムを入力する。プログラム1行がカード1枚だ。(もしやと思いAmazonとヤフオクで検索してみたが、パンチカードはさすがに販売、出品されていなかった。)
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パンチカードは専用の穿孔機があり、4台くらいあるのを学生が順番に使う。ちょうど僕が使っていたのと同じ穿孔機が見つかった。IBM製だったことを今になって知ることになった。
穴を開けたパンチカードを束ねて輪ゴムでとめて、計算機センターの受付の人に渡すのだ。実行結果は翌日、プリンター用紙に出力されたものを受け取ることになる。間違えていたらやり直しだ。
FORTRAN、COBOLの歴史
>FORTRANは1954年にIBMのジョン・バッカスによって考案された。コンピューターにおいて広く使われた世界最初の高級言語である。主に数値計算用、科学計算用として使われた。また、>COBOLは1959年に事務処理用に開発されたプログラミング言語である。
世界初のコンピュータは第二次世界大戦中に弾道計算用として開発された真空管式のENIACであり、これは配線をつなぎかえることでプログラムをする必要があった。配線のつなぎかえが不要な汎用型で世界初のコンピュータは1949年に開発された真空管式のEDSACである。(参考記事:「真空管式コンピュータへのノスタルジア(EDSAC, 1949年)」
つまり民間の技術者が簡単にプログラミングできるようになったのは、FORTRANからであり、FORTRANが初めて使えるようになったのは1954年に開発されたメインフレーム・コンピュータIBM 704からである。これも真空管式だ。
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このコンピュータを紹介する貴重な動画がある。
COBOLはIBMが1959年に発表した科学技術計算用第二世代トランジスタ版メインフレーム・コンピュータ、IBM 7090上で動作した。(その他、FORTRAN、SORT/MERGE、MAPアセンブラなども使えた。)
この写真はNASAのマーキュリー計画で使われたデュアル構成のIBM 7090である。IBM 704からたった5年で、コンピュータはものすごい進化を遂げていることがおわかりになるだろう。
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その様子を紹介した動画がこちらだ。
IBM 7090メインフレーム・コンピュータは、現在公開中の映画「ドリーム」に登場する。(上映は11月16日まで。)
FORTRANは現役だ!
昔話、酒の肴としてFORTRANやCOBOLを紹介してきたが、数値計算向きのFORTRANはバリバリの現役で、スーパーコンピュータで科学計算をするために現在でも使われているのだ。このように進化している。なんと来年7月にはFORTRAN 2015がリリースされるのだ。(参考:「現在までのFORTRANの歴史」)
Fortran 66: 世界で初めてのプログラミング言語標準
Fortran 77: 固定形式、その後広く使われる
Fortran 90 - メジャーバージョンアップ: 自由形式、モジュールなど構造化言語へ
Fortran 95 - マイナーバージョンアップ: Fortran 90 の不具合修正、FORALL, PURE, ELEMENTAL 手続など
Fortran 2003 - メジャーバージョンアップ: オブジェクト指向、C 相互利用など
Fortran 2008 - モデレートバージョンアップ: 並列処理の標準化、BLOCK 構文、数学関数の増強など
Fortran 2015 (2018年7月) - モデレートバージョンアップ: IEEE 算術への準拠、並列機能の強化、C 相互利用の強化など
この言語を知るためには、こちらのサイトがよいと思う。
Fortran入門
http://www.nag-j.co.jp/fortran/index.html
(酒の肴としてではなく)じっくり数値計算を学びたいのであれば、この2冊がお勧めだ。
「数値計算のためのFortran90/95プログラミング入門」
「Fortran90入門-基礎から再帰手続きまで-」
FORTRANを実行するには
無料のFORTRANを実際に動かしてみたい方は、次のページを参考にするとよいだろう。
64bit の Windows 7 上でフリーの fortran コンパイラを導入して、簡単なプログラムを作成する
http://d.hatena.ne.jp/arakik10/20120214/1329167074
64bit の Windows10 上でフリーの fortran コンパイラを導入して、簡単なプログラムを作成する
http://d.hatena.ne.jp/arakik10/20160101/p1
関連ページ:
Fortran オセロプログラム
http://fortranothello.web.fc2.com/
Fortranでシミュレーションをしよう
http://www.ile.osaka-u.ac.jp/research/cmp/download/forte90-text-v1.pdf
Fortran90/95入門 前半
http://www.research.kobe-u.ac.jp/csi-viz/members/kageyama/lectures/H22_FY2010_former/ComputationalScience/2_1_f95a.html
Fortran90/95入門 後半
http://www.research.kobe-u.ac.jp/csi-viz/members/kageyama/lectures/H22_FY2010_former/ComputationalScience/2_2_f95b.html
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